最新の体験料金は料金ページ、最新のスケジュールは体験予約ページでご確認ください。体験レッスンは、ヨガ・ピラティスが1,980円(税込/税抜1,800円)、キックボクササイズが4,980円(新規の方限定)です。
夜の11時、台所。冷凍庫を開けて、製氷皿から氷をひとつ取り出す。口に入れて、ガリッと噛む。もうひとつ。気がつくと、製氷皿が半分空になっている。夏だけの話ではありません。暖房の効いた冬の夜でも、なぜか氷が欲しくなる。
朝は朝で、駅の階段を上りきったところで息が上がっている。心臓の音が耳の奥まで響いてくる。まだそんな年でもないのに、と思いながら、手すりにつかまって数秒だけ立ち止まる。週末に爪を切ろうとしたら、親指の爪の先が少し反り返って、スプーンのような形になっていた。
ひとつずつなら、「疲れているのかな」で片づけてしまえるものばかりです。でも、この三つが同じ人に同時に起きているなら、体は別のことを言っているのかもしれません。鉄が足りていない、と。
月経のある女性にとって、鉄不足はとても身近な問題です。しかもやっかいなことに、毎年の健康診断で「貧血なし」と言われていても、体の中の鉄の貯金はほとんど空、ということがあります。
オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、溶岩プレートの床の上でヨガをしているスタジオです。室温35〜40℃、湿度60〜70%の部屋で汗をかく。そういう場所だからこそ、鉄が足りない体にとって暑い部屋がどういう場所になるのかを、正直に書いておきたいと思います。先に言っておくと、溶岩の床は体を温めてはくれますが、鉄は1ミリグラムも足してくれません。

要点(結論から)
- 「貧血っぽさ」には、立ちくらみ(いわゆる脳貧血)と、血液の貧血が混ざっている。鉄不足では、疲れやすさ、階段での息切れや動悸、爪の反り、氷を噛みたくなる、などが鉄不足の手がかりになる。
- 鉄は、汗よりも月経で出ていく。体には鉄を外へ出す仕組みがほとんどなく、食べた鉄も一部しか吸収されない。月経のある人は、出ていく分が多くなりやすい。
- 鉄不足は、貯蔵鉄(フェリチン)が減るところから始まり、ヘモグロビンは最後に下がる。健診で「異常なし」でも、鉄の貯金が少ない「隠れ貧血」のことがある。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
「貧血っぽさ」の正体を、ひとつずつほどく
「貧血っぽい」という言葉は、ふだん、かなり広い意味で使われています。まずそこを分けておきます。
朝礼で長く立っていて、目の前が暗くなって倒れそうになる。お風呂から急に立ち上がって、くらっとする。こうしたものを「貧血を起こした」と言うことがありますが、多くは、立ち上がったときなどに頭へ回る血液が一時的に足りなくなる「立ちくらみ」や、いわゆる「脳貧血」と呼ばれるものです。血液そのものが薄くなっているとは限りません。
一方、医学でいう貧血は、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンが少なくなった状態です。ヘモグロビンは赤血球の中にあるたんぱく質で、その中心に鉄があります。鉄が足りなくなると、ヘモグロビンが十分につくれなくなる。これが「鉄欠乏性貧血」で、貧血のなかで代表的なタイプです。
鉄不足では、次のようなサインが現れることがあります。
- 疲れやすい、だるい、朝から体が重い
- 階段や坂道で息が切れる、動悸がする
- 頭痛がする、集中しにくい
- 顔色が悪い、唇や下まぶたの裏の色が白っぽい
- 爪が薄く割れやすい、反り返ってスプーンのような形になる(匙状爪)
- 口の端が切れる、舌がひりひりする
- 氷をガリガリ噛みたくなる
- 寒さに弱くなる
- 夜、脚がむずむずして眠りにくい
このなかで少し意外に感じるのが、氷を噛みたくなる、というものだと思います。栄養にならないものを無性に口にしたくなることを「異食症」と呼び、氷を噛みたくなるのはその一つで「氷食症」と呼ばれます。鉄が足りない人に見られることがあり、鉄不足の治療によっておさまる場合があります。なぜ鉄と氷が結びつくのか、仕組みには未解明の部分があります。ただ、「最近やたらと氷を噛んでいる」は、自分で気づける大事な手がかりになります。
もう一つ知っておきたいのは、ゆっくり進んだ鉄不足は自覚しにくい、ということです。何か月、何年とかけて少しずつ鉄が減っていくと、体はその状態に慣れていきます。息切れも、だるさも、「もともと体力がないから」「年のせいだから」と思い込んでしまう。治療をして数値が戻ってから、前はこんなに疲れていたのかと振り返る場合もあります。
なお、ここに挙げたものは、どれも鉄不足だけで起きるわけではありません。甲状腺の病気、心臓や肺の病気、睡眠不足、気持ちの落ち込みなど、ほかの理由でも似たことが起きます。「当てはまるから鉄不足だ」と決めつけず、気になるなら血液検査で確かめる。それがいちばんの近道です。

鉄は、汗より月経で出ていく
では、なぜ月経のある女性に鉄不足が多いのか。
体の中の鉄の多くは、赤血球のヘモグロビンの中にあります。つまり、血液が出ていけば、鉄も一緒に出ていきます。月経は、毎月決まって血液を失う仕組みでもあります。
鉄は、毎日少しずつ体から失われています。はがれ落ちる皮膚や腸の細胞、汗などと一緒に、ごくわずかずつ。ここまでは男性も女性も同じです。月経のある人は、そこに毎月の月経の分が上乗せされます。
さらにやっかいなのは、私たちの体には、鉄を自分から外へ出す仕組みがほとんどないことです。そのかわり、腸から鉄をどれだけ取り込むかで、体の中の量を調整しています。しかも、食べた鉄のうち実際に吸収されるのは一部にすぎません。入ってくる量は少なく、出ていく量は月経の分だけ多い。この差が何か月も続くと、少しずつ貯金が減っていきます。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の鉄の表では、30〜49歳女性の推奨量は、月経なしで1日6.5mg、月経ありで10.5mgです。これは同版の比較例で、差は4mg、約1.6倍。サプリでその差を埋めるという指示ではなく、食事全体でとる量の目安です。それだけ、月経が鉄の出入りに与える影響は大きいということです。
月経の量は、人によって大きく違います。量の多い人は、それだけ多くの鉄を毎月失っています。そして、自分の月経が多いのか少ないのかは、案外分かりません。他人と比べる機会がほとんどないからです。「昔からこんなもの」と思ってきた量が、実は多すぎることもあります。量を見る手がかりは、ナプキンを替える間隔や、夜中にも交換が必要かどうかです。
ここで、汗の話をしておきます。汗にも鉄はわずかに含まれていますが、その量は月経に比べればずっと少ないと考えられています。「ホットヨガで汗をかくと鉄が抜けて貧血になる」と、心配しすぎる必要はないと思います。
ただし、逆も成り立ちません。汗をかけば鉄の巡りがよくなる、体の中で鉄が増える、ということもありません。鉄は、食べ物から取り込むしかない栄養素です。溶岩の床の上でどれだけ汗をかいても、鉄の貯金は増えません。暑い部屋に通うことと、鉄を補うことは、まったく別の話として考えてください。
もう一つだけ。長い距離を走る人など、運動量のとても多い人は、鉄不足への注意が必要です。着地の衝撃で赤血球が壊れる、汗の量が多い、などいくつかの理由が挙げられています。週に何回かヨガのクラスに出る程度ですぐにそうなるとは考えにくいのですが、ランニングなど、ほかにも強い運動を重ねている人は、頭の片隅に置いておいてください。
「隠れ貧血」― ヘモグロビンはいちばん最後に下がる
健康診断の結果を見て、「貧血の項目は基準内だったから大丈夫」と思っている人は多いと思います。でも、鉄不足は、ヘモグロビンが下がるより前から始まっています。
鉄の減り方は、よく三つの段階で説明されます。
- 貯金が減る段階。肝臓などに蓄えられている鉄(貯蔵鉄)が減っていく。ヘモグロビンはまだ普通
- 貯金が尽きかける段階。赤血球をつくる材料の鉄が足りなくなり始める
- 貧血の段階。ヘモグロビンが下がり、検査で貧血と分かる
体は、ヘモグロビンをできるだけ守ろうとします。酸素を運ぶのは、命に関わる仕事だからです。そのために貯金を先に使い、貯金が底をついてから、ようやくヘモグロビンが下がり始める。言いかえると、健診でヘモグロビンが基準内でも、貯金はほとんど残っていない、ということがありうるわけです。この、貧血にはなっていないけれど貯蔵鉄が少ない状態を、「隠れ貧血」や「潜在性鉄欠乏」と呼ぶことがあります。
貯蔵鉄の量の目安になるのが、血液検査の「フェリチン」という項目です。フェリチンは鉄を蓄えておくたんぱく質で、血液中のフェリチンの値は、体の鉄の貯金の量をおおまかに映すと考えられています。
ところが、一般的な健康診断の項目には、フェリチンは入っていないことが多いのです。健診で測るのは、多くの場合、ヘモグロビンや赤血球の数など。ですから「健診で異常なし」は、「鉄の貯金が十分」と同じ意味ではありません。
参考までに、WHO(世界保健機関)は、妊娠していない成人女性の貧血の目安を、ヘモグロビン12 g/dL未満としています。ただ、どこからを「少ない」と見るかは、検査をする施設や指針によって線の引き方が少しずつ違います。フェリチンも同じで、どの値から鉄不足と見るかは一律ではありません。また、フェリチンは体に炎症があると高めに出ることがあり、その場合は鉄が少なくても数字の上では隠れてしまうことがあります。数字だけを見て自分で判断せず、医師に読んでもらうのが確実です。
健診の紙には、測った項目と測っていない項目があります。ヘモグロビンの欄だけを見て、体の訴えまで片づけないこと。息切れや氷を噛む癖が気になるなら、その始まった時期を紙の余白に書き添えておきましょう。検査の数字と暮らしの実感を、別々にしないためです。

暑い部屋で、ふらつきやすい日の見分け方
ここからは、スタジオの話です。
暑い部屋では、体は熱を逃がすために、皮膚へ多くの血液を送ります。汗で体の水分も減っていきます。そのぶん、頭や筋肉に回す血液の余裕は小さくなる。暑い部屋で体を動かせば、誰でも心臓の仕事は忙しくなります。ここでは、鉄と酸素を運ぶ働きに絞って話を進めます。
鉄が足りず、ヘモグロビンが少ない体は、同じ量の血液で運べる酸素が少ない状態です。それでも体のすみずみに酸素を届けようとして、心臓はより多く、より速く血液を送り出そうとします。ふだんから階段で動悸がするのは、そのためと考えられています。そこに暑さが重なれば、余裕はさらに小さくなります。立ちくらみやふらつきが出やすくなるのは、無理のないことです。
まだ貧血と言われていない「隠れ貧血」の段階でも、だるさや疲れやすさが現れる場合があります。自分の体の余裕を、ふだんより少なめに見積もっておく。それくらいがちょうどいいと思います。
次のような日は、ふらつきやすい日と考えて、いつもより強度を下げるか、休むことも考えてください。
- 月経の量が多い日(何日目がピークかは人によって違います)
- 朝から、あるいは昼から、ほとんど何も食べていない
- ダイエットで食事を減らしている時期
- 前の晩、よく眠れなかった
- 前の晩にお酒を飲んだ
- 駅の階段で、いつもより息が上がった
- 最近、立ち上がったときに目の前が暗くなることが増えた
- 「顔色が悪いね」と言われた
- 献血をした当日
- 貧血と言われて治療を始めたばかりで、まだ数値が戻っていない
とくに最後の二つは、来る前に一度立ち止まってほしいところです。献血をした日は、激しい運動を控えるよう案内されるのが一般的です。貧血の治療中の人は、暑い部屋で運動してよいか、どのくらいの強さならよいかを、主治医の許可を得てから来てください。
月経中にスタジオへ行くかどうかは、行ってもいいし、行かなくてもいい。それは自分で決めていいことです。ただ、月経の量が多い人ほど、その日の体は、鉄も水分も余裕が少なくなっています。量の多い日は、来るとしても「今日はいつもの半分でいい」と最初から決めておくと楽です。
レッスン中に、目の前が白くなったら
ふらつきには、前ぶれがあることも、ないこともあります。耳が遠くなるような感じ、目の前が白っぽくなる、暗くなる、冷や汗、急な吐き気、立て続けのあくび。こうしたものが来たら、迷わず止まってください。
- 頭を低くする。立っているポーズの途中なら、その場でしゃがむか、膝をつく
- 座れたら、そのまま横になる。頭を心臓と同じ高さか、それより低くする
- 余裕があれば、丸めたバスタオルなどを足首の下に入れて、脚を少し高くする
- 目を開けたまま、ゆっくり長く息を吐く
- 意識がはっきりしていて、自分で飲み込める場合だけ、水を一口飲む
- 起き上がるときは、横向きになり、四つんばいを経て座り、座ってからしばらく待って立つ
いちばん危ないのは、「大丈夫、大丈夫」と立ったまま耐えることです。倒れるなら、頭を打たない低さにいるほうが安全です。ふらついてからでは遅いので、「来そうだな」と思った時点でしゃがんでください。ポーズの途中でやめることに、遠慮はいりません。
横になっても気分の悪さがおさまらない、冷や汗が止まらない、胸が苦しい、意識が遠のく。そういうときは、近くのスタッフに声をかけて、涼しい場所で休んでください。ふらつきが残っているうちは、一人で歩いて部屋を出ようとしないことも大切です。
ふだんのレッスンでも、前屈から起き上がるときは頭を最後に上げる、ポーズの切り替えで急に立ち上がらない、といった小さな心がけが、立ちくらみの予防になります。はじめのうちは、出入り口に近い位置にマットを敷いておくと、いざというときに気が楽です。途中で抜けても、そのまま戻らなくても、それはあなたの体の判断です。
鉄を食べる ― ヘム鉄・非ヘム鉄・ビタミンC、お茶との付き合い方
鉄は、食べ物から取り込むしかありません。食べ物に含まれる鉄は、大きく二種類に分けて説明されます。
ヘム鉄は、肉や魚に含まれる鉄です。牛や豚の赤身の肉、レバー、かつおやまぐろなどの赤身の魚に多く含まれます。非ヘム鉄より吸収率が高いのが特徴です。
非ヘム鉄は、野菜や豆、海藻、卵などに含まれる鉄です。小松菜、ほうれん草、大豆や納豆、豆腐などが、鉄を含む食べ物としてよく挙げられます。あさりなどの貝類もよく名前が出てきます。非ヘム鉄の吸収は、ほかに何を一緒に食べるかにも左右されます。
- ビタミンC:非ヘム鉄の吸収を助ける組み合わせ。野菜や果物、じゃがいもなどを添える
- 肉や魚:野菜や豆に含まれる非ヘム鉄の吸収を助ける食材
- お茶やコーヒー:含まれるポリフェノールが非ヘム鉄の吸収を妨げるため、飲む量やタイミングにも目を向ける
お茶とコーヒーは、一杯飲んだから食事の鉄が全部無駄になる、という話ではありません。食事全体と、検査で分かる鉄の状態に目を向けます。鉄不足が気になる人は、食事のすぐ前後に濃いお茶やコーヒーをたくさん飲むのを控えて、少し時間をずらす。そのくらいの付き合い方で十分だと思います。
ひとつ、面白い話があります。ひじきは長いあいだ、「鉄が多い食べ物」の代表のように言われてきました。ところが、2015年に改訂された文部科学省の「日本食品標準成分表」で、ステンレスの釜でゆでて干したひじきの鉄の値が、それまでよりずっと小さく載るようになりました。鉄が多いとされていたのは、昔ながらの鉄の釜でゆでていたころに、釜の鉄がひじきに移っていたためと考えられています。鉄が多かったのは、ひじきではなく釜のほうだった、というわけです。
食べ物の鉄の量は、食べ物そのものだけでなく、つくり方や調理の道具でも変わる。一つの食べ物に頼るより、いろいろなものを組み合わせて、毎日少しずつ。結局は、それがいちばん確かです。
具体的には、たとえばこんな形です。
- 朝:パンとコーヒーだけで済ませず、ゆで卵か納豆を一つ足す。果物を少し
- 昼:おにぎりやパンだけにせず、肉か魚か卵か豆のおかずを一品足す
- 夜:赤身の肉か魚を、手のひら一枚分くらい。小松菜やブロッコリー、ピーマンなどの野菜と一緒に
鉄だけを気にするより、「主食だけ」「パンとコーヒーだけ」の食事を減らすこと。たんぱく質のおかずが一品あれば、鉄もいくらかついてきます。
暑い部屋で汗をかいたあとは、つい冷たい飲み物とお菓子で済ませたくなります。そういう日こそ、帰り道に、肉か魚か豆のおかずを一品買って帰る。スタジオは立川駅の北口から徒歩1分なので、レッスンのあと駅のまわりで買い物をして帰る、という流れもつくりやすいと思います。
サプリや鉄剤を、自己判断でとりすぎない
鉄が足りないかもしれない、と思ったとき、いちばん手軽なのはドラッグストアに並んでいる鉄のサプリです。気持ちはよく分かります。でも、ここは慎重にいきたいところです。理由は三つあります。
一つめは、とりすぎの心配です。先に書いたとおり、体には鉄を外へ出す仕組みがほとんどありません。必要以上の鉄は体の中に蓄積し、臓器を傷めるおそれがあります。マルチビタミン、鉄のサプリ、鉄入りの飲み物やお菓子と、いくつも重ねていると、知らないうちに量が増えていることがあります。サプリを飲むなら、袋に書かれた量を守り、ほかに飲んでいるものと重なっていないかを確かめてください。
二つめは、胃腸への負担です。鉄剤では、胃のむかつきや吐き気、便秘や下痢などの副作用が出ることがあります。また、鉄剤やサプリを飲んでいると、便が黒っぽくなることがあります。
三つめが、いちばん大事です。鉄不足には、必ず理由があります。月経の量が多い、食事が足りない、そして場合によっては、胃や腸などからの出血。自己判断でサプリを飲んで、なんとなく調子がよくなると、その理由を探す機会を逃してしまうかもしれません。月経の量が多い背景に、子宮筋腫などの病気が見つかることもあります。
病院で鉄不足と分かると、多くの場合、鉄剤が処方されます。鉄剤の治療は、ヘモグロビンが戻ってからも、貯蔵鉄を補うために続くことがあります。赤血球の寿命はおよそ120日で、体の中の鉄が満ちていくには時間がかかります。数日飲んで「変わらない」とやめてしまわず、飲む期間や飲み方は、処方した医師や薬剤師の指示に従ってください。反対に、言われた期間を過ぎても自己判断で飲み続けるのも避けてください。
それから、鉄のサプリや鉄剤は、小さな子どもの手の届かない場所に置いてください。子どもの誤飲は、重い中毒につながる危険があります。
ダイエット中の鉄不足 ― 体重計より、階段に聞く
食事を減らせば、鉄も減ります。当たり前のことですが、ダイエットをしているときほど、意外と見落とされます。
- 朝はコーヒーだけ、昼はサラダだけ
- ご飯を減らしたつもりが、おかずごと減っている
- 肉は太りそうだから避けている
- 夜は食べずに寝る
こういう食べ方が何週間も続くと、鉄に限らず、体をつくる材料がまとめて足りなくなります。月経で毎月出ていく分に、入ってくる分が追いつかない。そうやって、静かに貯金が減っていきます。
ダイエット中の鉄不足には、気づきにくさもあります。体重が減っていくあいだは、だるさも「食べていないから当然」「がんばっている証拠」と受け取りがちです。でも、体重は減ったのに、駅の階段がきつくなった。前より息が上がる。氷が欲しくなった。それは、体からの合図かもしれません。体重計の数字より、階段の息の上がり方に聞いてみてください。
オンザショアは汗をかくことを売りにしているスタジオですが、汗で体重を落とす場所だとは考えていません。汗で減った体重は、水を飲めば戻ります。暑い部屋に通う日ほど、食事はむしろちゃんととってください。空腹のまま暑い部屋に入るのは、ふらつきへの近道です。
月経と体調、見過ごしたくない目安
鉄不足は身近な問題ですが、「よくあることだから」と放っておいていいものではありません。持病や怪我がある方も含め、以下の症状や鉄不足の心配については医師に相談してください。貧血の治療中なら、暑い部屋での運動の可否と強度もここで確かめます。
月経について(婦人科へ)
- 昼間でも夜用のナプキンが必要になる
- 1〜2時間ごとにナプキンを替えないと漏れる、夜中に替えるために起きる
- レバーのような血の塊が出る
- 月経が長く続く(たとえば1週間を超える)
- 前より明らかに量が増えた
- 月経のたびに、だるさや息切れが強くなる
月経の量が多すぎる状態は「過多月経」と呼ばれます。量を自分で測るのは難しいので、ナプキンを替える間隔や、塊が出るかどうかが目安になります。過多月経の背景には、子宮筋腫や子宮腺筋症など、治療できる病気が隠れていることがあります。月経の量そのものを減らす治療もあります。「昔からこうだから」と思っている人ほど、一度相談してみる価値があります。
体の症状について(内科へ)
- 少し歩くだけ、話すだけで息が切れる
- 横になっていても動悸がする
- 「顔色が悪い」と、まわりから何度か言われる
- 氷を噛む癖がやめられない
- 鉄のサプリや鉄剤を飲んでいるのに、よくならない
- 食事を変えていないのに、体重が減ってきた
急いで助けを求めたいもの
胸の痛み、強い息苦しさ、失神がある場合は、運動を中止し、スタッフや周囲の人に助けを求めてください。意識が戻らない、呼吸がおかしい場合は119番です。
- 胸の痛みや、強い息苦しさがある
- 気を失った、倒れた
- 黒くてどろっとした、タールのような便が出る。便に血が混じる(鉄を飲むと便が黒くなることはありますが、迷うときは医療機関へ)
- 月経とは関係のない出血がある
閉経したあとの人や男性で鉄不足と言われた場合は、月経以外の理由、たとえば胃や腸などからの出血がないかを調べることがあります。男性もヨガのクラスに通えるスタジオなので、念のため書いておきます。
診察には、次のようなメモを持っていくと経過が伝わります。
- 月経の周期と日数、量の多い日にナプキンをどのくらいの間隔で替えるか、塊が出るか
- いつごろから、どんな症状があるか(息切れ、氷を噛む、爪の形など)
- ふだんの食事の様子、ダイエットをしているか
- 飲んでいるサプリや薬の名前
- これまでの健診の結果(ヘモグロビンの値など)
そのうえで、「フェリチンも調べてもらえますか」と聞いてみる。鉄の貯金の残高を、一度きちんと確かめてみてください。
まとめ
- 「貧血っぽさ」には、立ちくらみ(いわゆる脳貧血)と、血液の貧血が混ざっている。鉄不足では、疲れやすさ、階段での息切れや動悸、爪の反り、氷を噛みたくなる、などが鉄不足の手がかりになる。
- 鉄は、汗よりも月経で出ていく。体には鉄を外へ出す仕組みがほとんどなく、食べた鉄も一部しか吸収されない。月経のある人は、出ていく分が多くなりやすい。
- 鉄不足は、貯蔵鉄(フェリチン)が減るところから始まり、ヘモグロビンは最後に下がる。健診で「異常なし」でも、鉄の貯金が少ない「隠れ貧血」のことがある。
- 暑い部屋では、鉄が足りない体の余裕はさらに小さくなる。月経の量が多い日、食べていない日、寝不足の日、献血の日は、強度を下げるか休む。
- ふらつきが来たら、頭を低く、横になり、長く吐き、段階を踏んで起き上がる。立ったまま耐えない。
- 鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄がある。ビタミンCや肉・魚と組み合わせ、お茶やコーヒーは食事と少し時間をずらす程度に。
- サプリや鉄剤は、自己判断で重ねない。鉄不足には理由があり、その理由を探すことが大事。
- 汗をかいても鉄は増えない。暑い部屋に通う日ほど、ちゃんと食べる。
体験の案内
体験の場所は、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。JR立川駅北口から徒歩1分のオンザショア立川店です。床にはイタリア産の天然溶岩石「バサルティーナ」のプレートを敷き、その上でレッスンを行います。室温35〜40℃、湿度60〜70%。暑さを我慢して鉄不足を押し切る場所にはしたくありません。
営業は毎日8:00〜23:30、年中無休です。男性もヨガのクラスに参加できます。ヨガ・ピラティスを初めて試す方には、期間限定で税抜1,800円/税込1,980円の体験を用意しています。料金は事前決済で、レッスンは60分。ヨガマットのレンタルと、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚もこの料金に含まれます。
予約はWebで24時間受け付けています。公式LINEからも、予約と質問ができます。レッスン中は電話に出られないことが多いので、質問はLINEが確実です。「月経の量が多い時期だけれど参加して大丈夫か」「途中で休んだり、部屋を出たりしてもいいか」「暑くない環境のレッスンはあるか」といったことも、前もって聞いておけます。
妊娠中の方は、溶岩ホットヨガには参加できません(常温のマタニティヨガがあります)。医師から運動を止められている方はご利用いただけません。持病・怪我や治療中の貧血については、上に記した事前の確認を済ませてからお申し込みください。
体験の日は、月経の量が多い日を避け、食事を抜かず、よく眠れた日を選んでください。最初の一回は、出入り口の近くにマットを敷いて、「くらっとしたら、すぐしゃがむ」と決めてから始める。鉄の貯金が少ないかもしれない体で、無理をしない汗のかき方を、まず一度試してみてください。
同じ分野のほかの記事
- 指先が冷たい人が、溶岩の床に寝転んだときに起きること
- 夕方の脚のむくみ ― 「ふくらはぎは第二の心臓」の本当のところ
- 生理前の1週間 ― PMSのだるさとヨガの強度の下げ方
- 生理中にホットヨガへ行っていいか ― 自分で決めるための目安
- 更年期のほてりと、わざわざ暑い部屋で汗をかくということ
- 産後、暑い部屋へ戻るのはいちばん最後でいい|運動再開の「いつから・何から・どの順番」
女性の体の悩み(冷え・むくみ・PMS・更年期・産後)とホットヨガ/溶岩ホットヨガの一覧
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。





