停滞期の食事は翌日の分まで先に盛る?今の空腹と未来の一皿を分けて考える

停滞期だから明日の食事も少なく盛っておくべきか。今の空腹、将来の食事への意図、実際に食べる量は同じではない。食事量の選択課題や未来を想像する介入の研究から、先に決めてよいことと食べる場面で確かめたいことを整理し、作り置きを厳しい制限に変えない計画の立て方を考える。

夕食の片づけをしながら、明日の弁当にもご飯を詰める。食べ終えた今は、このくらいで足りそうだ。けれど翌日の昼、会議が長引いた後にも同じ量でよいのか。体重が動かない朝が続くと、保存容器のふたが、明日の自分への約束のようになる。

先に盛れば未来の食事量を正しく決められる、とは考えない方がよい。若い成人の試験では、画面で選ぶ食事量が小さくなっても、生活の中のエネルギー摂取量は変わらなかった。選びたい量と食べた量には区別が必要である。[11] 停滞期を理由に、将来の一皿まで小さく固定する根拠にはならない。

既存記事「ダイエットの計画は空腹時に立てると変わる?買う食材と食べたい量を分けて読む」は買い物の判断に譲る。また「ダイエット停滞期の食事で甘さは変わる?味覚と食べたい量のずれを研究で読む」とは問いを分け、ここでは食べる前に決めた量を、未来の自分への確定事項にしてよいかを考える。

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先に選んだ量は、実際に食べる量と同じか

食事の計画には、献立を考える、容器に分ける、食べる場面を想像する、といった別々の作業が含まれる。その違いを見せるのが、シンガポールの大学の若い成人を対象にした無作為化比較試験である。参加者は162人、平均年齢は21.59歳で、女性は98人だった。[11]

この研究では、日々感謝していることを書き出す群と、日々の出来事を書き出す対照群に分け、2週間の介入を行った。生活の中の摂取量は食事日誌で測り、選びたい量は画面上で食品の量を選ぶ課題で調べた。感謝を書いた群では介入前より選択量が小さくなり、対照群にはその変化がなかった。[11]

ただし、変化したのは高エネルギー密度の食品の選択量であり、低エネルギー密度の食品ではなかった。エネルギー密度とは、食べ物の重さに対してどれだけのエネルギーを含むかという見方である。そして、日常生活でのエネルギー摂取量には介入の効果が認められなかった。[11] 画面の皿は小さくなったが、暮らし全体の食事まで同じように変わったわけではない。

これは感謝を書く習慣を食事制限の道具にする話ではない。小さく選べたという結果だけを取り出すと、研究が測ったもう片方の結果を見失う。選択課題と日誌では測るものが異なり、同じ試験の中でも結論が分かれたのである。[11] 弁当の写真が整っていることと、その日の食事が自分に合っていることも、分けて確認したい。

日常に置き換えるなら、夕食後に明日の弁当を詰めるとき、「この量を食べるつもり」と「この量しか食べてはいけない」を同じ言葉にしない工夫が考えられる。これは研究で検証された弁当の作法ではなく、意図と摂取を分けた研究の読み方を、計画の言葉に移す提案である。[11] 先に準備することそのものに失敗も成功も決めず、食べる場面での確認を残しておく。

先盛りをしても、予定していた食事の時刻や場所が変わることはある。自宅の机で食べる予定が、移動の合間になるかもしれない。量を決めたときには見えていなかった事情を、食べる前に書き足せる計画にする。「昨日決めたから」という理由だけで、今日の条件を無視しなくてよい。

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空腹が変わったら、選ぶ食品も必ず変わるのか

空腹の実感が変われば、食べ物の選択もそのまま変わると思いやすい。しかし健康な参加者126人、うち女性101人を対象にした無作為化試験では、そのつながりは単純ではなかった。[16] この試験では実際の有効な治療ではなく、偽の迷走神経刺激について伝える説明を変えている。

参加者は、刺激で空腹が増すと説明される群、減ると説明される群、中立的な説明を受ける対照群に分けられた。迷走神経は、ここでは刺激の説明に登場する神経の名称であり、読者が自分で刺激を試すための研究ではない。研究者は主観的な空腹や食べたい欲求を測るとともに、食品の魅力度や選択も調べた。[16]

空腹が減ると説明された群は、対照群より全般的な食べたい欲求が低かった。また、食品に関する課題の後には、空腹が増すと説明された群より空腹が低かった。一方、食品の魅力度と選択には効果が認められなかった。[16] 感覚の評価が動いたことを、そのまま食品選択の変化へ読み替えることはできない。

説明が期待を通じて働いた、と仕組みまで決めつけるのも早い。研究では、空腹と欲求への効果は、測定された期待によって媒介されなかった。[16] 媒介とは、ある要因が別の要因を経由して結果につながる関係のことである。説明の影響が見られたことと、その経路が確認されたことは別なのだ。

香りについても似た区別がある。食品の匂いへの曝露を調べた43研究の系統的レビューでは、多くの研究で、その匂いに対応した食欲や欲求の増加が報告された。しかし、食品の選択、好み、摂取への影響は一貫しておらず、個人の特徴や匂いの提示方法などに左右されていた。[2]

立川駅北口を歩いていて、焼きたてのパンの香りに気づく。今それが食べたいことと、明日の弁当に必要な量は、同じ質問ではない。香りのレビューを生活に照らすなら、「何か食べたい」の一言を、特定の食品への欲求、空腹の感じ、実際に選ぶ食品に分けて考える余地がある。[2] どれかを偽物と決めるためではなく、計画に何を反映させるかを見やすくするためだ。

先に盛るときも、今の満腹感から未来の量を断定する代わりに、今どんな状態で決めているかを添えておく方法がある。たとえば「夕食後に準備した」「昼は外で食べる予定」といった短いメモである。空腹の点数だけで食事全体を管理するより、判断した場面と食べる場面を並べて読める形にする、という提案である。

未来を想像する介入は、空腹の予報とは違う

未来を考える研究はある。過体重または肥満の成人951人を含む12研究の系統的レビューとメタ分析では、エピソード的未来思考という介入が検討された。これは将来の具体的な出来事を思い描く方法であり、単に「明日は我慢する」と宣言することではない。[17]

統合結果では、将来の報酬を選ぶ課題に中程度の改善が認められ、効果量はg=0.55だった。この課題は、将来得られる報酬を、今すぐ得られる報酬より低く評価する傾向を調べるものである。続く食事選択の結果への効果は小さく、g=0.31であった。[17] gは研究間で結果を比較するための標準化された効果量であり、何割の食事を減らせるかという数字ではない。

考える未来の時間幅と課題の時間幅が合う場合に改善が大きく、より遠い未来を想像することは、その後の食事関連の選択への波及と関連していた。[17] この結果からは、未来を具体的に考える介入が、目の前だけに偏りがちな選択を支える可能性を読める。ただし、翌日の空腹を正確に当てる能力が身についた、という結果とは異なる。

対象も忘れたくない。この統合は過体重または肥満の成人の研究で、むちゃ食い障害の参加者を含む研究はなかった。[17] 18〜39歳の女性全体に同じ効果を見込むことはできない。体重が減らないと感じている人すべてに、食事を小さくする目標が必要だという意味でもない。

日常の計画に借りるなら、未来を想像する対象を、容器の中の量だけに絞らないことだ。「昼休みはどこで座るか」「準備した食事を持ち出せるか」「予定が変わったらどうするか」を含めた場面を描く。これは介入と同じ効果を保証する手順ではない。未来思考の研究をきっかけに、先盛りを量の拘束から生活の段取りへ広げる考え方である。[17]

効果量を読むときも、計画への期待を膨らませすぎないようにしたい。g=0.31という数字は、介入群と対照群の結果の差を共通の尺度で示したもので、明日の昼食をどれだけ盛ればよいかを表す単位ではない。[17] 統合された集団で差が見られることと、自分の食卓で適量を決められることの間には、別の確認が要る。

たとえば明日は外出があり、持参した食事を食べられる場所がまだ決まっていないとする。そんなときの計画は、容器の中身をさらに減らすことより、予定を確かめることから始めてもよい。食べる場所が変われば、持ち運ぶ方法や入手の選択肢も考え直せる。未来を描く目的を「未来の自分を管理する」から「未来の自分が食事をとれるよう準備する」へ置き直す。研究の効果を保証するものではないが、食事量だけに集中しない計画の例になる。

数字で読む先の計画と食べる行動

162人:若い成人の試験では選ぶ量が小さくなっても、日常のエネルギー摂取量には効果がなかった。[11]

126人:説明を変える試験で空腹や欲求に変化があっても、食品選択には効果がなかった。[16]

43研究:食品の香りのレビューでは、欲求への影響に比べ、選択や摂取への影響は一貫しなかった。[2]

951人:未来思考のメタ分析の対象となった過体重または肥満の成人の総数である。[17]

g=0.31:未来思考による、その後の食事選択の結果への小さい統合効果である。[17]

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宮川涼 Founder

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