
差があった研究は、刺激の種類まで読む
健康で規則的に月経のある20〜41歳の女性24人を対象に、周期の1、4、14、22日目に検査した研究がある。温かさや冷たさを感じる境目に加え、冷たさ、熱、圧、電気刺激による痛みの閾値を測定した。唾液中の性ホルモンも同じ機会に測っている。[8]
冷痛、圧による痛み、電気刺激による痛みの閾値には周期中の変動があった。ただし山の位置は同じではない。圧と電気刺激の閾値が最も高かったのは22日目、冷痛の閾値は14日目だった。熱による痛みと、温度などの変化を感じ取る検知の閾値には、同様の変化が見られなかった。[8]
「周期で痛みが変わった」という短い紹介だけでは、熱による痛みまで同じ動きをしたように聞こえる。しかし実際には、同じ参加者に行った検査の中でも結果が分かれた。冷たい床へ手をついた場面に研究を重ねるなら、少なくとも刺激が冷たさなのか、押す力なのかを確認したい。痛みという見出しだけでは行き先が広すぎる。[8]
また、この研究では、各測定日に分けて調べたエストロゲンやテストステロンと痛覚などの関連は、ほとんど有意ではなかった。例外は周期初日のテストステロンと電気刺激の痛覚閾値の関連だった。周期中に値が動いたことと、あるホルモンがその動きを説明したことを同じ結論にしない方がよい。[8]
別の観察研究では、22〜28歳の健康な女性68人を黄体期に調べ、冷痛の閾値が高いことと卵胞刺激ホルモンの濃度が低いことに関連を認めた。ここでいう卵胞刺激ホルモンは、生殖に関係するホルモンの名称である。この研究は黄体期の女性の間の関連を調べており、同じ女性の生理前とそれ以外を比べた結果ではない。[2]
この違いは実用上も大きい。「黄体期のあるホルモン値と冷痛の境目が関連した」から、「自分は生理前なので冷たい床が痛い」と理由を確定することはできない。まして、その日の痛みからホルモンの濃度を逆算する話にはならない。関連が見つかった研究は手掛かりだが、足裏の感覚を採血結果の代わりにはできない。[2]
反復測定の研究でも、変化の計算方法によってホルモンとの関係が一致しない結果が報告されている。健康な若い女性66人の研究では、絶対的な変化と相対的な変化を用いた分析で結果が異なった。ホルモン名が出てくると説明が完成したように感じるが、計算の置き方にも左右される関係だった。[3]
数字の読み方にも注意したい。女性24人の研究で示された14日目や22日目は、その試験で測った日の名前である。冷痛と圧痛の閾値が最も高い日が違ったという結果は、読者の月経周期にも同じ山があると保証するものではない。カレンダーに敏感な日を書き込むより、今日の刺激と反応を残すための知識として使いたい。[8]
これらは「研究同士のどちらかだけが正しい」と選ぶための材料ではない。対象、測定時期、刺激、測定部位、計算方法をそろえたときに初めて、結果の違いを検討できる。差を認めなかった研究と、刺激を限って差を認めた研究を並べると、一律の生理前ルールが作りにくい理由が見えてくる。[1][3][8][9]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
月経痛のある人の結果を、周期の変化と混ぜない
基礎となる病気を伴わない月経痛を、原発性月経困難症と呼ぶ。この月経痛のある若い女性32人と、健康な対照群34人を比較した研究では、月経期、排卵期、黄体期中期に実験的な痛みを測定した。少女と若い成人女性を含み、月経痛の有無という人の特徴と、測定した時期を分けて見る設計である。月経痛のある対象群の結果を、18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめることはできない。[7]
月経痛のある群では、熱による痛みへの耐性などの指標から、対照群より強い痛みの敏感さが認められた。その群間差は、調べたどの周期の時期にも見られた。一方、冷痛への耐性には群間差がなかった。熱と冷たさでは結果が分かれた。[7]
また、繰り返す刺激で痛みが積み重なる反応や、別の刺激によって痛みが調整される反応にも群間差は認められなかった。著者らは痛みの中枢での処理が敏感になる可能性を一部示したが、調べた興奮性・抑制性の仕組みには群間差を認めなかった。月経痛があるからあらゆる刺激に弱い、という読み方はここでも広すぎる。[7]
普段から月経痛がある人が、運動前に足元の痛みを感じた場合も、「生理前にだけ起きた変化」と「もともとの痛みの経験」を混ぜずに残したい。前の月の生理前だけと比べるのか、普段の同じ動作とも比べるのかで、記録から見える問いが変わる。月経痛の有無による差を見た研究は、日付だけの説明では足りないことを示している。[7]
ここまでの研究から、床が冷たく感じた日には激しい運動を避けるべきだ、と特定の強さを指定することはできない。測っているのは温度や実験的な痛みへの反応であり、冷たい床の感想を運動の可否に換算する仕組みではない。[1][4][7][9] 日常や運動の妨げになる痛み、いつもと違う痛みについての判断は医師に相談する対象だ。

よくある誤解
「生理前は体温が高いのだから、冷たさにも必ず敏感になる」。この必ず、は研究に合わない。穏やかな寒冷曝露の実験では、黄体期の深部体温が高くても、全身や手足の温度感覚には時期による差がなかった。体温と感覚は、片方の結果からもう片方を決められる関係ではなかった。[4]
「冷たいと感じる境目が変わったなら、冷たさの痛みも変わる」。温度検知と痛覚は別の検査である。女性19人の試験では乳頭部の冷知覚に周期差があったが、温度による痛みの閾値には大きな変化がなかった。冷たいという言葉の中に、痛いまで一緒に詰め込まない方が結果を正しく読める。[9]
「研究で差がないなら、自分の違和感は気のせいだ」。差がないという集団の結果は、その人の今日の訴えが存在しないという意味ではない。反対に、差があった研究を読めば自分の原因まで確定するわけでもない。多くの検査で差がなかった研究と、一部の刺激で差があった研究の両方を踏まえ、本人の言葉と比較の条件を残すのが妥当だ。[1][3][8]
今日からできること
- 運動前に床へ触れた場面を記す。「冷たい」「痛い」「押されて痛い」を分け、温度の検知と痛覚を別に測る研究の区別を、言葉の整理に用いる。痛みを確かめるために冷やし続けない。[8][9]
- 足裏か手のひらか、触れた部位を添える。女性19人の試験でも冷知覚の差は部位を限って見つかっており、「体全体が敏感」と広げずに書くためだ。[9]
- 日付と月経との位置関係を残す。周期の1、4、14、22日目を測った研究でも刺激ごとに結果は異なる。その日付を自分の敏感な日の指定表には使わない。[8]
- 床、マット越し、部屋全体の寒さを区別して振り返る。23.5℃の部屋で過ごす実験と、15℃で局所を冷やす研究は異なる条件であり、身の回りでも「何に触れたか」を残す参考になる。[4][5]
- 普段の月経痛の有無や、その日の痛みが運動の妨げになったかも書き添える。月経痛のある32人と対照群34人で熱痛への耐性などを比べた研究を踏まえ、日付だけで説明を終わらせない。支障のある痛みは医師に相談する。[7]

オンザショア立川店で、運動の予定を置く場所を選ぶ
床に触れたときの感覚と、参加する運動の環境を分けて選びたい。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガやピラティスもある。冷たさの感想だけで運動の強さを決めず、どの環境で何をする予定かを確認する入口になる。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている場合は利用できない。参加条件とレッスンの確認には店舗の案内を利用できる。
営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも扱う。通える時間と種目を照らし合わせたい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金を確認し、参加先を決めたら体験の予約へ進める。
参考文献
[1] Menstrual cycle phase does not influence gender differences in experimental pain sensitivity — Klatzkin RR, Mechlin B, Girdler SS., 2010, European journal of pain (London, England). DOI: 10.1016/j.ejpain.2009.01.002
[2] Sex Hormone Levels and Pain Thresholds in the Luteal Phase of Healthy Women — Zhang L, Sun M, Ding W, Zhao N, Zhang W., 2025, International journal of women’s health. DOI: 10.2147/ijwh.s499942
[3] Changes in sex hormones and their interactions are related to pain perception between different menstrual subphases — Zhang L, Zhao Y, Liu X, Chen J, Sun M, Zhang J, Zhang W., 2023, American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology. DOI: 10.1152/ajpregu.00275.2022
[4] Effect of menstrual cycle on thermal perception and autonomic thermoregulatory responses during mild cold exposure — Matsuda-Nakamura M, Yasuhara S, Nagashima K., 2015, The journal of physiological sciences : JPS. DOI: 10.1007/s12576-015-0371-x
[5] Cutaneous microvascular response during local cold exposure – the effect of female sex hormones and cold perception — Cankar K, Music M, Finderle Z., 2016, Microvascular research. DOI: 10.1016/j.mvr.2016.07.006
[7] Experimental evaluation of central pain processes in young women with primary dysmenorrhea — Payne LA, Seidman LC, Sim MS, Rapkin AJ, Naliboff BD, Zeltzer LK., 2019, Pain. DOI: 10.1097/j.pain.0000000000001516
[8] Menstrual variation in experimental pain: correlation with gonadal hormones — Teepker M, Peters M, Vedder H, Schepelmann K, Lautenbacher S., 2010, Neuropsychobiology. DOI: 10.1159/000279303
[9] Psychophysically determined thresholds for thermal perception and pain perception in healthy women across the menstrual cycle — Söderberg K, Sundström Poromaa I, Nyberg S, Bäckström T, Nordh E., 2006, The Clinical journal of pain. DOI: 10.1097/01.ajp.0000210904.75472.63
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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