
体感を育てるために数字を使う道もある
速度を伝える意味は、今より速く動かすことだけではない。自分が感じた速さと実測のずれを確かめるためにも使われている。筋力トレーニング経験者を、速度を伝える群16人と対照群14人に無作為に分けた研究では、バックスクワットとベンチプレスについて、そのずれを訓練前後で比べた。経験者を対象とする結果なので、18〜39歳の女性が未経験から始めた際の学習の速さは別に評価する必要がある。[9]
両群は慣れるための試行を行い、訓練前後の検査では異なる負荷で速度を判断した。訓練期間に反復ごとの速度を知らされた群は、5週間後に実測と知覚の差が有意に小さくなった。対照群には有意な変化がなかった。測定値を返す方法は、本人の感覚を否定するためではなく、感覚を確かめる機会にもなりうる。[9]
開始時点では、スクワットの方がベンチプレスより速度を正確に感じ取れていた。また、重い負荷の方が判断は正確だった。ところが情報を得る訓練の後には、種目や負荷による精度の違いがならされた。自分の動作の速さが分かるかどうかも、初めから固定された能力として扱わなくてよいことを示す結果だ。[9]
日常に引き寄せるなら、「今の動作をどう感じたか」を先に言葉にし、それから記録と照らす、という使い方が考えられる。ただしこれは研究から考える実践案であり、その順番自体の優劣を検証した結果ではない。何となく速かったで終えず、感覚と記録の対応を確かめるという発想を借りるのである。[9]
ここで気になるのが、毎回測らなければ調整できないのかという疑問だ。レクリエーションとして筋力トレーニングをしている男性19人、女性9人の研究は、速度情報による方法と、本人が感じるきつさによる方法を比較した。きつさは抵抗運動用の尺度で評価し、あらかじめ対応づけた値を使ってセットを終える方式である。女性を含むが男女の経験者を合わせた比較であり、18〜39歳の女性全体、特に初心者にも同じ調整精度があると一般化することはできない。[6]
この比較では、最大挙上重量の50%と75%のスクワットで、速度が10%、20%、40%低下する条件を調べた。速度低下率とセットの総反復回数に、方法間の有意差はなかった。一方、目標の速度低下を超えてから行った反復は、体感を使う方法の方が少なかった。客観的な値を使えば、必ず余分な反復を減らせるという結果ではない。[6]
解釈の鍵は、体感を使った参加者も事前の慣熟と測定を経験していた点だ。この研究は、初めての人がその場の気分だけで終える方法と機器を比べたものではない。速度情報を使う期間が先、体感を使う期間が後という順序もある。体感にも準備や経験が関わる比較として読む必要がある。[6]
画面を見る日と、指導者に感覚を伝える日を、優劣だけで並べる必要はない。何を目安に調整したかが分かることが先だ。数字を道具にして自分の判断を確かめる道もあれば、慣れた体感を使って反復を調整する道もある。測定値を知ることと、体感を育てることは両立しうる。[9][6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
重さや回数も変える試験は、別の問いとして読む
「速度を使ったトレーニングでよくなった」という見出しには、本人へ結果を伝える以外の違いが含まれる場合がある。男子大学ボクサー28人を無作為に分けた8週間の試験では、速度を使う群と、従来の負荷割合を使う群を比較した。種目はバックスクワット、ブルガリアンスプリットスクワット、デッドリフトだった。男子競技選手を対象とした結果を18〜39歳の女性へ適用するには、競技経験と性別の違いを検討する必要がある。[2]
両群とも最大挙上重量の70%で各種目4セットを行ったが、速度を使う群では速度低下を基準に反復回数を変え、比較群では5回に固定した。つまり、単に同じ練習中に数字を見せるかどうかを変えた試験とは違う。反復量の決め方も一緒に変わっている。[2]
最大筋力は両方式で同程度に改善し、筋力指標には群と時間の有意な交互作用がなかった。一方、跳躍や短距離走では速度を使う群に有利な差が報告され、変化量の群間効果量は垂直跳びで0.41、立ち幅跳びで0.56、30m走で0.51だった。最大の重りを挙げる能力と、速い動作を行う能力では結果が分かれたのである。[2]
この結果から「速度表示の励ましだけで跳躍が伸びた」と原因を絞ることはできない。実際に変更したのは、速度情報を使うことと、その情報で回数を調整することの組み合わせだ。練習のどこを変えた研究なのかを確認すると、結果の使いどころも明確になる。[2]
自分の目的が、負荷の記録を伸ばすことなのか、速い動作を練習することなのか、その日の実行を把握することなのかを分けたい。「より効果的」という言葉だけでは、同程度だった筋力の結果も、差のあった跳躍の結果もひとまとめになる。目的の欄が空白のまま、速度の欄だけを埋めても判断は難しい。[2][3]

よくある誤解
「速くなったなら、筋肉もすぐ増えたはず」。即時の比較で測ったのは、運動中の速度である。継続試験で測った走速度や跳躍、挙上重量とも同一ではない。「効果はいつから」という問いには、その反復から変わる実行と、訓練後に評価する能力を分けて答える必要がある。速度が変わった日に、体型変化まで判定しないことだ。[3][1][5]
「速度の数字は高いほど、そのスクワットはよい」。速度を扱う研究と、動作の形を評価する研究は別である。成人を人工知能アプリによる評価群15人と理学療法士による評価群15人に分けた無作為化試験では、群の割り当てとスクワット動作の改善に有意な関連はなかった。アプリは正しい形を識別する能力に比べ、誤った形を見つける能力が限られていた。[4]
この研究は速度表示そのものを検証したものではないが、機械が返す評価も中身を確認する必要があることを示す。速さの値は、その測定対象の情報である。動作の形まで含めた総合点として受け取ると、速いという結果へ別の意味を足してしまう。速度と形を話題にするときは、何を測った評価なのかを確認したい。[4][3]
「感覚はあいまいだから、数字に従う方がいつも正しい」。経験者のスクワットでは、体感を使う方法でも速度変化を推定でき、目標を超えた反復はむしろ少なかった。測定器への信頼と、自分の感覚への信頼を、片方だけ選ぶ問題にしなくてよい。実測とのずれを学ぶ試験と併せると、体感にも学ぶ余地がある。[6][9]
今日からできること
- 記録する前に、何を確かめたいかを決める。その日の速度を知るのか、継続後の能力を調べるのかを分ける。即時の実験と6週間の試験は、答えている時間の幅が違う。[3][1]
- 初心者は、速度の数値を追う前に、扱える負荷と動作の形を指導者と確認する。そのうえで反復直後に結果を言葉で受け取る方法を相談したい。男性17人の実験で用いられた口頭の伝達は参考になるが、18〜39歳の女性が同じ設定で速さを競うための処方ではない。[3][4]
- 速さの感覚を記録と照らす機会をつくる。経験者の5週間の試験では、反復ごとの速度情報を得た群で、実測と知覚のずれが小さくなった。初回から正確に言い当てる必要はない。[9]
- 機器を使わない場合も、感じたきつさを指導者へ具体的に伝える。男女の経験者を比較した研究では、慣熟を経た体感による調整が速度情報による方法と同程度の反復回数になった。[6]
- 継続記録には、速さ以外に評価したい動作も残す。男子大学ボクサーの8週間の試験では、最大筋力と跳躍・短距離走で群間の結果が分かれた。研究で使われた負荷や跳躍を、そのまま家庭用の課題にしない。[2]

オンザショア立川店で、続ける時間を決める
速さの記録をどう受け取るかと、運動を続ける予定をどう組むか。この両方を考えるために、通える時間と取り組む内容を先に確認したい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で年中無休である。通う候補の時間を、出勤や帰宅の予定と並べて考えられる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。
当店にはパーソナルトレーニングのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガを含め、ヨガだけで25種類以上のレッスンを設けている。取り組む内容と通う時間を組み合わせ、続ける場所を検討するための選択肢である。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店の案内と料金を確認し、予定に合う場合は体験予約へ進める。
参考文献
[1] Use of Visual Feedback During Jump-Squat Training Aids Improvement in Sport-Specific Tests in Athletes — Vanderka M, Bezák A, Longová K, Krčmár M, Walker S., 2020, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000002634
[2] The effect of velocity-based resistance training (VBT) on lower-limb strength performance in male collegiate boxers: a randomized controlled trial — Han Y, Xie Y, Zhang Z, García-Ramos A., 2025, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2025.1701045
[3] Effect of Augmented Feedback on Velocity Performance During Strength-Oriented and Power-Oriented Resistance Training Sessions — Jiménez-Alonso A, García-Ramos A, Cepero M, Miras-Moreno S, Rojas FJ, Pérez-Cast, 2022, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003705
[4] Artificial intelligence application versus physical therapist for squat evaluation: a randomized controlled trial — Luna A, Casertano L, Timmerberg J, O’Neil M, Machowsky J, Leu CS, Lin J, Fang Z,, 2021, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-021-97343-y
[5] Effect of instantaneous performance feedback during 6 weeks of velocity-based resistance training on sport-specific performance tests — Randell AD, Cronin JB, Keogh JW, Gill ND, Pedersen MC., 2011, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0b013e3181fee634
[6] Comparable Workout Output by Using Velocity Feedback or Perceived Exertion in Male and Female Recreationally Resistance Trained Individuals — Naclerio F, Larumbe-Zabala E, Chapman M, Gonzalez-Frutos P, Triplett NT., 2026, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000005289
[9] Perception of Velocity during Free-Weight Exercises: Difference between Back Squat and Bench Press — Romagnoli R, Piacentini MF., 2022, Journal of functional morphology and kinesiology. DOI: 10.3390/jfmk7020034
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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