ダイエットのプロテインは男性用で量が変わるか、体格で考える運動日の補給計画

ダイエット中のプロテインは、男性用という表示だけで量を決めてよいのか。体重あたりの投与量と一日の追加量の違い、普段の食事を含める考え方を、筋トレや持久運動の研究から読む。除脂肪量と筋力の違い、補給しても差が出ない試験にも触れ、運動日の補給計画を組み立てる視点を示す。

夕食の支度中、台所に置いた「男性向けプロテイン」の袋を見る。自分と同じ袋を使う同僚は体格も昼食も違う。それでも同じ付属スプーンでよいのか。商品を選ぶ前に、量の分母を確かめたい。

答えの芯は、男性という分類だけで補給量を決めず、体重あたりの量なのか、食事に加える量なのかを分けて読むことである。実際の試験には、体重に応じて補給する設計と、決まった量を追加する設計があり、追加効果が小さい試験や、認められない試験もある。[4][16][20]

既存記事「ダイエットのプロテインの違いは混ぜ方でも変わる?粉を比べる前にそろえる条件」には混ぜ方の問いを譲る。ここで扱うのは、運動日に自分の体格と食事を補給計画へどう書き込むかである。男性向けの人気順を、自分の必要量の順番に読み替えないための記事だ。

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男性用という名前より、量の分母を見る

研究の数字を読むとき、まず見たいのは単位である。「g/日」は日量を示し、「g/kg体重/日」は体重を分母にした日量を示す。後者の形で補給を行った例が、ピラティス経験のある女性を対象にした無作為化比較試験である。対象者を偶然の割り付けで分け、毎日、体重あたり0.6 gのホエイたんぱく質か、比較用の糖質を摂取させた。[20]

この0.6 g/kg体重/日は、食事を含めた総量ではなく追加分だった。参加者の習慣的な食事由来の摂取量は平均1.3 g/kg体重/日である。したがって、補給の数字だけを見て「この量が一日の必要量だ」と解釈すると、研究で比べた食事条件を取り違える。[20]

体重を分母にする設計なら、同じ係数を用いても体格によって追加量は変わる。ただし、それは試験内で量をそろえる方法であって、体重を入力すれば誰にでも最適な処方が出るという意味ではない。この試験では、体重に応じた補給をしても運動への適応はさらに高まらなかった。計算が丁寧であることと、追加の利益があることは別の問題だ。[20]

もう一つ、運動に慣れていない閉経前女性27人の試験では、運動後の補給として24 gと、対照の3 gを比較した。体重あたりの表記とは違う設計であり、補給群では一日のたんぱく質摂取が増えたものの、追加による効果は小さかった。[16]

これらを男性へそのまま当てはめることはできない。一方で、男性向けという言葉だけで量を選ぶと、食事に何を足した試験なのか、体格をどう扱った試験なのかが見えなくなる。自分用のメモには性別のラベルだけを書くより、「食事由来」「補給由来」「運動内容」という欄を作るほうが、研究との条件の違いを確かめやすい。[16][20]

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食事と補給を足した状態で、何を比較したのか

筋肉への強い負荷の後の回復を調べた無作為化試験では、日常的に活動する成人33人が、サケ由来のたんぱく質、ホエイ、糖質の群へ分かれた。食事由来のたんぱく質を1.0 g/kg体重/日に管理したうえで、たんぱく質群にはさらに0.9 g/kg体重/日を補給させた。補給期間は負荷後の4日間である。日常的に活動する成人の試験であり、18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、運動負荷や食事条件を照合する必要がある。[4]

この試験では、後の時点のジャンプ成績などに改善が見られた一方、筋肉痛や最大随意収縮など、ほかの多くの評価に有意な群間差はなかった。著者らの評価も、回復速度への作用は控えめというものだった。食事をそろえて追加しても、改善した回復指標は限られていた。[4]

ここでいう最大随意収縮は、自分の意思で最大限に力を出す測定である。ジャンプの高さ、痛みの感覚、力の戻り方は、それぞれ違う問いに答える。どれかに差が出たからといって、「翌朝のだるさも必ず減る」と生活の感覚まで広げることはできない。[4]

仕事帰りの補給で迷う場面へ戻ろう。昼食をしっかり食べた日と、慌ただしく済ませた日を、同じ「運動した日」として扱うと、食事に上乗せする意味が曖昧になる。まず実際に食べたものと補給したものを別々に書く。それは不足を自己診断するためというより、追加分だけで成果を説明しないための準備である。管理された食事の試験ですら、評価する項目によって結果は違った。[4]

また、この試験は強い筋損傷を起こすように組まれた運動の後を調べている。普段の散歩や軽いレッスンの後に、同じ追加量が必要だとする根拠にはならない。補給を試す際に照合すべきなのは体重だけではなく、どんな負荷に対して何を回復させたいのかという点でもある。[4]

筋トレの分析で増えたのは、体重のどの部分か

筋肉へ抵抗をかけるレジスタンストレーニング、いわゆる筋トレに補給を組み合わせた研究も見よう。36件の無作為化比較試験、1,552人を統合したネットワークメタ分析では、複数の補給方法を共通の比較対象などを通じて比べた。監督下の筋トレを少なくとも6週間行う試験が対象で、65歳以上の高齢者を含む分析である。18〜39歳の女性だけを対象にした推定ではないため、そのまま個人の補給量には使えない。[5]

ホエイの除脂肪量はプラセボに比べ平均1.24 kg多く増え、95%信用区間は0.61〜1.87 kgだった。信用区間は、分析のモデルとデータの下で推定値にどれほど幅があるかを表すものだ。数字は平均的な群の差であり、飲んだ個人にその分だけ筋肉が増えるという約束ではない。[5]

除脂肪量は脂肪を除く体の量を扱う指標であり、体重の減少量や見た目の変化を直接示す数字として扱わない。体組成を測る方法の違いにも注意が要る。ピラティスの試験では、生体電気インピーダンス法による測定で除脂肪量だけでなく総水分なども増えており、測定法によって捉える変化を読み分ける必要がある。[20]

ダイエット目的の読者にとって、ここは大切な分かれ道になる。除脂肪量を評価した試験の数字を、「プロテインで体重が減る量」に変換してはいけない。補給の計画を立てる前に、自分が求めているのは筋力なのか、体組成なのか、運動を続けるための回復なのかを言葉にしておく。同じ袋でも、確かめたい成果は人によって違う。[4][5][6]

この分析のホエイの用量反応では、日量30〜35 g付近で増加が頭打ちになる形が示された。ただし著者ら自身が探索的な推定と位置づけている。これは全員の必要量でも上限量でもない。さらに、食事全体の総量と補給量を混同すれば、数字の使い道まで変わってしまう。[5]

日量の数字が出た瞬間に、手元のスプーンへ話を急がなくてよい。研究で得られた曲線を読む段階と、自分の食事に追加する判断の段階を分ける。体重を分母にした試験も、一定量を追加した試験もある以上、異なる単位の数字を並べて大きい方を選ぶことはできない。[4][5][20]

体格を反映した補給の式にも、固定量を追加する方法にも、比較の目的がある。体重あたりの設定は同じ係数でそろえる試験であり、固定量の設定はその追加をした群としなかった群を比べる試験である。係数が書かれているから精密で優秀、固定量だから雑、という評価にはならない。違う設計の答えを持ち寄るときは、何を同じ条件にしたのかを先に確認する。[4][16][20]

未経験女性の試験では、上半身の筋トレを週2回、高強度の自転車インターバル運動を週3回、12週間行った。除脂肪量の変化は対照群で0.84±0.80 kg、補給群で0.56±1.4 kgだった。両群で増加しているが、変化量の数値は対照群のほうが大きい。運動と補給を同時に始めて体に変化があっても、すべてを粉の働きと呼べないことが分かる。[16]

この試験で補給群の日々のたんぱく質摂取は約20 g増えた。それでも、摂取量を増やせたことと、運動への適応をさらに増やせたことは一致しなかった。計画の実行状況と成果を分けて見るために、食事と補給の記録に加えて、続けた運動も残しておきたい。補給だけを記録すると、運動自体を続けたという大きな条件が見えなくなる。[16]

数字で読む体格と補給の研究

36試験・1,552人:監督下の筋トレと補給を比較したネットワークメタ分析の規模である。[5]

1.24 kg:同分析でのホエイ群とプラセボ群の除脂肪量増加の平均差。95%信用区間は0.61〜1.87 kgだった。[5]

0.6 g/kg体重/日:ピラティス試験の追加補給量であり、一日の食事全体の目標値ではない。[20]

1.0 g/kg体重/日と追加0.9 g/kg体重/日:成人の回復試験で管理した食事分と補給分である。[4]

24 g:未経験女性の運動後補給試験で使われた量。比較群は3 gで、追加効果は小さかった。[16]

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宮川涼 Founder

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