観葉植物は夜に酸素を奪うのか。寝室の二酸化炭素を鉢の数で読み分ける

観葉植物を寝室に置くと夜に酸素を奪うのか。オフィスで鉢を0、5、18と入れ替えた試験では補正した二酸化炭素に有意な関連はなく、教室では平均が2004ppmから1121ppmへ下がり、実環境では地点によって大きく下がった報告もある。鉢の数と部屋の空気を、研究の型ごとに読む。

消灯する前、枕元の葉を見て、鉢を廊下へ出すか迷う。夜の植物は酸素を吸う、とどこかで聞いたからだ。枕元の1鉢を避難させるかどうかは、気持ちの問題に見える。比べる単位を鉢の数と、部屋で測った二酸化炭素に置くと、話の形が変わる。

答えの芯は、鉢の数と部屋の二酸化炭素の関係は、測った環境によって結果が異なる、である。オフィスでボストンファーンを0鉢、5鉢、18鉢と入れ替えた試験は、補正した二酸化炭素との有意な関連を支持しなかった。一方、ポルトガルの小学校では、天井から6鉢を吊ったあとの平均が2004ppmから1121ppmへ下がっている。下がった報告と、関連が出なかった試験が、同じ棚に並ぶ。[2][1]

既存記事「観葉植物の空気清浄効果は本当か、換気に並ぶには床1m²に10〜1000鉢という計算と心の試験」には、換気と清浄の比較を譲る。既存記事「観葉植物の加湿効果はどこまで?加湿器代わりを考える前に読むオフィスの実験」には、湿度を加湿器の代わりにできるかを譲る。こちらは寝室の噂の単位、つまり鉢の数と二酸化炭素の向きだけを読む。今回扱うのは室内環境と植物の研究であり、18〜39歳の女性の寝室での酸素濃度や睡眠への影響へ、そのまま当てはめることはできない。二酸化炭素の測定と、酸素の減少による健康影響の判定には距離がある。

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オフィスの18鉢は、補正した二酸化炭素を動かさなかった

2024年の実験は、三つのオフィスに三つの条件を、六つの時期にわたって回した。ラテン方格と呼ばれる入れ替えで、部屋の癖だけに結果が寄らないようにしてある。条件は、植物なし、ネフロレピス・エクサルタータ(ボストンファーン)5鉢、同18鉢。空気は5分間隔で微量ガス分析計が記録し、一般化線形混合モデルで湿度、室温、二酸化炭素を見た。[2]

湿度の中央値は、鉢がないとき29.1パーセント、5鉢で38.9パーセント、18鉢で49.2パーセント。鉢の数と湿度には、有意な正の相関があった。室温と、補正した二酸化炭素には、有意な関連がなかった。著者らは、乾燥した気候では室内の植物が湿度を上げる使い方を支持し、オフィスの室温や二酸化炭素を植物で調整する使い方は支持しない、と書いている。[2]

18鉢は、枕元の1鉢よりかなり多い。その本数でも補正した二酸化炭素が有意に動かなかった、という結果は両方向に効く。1鉢が夜の部屋の二酸化炭素を大きく押し上げる、という絵は、この試験からは出てこない。数鉢置けば二酸化炭素が下がる、という頼みにも、この試験はならない。対象はオフィスであり、ボストンファーンの鉢数と補正した二酸化炭素である。[2]

有意な関連がなかった、という結果から、差の大きさまで小さいと決めることはできない。統計的な関連の有無と、変化量そのものは別の情報である。この試験で具体的に示された中央値は湿度の29.1パーセントと49.2パーセントだ。二酸化炭素の結論を説明するときに、その湿度の変化量を借りてしまうと、測った項目が入れ替わる。[2]

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教室では6鉢の設置後、平均が2004ppmから1121ppmへ下がった

別の向きの数字は、2011年のポルトガル、アベイロの小学校にある。室内と屋外の空気を9週間、集中して測り、植物がない期間とある期間を比べた。測定項目には温度、一酸化炭素、カルボニルも含まれ、PM10は水に溶ける無機イオンと炭素の成分に分けて分析された。天井から6鉢を吊ったあと、二酸化炭素の平均は2004ppmから1121ppmへ下がった。在室時間の揮発性有機化合物の平均は、植物なし933μg/m³、植物あり249μg/m³だった。[1]

粒子状物質PM10は、在室中の教室が屋外よりいつも高かった。そのうえで、鉢の存在はPM10をおおよそ30パーセント下げた可能性が高い、と論文は書いている。屋外より低い部屋になった、とは書いていない。教室の中での下がり幅と、外の空気との上下は、別の比較である。[1]

この測定は、NASAの先行研究が、植物と土の微生物で室内の汚染物質を減らせるかもしれないと示していた、という流れを引いている。結果は、植物が室内の空気を改善しうるというNASAの示唆を裏づける、と著者らは結んだ。裏づけの中身は、一つの小学校での設置前後と、上の濃度である。オフィスのように鉢の数を部屋ごとに回した設計ではない。[1][2]

天井から吊った6鉢と、枕元の1鉢は、置き方も本数も違う。2004ppmという平均は、人がいる学校の教室の濃さでもある。自宅の寝室の目標値に、この二つの平均をそのまま貼ると、測った場所の意味が落ちる。下がった、という事実と、自分の部屋でも同じだけ下がる、という期待は分けておく。[1]

アレカヤシの52.33パーセントは、地点IIIの値である

インドの研究機関CSIR-IHBTでは、自然換気の四つの地点を4カ月かけ、アレカヤシの鉢数を段階的に変えた。1〜4週は0鉢、5〜8週は3鉢、9〜12週は6鉢、13〜16週は9鉢。実在の室内で、総揮発性有機化合物、二酸化炭素、一酸化炭素を見た実験である。[4]

論文が示した下がり幅は、地点で分かれる。地点IVの総揮発性有機化合物が88.16パーセント、地点IIIの二酸化炭素が52.33パーセント、同じ地点IIIの一酸化炭素が95.70パーセント、という対応である。三つの割合を平均して「アレカヤシは何パーセント空気をきれいにする」とは書けない。二酸化炭素について論文が置いた割合は、52.33パーセントの方である。[4]

著者らは、アレカヤシの鉢が効率的で費用を抑え、自ら調整し、持続的な手段だと結論し、閉じた空間の快適さや生産性にまで話を広げている。測定の場所について論文が先に書いているのは、自然換気のある地点である。閉じた空間という言葉と、自然換気という言葉は、同じ論文の中で並んでいる。52.33パーセントを、窓を閉め切った寝室の約束として読み替えるには、この並びが邪魔をする。[4]

週ごとに鉢を足していく記録は、季節や人の出入りと一緒に進む。ラテン方格で条件を回したオフィス試験とは、鉢以外の条件の扱いが違う。大きい割合が出たことと、鉢だけが原因だと決まることは、この設計では同じ強さにならない。実環境の数字は、制御した試験の「関連なし」を消さない。逆も同じで、オフィスの結果が地点IIIの52.33パーセントを無かったことにはしない。[4][2]

三つの結果を同じ棚に置くと、鉢の数と二酸化炭素の向きは一枚岩ではない。入れ替え試験は関連なし、教室の設置前後は平均が下がり、自然換気の地点IIIは52.33パーセント下がる。寝室の1鉢を廊下へ出すかを、このうち一つだけを盾にすると、残りの二つが黙ってしまう。[2][1][4]

ボストンファーンの18鉢は、オフィスの机の周りを埋める量である。アレカヤシは0鉢から9鉢まで、4週ごとに足している。小学校の6鉢は床ではなく天井から吊った。置き場所と本数と、条件の回し方が違う三つの室内で、二酸化炭素を見ている。枕元の1鉢は、そのどれよりも少ない。[2][4][1]

棚の1鉢を、18鉢の試験より強い装置だと思わない。天井の6鉢の前後比較より、自分の枕元の方が精密だとも思わない。地点IIIの52.33パーセントは、自然換気で4カ月見た一地点の割合である。向きの違う三つの室内を数字で並べてから、廊下へ出すかを考える。[2][1][4]

数字で読む寝室の二酸化炭素

29.1、38.9、49.2パーセント:オフィスで鉢0、5、18のときの湿度の中央値。補正した二酸化炭素に有意な関連はなかった。[2]

2004ppmから1121ppm:小学校の教室で、6鉢を天井から吊ったあとの二酸化炭素の平均。[1]

52.33パーセント:自然換気の地点IIIで、アレカヤシが二酸化炭素を下げた割合。88.16パーセントは別地点の総揮発性有機化合物である。[4]

984ppmと919ppm:チェンナイのバルコニーで、植えていない側と植えた側の木曜の二酸化炭素。[3]

0.045モル:葉に特殊な材料を付けたスパティフィラムで、葉1平方メートルあたり1日の追加の二酸化炭素固定。市販の鉢の夜の値ではない。[6]

マイナス25パーセントから100パーセント:室内植物によるBTEX除去率の幅。1鉢あたりの効果は限ると、系統的レビューは書いている。[7]

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宮川涼 Founder

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