デジタルデトックスは平日だけでも変化する?使わない間と再開後の反動を読む

平日はスマホを控え、週末はまた使う。そのデジタルデトックスで何が変わったと考えればよいのか。使用を減らした研究では、不快な気分と楽しい気分がともに減る結果もある。使用時間、気分、使いたい欲求、再開後の変化を分け、平日の暮らしに合う試し方と研究の限界を読む。

夕食の皿を下げたあと、いつも投稿を眺めていた時間が空いた。平日は控えると決めたものの、手持ち無沙汰なら失敗なのか。土曜にまた見たくなったら反動なのか。デジタルデトックスは、画面を閉じた日数だけでは採点しにくい。使用量と使いたい欲求は、別々に確かめる必要がある。[2]

平日だけ試す場合も、「使わなかった」と「調子がよくなった」を別々に見るのが筋である。研究を広く見渡したレビューでは、抑うつや問題のある使用が改善する可能性はある一方、生活満足度や全体的な心の状態への影響は一定していない。平日だけなら誰にでも同じ変化が起こる、と約束できる段階ではない。[18]

再開して使ったことと、使いたい欲求が強まったことも同じではない。SNSの利用を減らした研究では欲求の増加は見られず、スマホを丸ごと使わない別の研究では欲求への影響が見られた。何を休んだか、何を測ったかを分けると、「週末に見たから台無し」という判定から離れられる。[2][5]

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平日だけ休むなら、まず何を休むかを決める

デジタルデトックスとは、機器の使用を自発的に減らす、または一時的にやめる取り組みである。研究でこの呼び名が指す行動は幅広い。SNSを休む方法から、機器の使用を適度に制限し続ける方法まで含まれる。その違いは、結果がそろわない理由の候補にも挙げられている。[18]

そこで平日の計画では、曜日を書く前に対象を書く。「スマホをやめる」だと、仕事の連絡、帰りの経路確認、友人の投稿まで同じ箱に入る。「夕食中は投稿を見ない」なら、休む行動が具体的になる。これは効果が証明された処方ではなく、何を変えたのかを自分で確かめるための計画例だ。SNSの利用制限と機器全体の使用停止を扱った研究は、分けて読まなければならない。[2][5]

たとえば連絡は必要だが、連絡を終えてからの閲覧を減らしたい人がいる。逆に、投稿を読むことより、寝床まで画面を持ち込む習慣が気になる人もいる。若い成人の睡眠を扱ったナラティブレビュー、つまり研究を主題ごとに整理する総説では、日全体の画面時間だけより、就寝時の使用や問題のある使い方との関連が強いと整理されている。[11]

ただし、関連が強いという説明を「その時間だけ切れば必ず眠れる」に置き換えてはいけない。同レビューは、問題のある使用、睡眠の不調、抑うつ症状の関係が双方向である可能性も示す。画面が眠りを妨げる側面だけでなく、眠れないから画面に向かう側面も考える必要がある。[11]

既存記事「画面を見ない60分 ― 通知から離れる場所としてのスタジオ」には、画面を離れる場所という論点を譲る。ここで追うのは、平日の制限をどう評価し、再開した週末をどう読むかだ。スマホをしまう場所が決まっても、変化を測る物差しは別に必要になる。

「平日だけ」という条件には、仕事がある、家族との連絡がある、週末には趣味の情報を楽しみたい、といった生活上の理由が入る。条件を厳しくして日常が回らなくなれば、画面時間の記録だけよくても困る。実際に、青少年がスマホとSNSを全面的に休んだ試験では、生活機能をスマホに頼っていることが困難として語られた。対象は英国の13〜18歳であり、18〜39歳の女性の仕事や家庭生活にそのまま当てはめることはできないが、使えなくなって困る機能を書き出す視点は持てる。[4]

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気分がよくなるとは、嫌な気分が減ることだけか

SNSを中程度から多く使う51人を対象に、使用を大幅に減らした1週間の変化を追った研究がある。日常の中で気分などを繰り返し調べる方法を用い、使いたい気持ちについても、本人の回答と行動課題の両面から調べている。結果は「休めば全体によくなる」という単純な形ではなかった。[2]

否定的な気分や退屈が減る変化が見られた一方、肯定的な気分も減った。否定的な気分とは不快な感情の側、肯定的な気分とは楽しい、心地よいといった感情の側である。不快さが少ないことと、楽しさが多いことは同じ物差しの両端とは限らない。この研究では、両方が下がる結果が出た。[2]

これを平日の夜に置いてみる。人の近況と自分を比べる場面が減って、ほっとするかもしれない。同時に、友人の写真を見て笑う時間もなくなるかもしれない。研究者は、利用を減らすことで否定的な感情を引き起こす経験と、肯定的な感情を引き起こす経験が同時に取り除かれる可能性を挙げている。ただし、それが全員の変化を説明すると確定したわけではない。[2]

スマホをしまったあと、静かにはなったが、別に楽しくはない。この感想は矛盾ではない。静かさを求めていたなら望んだ変化かもしれず、友人とつながる楽しみを求めていたなら物足りなさも残る。研究の結果を読む際は、不快さが減ったという面だけを切り取って、心の状態が全面的に改善したと広げないことが大切だ。対象は中程度から多くSNSを使う人であり、18〜39歳の女性に同じ気分の変化が起こるかは、この結果だけでは判断できない。[2]

反対に、取り組みを始めて退屈を感じたからといって、離脱症状と決めるのも早い。この51人の研究では、否定的な気分と欲求が増えるという一般的な離脱症候群に合う変化は見られなかった。しかも退屈は減る方向だった。別の試験では退屈が困難として語られており、感想や結果を対象の違いごと読む必要がある。[2][4]

平日に記録を残すなら、「気分がよいか」という大きな問いだけで終えないほうが、研究との対応を考えやすい。不快さはどうだったか、楽しさはどうだったか、することがなくて困ったか。ここでの記録案は研究結果を生活に照らすためのものであり、点数によって健康状態を診断するものではない。[2]

使いたい欲求と、再開後の使用時間は別の結果だ

反動という言葉は便利だが、中身が混ざりやすい。画面を開きたい気持ちが強まること、実際に使う時間が増えること、制限中に得た変化が消えること。いずれも「元に戻った」と語られうるが、同じ出来事ではない。研究では、欲求や気分を測るものと、後日の変化を追うものを分けて読む。[2][4][5]

51人のSNS制限研究では、本人が答える使いたい欲求や、SNSに関連する刺激への反応に影響は見られなかった。さらに、SNSへ近づこうとする傾向、時間感覚のずれ、アクセスのために費やす努力といった行動課題の指標にも影響がなかった。本人の感想だけでなく、異なる角度から動機を調べても、利用制限による増減は確認されなかったという結果だ。[2]

一方、スマホ利用者が24時間スマホを使わない期間を含め、気分、不安、欲求を4回測った研究では、影響があったのは欲求だけだった。気分や不安にも同じ変化が起きたという結果ではない。ここでも、スマホを触りたいことと、心の状態全体が悪くなることは分かれている。対象はスマホ利用者であり、18〜39歳の女性に同じ欲求の変化が起こると一律には予測できない。[5]

両者を並べて、「長く休むほど欲求が落ち着く」と読むことはできない。SNSを減らす条件とスマホを使わない条件が違い、同じ人を期間だけ変えて比べた実験ではないからだ。短い制限から長い制限へ並べ替えても、回復の時間表にはならない。[2][5]

土曜に動画を長く見たとする。それだけでは、平日の制限が欲求を強めたとは判断できない。見たい番組があったのか、予定が空いていたのか、制限前の週末にも同じように使っていたのか。個人の記録を読むときも比較する場面をそろえる、という考え方が役に立つ。研究で欲求と他の指標が分かれたことを踏まえ、使用時間だけから気持ちを逆算しないのである。[2][5]

もうひとつ、研究でいう欲求の結果を、全員がまったく使いたくなくなったという意味に取らないことだ。51人の研究で調べたのは、制限によってその指標がどう変化するかである。使いたい気持ちがある状態と、休んだためにその気持ちが強まる状態は違う。「今日も使いたかった」という記録だけでは、制限前から変わったかどうかまでは分からない。平日を振り返る際には、禁止を守れたかという問いと、欲求が変わったかという問いを分けておきたい。[2]

数字で読むデジタルデトックス

51人:中程度から多くSNSを使う人を追った研究の対象者数である。[2]

1週間:同研究がSNSの利用を大幅に減らして調べた期間である。[2]

24時間:別の研究に含まれたスマホを使わない期間で、気分や不安ではなく欲求に影響が見られた。[5]

82人:スマホとSNSの全面的な制限を試した、英国の13〜18歳の試験参加者数である。[4]

21日と2か月:同試験の制限期間と追跡の時点で、終了時に見られた暫定的な改善は追跡時には維持されなかった。[4]

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宮川涼 Founder

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