ダイエットのプロテインは味で量を変える?袋の上下が気になる日の計量と記録

プロテインの袋の底がいつもより濃く感じたとき、味だけで飲む量を変えてよいのか。粉の重さとたんぱく質量の違い、食事記録と尿の測定で生じたずれ、液体と粉で異なった継続率を研究から読む。袋の上下の成分を推測する前に、家庭で確認する項目と医師へ相談する場面を整理する。

袋を使い切る朝、最後の粉をすくったら昨日より味が濃い気がした。シェイカーを見つめ、「底にはたんぱく質が多いのか」と考える。けれど、味を感じたという出来事と、成分を測ったという出来事は別である。

ここで勧めたいのは、味を理由に粉を足したり減らしたりする前に、何を量っているかを確認することだ。実際の介入研究にも、粉の重さがそのままたんぱく質の重さではない例がある。筋力トレーニングをしている男性の試験では、粉20 gに含まれるたんぱく質は15.4 gだった。[17] この男性の試験から、18〜39歳の女性の必要量は決められない。

既存記事「プロテインは袋の上と底で中身が違う?粒の見た目と一杯の成分を読み分ける」に、粒の見た目から成分を考える問いは譲る。ここでは袋の上下の違いを決めつけず、味が気になった朝の計量、飲んだ量の記録、食事全体との照合を扱う。ダイエットという検索語でたどり着いても、飲む量を減らすことを共通のゴールにはしない。

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味の感想と成分の確認は別の記録である

「濃く感じた」という感想は、その朝の体験として残せる。一方、「たんぱく質が増えた」という説明には成分の確認が要る。プロテイン製品の内容確認を扱ったレビューでは、分光法やクロマトグラフィーという、光の性質や成分の分離を利用する分析方法が取り上げられている。成分の確認は、見た目の印象を言い換えたものではない。[16]

ここで扱う研究は袋の上下を採取して味と成分の関係を直接比べたものではない。したがって、偏りの有無や混ぜ方の効果は、これらの結果から判定できない。計量と記録は成分の偏りを解消する方法ではなく、使い方を確認する手順として示す。

このレビューの主題は、表示と実際の内容のずれや混入物を調べる品質管理である。[16] これを読んだからといって、家庭で味が違った袋に直ちに品質の問題があると判断する必要はない。研究が扱う問題と、自分の台所で起きたことをつなぐには、その袋自体の確認が必要になる。レビューの存在を、手元の品への疑いにそのまま変えないことだ。

袋の上側と下側の味を比べたいときには、まず比較した条件を言葉にしておく。「昨日は目分量、今日は重さを確認した」なら、袋の位置だけを比べた記録にはならない。水を入れた後の見た目だけで振り返るより、粉を入れる前の量、加えた液体、飲み残しを別々に書いた方が、後で自分の行動をたどりやすい。これは味の原因を特定する実験ではなく、違う作業を同じ作業と思い込まないための整理である。

たとえば「底だった」「味が濃かった」「今日は少なくした」を続けて書くと、感想がそのまま用量変更の理由になる。間に「実際に量った粉の重さはどうだったか」を置いてみる。袋の位置に関する仮説を急いで完成させるより、確かめた事実と推測を別の欄に置く。その方が、問い合わせるときにも何が起きたかを説明しやすい。

粉の味は検査結果の代わりにはしない。内容確認の研究が分析方法を使っていることを踏まえると、「甘く感じるからたんぱく質が少ない」「薄く感じるから足す」といった判断を、測定済みの事実として扱うことはできない。[16] 不安を打ち消すために大量に飲む必要も、袋の底を栄養の濃縮部分としてありがたがる必要もない。気になった事柄を、確認できる順に並べればよい。

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シェイカーに入れた粉の重さと栄養量を分ける

粉を何グラム使うかという問いには、まず単位の整理が要る。ホエイとは乳由来のたんぱく質である。ホエイ粉末を用いた男性の二重盲検プラセボ対照試験では、両群に粉20 g、たんぱく質として15.4 gを与え、片方の群に特定の菌を加えていた。期間は60日で、筋力トレーニングの条件も管理されていた。[17] 18〜39歳の女性に同じ摂取量や効果をそのまま当てはめることはできない。

この研究から家庭の計量に持ち帰れるのは、粉の重量とたんぱく質の重量が区別されているという具体例だ。[17] 粉の重さの数字だけを見て、それをそのまま栄養素の摂取量として記録しない。手元の表示が粉について書いているのか、たんぱく質について書いているのかを読み分けることが、袋の上下を心配する前の確認になる。

ただし、この試験の粉に含まれる量を、別の製品の換算に使ってはいけない。試験で使われた製剤の内訳は、その製剤の条件である。[17] 別の袋でも同じ割合だろうと計算すると、せっかく重さを量っても、成分へ換算する段階で別の前提を持ち込む。台所用のはかりが教えてくれるのは載せた粉の重さであり、その粉の成分分析を代行するわけではない。

シェイカーの水面と、粉をすくうスプーンと、栄養成分表示は、それぞれ違う問いに答える。どれくらいの飲み物を作ったか、どれくらいの粉を使ったか、表示上どれくらいの栄養量になるか。この順に整理すると、「今日は多く飲んだつもりだが、何が多かったのか」という曖昧さをほどける。容器が大きく見えることを、たんぱく質量の証拠にはしない。

同じ男性の試験で比べたのは、特定の菌を加える条件と加えない条件である。[17] 18〜39歳の女性が粉の濃さを変えたときの効果を示す比較にはならない。研究の結果を読むときには、たんぱく質の量だけでなく、何を追加し、どの条件をそろえたのかを見る必要がある。「プロテインの研究で改善した」という短い紹介では、この違いが落ちてしまう。

量った粉を記録しても食事全体にはずれが残る

もっとも、粉を量れたら食事の把握が完成するわけでもない。筋肉量や身体機能の低下を伴うサルコペニアと診断された、地域で暮らす65歳以上の人を対象に、摂取量の推定方法を比べた研究がある。食事日誌と計量した粉による推定を、24時間の尿に含まれる窒素からの推定と比較した縦断データの解析である。[14] 対象の健康状態と年齢が異なるため、18〜39歳の女性に推定値のずれをそのまま当てはめることはできない。

食事日誌と計量した粉を組み合わせた方法では、平均87.0 g/日と推定され、尿による方法では79.3 g/日だった。差は平均7.7 g/日で、日誌と粉の計量を組み合わせた側が高く見積もっていた。[14] 記録を付けることに意味がないという結果ではない。方法を丁寧に組み合わせても、食事全体を数字にする作業には方法間のずれが残ったという結果である。

この研究の対象は、若い健康な女性全般ではなく、サルコペニアのある高齢者だ。[14] 平均の差を自分の記録から機械的に引く使い方はしない。「いつもの記録は必ずその分だけ多い」と読むのも誤りになる。平均値は研究に参加した集団についての情報であり、個人の補正係数ではない。

研究では、粉を含む日誌の方法と尿による方法の相関にもばらつきがあり、摂取量の推定には大きな変動が認められた。[14] ここでいう相関とは、片方が高い人はもう片方でも高い傾向があるかという関係だ。傾向があることと、数値がぴたりと一致することは同じではない。記録が細かいほど、結果も必ず正確になると考えすぎない方がよい。

朝の粉だけを量り直しても、昼食や夕食を含めた摂取の把握とは別の作業になる。仕事帰りの中央線でアプリを開き、朝のシェイカーだけが鮮明に思い出せる日もあるだろう。そのとき、思い出せない食事を細かな数字で埋めるより、分かる部分と不確かな部分を区別しておく。記録は自分を採点する表ではなく、次に何を確かめるかを見つける道具として使う。

袋を開けた日と使い終わる日を思い返すときも、記録の粒度をそろえておきたい。初日は「付属のスプーンで入れた」、終わりの日は「残りを全部入れた」なら、同じ使用量だったかを後から確かめにくい。袋の位置を比べるつもりで、作業自体を変えていないかを見る。分からない量は推測で確定させず、次に作るときの確認項目にするだけでも、相談に使える記録になる。

相談の際には、粉を使った量だけの一覧より、食事と飲み残しを並べたメモの方が自分の暮らしを説明しやすい。「平日は朝に作るが飲むのは出勤直前」「休日は食事と一緒」といった場面も添えられる。研究で食事日誌と計量した粉を組み合わせたのは、補助食品だけでなく総摂取量を推定するためだった。[14] 家庭のメモを研究と同じ精度だと考える必要はないが、粉だけを切り出さず食事と並べるという視点は持てる。

書き残す目的を先に決めると、記録が際限なく細かくなるのを避けやすい。味の違いを相談したいのか、実際に飲めた量を相談したいのか、食事全体の不足が心配なのか。問いが違えば、必要な確認も変わる。袋の底という目立つ出来事にすべての疑問を集めず、確認したいことごとにメモを分けておく。

数字で読む粉の量と摂取の記録

粉20 g、たんぱく質15.4 g:筋力トレーニングをしている男性に用いた試験製剤の内訳である。[17]

87.0 g/日と79.3 g/日:サルコペニアのある高齢者で、日誌と計量した粉、尿からそれぞれ推定した平均値である。[14]

7.7 g/日:同じ研究での日誌と粉の計量による平均的な過大推定であり、個人の補正値ではない。[14]

50人、2か月:胃バイパス術後に、液体と粉のたんぱく質補助食品を比較した予備的な無作為化比較試験の規模と期間である。[3]

102.7%と42.0%:その術後試験で報告された液体群と粉群の遵守率の平均で、個人差も大きかった。[3]

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宮川涼 Founder

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