甘い飲み物を減らすと体重はどれだけ変わるのか。人工甘味料は砂糖の代わりになるのか。介入試験と観察研究を読み分け、置き換える相手、効果の大きさ、続ける期間を確かめる。水との比較や長期研究の食い違いも扱い、立川で暮らす大人が日々の飲み物を選ぶための判断材料を示す。
売り場の棚には、砂糖入りの飲料と、砂糖を使わない甘い飲料が並ぶ。ラベルの甘さは似ていても、中身のエネルギーは違う。体重が気になるからこちらにしようと思った瞬間、「人工甘味料も太る」という見出しを思い出す。結局、棚の前で飲み物より情報を選ぶ時間が長くなる。
砂糖入り飲料を減らす介入試験には、体重が小さく減る結果がある。[2] 一方、低カロリーの甘い飲料をよく飲む人を追った観察研究では、体重増加との関連も報告されている。[15] この食い違いをほどく鍵は、甘いかどうかだけでなく、何の代わりに飲んだかである。
ここで読むのは飲み物の変更と体重の関係だ。食前の水の飲み方は食前の水500mlはダイエットに効くのか 減量試験の成果と効かない条件を読むへ、酒の話はお酒とダイエット、アルコールが体重に関わる3つの経路と晩酌の見直し方へ譲る。砂糖入り飲料、砂糖の代わりに低・無カロリーの甘味料を使った飲料、水。それぞれを同じ棚に置いて、研究の比較条件まで見ていこう。

甘い飲み物を減らすと、平均の体重差は小さく動く
まず砂糖入り飲料から確かめる。子どもと成人を対象にした系統的レビューは、条件に合う研究を集め、結果を統合したものである。Nguyenらのレビューでは、成人の観察研究が21件、対象は448,661人、無作為化比較試験が16件、対象は1,343人だった。[2] 無作為化比較試験とは、介入を受ける群を偶然に振り分けて比較する研究だ。
成人の試験で砂糖入り飲料を食事に加えた群は、対照群より平均0.83kg体重が増えた。95%信頼区間は0.47〜1.19kgだった。逆に減らす介入では、対照群に比べて平均0.49kg少なく、95%信頼区間は−0.66〜−0.32kgだった。[2] 信頼区間は、推定された平均差にどの程度の不確かさがあるかを見るための幅である。
この数値は、試験をまとめた群間の平均差だ。また、加えた試験の増加幅と、減らした試験の減少幅は同じではない。[2] 加える介入と減らす介入は、それぞれ対照群との比較として読む。
観察研究では、成人の砂糖入り飲料の摂取が1日当たり1サービング多いことと、体重が0.42kg高いことに関連があった。95%信頼区間は0.26〜0.58kgである。[2] サービングは研究で使う摂取の単位である。観察研究の推定値と、飲料を減らす試験の平均差は、同じ体重の数字でも比較の方法が異なる。[2]
試験では介入後の差を見ており、観察では生活の中の摂取と体重の関連を見ている。後者だけでは、飲料以外の食生活や生活条件の影響を完全に切り離せない。このレビューでは試験も同じ方向を示すため、砂糖入り飲料を減らすことを体重管理の候補にできる。ただし効果は平均で小さい。[2] 飲み物を変えた翌朝に大きな成果を要求するより、毎日の選択肢として扱うほうが研究の大きさに合っている。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
砂糖の名前より、置き換えた後の食事を見る
砂糖入り飲料の話は、砂糖そのものに特別な体重増加作用があるという話と混同されやすい。Te Morengaらは、糖類の摂取と体重について試験と観察研究を統合している。成人が食べる量を厳密に管理されずに生活する試験では、糖類を減らすと平均0.80kgの体重減少、増やすと平均0.75kgの体重増加が報告された。[3]
減少の95%信頼区間は0.39〜1.21kg、増加の幅は0.30〜1.19kgだった。一方、糖類を別の炭水化物に置き換え、エネルギー量を同じにした比較では、体重差は0.04kg、95%信頼区間は−0.04〜0.13kgで、体重の変化は認められなかった。[3] 著者らは、糖類の変更による体重変化は、摂取エネルギーの変化を介するようだと解釈している。[3]
つまり、飲み物から砂糖を抜いたという事実と、生活全体で摂取量が変わったという事実は別に確認する必要がある。たとえば帰り道の甘い飲料を水に替えても、その変更を理由に夕食後の菓子を追加するなら、もとの比較条件から離れる。エネルギーを同じにした置き換えでは差が出なかった結果から、飲料と食べ物を合わせた摂取量へ目を向けたい。[3]
食品表示は選択の手掛かりになる。ただし、砂糖を使っていないという言葉だけで、食事全体のエネルギーや体重の行方まで決まるわけではない。[3] 飲み物のラベルは、その日の献立の成績表までは兼ねていない。
人工甘味料は、砂糖の代わりという条件で評価する
人工甘味料という日常の呼び名で、さまざまな低・無カロリーの甘味料をひとまとめにしがちだ。ここでは少ない、またはほとんどないエネルギーで甘味を与える甘味料と、それを使った飲料を扱う。[20] 研究には飲料だけを比較したものと、食事中の糖類を置き換えたものがあり、同じ結果として扱わない。
McGlynnらは、過体重または肥満があり、糖尿病のリスクがあるか糖尿病のある成人を対象とした17件の無作為化比較試験を統合した。対象は1,733人、平均年齢は33.1歳で、女性が77.4%だった。[12] 比較の内訳は、砂糖入り飲料から低・無カロリー甘味飲料への変更が12件・601人、砂糖入り飲料から水への変更が3件・429人、低・無カロリー甘味飲料と水の比較が9件・974人である。[12]砂糖入り飲料を低・無カロリー甘味飲料に替える比較では、体重は平均1.06kg少なく、95%信頼区間は−1.71〜−0.41kgだった。[12]
体脂肪率も平均0.60ポイント低く、95%信頼区間は−1.03〜−0.18ポイントだった。[12] 体重と体脂肪率は別の指標であり、体重の差をそのまま脂肪の減少量と読まない。この分析での体重に関する根拠の確実性は、砂糖入り飲料を低・無カロリー甘味飲料に替える比較では中程度と評価されている。[12]
ただし、水の代わりに低・無カロリー甘味飲料を使う比較では、体重への明確な関連は認められなかった。水を砂糖入り飲料の代わりにする比較でも、この分析では明確な差は認められず、これらの体重の根拠の確実性は低かった。[12] 「水は役に立たない」と結論するより、比較ごとの研究数と確かさが違うと読むべきだ。
体重以外の結果にも、比較条件による違いがあった。水の代わりに低・無カロリー甘味飲料を使った比較では、糖化ヘモグロビンA1cの平均差は0.21ポイント、95%信頼区間は0.02〜0.40ポイントと高い側にあり、収縮期血圧は平均2.63mmHg低く、95%信頼区間は−4.71〜−0.55mmHgだった。[12] 体重の差が検出されなかった比較にも、別の指標には異なる方向の差がある。体重だけの結果から、血糖や血圧も一緒に改善すると推測しない。治療中の飲料選びは、こうした指標も含めて医師に相談したい。
Liらの新しいメタ分析では、19件の試験を統合し、日常の糖類を非栄養性甘味料に置き換えた群の体重は平均0.79kg少なかった。95%信頼区間は−1.55〜−0.04kgである。[1] ただし、研究間のばらつきは大きく、18週未満では差があった一方、それより長い研究では効果は小さく、統計学的に有意ではなかった。[1]
肥満の参加者をまとめた解析でも、平均差は−0.646kg、95%信頼区間は−1.839〜0.546kgと、差がない可能性を含んでいた。[1] 別のメタ分析で過体重・肥満の成人に小さな差が出た結果と並べると、対象、介入の内容、期間、比較相手によって結果が変わることが分かる。[1][12]
砂糖入り飲料が習慣になっている人には、置き換えの補助という使い方を考えられる。一方、すでに水を飲んでいる人が減量のために甘味飲料を追加する根拠にはならない。[1][12] 甘味料に体重を落とす仕事を任せるより、何を置き換える道具かを明確にするほうがよい。
結果を見るときは、体重とBMIのどちらを測ったかにも注意したい。Toewsらのレビューで成人のBMIに小さな利益が示された部分は、2件の研究、174人の結果であり、平均差は−0.6、95%信頼区間は−1.19〜−0.01だった。根拠の確実性は低い、または非常に低いと評価されている。[19] 数字の端が差のない値に近く、対象も限られる。大きなレビューの中に載っている数値でも、その評価項目を支える参加者まで大人数とは限らない。
同じレビューでは、減量に取り組む過体重・肥満の成人や子どもに、非糖類甘味料の効果を示す根拠は認められなかった。[19] 砂糖入り飲料を替える成人の試験を選んだ分析の小さな改善と、この結論は表面上ずれる。[12][19] だが、使うか使わないかを比べる問いと、砂糖入り飲料の代わりとして使う問いでは、まとめる研究の条件が異なる。結論の一文だけを切り出すと、比較相手が文章から消えてしまう。
売り場では、普段の飲料が砂糖入りか水かを思い浮かべ、自分の習慣に近い比較を選びたい。
数字で読む甘い飲み物と置き換え
成人の試験で砂糖入り飲料を減らす介入:対照群との差−0.49kg、95%信頼区間−0.66〜−0.32kg。[2]
砂糖入り飲料から低・無カロリー甘味飲料への変更:体重差−1.06kg、95%信頼区間−1.71〜−0.41kg。[12]
同じエネルギー量で糖類を別の炭水化物に変更:体重差0.04kg、95%信頼区間−0.04〜0.13kg。[3]
成人の体重管理プログラムの12週時点:水群−5.6kg、非栄養性甘味飲料群−5.8kg。[17]
同じ493人の試験の52週時点:水群−6.1kg、非栄養性甘味飲料群−7.5kg。[6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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