
同じ「あと1回」でも重さと回数の組は変わる
余力が同じなら、設定する重さも同じだろうか。初心者男性の研究ではそうならなかった。対象は平均年齢17.3歳の男性15人であり、18〜39歳の女性の設定重量へそのまま転用できない。余力1回と感じる重さは、デッドリフトの3回セットで最大重量の88.2%、5回で84.3%、8回で79.2%だった。ベンチプレスでは同じ順に93.0%、87.3%、79.6%である。予定する回数と選ぶ重さが組になって、終わりの余力を形作っている。[8]
したがって、前回と違う回数を行った日の申告を比べるときは、重さも一緒に読む必要がある。単に「余力が増えたから弱い練習だった」と考える前に、種目やセット内容が変わっていないか確かめる。研究の割合は負荷と回数の組み合わせを示す数字であって、そのまま下半身の筋トレ初心者全員の開始重量を指定する表ではない。[3][8]
競技者の負荷調整を論じたレビューでは、18〜39歳の一般女性への適用は競技歴や種目を踏まえて考える必要がある。そのレビューでも、最大重量に対する割合だけの設定には、その日の実施能力の変動を捉えにくい面があるとされる。余力やきつさなどの主観的な方法と、挙上速度などの客観的な方法は、それぞれの形で当日の状態を扱う。あらかじめ決めた数字を守ることと、本人の状態を記録することは、両立して使う発想である。[3]
これは、調子を理由に毎回好きなだけ重くする、という意味ではない。計画と当日の記録の関係を見直す話だ。前回と同じ設定だったか、実際には何回行ったか、終わりにどう感じたか。それらを並べておけば、指導者に相談するときにも「何となく効かなかった」という感想だけで話を終えずに済む。レビューは、測定値を指導者の観察を補う情報として位置づけている。[3]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
女性の下半身トレーニングへ使うとき、研究の対象を外さない
速度と自覚的運動強度の関係を扱った系統的レビューは、健康な男女、年齢15〜31歳の経験者と未経験者を含む18研究をまとめた。余力に基づく尺度などは、速度やトレーニング負荷との対応を示し、負荷の進行を把握する実用的な道具と評価されている。同時に、経験、意欲、環境など、きつさの感じ方に影響する要因と尺度への慣れを考慮するよう述べている。18〜39歳の女性全体への適用では、対象年齢が一部重なる男女混合の研究群として読む。[2]
女性を含む研究があることは大切だが、その一言で全研究の対象を女性とみなすことはできない。先の再現性研究は若い男性であり、スクワットの推定精度研究の女性参加者は4人だった。一般的な負荷管理に使える可能性と、女性初心者だけで同じ結果が確かめられたかは分けておく。この線引きは、女性の感覚が劣るという意味ではなく、比較した相手を正しく読むためである。[2][6][8]
また、ベンチプレスの経験者と初心者を比べた研究は、大学生年代の男性27人を対象にしている。18〜39歳の女性で同じ群間差が生じるかは、この男性対象の比較だけでは判断できない。最大重量では経験者のきつさの申告が9.86、初心者が9.35と異なったが、それ以外の調べた負荷では、速度やきつさに群間差がなかった。経験による違いを語るなら、種目だけでなく、どの負荷条件で差が出たかまで添えたい。[11]
このベンチプレス研究の初心者群は、平均経験年数が1.1年だった。スクワット研究の初心者群の平均0.4年とは異なる。「初心者」という見出しは同じでも、参加者の背景は異なる。運動を今日初めて行う読者と、一定期間練習した研究参加者を同じ出発点と考えず、練習歴を含めて結果を受け止める必要がある。[11][13]
ベンチプレスでは、最大重量で経験者の平均速度が毎秒0.14m、初心者が毎秒0.20mだった。経験者の方が遅いという結果は、速く動ける人ほど常に熟練している、という単純な見方には収まらない。何を挙げたか、どれほど重い条件だったかによって速度の意味も変わる。スクワットの動きを見ながら余力を相談する場面でも、遅くなったという印象だけでなく負荷条件を一緒に伝えたい。[3][11]
「お尻に効いた感じ」と、研究での残り回数の申告も、記録する意味が違う。ここで紹介したスクワットやベンチプレスの研究が評価したのは、速度、きつさ、負荷設定や余力推定である。その数字から、お尻の形がどれほど変わるかを計算することはしない。目的が下半身のトレーニングでも、今日の負荷の判断と、見た目の経過は別の評価として扱うのが妥当である。[6][8][11][13]
形の変化を急ぐと、きついほど正しい、と採点したくなる。しかし、この研究群を使う場面では、きつさは成果を競う点数ではなく、実施内容を説明する情報である。数字が高かった日に自動的に合格を付けるより、どんな動作と負荷でそう答えたかを見る。その使い方なら、初心者の控えめな申告も、経験者の強い確信も、同じように検討の対象になる。[2][3][13]

よくある誤解
「初心者の予想は使いものにならない」は言い過ぎである。初心者にも速度ときつさの対応が見られ、慣れるセッションを置いた研究では、余力の申告に基づく設定重量の再現性が高かった。最初から正確さを要求して黙らせるより、何を答える尺度なのか確認して使う考え方が、系統的レビューとも合う。ただし、再現性と実際の余力の正確さは区別する。[2][8][13]
「経験者なら残り回数を必ず当てる」も、比較研究の結果を越える。スクワットで経験者と初心者の推定精度に違いが認められなかった研究があり、別の研究でみられた群間差も、負荷条件を問わず一様に現れたものではない。経験は申告を解釈する材料であって、その数字を検証から外す理由ではない。[6][13]
「余力を正確に知るには、毎回限界まで続ければよい」という指示にも、この結果をそのまま使えない。研究の検査では最大重量や限界に関連する課題を行っているが、検査で何を測ったかと、日常の練習をどう処方するかは異なる問いである。負荷管理のレビューは、方法ごとの長所と短所を見ながら主観と客観の情報を組み合わせる立場であり、単独の数字だけを頼りにしない。[3][6][13]
初心者が申告に迷った日に、経験者のように言い切る必要はない。「余力はこのくらいだと思うが自信はない」と伝えることも、尺度への慣れを確認する会話になる。系統的レビューが挙げる慣れや意欲、環境という条件を踏まえれば、数字だけを切り離すより、本人がどう判断したかを一緒に聞く方が、申告を負荷管理の補助にするという位置づけに沿う。[2]
今日からできること
- 余力の尺度を使う前に、指導者と意味をそろえる。研究ではRPE10が余力0回、RPE9が余力1回に対応する。息切れだけの点数を答えていないか確認する。[13]
- 種目、重さ、実施回数、終わりの余力を同じ記録に残す。3回・5回・8回のセットで余力1回に対応する重さが異なった研究のように、回数と負荷は組で読む。[8]
- 初心者の申告は、慣れる過程も含めて扱う。15人の再現性研究には慣れるためのセッションがあり、18研究の系統的レビューも尺度への習熟を重視している。[2][8]
- 経験年数だけで申告を採用・却下しない。16人のスクワット研究では経験群間の推定精度に差が認められなかった。動きの観察と一緒に指導者へ伝える。[3][6]
- 研究の割合を自分の開始重量へ直結させない。3回セットのデッドリフトで示された88.2%などは若い男性の結果であり、個人の練習では主観と実施内容を照らして設定を相談する。[3][8]

オンザショアで、通う時間を先に置く
負荷の記録を続けるには、練習する場所と時間を日常の中に置いておきたい。オンザショア立川店は、JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある溶岩ホットヨガスタジオである。営業時間は8:00〜23:30、年中無休で全曜日共通だ。仕事帰りか休日か、生活の予定と営業時間を照らし合わせて通い方を考えられる。
パーソナルトレーニングのほか、ピラティス、常温のヨガ、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがあり、ヨガだけでも25種類以上のレッスンを扱う。ホットヨガは溶岩プレートを敷いたスタジオで行う。種目や環境を選び、続ける時間を確保するための場所として検討したい。
参加条件も先に確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。店の案内と料金で内容を確認できる。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。通う時間の候補が決まったら、体験予約で予定を具体化できる。
参考文献
[2] Validity of Rating of Perceived Exertion Scales in Relation to Movement Velocity and Exercise Intensity During Resistance-Exercise: A Systematic Review — Petro JL, Ferrari G, Cardozo LA, Vargas-Molina S, Carbone L, Kreider RB, Bonilla, 2025, Sports health. DOI: 10.1177/19417381241260412
[3] Training for Muscular Strength: Methods for Monitoring and Adjusting Training Intensity — Suchomel TJ, Nimphius S, Bellon CR, Hornsby WG, Stone MH, 2021, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-021-01488-9
[6] Objective Accuracy in Estimating Repetitions in Reserve in the Back Squat: An Analysis between Experienced vs. Novice Subjects — Droguett FAB, Festa RR, Quintana NAT, Gomez-Lopez J, Ojeda ÁH, Farias-Valenzuela, 2026, Journal of human kinetics. DOI: 10.5114/jhk/205218
[8] Repetitions in Reserve Is a Reliable Tool for Prescribing Resistance Training Load — Lovegrove S, Hughes LJ, Mansfield SK, Read PJ, Price P, Patterson SD, 2022, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003952
[11] Efficacy of the Repetitions in Reserve-Based Rating of Perceived Exertion for the Bench Press in Experienced and Novice Benchers — Ormsbee MJ, Carzoli JP, Klemp A, Allman BR, Zourdos MC, Kim JS, Panton LB, 2019, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001901
[13] Novel Resistance Training-Specific Rating of Perceived Exertion Scale Measuring Repetitions in Reserve — Zourdos MC, Klemp A, Dolan C, Quiles JM, Schau KA, Jo E, Helms E, Esgro B, Dunca, 2016, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000001049
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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