女性の筋トレで筋肉は朝と夕方で厚さが違う?水分移動と成長を分けて読む

筋トレを始めて、朝より夕方の脚が張ると筋肉が増えたのか気になる。筋肉の厚さは測る直前の運動や水分の状態でも変わる。女性を対象とした試験や測定条件の研究から、一時的な膨らみと継続したトレーニングによる成長を分け、時刻だけで決めつけずに記録を比べるための見方を考える。

筋トレを終えて着替えると、来るときに履いていたパンツの脚が張って感じる。筋トレを始めたばかりなら、「もう筋肉が増えたのか」と鏡を見直したくなる。ただ、その感覚と、画像で測る筋肉の厚さと、長く続けた結果の筋肉の成長は、同じものとして扱わないほうがよい。[3][16]

筋肉の厚さは運動の直後にも変わり、水分移動によって短時間で増える場合がある。測定前の活動を変えた試験では、かかと上げやジョギングのあとに厚さが増えた。朝と夕方という時計の違いだけを見て、筋肉が育った、あるいは減ったとは判断できない。[3][16]

「筋トレ 女性 体重増える」「筋トレ 女性 体脂肪率」と調べている人にも、ここは分けておきたい。既存記事「除脂肪体重が増えたら筋肉が増えたのか?運動前後の水分を含む数字の読み方」に全身の数字の話を譲り、この記事では、筋肉を画像で測ったときの厚さと、測るまでに何をしたかに焦点を絞る。

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朝と夕方を比べる前に、直前の行動を比べる

朝の測定と夕方の測定では、時計以外の条件も違っているかもしれない。起きてから静かに過ごした日と、駅まで走ってから測った日を比べれば、時刻と活動を切り離しにくい。実際に直前の運動で筋肉の厚さが変わるなら、測定時刻を記録するだけでは比較の条件をそろえきれない。[16]

この問題を調べた無作為化クロスオーバー試験では、健康な男女30人が、自転車、ジョギング、かかと上げ、対照条件を経験した。クロスオーバーとは、同じ参加者が異なる条件を経験して比較する研究の組み方である。男性16人、女性14人を対象に、活動の前後と、その後の経過を測っている。男女を合わせた結果なので、18〜39歳の女性にも同じ増加率が当てはまるかは別に検討する必要がある。[16]

筋肉の厚さは、かかと上げのあとに10.3%、ジョギングのあとに3.0%増えた。一方、自転車と対照条件では厚さへの影響が認められなかった。同じ「測定前に体を動かした」でも、活動の種類によって結果が違ったのである。運動したかどうかだけでなく、何をしたかまでが、画像を読む手がかりになる。[16]

この研究では、運動後10分の時点にも厚さの変化が残り、報告された増加は5.3%だった。著者らは、かかと上げのような活動の影響を小さくするには、測定前に10分を超える休息が必要だったとしている。測定までの休息も、活動名と一緒に残すべき条件である。適切な待機時間は活動の種類や測定目的に応じて担当者と確認する。[16]

測定の予約を取るときには、到着直後に測るのか、休息を挟むのかを先に確認しておく。移動で走った日には、その事実を受付で伝える。ジョギングとかかと上げで違う反応が出た研究を踏まえれば、「普段どおり来た」という説明より、何をして到着したかのほうが比較に役立つ。これは研究の結果を記録作りへ応用する提案である。[16]

朝夕の比較には、時刻と活動をそれぞれ記入する欄を作ると整理しやすい。運動を終えた時刻、測定を始めた時刻、間に座っていたか歩いていたかを文章で残す。そうすれば、あとから増加が見つかった際に、休息条件がそろっていたかを確かめられる。時計だけで説明するよりも、差の生じた場面に戻れる記録になる。[16]

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水分で膨らんだ筋肉も、画像では厚く見える

水分移動の影響を考える手がかりに、運動を行わずに血流を制限した小規模試験がある。血流制限とは、研究用のカフで血液の流れを制限する操作である。参加者9人に行った試験で、太ももの外側の筋肉である外側広筋の厚さが6%、前面の大腿直筋の厚さが22%増え、血漿量は15%減った。研究用の血流制限という特殊な条件の結果であり、18〜39歳の女性の日常の脚にも同じ割合を当てはめるには検証が必要である。[3]

血漿は血液の液体部分である。この試験では、厚さの増加と血漿量の減少が同時に観察され、著者らは急な水分移動による筋肉サイズの増加が関わる可能性を示している。ここで注目したいのは、成長のための運動を続けた前後ではなく、短時間の操作の前後で厚さが変わったことだ。画像の境界が広がったという事実だけでは、その中身が長期の成長であるとは決まらない。[3]

しかも、この変化はカフを外したあとにも維持された。操作終了後も、体には反応が残っていたのである。先ほどの測定前活動の試験でも、運動終了後に厚さの変化が残っていた。原因となる操作と測定との間に時間があっても、影響が消えたと自動的に考えないほうがよい。[3][16]

ただし、血流制限を受けた参加者の結果を、普段の通勤で感じる脚の張りにそのまま当てはめることはできない。22%という数字は、日常の朝夕差の目安でも、女性全体の標準的な変動幅でもない。特定の操作で、水分移動を伴って厚さが増える場合があることを示す数字である。大きな数字ほど、何をした場面の数字かを添えて読む必要がある。[3]

水分の状態を変えた別の研究では、筋トレ経験のある男性14人が、水分を保った条件と、24時間の飲水制限で脱水を起こした条件で同じ筋力運動を行った。研究は、脱水と運動の組み合わせが全身の水分バランスを変え、筋肉内からの水分移動が血漿量の維持に一部関わる可能性を示した。男性の結果を18〜39歳の女性の朝夕差にそのまま当てはめるには検証が必要だが、水分の状態を比較条件として考える手がかりになる。[2]

これは、測定値を小さくするために水を控える提案ではない。飲水制限は、この研究で条件の違いを作るための操作である。体の水分を変えて得た数字と、普段の状態で得た数字を並べても、筋肉がどれだけ育ったかを素直に読み取る比較にはならない。測定値を動かすことと、知りたい変化を測ることは別だ。[2][16]

女性の試験でも、直後の変化と長期の成長は別に読む

女性19人を対象とした無作為化試験では、低負荷の血流制限運動について、決まった回数を行う方法と、限界まで行う方法を比べた。脚を伸ばす運動のあと、筋肉の厚さや断面積などを調べている。断面積は、筋肉を輪切りにした断面の広さを指す。この試験は、同じ人の運動直後の反応を、運動の組み方によって比較したものだ。[4]

厚さの変化が、測定上の実際の変化を見分ける基準を超えた参加者は、各方法で19人中16〜19人だった。一方、運動方法による筋肉サイズの反応は同程度であり、限界まで3セット行う方法で主観的なきつさが最も大きかった。きつく感じた方法ほど、直後のサイズ変化も大きいという単純な並びにはならなかったのである。[4]

この結果は女性に関する直接の情報だが、血流制限を使った脚の運動という範囲を持つ。普通の筋トレやヨガでも同じ人数割合で厚さが変わると読むことはできない。また、直後の厚さの変化を比較した結果から、その方法が将来いちばん筋肉を育てるとも決められない。研究が比べたのは、運動後の急な反応である。[4]

一方、継続した筋トレの試験もある。筋トレ未経験の高齢女性175人を対象にした無作為化比較試験では、筋力運動を行う群と、介入を行わない対照群を12週間比較した。対照群に対する運動群の効果は、太もも前面の厚さで0.32cm、外側で0.23cmだった。前面の95%信頼区間は0.24〜0.41cm、外側は0.17〜0.30cmである。高齢女性を対象とするため、18〜39歳の女性が同じ期間に同じだけ成長すると予測するには追加の検証が要る。[13]

同じ試験で、膝を伸ばす運動の最大挙上重量への効果は7.02kg、95%信頼区間は6.01〜8.04kgだった。最大挙上重量とは、その運動で最大限に持ち上げられる重さである。厚さと力をそれぞれ測ったうえで、太もも前面の成長が筋力増加の一部を媒介するという分析結果が得られた。外側については、同様の媒介効果は有意でなかった。[13]

継続後の評価を相談するときは、厚さと筋力のどちらを見たいかを先に伝えるとよい。高齢女性の試験は、画像だけでなく膝を伸ばす力も評価した点に特徴がある。日常で記録するなら、運動名や扱った負荷、動作の感覚を、厚さの記録とは別に残す方法が考えられる。厚さの増減だけで、取り組んだ内容のすべてを採点する必要はない。[13]

数字で読む筋肉の厚さと測定条件

30人:測定前の活動を比べた健康な男女の人数。[16]

10.3%:その試験のかかと上げ直後の厚さの増加。[16]

22%:9人の血流制限試験で観察された大腿直筋の厚さの増加。日常の朝夕差ではない。[3]

19人:低負荷の血流制限運動の直後を比較した女性の人数。[4]

0.32cm:高齢女性の12週間の試験で、対照群と比較した太もも前面の厚さへの効果。[13]

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