朝ごはんの卵丼はとろみで薄く感じる?運動前に味見と塩の量を分けて考える

朝ごはんの卵丼が薄く感じても、すぐに塩やしょうゆを足す前に、とろみと香りを確かめたい。スープの官能評価や卵・でんぷんの食品実験から、味の強さと調味量を分けて考える。運動へ出る朝の味見の順序、材料を替えた日の記録、研究結果を家庭の丼へ当てはめる際の限界も整理する。

卵をとじた汁をご飯にかけ、スプーンを入れる。昨日よりもったりしている。味見すると、調味料は同じつもりなのに、どこか物足りない。運動着へ着替える前の台所で、しょうゆの瓶へ手が伸びる。

そこで分けたいのが、加えた塩の量と、食べたときに感じる味の強さだ。とろみを付けたスープの比較実験では、材料によって味や香りの評価が異なり、とろみを付ける前より全体の味の強さが下がる条件もあった。この結果を卵丼の低下率へ換算することはできないが、「薄く感じた」という感想だけを調味量の判定に使わない理由になる。[9]

朝の卵丼を必ず薄味に仕上げる配合を探す記事ではない。とろみ、香り、調味量を別々に確かめ、足し算の前に何が変わったかを考える記事である。卵を加えた食品でも、でんぷんの種類や組合せによって粘度の変化の方向は異なる。卵入りなら同じ口当たりになる、という近道も使えない。[1][5]

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薄く感じた朝は、塩の量と味の評価を分ける

官能評価とは、人が食べて味や香り、食感を評価する方法である。ブロッコリーのスープを使った研究では、パーキンソン病の参加者と対照の参加者が、とろみの材料を替えたスープを比較した。材料はガム系の増粘剤、ばれいしょでんぷん、キヌア粉である。いずれも液体をとろりとさせるための材料だが、味と香りの評価は同じにならなかった。患者と対照者による比較なので、18〜39歳の女性が日常の卵丼で同じように感じるかは別に確かめる必要がある。[9]

この研究で、ガム系とばれいしょでんぷんを加えたスープは、全体の味の強さが低下した。揮発性成分、つまり空気中へ出る香りの成分の放出も、使った材料によって減り方が異なった。食べた人の感想と、食品から出る成分の測定を並べている点が手掛かりになる。料理に何を入れたかだけでなく、それがどのように感じられたかも別に調べた実験である。[9]

ただし、ここで測った全体の味の強さを、そのまま塩味だけの強さへ置き換えてはいけない。「とろみで塩味が何割弱くなる」「その分だけ塩を増やせばよい」という計算には使えない。ブロッコリースープの比較であり、卵とご飯とウインナーを合わせた丼の検証とは区別する必要がある。[9]

家庭での確認も、この区別から始めたい。調味料をどれだけ使ったかは調理の記録に残す。食べた感想は「塩味が弱い」「香りが弱い」「口当たりが重い」など、自分の言葉で書き分ける。これは研究の効果を再現する処方ではなく、朝の味見を振り返るための工夫である。感想を全部「薄い」に集めると、何を直したかったのかが翌朝には消えてしまう。

既存記事「ダイエットの卵焼きは塩で硬さが変わる?調理とたんぱく質の消化を研究で読む」には、卵焼きの硬さと消化の問いを譲る。ここでは卵の栄養価の優劣へ進まず、汁のある卵丼を口へ運んだときの味見に焦点を置く。

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とろみの材料が違えば、香りも同じにはならない

スープの実験で香り成分の放出が減った割合は、ガム系の増粘剤で61.4%、ばれいしょでんぷんで46.2%、キヌア粉で38.5%だった。数字は同じ食品実験の中で材料を比べるための値であり、家庭の片栗粉入り卵丼で香りがどれだけ減るかを予測する値ではない。[9]

人の評価にも材料の差が表れた。ばれいしょでんぷんとガム系を比べた組では、パーキンソン病の参加者36人、対照41人を合わせた参加者の70.3%が、ばれいしょでんぷん側の味をより強いと感じた。香りをより強いと感じた割合は63.8%である。患者と対照者を合わせた割合を、18〜39歳の女性だけの評価として使うことはできない。ばれいしょでんぷんにも味や香りを弱める面がありながら、ガム系と比較すると強く評価されたのである。[9]

ここには矛盾はない。とろみを付ける前との比較と、とろみを付けた材料同士の比較では、答えている問いが違うからだ。「でんぷん側の味が強かった」という結果だけ読むと、とろみを付けるほど味が増すように見える。しかし、何と比べた数字かを戻すと、そうは読めない。比較の相手を抜いた数字は、調味料の瓶より扱いが難しい。[9]

キヌア粉とガム系を比べた組でも、パーキンソン病の参加者47人、対照31人を合わせた参加者の68.1%がキヌア粉側の味を、65.6%が香りをより強いと評価した。18〜39歳の女性にこの割合をそのまま当てはめず、患者と対照者による比較として読む。この組と、ばれいしょでんぷんを比べた組は参加人数が異なる。割合を横に並べて、家庭料理の材料の順位表にするのは避けたい。[9]

朝の丼へ持ち帰るなら、使ったとろみの材料を記録するところまででよい。家にある粉を別の粉へ替えた日には、調味料だけを同じにしても、昨日と同じ仕上がりを当然とはしない。研究が示したのは、増粘という共通の目的があっても感覚の評価は一致しないということだ。飲み込みに不安のある人の食事調整は、この読み物の味見の工夫で代用せず、医師に相談する領域である。[9]

卵を足したときのとろみは、土台の食品で変わる

卵とでんぷんを合わせた食品の実験を読むと、さらに単純な見方が崩れる。サゴでんぷんに全卵粉または卵白粉を加え、栄養成分、加熱時の性質、麺の品質を調べた研究では、添加によってピーク粘度、加熱中の粘度の谷に当たる値、最終粘度が低下した。卵の粉を加えた条件で、測定した粘度は下がった。[1]

粘度は、ここでは液体や糊状の食品の流れにくさを見る指標である。この研究ではサゴでんぷん80%と全卵粉20%の配合で、たんぱく質含有量は8.20%だった。サゴでんぷん90%と卵白粉10%では8.64%だった。栄養成分の変化と、加熱したときの流れ方の変化を、それぞれ確かめた食品実験として読む必要がある。[1]

一方、米粉に卵白たんぱく質と乳清たんぱく質の混合物を加えた研究では、ピーク粘度は2099.67から2658.67 cPへ上がった。cPは粘度の単位である。同時に、蒸して作った米粉の食品では硬さや噛み応えが低下し、保水性は高くなった。粘度が高いことと、完成した食品が硬いことも同じ意味ではない。[5]

これは、どちらかの研究が卵の性質を間違えたという話ではない。サゴでんぷんと米粉では土台が違い、卵の形も配合も、乳清たんぱく質を合わせるかどうかも違う。測っている食品の状態を含めて読むと、「卵を入れた」という共通点だけで粘度の増減をまとめられないのである。[1][5]

家庭の卵丼は、粉末の卵を使った麺でも、米粉を蒸した食品でもない。したがって、ここで挙げた粘度や配合を朝の丼の目標値にはしない。実験から借りるのは、材料の組合せまで書いて初めて比較になるという考え方だ。昨日は汁の多い卵とじ、今日は粉を加えたあんかけなら、違う仕上がりとして記録したい。[1][5]

研究で粘度を測る時点にも目を向けたい。サゴでんぷんの実験は、加熱の過程で現れるピークや、その後の最終粘度を分けている。米粉の研究では、ピーク粘度の上昇に加え、冷却に伴う粘度の戻りに関わる値は1349.67から1082.67 cPへ低下していた。同じ配合変更でも、どの段階の性質を見るかで増減は異なる。[1][5]

鍋の中で見たとろみを、完成した食事のすべてを表す数字のように扱わない理由がここにもある。加熱中の流れ方、できあがった食品の硬さ、水を保つ性質は、研究でも別々の項目だった。家庭で「今日は濃い」と言うときには、汁が流れにくいのか、卵の塊が大きく感じるのか、自分が指している状態を言い添えたい。[1][5]

味の研究へ戻ると、食感の好みの比較も役に立つ。ばれいしょでんぷんをガム系と比べた組では56.3%がでんぷん側の食感を好んだ。キヌア粉を比較した組では58.0%がキヌア粉側を好んだ。味を強く感じた割合とは違う値であり、味の強さの評価と食感の好みは同じ質問ではなかった。[9]

朝の味見でも、もっとはっきりした風味にしたいのか、もったりした口当たりを変えたいのかを選んでから考えたい。後者の不満まで塩で直そうとしない、という整理である。とろみをなくすことを勧めるのではなく、好きな食感を残したまま次の調理を考えるために、感想の名前を増やしておく。

数字で読むとろみと味の比較

香り成分の放出低下61.4%:ガム系増粘剤を用いたブロッコリースープの実験値である。[9]

香り成分の放出低下46.2%:同じ研究で、ばれいしょでんぷんを用いた条件に当たる。[9]

味を強いと評価70.3%:ばれいしょでんぷん側とガム系側を比較した参加者の割合を示す。[9]

ピーク粘度2099.67から2658.67 cP:米粉に卵白・乳清たんぱく質の混合物を加えた食品実験での変化である。[5]

たんぱく質含有量8.20%:サゴでんぷん80%と全卵粉20%を組み合わせた配合の値であり、家庭の卵丼の成分値ではない。[1]

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宮川涼 Founder

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