
種目と競技が違えば、同じ「スプリント」でも答えが変わる
ハンドボール選手を対象とするメタ分析では、8件のランダム化比較試験、226人が検討された。通常練習に体幹筋力トレーニングを加えると、投げる能力や跳躍能力には改善があった。一方、直線スプリントの介入効果は有意でなく、P値は0.34であった。競技のためになる効果と、直線走の効果は一致していない。ハンドボール選手が対象であり、18〜39歳の女性一般への効果はこの分析から直接判断できない。[13]
この結果は、チームスポーツ全体をまとめて直線走の改善を示した分析と並べて読む必要がある。全体では良い方向でも、競技を絞ると確認できない場合がある。「平均的には役立つ可能性」と「この競技のこの評価で効果が確かめられた」は別の主張である。[1][13]
逆に、スプリントに改善があった例として、国内水準のジュニア競泳選手20人を調べた比較試験がある。男女各10人で、既存の練習グループをもとに介入群と対照群に分けた。体幹練習を通常の水中練習に週3回、12週間追加すると、50m自由形の時間に対照群より良い変化が示された。対象はジュニア競泳選手なので、18〜39歳の女性の地上でのダッシュに直接当てはめることはできない。[17]
改善の推定値は−2.0%、90%信頼区間は−3.8〜−0.2%であった。ただし、これは泳ぐ時間である。同じ「スプリント」という語があっても、水中の50mと地上のダッシュは測定する動作が異なる。水泳で得た割合をサッカーの記録に当てはめることはできない。[17]
また、競泳の試験は既存グループによる割り付けであり、人数も限られている。体幹練習の可能性を示す結果としては興味深いが、どの競技にも同じ改善を約束する数字ではない。対象、割り付け、練習の追加先を一緒に読むと、研究の使いどころが見えてくる。[17]
不安定な場所での体幹練習も注目される。競技者の12研究を集めたメタ分析では、安定した床などでの従来型練習より、不安定な条件の練習に体幹筋力やスプリントで有利な結果が報告された。ただし、報告された効果量の幅は複数の評価項目にまたがるもので、全部を走る速さの差と読んではいけない。対象は競技者であり、18〜39歳の女性一般に同じ優位性があるかは、この比較とは別の検討が必要になる。[2]
しかも、この比較が答えるのは「不安定な練習と従来型練習のどちらが良いか」である。体幹を追加しない対照群との比較とは質問が異なる。床から揺れる道具へ変える判断と、そもそも体幹練習を増やす判断は、別の材料で考える必要がある。[1][2]
家の床でできる練習が物足りなく感じても、揺れの大きさだけで種目を選ぶ必要はない。静的と動的の不安定な体幹練習を比べた小規模研究では、どちらも20m走などに成果が移らなかった。難しく見えることを、走力への近道の印にしない読み方が必要である。[18]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「体幹テストが伸びたら、走る能力も伸びているはず」という思い込みは、複数の試験と合わない。ボート選手の研究でも、静的・動的な体幹練習の比較でも、体幹の指標の改善が競技関連の評価に移ったとは認められなかった。鍛えた課題での上達と、別の動作への移り方を分ける必要がある。[18][19]
ここで、走力が伸びなければ体幹練習は失敗だ、と逆向きに決めることも避けたい。最初の目的が体幹持久力なら、その評価が伸びることには意味がある。問題は、その成果を別の能力の証拠として使うことである。目的と評価をそろえれば、確認できた成果を過小にも過大にも扱わずに済む。[19]
「メタ分析で効いたのだから、競技別の否定的な結果は気にしなくてよい」とも言えない。ハンドボールの統合結果とサッカーの個別試験は、直線走の改善を確認していない。広い対象の平均と、目の前の競技に近い条件を並べることで、期待の大きさを調整できる。[1][8][13]
メタ分析は、大きな数字が出れば個別の事情が消える仕組みではない。チームスポーツの分析自体が、証拠の確実性と研究方法の限界を理由に慎重な解釈を求めている。「研究で証明済み」という言葉で結果のばらつきを消すより、改善の方向と不確かさを両方残した方が実用的である。[1]
「体幹だけを短く行えば、女性のダッシュも速くなる」という期待にも、直接の裏付けは乏しい。日本の女子大学アイスホッケー選手3人の症例集積では、30秒の静的プランクを週3回行う期間を設け、24週間追跡した。体幹機能や腹筋の持久的な評価は改善したが、スプリントの変化は小さかった。女性の研究でも対象は大学の競技者で、18〜39歳の女性全体へ広げるには競技経験と人数の偏りが大きい。[11]
この研究では介入、休止、再介入の各期間が8週間ずつで、通常のチーム練習も継続していた。人数が少ないので女性競技者全体の結論にはならないが、短時間で続けやすい練習とダッシュの改善は同じではない、と考える具体例になる。続いたこと自体を、走る効果の証明にしない姿勢が大切である。[11]
体幹を使う感覚が出ると、練習全体が良くなった気がすることはある。それでも記録を確かめる段階では、感覚、体幹の評価、競技の評価を別の欄に置きたい。女子大学選手の研究でも、身体への意識や練習意欲に関する本人の報告と、変化の小さいスプリント成績は併存していた。[11]

今日からできること
- 走る目標を記録するなら、何の距離を評価するかを決める。研究でも20m走と40m走は別の課題として使われており、「速くなる」だけでは比べる対象が曖昧になる。[18][19]
- 体幹の練習記録と走行記録を分けて残す。45人の比較研究では体幹持久力の一部が改善しても、40m走を含む機能的評価は改善しなかった。[19]
- 論文の頻度を万能の処方にしない。サッカー選手では週3日、30〜35分を8週間追加しても直線走の有意な改善はなかった。自分の目的に合う評価が変わったかを確認する。[8]
- 体幹だけで練習を組み直さず、競技練習との関係を指導者と整理する。49研究のメタ分析は補完的な位置づけを示し、スプリント、筋力、跳躍系の練習と組み合わせる考え方を挙げている。[12]
- 短時間で続ける場合も、達成の基準を分ける。女子大学選手3人の30秒プランクでは体幹機能の改善とスプリントの小さな変化が並存していた。続けた日と走った成果を混同しない。[11]
日誌を付けるなら、「体幹は前より楽だった」「同じ走行課題で比較した」「方向転換は扱いやすかった」のように、評価した内容が伝わる言葉を選びたい。サッカーの試験で敏捷性と直線走の結果が分かれたように、感想の中の速さにも違いがある。すべてをひとまとめにしてしまうと、何が変わったかを後で読み返せなくなる。[8]
また、試験で用いられた練習量を、そのまま自分の必要量と考える必要はない。週2日のボート選手の試験も、週3日のサッカー選手の試験も、直線走などへの明確な成果は示さなかった。回数を埋めることより、追加した練習と狙った成果が結び付いたかを点検する方が、今回の問いには合っている。[8][19]
目標が競技のダッシュなら、相談の際も「体幹を強くしたい」で止めず、「直線走の記録を変えたいのか、方向転換を含む動きを変えたいのか」を言葉にするとよい。通常練習に何を足すかという問いが具体的になる。ハンドボールの分析で投げる力や跳躍と直線走の結果が分かれたことも、競技の成績を項目別に見る理由になる。[13]
プランクの自己記録は、その記録として喜んでよい。次の試合の動き出しまで良くなったかは、別に観察する。体幹の成果を走る場面へ持ち出すときに必要なのは、強い宣伝文句より、評価の間を飛ばさないことである。[18][19]
オンザショア立川店で、ダッシュの練習を補う時間をつくる
走る目標があるなら、競技練習と、それを補う体幹の運動を予定の中で分けて考えたい。オンザショア立川店には、常温ヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱い、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店舗はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休である。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。店舗トップと料金案内で通う条件を確かめ、体験の予約へ進める。週末のコートで変えたい動きを思い浮かべ、体幹を動かす時間を平日の予定に置く。仕事帰りか朝か、通える時間から選ぶ。走る成果は競技の場で確かめながら、補助となる運動を続ける場所として検討したい。

参考文献
[1] Effects of core training on physical performance in team-sport athletes: a systematic review and meta-analysis — Liu Y, Zhang F, Kong S, Liu J, Wang H, Shi S, Bezmylov M., 2026, BMC sports science, medicine & rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-026-01807-5
[2] Instability core training <i>vs</i> traditional core training on trunk strength and sprint performance among athletes: a systematic review and meta-analysis — Gao J, Liu D, Zhu J, Guo Q, Wang X., 2025, PeerJ. DOI: 10.7717/peerj.20212
[4] Exploring the role of the core in sports performance: a systematic review of the effects of core muscle training — Bustos Carvajal JS, Arias Coronel F., 2025, Frontiers in sports and active living. DOI: 10.3389/fspor.2025.1630584
[8] Effect of core training on speed, quickness and agility in young male football players — Doğanay M, Bingül BM, Álvarez-García C., 2020, The Journal of sports medicine and physical fitness. DOI: 10.23736/s0022-4707.20.10999-x
[11] Effects of a Minimal-Dose, Short-Duration Core Training Program on Core Function and Athletic Performance in Elite Female University Ice Hockey Players in Japan: A Case Series — Yoneyama H, Fujii S, Kaneko S, Watanabe T., 2026, Cureus. DOI: 10.7759/cureus.114246
[12] The effects of core training on athletic performance (speed and jumping) in different sports: a meta-analysis — Kayantaş İ., 2026, Frontiers in physiology. DOI: 10.3389/fphys.2026.1946447
[13] Effects of core strength training on athletic performance in handball players: a systematic review and meta-analysis — Hang F, Chen L, Shen J, Li R, Zhu Y., 2026, BMC sports science, medicine & rehabilitation. DOI: 10.1186/s13102-026-01847-x
[17] Isolated core training improves sprint performance in national-level junior swimmers — Weston M, Hibbs AE, Thompson KG, Spears IR., 2015, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2013-0488
[18] Influence of dynamic versus static core exercises on performance in field based fitness tests — Parkhouse KL, Ball N., 2011, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2010.12.001
[19] Development and validation of a core endurance intervention program: implications for performance in college-age rowers — Tse MA, McManus AM, Masters RS., 2005, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/15424.1
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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