ダイエット中のコーヒーは泡が多いと濃厚?クレマの体積と香りの違いを読む

ダイエット中、コーヒーの泡が厚いと成分まで濃く感じることがある。エスプレッソのクレマを扱ったレビューと食品実験から、泡の体積、残りやすさ、香りの広がりを読み分ける。豆の種類や鮮度、抽出後の時間による違いを確かめ、見た目だけで一杯の成分や体への働きを判断しない選び方を考える。

抽出したての小さなカップに、茶色い泡が厚く乗っている。泡が少ない隣の一杯より、成分まで濃いのだろうか。けれども、エスプレッソの表面にできるクレマは、豆の種類や鮮度でも量が変わる。泡の高さだけを、一杯の成分の多さに読み替えることはできない。[1][5]

答えの芯は、泡の「たくさんできる」と「長く残る」を分けることにある。抽出条件を比べた食品実験では、ロブスタのほうが泡の体積は大きく、アラビカのほうが泡は安定していた。量の順位と残りやすさの順位さえ、同じではなかった。[5]

ダイエット中の一杯を、泡の見栄えで採点する必要はない。既存記事「ダイエットのコーヒーは夜の運動前にも飲む?力の出やすさと眠りの交換条件」に飲む時刻の話を譲り、ここではカップの中の構造を扱う。濃く感じる理由を、体積と香りと液体の成分へほどいていこう。

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クレマは液体の上にある、複雑な泡である

クレマを扱ったレビューは、エスプレッソを単なる黒い液体として捉えていない。泡にはコーヒーの細胞壁の細かな破片が含まれることがあり、泡を支える液体は、水の中に油が分散した乳化状態にある。さらに温度の勾配もある。表面に見える薄い層の中へ、気体、液体、固体が入り込んでいるのである。[1]

乳化とは、ここでは水の中に油が分かれて存在する状態を指す。油が見えないから存在しない、という話ではない。レビューは、泡を生じさせたり妨げたりするコーヒー中の成分とともに、焙煎で生じる二酸化炭素の重要な役割を整理している。クレマの見た目は、ガスだけでも油だけでも説明しきれない。[1]

このレビューでは、通常のエスプレッソの提供量を25〜30 mLとし、その全体積の少なくとも10%をクレマが占めると説明している。これは泡が無視できない体積を持つという話だ。「泡の部分だけに成分の10%が入る」と読む数字ではない。体積の割合と、ある成分がどこへどれだけ分かれるかは、別の測定を必要とする。[1]

カップが同じ高さまで満たされていても、その高さには泡の層が含まれている。だから、縁までの距離を見て液体の濃さまで判断するのは急ぎすぎである。見えているのはまず構造だ。濃厚そうという印象を楽しむことと、それを成分の測定値として使うことには、線を引いておきたい。[1]

クレマの体積が測定を難しくすることも、レビューの論点になっている。少量の飲料の中で泡が無視できない場所を占めるため、通常の測定機器でデータを得る際にも制約となるという。飲み手には小さなカップでも、研究では液体と泡をどう扱うかが問題になる。数字を読むときは、その数字がカップ全体なのか、泡なのか、液体なのかを確かめたい。[1]

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泡の量を左右したのは、豆の種類と鮮度だった

抽出条件を直接比べた研究では、粉を入れるバスケットの大きさ、粒の大きさ、抽出温度、抽出比、鮮度、豆の種類、焙煎の程度が検討された。抽出比は、抽出に使うコーヒーと出来上がる飲料などの量の関係を見る条件である。研究者は泡だけでなく、抽出時間や圧力、飲料の総固形分と抽出収率も調べている。[5]

その結果、クレマの体積への主な影響は豆の種類と鮮度だった。ロブスタはアラビカより大きな泡の体積を生み、より新鮮なコーヒーほど泡が多かった。一方、この実験で粒の大きさ、抽出比、抽出温度が体積や安定性に与えた影響は、それらに比べて小さかった。[5]

ここで「泡が少ないなら抽出温度を変えればよい」と、調整つまみだけに原因を求めるのは早い。研究の範囲では、原料側の違いが大きく関わっていた。自宅の同じ器具で昨日と今日を比べるときにも、粉の条件と豆の違いを一緒に見ておく、という読み方になる。[5]

鮮度に関する結果も、泡の量という評価の中へ置く必要がある。泡が多いという観察から、味の好みまで一度に順位づけする必要はない。「新しい豆のほうが泡が多く出た」と「こちらの味が好きだ」は、記録の欄を分けられる。研究が測った対象を保ったまま日常へ持ち帰るほうが、カップの違いを説明しやすい。[5]

総固形分や抽出収率を調べている点も見落としたくない。これらは、飲料の成分や抽出のされ方を見るための指標であり、泡の体積とは別に測られている。泡の写真があれば抽出の全情報が手に入る、という設計の研究ではない。家庭で細かな分析をまねる必要はないが、観察できたものと、分析しなければ分からないものを分けておくことはできる。[5]

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泡が多い豆と、泡が残る豆は同じではない

同じ比較研究で、クレマの安定性に強く関わったのはバスケットの大きさだった。ダブル用やトリプル用のバスケットは、シングル用より安定したクレマを生んだ。またアラビカ由来の泡は、ロブスタ由来より安定していた。研究では、この差をアラビカの高い脂質含量によるものと説明している。[5]

ロブスタは体積で大きく、アラビカは安定性で優位だった。これは結果の矛盾ではない。できた泡がどれほど場所を占めるかと、その構造が保たれるかという、違う問いに答えているからだ。注いだ直後の写真だけでは、時間がたったあとの姿までは分からない。[5]

たとえば、注文してすぐに受け取ったカップと、席を探してからふたを開けたカップを比べる場面がある。その比較で欲しいのは、同じ経過時間で見た記録だ。泡の性質を検討する研究が体積と安定性を分けている以上、飲み手の観察でも「いつ見たか」を添える意味がある。[5][7]

脂質が泡の安定性を説明することと、一杯の脂質量を測ることは別である。研究の説明は豆の比較と抽出の条件の中にある。表面の寿命だけを見て、飲んだ成分量の数字を作ることは避けたい。[5]

香りは、厚ければ厚いほど強くなるのか

泡の量と飲み心地を近づけて調べた食品実験もある。抽出圧力と飲料のろ過を変え、泡の性質が異なる6種類のエスプレッソを用意した研究では、機器による香りの分析と官能評価、つまり人が感じる性質の評価が組み合わされた。標準的な量のクレマがあることは、心地よい揮発性の高い香り成分の放出と関連していた。対象は泡の条件を変えた飲料であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、この飲料比較だけでは判断できない。[12]

ところが、通常より泡を増やしても、その香り成分のカップ上や口の中での放出に追加の利点はなかった。一方、ろ過でクレマを標準的な量から減らすと、心地よい香り成分の放出や、口の中で焙煎香が優勢になる感覚は小さくなった。少なすぎる場合と、多ければよいかという問いでは、答えが異なる。[12]

この研究では、クレマが増えるほど飲んでいる間の焙煎香の優勢さが増す関係も認められた。香りの成分が多く出ることと、ある香りを強く感じることも、完全に同じではない。研究者が複数の分析と感覚の評価を併用した理由を、飲み手側も覚えておける。[12]

「濃厚」という短い言葉には、泡の見た目、焙煎したような香り、口に残る印象が同居しやすい。この実験では、泡を増やしたときに焙煎香の優勢さは増したが、心地よい揮発性成分の放出には追加の利点がなかった。濃厚さを話すなら、どの感覚を指すかを添えたい。[12]

感覚と分析のずれがよく分かる細部もある。この実験では、焙煎香の優勢さと、鼻へ出る特定の指標成分の放出との間に並行した関係があった。ただし研究者は、その成分自体が焙煎香に寄与するわけではなく、関係は間接的だと説明している。分析で目立った成分を、そのまま感じた香りの原因と名づけない慎重さが必要だ。[12]

カフェで「こちらのほうが濃い」と感じたときにも、同じ区別が使える。焙煎香が目立ったのか、口当たりがクリーミーだったのか、単に泡の層が厚く見えたのか。それぞれを言葉にすれば、次に注文するときの好みとして役立つ。香りの放出と感覚を別々に評価した実験は、飲み手にも、感想をひとつの尺度へ急いで集約しない見方を示している。[12]

数字で読むクレマと香り

25〜30 mL:レビューが説明する通常のエスプレッソの提供体積。すべてのメニューの量を定める数字ではない。[1]

少なくとも10%:同レビューでクレマが占める全体積の割合。成分量の割合とは区別する。[1]

6種類:圧力とろ過を変え、泡と香り、口の中の感覚を比較したエスプレッソの種類数である。[12]

2.5分:別の香り実験で、抽出開始からこの時間までは、泡の存在が選んだ香り指標成分の濃度増加をもたらした。[11]

70 mLと30〜40 mL:窒素を加えるコールドブリューの実験で、液体の量と生じた泡の体積。通常のエスプレッソの比率ではない。[9]

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宮川涼 Founder

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