糖質制限で消費カロリーは増える?摂取量をそろえた試験と測り方の違いを読む

糖質制限なら同じ摂取カロリーでも多く消費するのか。入院中に食事をそろえた試験と、減量後の体重を維持した試験を比較する。安静時と一日の総消費量、測定方法、同じ試験の追加解析を分け、消費が増えた数字をそのまま脂肪減少や食事量の目安にできない理由を研究から読む。

夕食の茶碗を小さくしたら、体が使うカロリーまで増えるのだろうか。糖質を減らす話には、食べる量を変える話と、同じ量でも多く消費するという話が混ざっている。献立を決める前に、後者がどこまで確かめられたのかを見たい。

答えは、糖質制限による総エネルギー消費量の増加は報告されているが、確認された条件と効果は限定的、である。同じ摂取量で糖質を脂質に置き換えた入院試験では消費量が小幅に増えたものの、体脂肪の減少は増えなかった。一方、減量後の体重維持を調べた試験では、低糖質食で総消費量が高かった。[15][4]

したがって、糖質制限という名前だけを理由に自分の消費量へ上乗せしたり、さらに食事を削ったりする判断には進めない。日々の食事では、消費が増えることを当てにせず、主食と置き換えた料理を含めた全体を確認するのが出発点になる。[15][4][6]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

「代謝が上がる」は、どの消費量の話か

食事研究で登場する安静時エネルギー消費量は、安静にした状態で測る消費量である。一日の総エネルギー消費量とは区別したい。低糖質食の試験にも、安静時を主に測るものと、生活中の総量を測るものがあり、同じ「代謝」という見出しの下に異なる結果が並びやすい。[1][4][6]

たとえば、肥満のある成人を対象とした無作為化比較試験の探索的な追加解析では、低糖質食を含む食事法の間で、安静時消費量の変化に統計的な差は認められなかった。それに対して減量後の維持試験で増加が報告された主な指標は、二重標識水法で測った総消費量だった。肥満のある成人の結果を18〜39歳の女性全般へ適用するには、年齢や体格の違いを考慮する必要がある。[1][4]

また、体重がより減ったことも消費量の増加を直接意味しない。肥満のある女性を比べた試験では低糖質群の減量が大きかったが、安静時消費量や歩数による活動の推定は群間で違わなかった。肥満のある女性を調べた結果であり、18〜39歳の女性全般にも同じ減量差が生じるかは別に検証する必要がある。[6]

検索結果に「代謝アップ」とあったら、まず何を測った話なのかを見る。横になっているときか、眠っているときか、生活を含む総量か。これは細かな言葉遣いの問題ではなく、あとで紹介する試験を同じ物差しで読むための入口である。[15][4][6]

安静時の測定で用いられる間接熱量測定は、呼吸のガス交換からエネルギー消費を推定する方法である。食べたものの記録から計算する摂取量とは、測る対象がそもそも違う。食事記録の数値が減った日に「代謝も減った」と感じても、記録だけで安静時消費量を測ったことにはならない。[1][6][15]

食事を変えて体重が動いた場面では、つい原因をひとつに絞りたくなる。しかし消費量を問う研究は、実際にその指標を測って説明を確かめている。女性の試験が示したのは、減量の差を見つけたあとに消費量も調べると、予想していた説明が成り立たなかった、という順序である。結果とその説明を分けるところに、測定する意味がある。[6]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

同じ摂取カロリーにそろえた入院試験では

過体重または肥満の男性17人を代謝病棟に入院させた試験では、高糖質の食事を4週間、その後に同じ摂取エネルギーのケトン食を4週間提供した。たんぱく質量も固定した。ケトン食とは、糖質を大きく減らし、ケトン体の産生を促す食事である。この試験は糖質を減らすときに脂質へ置き換え、食べる総量の違いを抑えて比較した。男性のみの入院試験なので、18〜39歳の女性の普段の生活へそのまま当てはめることはできない。[15][5]

参加者は毎週、連続した2日間を代謝測定室で過ごした。ここで測った消費量はケトン食への切り替え後に57±13 kcal/日増え、睡眠中の消費量は89±14 kcal/日増えた。二重標識水法で測った値の増加は151±63 kcal/日だった。同じ参加者でも測定の仕方によって増加幅が違ったのである。[15]

肝心なのは体脂肪の結果だ。ケトン食の期間には体脂肪減少が速まらず、むしろ減少の速度が落ち、たんぱく質の利用増加と除脂肪量の減少も伴った。除脂肪量は脂肪以外の体の部分をまとめた量である。この試験から「消費が増えた分だけ体脂肪も多く落ちる」とは結論できない。[15]

さらに、摂取量を両食事で同じにしたことと、体重が安定する量を食べていたことは別である。試験全体では約300 kcal/日のエネルギー不足に相当する体重・体脂肪の減少があった。「同じカロリー」は比較する食事同士の関係を表し、参加者にとって不足も余りもないという意味ではなかった。[15]

食事の順番も見落とせない。この研究は高糖質食の後にケトン食へ切り替えた試験であり、自由に暮らす女性が好きな献立を選んだ研究ではない。男性の入院中に観察された小幅な差を、帰宅後の夕食を変えた自分の固定の上乗せ量として使うのは、対象も生活条件も広げすぎる。[15]

減量後の維持試験では、より大きい差が出た

別の無作為化比較試験では、体格指数が25以上の成人164人を、減量後に糖質の比率が異なる食事へ割り付けた。対象年齢は18〜65歳、試験食の期間は20週間だった。糖質由来のエネルギー比率は高糖質群60%、中糖質群40%、低糖質群20%で、たんぱく質をそろえた。18〜39歳の女性だけの試験ではなく、減量後という条件もあるため、そのままの増加量を女性全般に当てはめることはできない。[4]

ここでは体重維持のために食事のエネルギー量を調整した。先ほどの入院試験のように「同じ摂取量の食事へ切り替える」問いとは違い、「減量した体重を保っている間、食事構成によって総消費量が違うか」を調べたのである。同じ食事比較でも、何をそろえ、何を結果として測るかが変わっている。[4][15]

割り付けに基づく解析では、低糖質群の総消費量の変化は高糖質群より209 kcal/日大きく、95%信頼区間は91〜326 kcal/日だった。これは研究で推定された群間差の不確かさを表す範囲であり、全員の増加量がこの中に収まるという意味ではない。中糖質群の差は91 kcal/日で、95%信頼区間は−29〜210 kcal/日と、差がない値も含んだ。[4]

目標の体重維持を達成した人に絞る解析では、低糖質群と高糖質群の差は278 kcal/日だった。ただし、対象を絞った解析と割り付けに基づく解析は同じものではない。大きい数字だけを取り出して「糖質制限ならこれだけ増える」と書くと、どの参加者を比べた値なのかが消えてしまう。[4]

糖質20%という試験食の条件も、日常語の「ご飯を少し控えた」と同じではない。糖質の比率が異なる食事へ割り付け、たんぱく質をそろえ、体重に応じてエネルギー量を調整する組み合わせで得られた結果である。糖質の数字だけを抜き出し、ほかは普段どおりにした食事へ効果を移すと、試験で比較した条件から離れる。[4]

ここでの低糖質群は糖質をゼロにした群でもない。レビューが低糖質と高糖質の定義を明確にする必要を強調するのも、食事の呼び名だけでは中身が確定しないからだ。糖質を脂質に置き換えたのか、たんぱく質も増えたのか、総量も減ったのかを確認して初めて、同じ種類の比較なのかが分かる。[4][5]

維持期の結果には、減量したあとの体を調べたという時間の条件も付いている。これから食事を変え始める人と、すでに減量してその体重を維持する人を、自動的に同じ段階とは扱えない。反対に、短い入院試験で体脂肪減少が増えなかったことだけを理由に、維持期の総消費量の結果をなかったことにもできない。別の問いに答えた研究として並べる必要がある。[4][15]

帰宅後、主食を減らした代わりに別の料理を増やしたとする。その変更を見て、入院試験と同じ総量の置き換えだと判断するには、料理全体の情報が要る。糖質を控えたという行動の記録だけでは、摂取エネルギーを固定した比較にも、体重維持のために調整した比較にもならない。研究の食事条件を知ることは、日常の食事を研究そのものと思い込まないためにも役立つ。[15][4]

数字で読む糖質制限と消費量

17人:同じ摂取エネルギーの食事へ切り替えた入院試験の男性参加者数。[15]

57±13 kcal/日:その試験で代謝測定室が捉えた消費量の増加。[15]

151±63 kcal/日:同じ試験を二重標識水法で測った増加。[15]

20週間:減量後の体重維持を比べた無作為化試験の試験食期間。[4]

209 kcal/日:維持試験の低糖質群と高糖質群の総消費量の変化の差。95%信頼区間は91〜326 kcal/日。[4]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約