
少なく切り上げると、筋肉の成果まで消えるのか
早めに終える話を聞くと、「それでは何も変わらないのでは」と感じるかもしれない。若年男性22人を無作為に分けた試験は、その疑問を考える手がかりになる。スクワットを8週間行い、速度低下20%で終える群と40%まで行う群を比較した。20%の群は反復回数が40%少なかったが、スクワット筋力の向上は40%の群と同程度であった。若年男性での結果なので、18〜39歳の女性でも同じ成果の配分になるかは別に確かめる必要がある。[14]
ジャンプ高の改善は20%の群で9.5%、40%の群で3.5%で、群間に有意な違いがあった。一方、筋肉の大きさを見ると、両群で大腿四頭筋の体積などが増え、外側広筋と中間広筋の肥大は40%の群のほうが大きかった。筋力、跳ぶ能力、筋肉の大きさは、ひとつの「効果」という箱に入れると違いが隠れる。[14]
だから、回数を減らしても筋力が伸びた結果を、筋肉の大きさでも常に同等だったと言い換えてはいけない。逆に、筋肥大が大きかった結果を、疲れるまで行うほど日常の動きにも有利だと広げるのも誤りである。終点の設定には、成果のどの面を重視するかという選択が含まれている。[14]
若い筋トレ経験者の男性64人を無作為に分けた別の試験では、速度低下0%、10%、20%、40%の設定で8週間のフルスクワットを行った。男性の経験者での比較なので、18〜39歳の女性に最適な終了条件を直接決める根拠にはできない。短距離走、ジャンプ、筋力の改善には群間差がなかった。先ほどの試験で見られたジャンプの優位が、別の条件では再現されなかった。[20]
この試験では20%と40%の群で筋肥大が有意に認められた一方、筋肥大の群と時間の交互作用は有意水準に達していなかった。交互作用とは、時間による変化の仕方が群によって違うかを見る分析である。群内で増えたことと、ほかの群より確実に大きく増えたことは分ける必要がある。また40%の群では、力を出し始める速さの低下も認められた。[20]
結果を合わせると、大きな減速を許す設定には筋肥大の面で利点がある場合があるが、筋力や動作能力すべてを最大にする一律の設定ではない。低い速度低下で終える練習にも成果があり、より疲れるほうを自動的に正解にする理由はない。まして、これらの挙上研究から体重を減らすための毎日の回数を決めることはできない。[14][20]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
今日の遅さには、始める前の状態も関わる
同じメニューなのに今日は動きが鈍い。そんな日は、回数を埋める前に、開始前の条件にも目を向けたい。健康で筋トレ経験があり、月経周期が規則的な18〜35歳の女性10人を対象にした無作為化クロスオーバー試験では、睡眠を制限した場合と通常の睡眠の場合で、繰り返す筋力運動の質と量を比較している。[15]
睡眠制限の条件は床に入る時間を5時間とする夜が9夜続く設定で、通常の条件は7時間以上だった。総負荷量の減少は統計的には有意だったものの1%未満とごく小さかった。一方、下半身の複合種目ではセットの平均挙上速度が最大15%遅くなり、バックスクワットのセット内速度低下は最大7%大きかった。[15]
主観的なきつさも11%増加した。同じくらいの量をこなしていても、動き方と内側の負担には違いが出る。数字を達成したという記録だけなら、この変化を見逃しかねない。ただし、この実験の睡眠条件は研究の設定であり、読者に勧める睡眠時間ではない。また、一晩だけ夜更かしした人の変化をその割合で予測する数字でもない。[15]
日常の記録では、「回数は同じだったが、終盤が普段より重かった」「途中で休息を挟んだ」といった言葉を添えるだけでも、量だけを成果にしない整理ができる。前夜の睡眠も並べておけば、実施条件を振り返る材料になる。研究が示したのは睡眠条件による平均的な違いであり、自分の遅さの原因を記録だけで断定することではない。[15]
ここで、意図的にゆっくり動いた日を混ぜないことも大切だ。動作速度を最初から変えた日の記録と、同じ課題の途中で減速した日の記録では、問うているものが違う。研究の速度低下は、重さや実施条件を設定したうえで測られている。家でも「速かった、遅かった」と評する前に、その日どんな動き方を予定したかを書いておく。[8][18]
また、翌日の予定を見て軽く切り上げた日と、予定の回数まで粘った日を、成功と失敗に分ける必要はない。比較したいのは、終え方とその後の動きの組み合わせである。疲労と回復を追った試験は、運動した直後だけで判定していない。家庭のメモでも、終わった瞬間の達成感だけで全体を採点しない、という読み方ができる。[8]
「毎日できたか」だけを記録すると、減らして終えた日が空欄になってしまう。そこで実施の有無と終了した理由を別に残すことを提案したい。「予定があるため切り上げた」と「同じ条件なのに減速が目立った」では、次に振り返る問いが違う。速度低下や休息を条件として管理した試験を読む姿勢を、日常ではこうした記録の区別に使える。[8][18]

よくある誤解
「遅くなるまで粘らないと、筋力は伸びない」。これは少なくとも一律には当てはまらない。速度低下20%と40%を比較した試験では、少ない反復でも筋力は同程度に向上していた。ただし、筋肉の部位別の肥大は同じ結果ではなかった。何の成果を比べているかを省かないことが大切である。[14]
「研究で20%が良かったから、自宅でも20%を目で見て判定すればよい」。研究では機器で速度を測り、重さやセット構成を決めている。自分が感じる「少し遅い」にその割合を貼り付けても、同じ条件にはならない。自宅で使えるのは、回数だけでなく減速にも注目するという考え方である。[8][18]
「回数を達成できた日は、いつも同じ負担だった」。睡眠制限の試験では、総負荷量の変化が小さくても挙上速度ときつさには変化が出ていた。また、休息の挟み方を変えた試験でも疲労が違っていた。カレンダーに同じ達成印が並んでも、その中身まで同じだとは限らない。[5][15]
今日からできること
- 記録は総回数に加えて、終盤の減速と休息の有無を残す。男性16人の試験では、速度低下の設定によって平均反復回数も変わっており、回数だけでは条件をそろえられない。[18]
- 翌日に別の運動がある日は、始める前にその予定も記す。男性15人の試験では、速度低下40%の条件で24時間後にも動作能力の低下が認められた。家庭用の回復期限には置き換えない。[8]
- 連続して行った日と、途中で休んだ日を分けて比べる。女性と男性36人の試験では、クラスター方式で急性の疲労が小さく、筋力と筋持久力は従来方式と同程度に改善した。[5]
- 回数が同じでも普段より重く感じた日は、前夜までの睡眠条件を添える。女性10人の試験では、量の変化より動作速度の変化が目立った。数字を埋めたことだけで評価を終えない。[15]
- 成果の欄に、筋力を重視するのか、筋肉の大きさを重視するのかを書き分ける。8週間の比較では、それらが同じ方向に有利とは限らなかった。痩せるための回数表とは区別する。[14][20]

オンザショアで、回数以外の予定も組む
回数の記録と一緒に、通う時間や選ぶ種目も予定に入れておきたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。生活のどの時間帯に運動の場所を置くか、予定表と照らして考えられる。
パーソナルトレーニングのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを設けている。種目と時間を選び、通う予定を具体化するための選択肢である。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。店舗案内と料金で予定を確認し、体験予約へ進む。持ち物と行く時間まで決めて、生活の中に続ける場所を置きたい。
参考文献
[5] Acute Responses and Chronic Adaptations to Cluster Versus Traditional Set Resistance Training in Males and Females — Hobein E, Miltner F, Jukic I, Ferrauti A, Wiewelhove T., 2026, European journal of sport science. DOI: 10.1002/ejsc.70160
[8] Time Course of Recovery From Different Velocity Loss Thresholds and Set Configurations During Full-Squat Training — Cornejo-Daza PJ, Villalba-Fernández A, González-Badillo JJ, Pareja-Blanco F., 2024, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000004623
[14] Effects of velocity loss during resistance training on athletic performance, strength gains and muscle adaptations — Pareja-Blanco F, Rodríguez-Rosell D, Sánchez-Medina L, Sanchis-Moysi J, Dorado C, 2017, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/sms.12678
[15] Sustained Sleep Restriction Reduces Resistance Exercise Quality and Quantity in Females — Knowles OE, Drinkwater EJ, Roberts SSH, Alexander SE, Abbott G, Garnham A, Lamon, 2022, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000003000
[18] The Effects of 10%, 20%, and 30% Velocity Loss Thresholds on Kinetic, Kinematic, and Repetition Characteristics During the Barbell Back Squat — Weakley J, Ramirez-Lopez C, McLaren S, Dalton-Barron N, Weaving D, Jones B, Till, 2020, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2018-1008
[20] Velocity Loss as a Critical Variable Determining the Adaptations to Strength Training — Pareja-Blanco F, Alcazar J, Sánchez-Valdepeñas J, Cornejo-Daza PJ, Piqueras-Sanc, 2020, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000002295
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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