
子どもの舌の変化を、大人の首へ移してよいか
先ほどの子どもの試験を、もう少し丁寧に見る。参加者は7.1〜10.6歳の22人で、男女はそれぞれ11人だった。前歯のかみ合わせと飲み込み方に問題がある子どもを、口腔顔面筋機能療法を行う群と行わない群に分けた、前向きの予備的な研究である。18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、成長期のかみ合わせを扱う試験と成人の運動との違いが大きい。[14]
評価の時点は、開始時、治療終了時、さらに終了から6か月後だった。舌を上に持ち上げる力の最大値を測り、舌の安静時の位置、飲み込み方、発音、前歯の状態も観察した。舌の力と、何もしていないときの置き場所と、食べ物を飲む動きは、それぞれ別の結果として扱われている。[14]
訓練によって有意な変化があったのは、舌を持ち上げる力、安静時の舌の位置、固形物を飲み込むときの舌の位置だった。一方、水を飲むときに生理的なパターンを示す子どもは訓練群で多かったものの、群の違いは有意ではなかった。発音にも改善がなかった。良い結果を説明するときには、この並びを保ちたい。[14]
著者らは舌の行動によい影響を及ぼしうるとしたが、矯正治療を補助する方法としての成功や、結果に影響する要因には、さらなる研究を求めた。成果を認めることと、広い対象へ勧めることの間には距離がある。大人が首をうなずかせる場面へ応用するには、年齢も目的も測定項目も変わると考える必要がある。[14]
子どもの研究を読む意味は、大人の首トレの代わりの答えを探すことではない。舌の位置は、目的を決めて評価する対象なのだと知ることにある。同じ舌でも、安静、飲み込み、発音のすべてが一度に良くなるわけではなかった。その結果からは、あらゆる動作を最適にする位置を期待するより、課題ごとに見る姿勢を学べる。[14]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
かみ合わせの研究でも、関連と原因は分けている
舌の位置に「正しい」「間違い」という言葉をつける前に、かみ合わせの研究も見たい。3〜18歳の子どもと若者を扱った系統的レビューでは、口や顔の機能、発音とかみ合わせの関連を調べた17件の論文が採用された。検討した機能には、飲み込み方、舌の安静時の位置、歯ぎしりなどが含まれている。対象が成長期の子どもと若者であり、18〜39歳の女性の首トレにそのまま当てはめる研究ではない。[6]
そこで関連が示されたのは、前歯がかみ合わない状態と特定の発音の乱れ、そして飲み込み方の偏りだった。一方、舌の位置が低いことや歯ぎしりなどについて、明確な結論は出なかった。同じ口の中の話でも、ある組み合わせの関連を別の組み合わせに配り直すことはできない。[6]
これは、舌の位置を気にする必要がまったくないという意味ではない。何を調べた結果なのかを言葉に残すということだ。「かみ合わせと飲み込み方に関連がある」という知見から、「舌を上へ置けば首が整う」という説明へは進めない。対象も結果も変わってしまうからである。[6]
異なる飲み込み方とかみ合わせを扱った別のレビューでは、舌の習慣が既にあるかみ合わせへの補償として始まるという説明と、かみ合わせの問題を悪化させるという説明の両方が論じられた。対象は飲み込み方とかみ合わせに問題がある人であり、18〜39歳の女性一般へそのまま当てはめる運動の知見ではない。一方向だけを想定せず、歯科的な対応と機能の訓練を組み合わせる視点を示している。[19]
ただし、専門家の下で行う複数の対応を、日常の「舌をつけておく」だけに縮めることはできない。飲み込みとかみ合わせの問題を扱う話を、首トレの裏技として受け取らないようにしたい。口の機能の相談が必要な人と、運動中に置き場所が気になった人では、そもそもの問いが違う。[19][20]
姿勢全般の話は既存の「姿勢の科学 第1回 猫背と前に出た首、伸ばすと鍛えるを組にする運動」に譲る。隣の記事「インナーマッスルの首トレは顎を強く引く?小さくうなずく動きと筋活動を読む」とも、ここでは問いを分ける。この記事で確認しているのは動作の大きさではなく、舌の指示にどこまでの根拠を持たせられるかである。

よくある誤解
「舌を上あごにつければ、口の周りも必ずリラックスする」という思い込みは、そのまま受け取れない。若い成人の試験では、その条件で右の側頭筋の活動が高かった。上あごへの接触を、誰にでも同じ安静を作る操作と呼ぶことには慎重さが必要である。研究の著者も、舌の「安静位置」という呼び方への注意を示している。[20]
ただし、この結果を逆さにして「上あごにつけると必ず悪い」「舌は必ず下へ」とするのも飛躍である。調べたのは痛みのない参加者の筋活動であり、位置を変えた後の痛みの発生率を比べた結果ではない。特定の条件で活動が高かったという事実は、全員への禁止にも推奨にも、そのまま変換できない。[20]
「舌の訓練でよい結果が多いなら、首のインナーマッスルにも効くはず」という期待も分けたい。口や顔の機能訓練のレビューでは、好ましい結果を報告した一次研究は多かったが、有効性を十分に確定する証拠は不足していた。さらに、口の習慣や飲み込みの評価を、首の筋力の評価へ置き換えることはできない。[5]
「舌の位置が変われば、舌に関わる動作は全部よくなる」という見方も実際の結果より広い。子どもの予備的試験では、舌の力や位置は変化しても、発音は改善しなかった。変化があった項目を大切にしながら、変わらなかった項目も同じ重さで読む。それが、次の運動へ余計な期待を持ち込まない読み方である。[14]
今日からできること
- 首トレの説明で舌の指示を見たら、目的が顎まわりの活動なのか、首の機能なのかを確かめる。33人の試験で測った部位を、深い首の筋肉へ読み替えない。[20]
- 「舌をつける」と「強く押す」を同じ指示として受け取らない。上あごへの接触を比べた試験から、押す力を増やす練習量は決めない。[20]
- 舌の位置を変えて感じ方が違っても、その場で首トレの成果と採点しない。静かな安静時の筋活動と、訓練後の機能は分けて考える。[20][14]
- 研究紹介を見るときは対象の年齢も読む。7.1〜10.6歳の子どもの訓練結果は、大人のうなずき運動の回数や保持時間を決める数字ではない。[14]
- 舌の習慣や飲み込み、かみ合わせ自体に困りごとがあるなら、歯科医師に相談する。首トレに舌の操作を足すことと、口の機能への専門的な対応は区別する。[19]
習慣に取り入れる前のメモも、感想と目的を分ければ簡潔になる。「上に置いたら顎の辺りの感じが違った」は自分の観察として残せる。「だから深い首の筋肉が鍛えられた」は追加の結論だ。先の試験が顎まわりの活動を測り、子どもの試験が舌の力や動作を測ったように、何を確かめたいかを先に決めると、研究と体感の役割が混ざりにくい。[20][14]
首の運動の説明を受ける場でも、「舌はどこが正解か」だけで終えず、「この指示は何を狙っているか」と聞けるとよい。口や顔の訓練には目的に沿った変化がある一方、効果の確かさには課題が残る。説明の短さより、目的と結果がつながっているかを手がかりにしたい。[5]

オンザショアで、舌の指示の目的を確かめる
舌の位置まで気になるときは、レッスンで何を練習するのかを先に確かめたい。顎まわりの筋活動の研究と、首の運動の成果を混ぜずに考える姿勢は、参加する内容を選ぶときにも役立つ。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、舌の位置の正解探しから離れて、運動を続ける場所として検討できる。選ぶ軸は舌の置き場所だけでなく、自分が取り組みたい運動の内容である。
医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分。営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。
内容と料金は店のトップと料金で確認できる。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスン、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。体験の予約も、内容と参加条件を確かめてから考えたい。
参考文献
[5] Effectiveness of orofacial myofunctional therapy in improving orofacial function and oral habits: a scoping review — Stefani CM, de Almeida de Lima A, Stefani FM, Kung JY, Flores-Mir C, Compton SM., 2025, Canadian journal of dental hygiene : CJDH = Journal canadien de l’hygiene dentaire : JCHD. DOI: なし
[6] Oral Myofunctional and Articulation Disorders in Children with Malocclusions: A Systematic Review — Thijs Z, Bruneel L, De Pauw G, Van Lierde KM., 2022, Folia phoniatrica et logopaedica : official organ of the International Association of Logopedics and Phoniatrics (IALP). DOI: 10.1159/000516414
[14] The effect of orofacial myofunctional treatment in children with anterior open bite and tongue dysfunction: a pilot study — Van Dyck C, Dekeyser A, Vantricht E, Manders E, Goeleven A, Fieuws S, Willems G., 2016, European journal of orthodontics. DOI: 10.1093/ejo/cjv044
[19] Atypical swallowing: a review — Maspero C, Prevedello C, Giannini L, Galbiati G, Farronato G., 2014, Minerva stomatologica. DOI: なし
[20] The effects of tongue position on mandibular muscle activity — Carlson CR, Sherman JJ, Studts JL, Bertrand PM., 1997, Journal of orofacial pain. DOI: なし
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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