ダイエットの緑茶に牛乳を足すと成分は減る?結合と血中に届く量の違いを読む

緑茶に牛乳を足すとカテキンが無駄になるのか。乳たんぱく質との結合を調べた食品実験と、飲んだ後の血中濃度を測った人の試験を読み分ける。減ったのは自由な成分か、体に届く量か。カテキンの種類や茶の違いで結果が変わる理由と、ダイエット中の一杯を選ぶ際の考え方を整理する。

湯のみの緑茶に牛乳を注ぐと、淡い色が広がる。飲みやすくなったところで「牛乳がカテキンを消してしまう」という話を思い出す。カップの中身を捨てる前に、その「減る」が何を測った言葉なのかを確かめたい。

答えの芯は、結合と吸収は別だということだ。牛乳のたんぱく質と結びつき、自由な状態のポリフェノールが減る食品実験はある。一方、人の試験では、牛乳と一緒に摂ると血中への現れ方が小さくなるカテキンも、大きくなるカテキンもあった。「全部なくなる」では説明できない結果である。[3][20]

既存記事「ダイエットの緑茶にレモンを足すと違う?酸性度とカテキンの安定性を読む」には酸性度の話を譲る。ここで考えるのは乳たんぱく質との組み合わせだ。また「間食のココアは牛乳で吸収が変わる?成分の結合と体に届く量を分けて読む」はココアの吸収と代謝を扱う記事であり、こちらは緑茶のカテキンの種類別の違いに焦点を置く。体重を減らす飲み方の順位をつけるのではなく、カップの中の測定値と、飲んだ後の血液の測定値をつなぎ直す。

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牛乳と結びつくことは、カテキンが消えることか

緑茶の成分を扱うとき、ポリフェノールというまとまりと、その中のカテキンを行き来する。さらにカテキンにも種類がある。健康で標準体重の女性を対象にした試験では、ガレート基を持つカテキンと、持たないカテキンを分けて評価している。ガレート基とは分子の構造の一部を指す呼び名で、同じ緑茶由来でも、その違いを無視して吸収を語れない。[3]

まずカップの側から見よう。緑茶液と牛乳を混ぜたモデルを、100℃で15分加熱した食品実験がある。乳たんぱく質の濃度が高くなるにつれ、総フェノールとたんぱく質の結合率は19.63%から51.08%へ上昇し、自由なポリフェノールが減少した。試験に使われた条件では、乳たんぱく質との相互作用が実際に測定されたのである。[20]

ここで「自由な」とは、たんぱく質に結びついていない状態を区別する言葉だ。この研究では、限外ろ過という成分を分ける操作の後に、小さな分子を分析している。牛乳と混ぜて加熱すると、エピガロカテキンガレートなどが乳たんぱく質と結合し、ろ過の過程で除かれる側に移った。測定対象から外れたことと、飲み物全体から消失したことは同じではない。[20]

たとえるなら、単独で歩いていた人が集団に加わったとき、単独の人だけを数えれば人数は減る。しかし、そこで数えたのは全員ではない。食品実験の「減少」を読む際にも、自由な分子を数えたのか、結合したものまで含めたのかを確かめる必要がある。実際、この実験は茶の小分子と乳たんぱく質が複合体を作ることを示している。[20]

しかも、この条件は冷めた緑茶に牛乳を少し足す場面そのものではない。混合後の加熱まで含むモデルである。家庭の一杯に対し、結合率がそのまま当てはまるとは扱わない。何が起こり得るかを示す実験として読み、普段の飲み方でどれだけ起こるかという問いは分けておく。[20]

飲み物の研究では、自由な成分の量だけでなく、泡や粒子の状態も調べられている。同じ実験で乳たんぱく質は泡立ちを高めたが、泡の安定性は下げた。見た目がよく泡立つことさえ、安定していることとは別だった。カップの見た目から成分の行方まで一息に推測するのは難しい。[20]

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抗酸化の測定値と、飲んだ後の作用は距離がある

加熱した緑茶と牛乳のモデルでは、自由なポリフェノールの減少に伴い、実験で測る抗酸化能も低下した。抗酸化能とは、この場合、特定の反応を抑えたり還元したりする働きを試験で評価した値である。乳たんぱく質の濃度に応じた変化が観察されたが、これは食品を対象にした測定結果だ。[20]

これに対し、乳をポリフェノールの運び手として検討したレビューは、乳たんぱく質との相互作用が、腸内の不安定な環境で緑茶ポリフェノールの抗酸化の働きを保護し得ると整理している。結合はいつでも損失を意味する、という見方とは異なる。食品中で測る状態と、消化の過程で置かれる状態が違うことを考える手掛かりである。[1]

別の茶の調製実験では、緑茶、紅茶、ウーロン茶について、いれ方や脱脂粉乳の添加を比較した。脱脂粉乳を加えると、消化過程におけるフェノール成分の利用可能性が高まったと報告されている。ここで高まったのは、調製法を変えた茶について消化の過程で評価した指標であり、人の血中濃度を測った試験と同列には置かない。[17]

食品実験では減った、別の実験では増えた。この並びを見て、研究は当てにならないと感じるかもしれない。しかし、問いが違えば答えも違う。加熱した混合物に自由な分子がどれだけ残るか。消化の過程でどれだけ利用可能になるか。血液にどれだけ現れるか。それぞれの測定場所をそろえずに増減だけを比べると、研究同士が矛盾して見えてしまう。[3][17][20]

レビューの「保護」という言葉も、牛乳を足せば必ず有利だという処方にはしない。人を対象にした緑茶の試験で、血中への現れ方が小さくなった成分もあるからだ。全体像を考えるレビューと、特定の対象・飲み物で測った試験は、どちらかを捨てるために読むものではない。どの条件なら、どの主張が支えられるかを見極めるために併せて読む。[1][3]

夕方の台所で必要なのは、飲み物を善悪に仕分ける判定ではない。「抗酸化が下がる」という見出しに出合ったら、食品の測定なのか、人が飲んだ結果なのかを確かめる。その違いを置いたままなら、実験室の値をそのまま自分の体の得失に変換せずに済む。[3][20]

女性の試験では、カテキンの種類で方向が分かれた

人が実際に飲んだ結果として、この問いに近いのが、健康で標準体重の女性24人による無作為化クロスオーバー試験だ。同じ参加者が異なる条件を順に試す設計で、緑茶抽出物1.75gを含む飲み物を、単独、脱脂乳、カゼイン塩、大豆たんぱく質と組み合わせて比較した。カゼインは乳たんぱく質の一種である。[3]

採血は飲む前と、飲んだ後の4.5時間にわたり複数回行われた。評価に使われたのは、血中濃度を時間に沿って追った曲線の下の面積だ。ある瞬間の濃度だけでなく、測定期間中の血中への現れ方をまとめて比べる指標である。このような指標で評価される利用可能性を、研究ではバイオアベイラビリティと呼んでいる。[3]

緑茶単独を基準にすると、脱脂乳を加えた条件の総カテキンは87±5%だった。エピガロカテキンガレート、略してEGCGは68±4%、エピカテキンガレートも68±5%となり、それぞれ有意に低下した。数値は平均と標準誤差であり、全員が同じ割合になったという意味ではない。[3]

一方、ガレート基を持たないエピガロカテキンは134±9%、エピカテキンは125±10%へ有意に増加した。同じ参加者、同じ脱脂乳の条件でも、成分によって増減の方向が分かれたのである。牛乳がカテキン全部の吸収を遮断するという説明は、この試験の結果に合わない。[3]

総量が小さくなったことを隠す必要もない。脱脂乳条件では総カテキンの指標は低下している。ただし、総量の結果を個々の成分すべてに貼り付けるのも不正確だ。「全体では低下したが、種類別には増えたものもある」と、両方を残して理解したい。[3]

血中濃度曲線下面積を読むときは、飲み物の中に最初から入っていた量との区別も必要だ。緑茶単独を基準とした割合は、飲む前の成分量がその割合まで薄まったという意味ではない。試験飲料を摂った後、血中に現れた濃度と時間を組み合わせた比較である。カップの分析値とは、分母も測定の場所も違う。[3]

また、採血を繰り返す設計だからこそ、飲んだ直後の一点だけを見て判断せずに済む。ただし、血液での測定は、その先の生活上の変化まで一緒に測ったことにはならない。この試験から読み取るのは、食事性たんぱく質の同時摂取が、種類別のカテキンの動きに影響したという範囲だ。[3]

数字で読む緑茶と牛乳の測定

女性24人:緑茶抽出物と脱脂乳などを比較した人の試験の対象である。[3]

87±5%:緑茶単独に対する、脱脂乳条件の総カテキンの血中濃度曲線下面積である。[3]

68±4%:同じ脱脂乳条件のEGCGの値で、総カテキンとは低下の程度が異なる。[3]

134±9%:同じ条件のエピガロカテキンの値で、こちらは増加した。[3]

19.63〜51.08%:加熱した食品モデルで、乳たんぱく質濃度の上昇に伴って変化した結合率である。[20]

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宮川涼 Founder

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