
速い膝上げでは腰と骨盤も動いていた
装置での筋力検査から、その場の膝上げへ視点を戻そう。男子高校生のサッカー選手51人の横断研究では、立位で太ももを持ち上げる課題を、およそ100°/sと400°/sで行った。腰と骨盤にまたがる動きを、腰部に置いた測定点で調べている。これは屈曲トルクを比較した研究とは測定の目的が違う。18〜39歳の女性の膝上げにも同じ動きの差が現れるかは、この男子選手の横断研究だけでは決められない。[16]
利き脚では、高速の条件で腰骨盤部の回旋が10.2°、低速では8.1°だった。曲げ伸ばし方向の動きも高速で6.4°、低速で5.0°だった。反対脚でも同様に、高速で腰骨盤部の動きが大きかった。速い膝上げは、太ももだけが速くなったという見た目の説明では収まりきらない。[16]
この結果は「腰を動かすのはすべて失敗」という見方にも修正を求める。研究者は、下肢を速く動かす目的に対して、腰骨盤部の動きを最小限にすることが常に最適とは限らないと示唆している。速い動作を目指す競技の課題と、体幹の位置をそろえて動かす練習では、評価したいことが違うのである。[16]
反対に、この研究を理由に「腰を大きく振れば屈曲筋力が高まる」という練習効果を読み込むのは誤りだ。測っていたのは動きの大きさであり、練習を続けた後の筋力増加ではない。対象も男子高校生の競技選手だ。ヨガの膝上げで腰の動きを増やすべきかという指示へ変換する前に、何の課題の成績を見たいのかを明らかにしたい。[16]
日常の確認なら、膝の高さばかりを採点しないという使い方が考えられる。昨日より速く上がったと感じたとき、腰や骨盤の動かし方も同じだったかを振り返るのである。これは自宅でトルクを測る方法ではなく、研究の比較条件を日常の観察に生かす工夫だ。膝だけを見ていた画面に、体全体の動きという情報を戻す。[16]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
強い数値だけで、股関節の状態は採点できない
スポーツに伴う鼠径部痛、つまり脚の付け根付近の痛みについて、17研究をまとめた系統的レビューとメタ分析がある。対象は競技者で、発症前から追う研究と、痛みがある人を後から調べる研究を含み、筋力や柔軟性などとの関連を整理したものだ。18〜39歳の女性全般の痛みと筋力にも同じ関連があるかは、この競技者中心の結果からは判断できない。筋力の数字を痛みの有無の単純な採点表にしないためにも、この区別は大切になる。[1]
発症前の研究では、内転筋、つまり脚を内へ寄せる側の筋力低下と、その後の鼠径部痛との関連は、およそ119°/sの検査で示唆された。ただし根拠の強さは限定的または非常に限定的で、約30°/sと約210°/sでは関連が認められなかった。速度によって関連の有無が変わったが、これは屈曲筋の速度と力を直接比較した結果ではない。[1]
屈曲筋に目を戻すと、痛みがある人を後から調べた結果の中には、屈曲筋力の増加との関連もあった。ただしこちらも限定的または非常に限定的な根拠である。「脚の付け根が気になるのは、曲げる力が弱いからだ」と一律には説明できない。強い値が出れば痛みの問題を否定できる、という使い方にもならない。[1]
このレビューでは、研究間で用語や診断基準がそろっていないことも、結果の確かさを制約していた。まとまった研究だからといって、検査速度や対象の違いは残る。自分の痛みに特定の速度の膝上げを当てはめる根拠として使うより、痛みと筋力は専門的に評価する対象だと受け止めるほうが、研究の範囲に合う。[1]
日常では、回数や速さの記録と、痛みの相談を分けて扱いたい。速く上がったから問題なし、遅かったから筋肉不足、という自己診断は避ける。痛みがある場合の判断は医師に相談する。競技成績との相関や、痛みのある集団の平均値は、その人自身の診断結果にはならないのである。[1][4]
速さ以外の観察を残す場面としては、レッスンで膝上げの指示が変わった日が考えられる。姿勢をそろえる指示から、動きを大きくつなぐ指示へ変わったなら、昨日と同じ検査を繰り返したわけではない。競技選手の高速課題で腰骨盤部の動きが増えたという結果を踏まえると、速さだけを比較する前に、課題の目的もメモしておきたい。[16]
また、テコンドーの研究では屈曲だけでなく伸展や外転のトルクにも、キック中の足先や膝の速度との関連が見られた。速い動作の成績を屈曲筋だけの手柄にしない視点も必要だ。膝が前へ上がる映像は目立つが、研究では複数の関節運動と筋力を測っている。特定の筋肉だけの説明に絞りすぎると、元の比較の広がりが失われる。[4]

よくある誤解
「速い膝上げができれば、屈曲筋力も必ず強い」。テコンドー選手では検査トルクとキックの成績に関連があったが、同じ指標を測っていたわけではない。立位での高速の膝上げには、腰骨盤部の動きの増大も伴っていた。見た動作の速さだけで、装置で測る屈曲ピークトルクを決めることはできない。[4][16]
「遅い検査は、速い動作には役立たない」。競技選手の研究では、60°/sでの屈曲トルクもキック時間、足先の最高速度、衝撃のパワーと関連していた。どの検査が役立つかを、動作と検査の速さが似ているかどうかだけで判定するのは早い。低速と高速の数値を残したうえで、何との関連を見るかを考える必要がある。[4]
「高速で左右差が小さければ、回復した」。手術後の研究では、速い条件でピークトルクの不足率が小さくても、総仕事量と平均パワーは両方の速度で手術側が低かった。最大値だけでなく別の評価指標も確認する必要がある。検査条件の変更は、その間に身体が回復したことの証明ではない。[6]
「腰を動かさない膝上げだけが正しい」。競技選手の研究は、高速の膝上げに伴う腰骨盤部の動きを示している。一方で、その動かし方をすべての人へ勧める試験ではない。速さを出す課題なのか、指定した姿勢を再現する課題なのかで、見たい点は変わる。フォームの評価には、動作の名前だけでなく目的も添えたい。[16]
今日からできること
- 膝上げの記録には「その場で立って行った」など姿勢も添える。成人40人の比較では、同じ60°/sでも姿勢により伸展トルクや屈曲と伸展の比が変わった。姿勢の違う記録を連続した筋力の成長として並べない工夫である。[3]
- 動画を見直すなら、膝の高さとともに腰や骨盤の動きも確認する。51人のサッカー選手では、高速の課題で腰骨盤部の動きが大きかった。観察する場所を増やすための参考であり、その動きを禁止する基準ではない。[16]
- 検査結果を受け取ったら、60°/sなどの速度と、ピークトルク・総仕事量・平均パワーのどの指標かを確認する。手術後22人の研究では、同じ比較でも指標により差の現れ方が違った。数字の横の見出しまで読む習慣にしたい。[6]
- 速さの記録と力の評価を別に残す。競技選手7人対7人の研究もキックの運動と筋力検査を分けている。家庭の膝上げの回数を、関節の力の単位へ換算する必要はない。[4]
- 痛みがあるときは、速い動作で強さを証明しようとせず医師に相談する。17研究のレビューでも筋力と痛みの関係は単純ではなく、屈曲筋が強いという関連さえ一部に含まれていた。[1]

オンザショア立川店で、練習する時間を生活に置く
膝上げの数字を急いで更新するより、練習する時間と場所を生活の中に置きたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分の溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。朝の予定や仕事帰りの時間に合わせて、通う枠を考えられる。決まった場所へ通うという形で、生活の予定に運動を組み込む選択肢である。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも選択肢だ。
参加条件も予定と一緒に確認したい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できないが、常温のマタニティヨガがある。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。参加する内容や料金は店舗サイトと料金ページで確認でき、体験予約から申し込める。
参考文献
[1] Movement Patterns and Muscular Function Before and After Onset of Sports-Related Groin Pain: A Systematic Review with Meta-analysis. — Kloskowska P, Morrissey D, Small C, Malliaras P, Barton C., 2016, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-016-0523-z
[3] Position- and Sex-Related Differences in Sagittal and Frontal Plane Concentric Isokinetic Hip Muscle Peak Torques and Agonist-Antagonist Ratios. — Hoglund LT, Schiffino MC, Freels JE, Romano IG., 2024, International journal of sports physical therapy. DOI: 10.26603/001c.124117
[4] Are isokinetic leg torques and kick velocity reliable predictors of competitive level in taekwondo athletes? — Moreira PVS, Falco C, Menegaldo LL, Goethel MF, de Paula LV, Gonçalves M., 2021, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0235582
[6] The evaluation of hip muscles in patients treated with one-stage combined procedure for unilateral developmental dysplasia of the hip: part II: isokinetic muscle strength evaluation. — Yilmaz S, Yüksel HY, Aksahin E, Celebi L, Ersöz M, Muratli HH, Biçimoğlu A., 2010, Journal of pediatric orthopedics. DOI: 10.1097/bpo.0b013e3181c6b390
[16] Greater Lumbopelvic Motion Is Associated with Faster Hip Flexion in Soccer Players. — Ohmine T, Iwata A, Kanayama A, Wanaka H, Senzaki K, Seo M, Sasada K, Kawamoto Y, Yamamoto S, Doma K., 2026, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports14020065
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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