朝の洗顔を水だけにする日は、塩素の心配と肌に触れる時間をどう分けるか

朝の洗顔を水だけにしても、洗った後につっぱると水道水の塩素が気になる。水の成分、肌に触れる時間、洗顔後に測る時点を分け、人の手や前腕の試験から読める範囲を確かめる。保湿後には差が変わる研究も取り上げ、朝の支度や運動前の洗顔を見直すときに、何を記録し、何を決めつけないかを考える。

洗顔料を使わずに顔をすすいだ。タオルを置いて身支度を始めると、頬がつっぱる。「水だけなのに」と思うと、次に疑いたくなるのが水道水の塩素だ。朝の洗面台で、水まで選び直す必要があるのだろうか。

答えの芯は、水だけでも肌の表面は変わりうるが、その変化を塩素だけの作用とは決められない、ということだ。乳児の洗浄試験では水道水だけでも皮膚表面の酸性・アルカリ性を示す値や脂質量が変化した。一方、成人の前腕を比べた試験では、洗浄後に見えた水分量の差が保湿後には有意でなくなった。乳児と成人患者の前腕から得た結果を、18〜39歳の女性の顔にそのまま当てはめることはできない。水の成分だけでなく、何を測り、いつ比べるかが答えを変える。[3][5]

既存記事「朝の洗顔は泡を長く置くほど落ちるか、接触時間の実験と顔の皮脂を分けて読む」には泡の接触と洗浄の論点を譲る。ここで考えるのは、洗顔料を省いた朝にも残る、水への接触とその後の肌の見方である。

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水だけの洗顔でも、表面の指標は変わる

洗顔料を使うかどうかは、洗面台では大きな分かれ道だ。しかし研究では、水だけを使う群も測定の対象になる。皮膚疾患のない、生後2週から16か月の乳児を対象とした無作為化試験では、水道水、液体洗浄料、固形洗浄料、アルカリ性石けんで洗った群を、それぞれ10人ずつ比較している。乳児の試験であり、18〜39歳の女性の肌に同じ変化量を当てはめることはできない。洗浄前と洗浄10分後に調べたのは、皮膚表面のpH、脂質量、水分量だった。[3]

pHは酸性かアルカリ性かを示す指標である。この試験でpHの上昇が最も小さかったのは水道水だけの群で、上昇幅は0.19だった。最も大きかったのはアルカリ性石けんの群の0.45である。皮膚表面の脂質量も全群で減少し、水道水群の減少が最も小さかった。ただし洗浄前後の水分量には、統計学的に有意な違いが認められなかった。[3]

ここから読めるのは、「水だけなら測定値は動かない」でも「水で洗うと必ず乾燥する」でもない。同じ洗浄の後でも、pHと脂質量は変化し、水分量では有意な変化が出なかったという、指標ごとの違いだ。脂質が減ったという結果を、そのまま肌の水分が減った結果として紹介すると、試験の中にあった区別が消えてしまう。[3]

しかも対象は乳児である。大人が起床後に顔をすすぐ場面とは、年齢も生活条件も違う。この結果は水だけでも表面に作用しうるという手がかりであり、大人の朝の洗顔を全員同じ方法にする根拠ではない。洗顔料を省いた日に感じる変化を考える入口として扱うのが妥当だ。[3]

水だけという言葉は、加えた洗浄料がないことを表す。肌の反応までゼロになるという意味を含めると、研究結果とずれる。洗うものを減らしたことと、肌がどう変わったかは、別に確かめる必要がある。[3]

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水の硬さを比べた結果を、塩素の結果にしない

水道水と別の水を比較した研究があると、「やはり塩素が原因だった」と読みたくなる。しかし、水の種類を替える試験と、塩素だけを変える試験は同じではない。看護師の手を対象にした無作為化クロスオーバー試験では、通常の水道水と超純軟水を交互に使う期間を設けて、角層水分量と経皮水分蒸散量を測っている。職業上の手洗いを扱った結果であり、18〜39歳の女性の朝の顔すすぎへの適用には、部位と使用条件の違いがある。[1]

角層水分量は肌の表層にある水分の指標で、経皮水分蒸散量は肌を通って外へ出る水分の指標だ。後者はTEWLと略される。表層に水分が多いことと、外へ出る水分が少ないことは、似て見えても別々に測る性質である。どちらかの改善だけで、両方が改善したとは扱えない。[1][5]

この試験では、一方の使用順に21人、逆の使用順に22人の看護師が割り付けられた。各使用期間は4週間で、間に4週間の休止期間を置いた。超純軟水は水道水より角層水分量を有意に増加させ、報告された平均差は26.3 μS、95%信頼区間は1.12〜51.54だった。一方、TEWLには影響しなかった。自己評価による手の状態も改善していた。[1]

これは実際の手洗いに関係する人の試験であり、主観だけで終わらず機器でも調べている点が参考になる。ただし結果の主語は、超純軟水と水道水を使った看護師の手である。ここから「水道水の塩素が顔のバリアを壊す」と結論を広げることはできない。水の比較で得られた結果に、調べた条件より細かい原因名を後から付け足さないことが大切だ。[1]

また、平均差の信頼区間には幅がある。全員の手が同じ大きさだけ変わった、あるいは朝の洗顔でも同じ数値だけ水分が増える、という読み方は合わない。仕事中の手洗いを繰り返す条件と、起床後に顔をすすぐ条件を分けたうえで、指標によって結果がそろわなかった点を持ち帰りたい。[1]

肌に触れた時間は、何を測った時間なのか

水との接触時間を考えるなら、「長く触れると何が変わったのか」まで確認したい。短時間の水分付与と皮膚の伸びやすさを比べた研究では、水道水を1分、2分、5分、10分接触させ、皮膚の力学的な性質を測定している。弾性的な性質に関係する指標は最初の1分から変化し、その後も変化が増していた。粘性などの指標は変化しなかった。[18]

この研究では、水分付与後の伸びやすさの増加は女性で認められ、男性では認められなかった。年齢で分けた比較では、若い群と高齢の群で同じ方向の変化があり、伸びやすさの増加は高齢の群で大きかった。水に触れた後の変化が、測る性質や対象によって異なることを示している。男女と若い群・高齢の群を比較した結果であり、18〜39歳の女性だけの反応として読むことはできない。[18]

ただし、伸びやすくなったという結果は、塩素による刺激が増えたという結果ではない。皮膚の伸び、表層の水分、外へ逃げる水分、赤みやかゆみは、同じ意味の言葉ではない。時間に沿って変わる数値が見つかっても、その数値が何を表すかを省けば、洗顔の助言としては飛躍してしまう。[1][5][18]

短時間の接触でも、最初の測定時点から変化した指標があった。しかし、この試験の時間を朝の顔すすぎの目標にする必要もない。研究が設定した時間は比較のための条件であり、すべての人が守るべき洗顔時間として示された値ではない。[18]

洗面台で知りたいのは「何秒なら正解か」かもしれない。けれど秒数を決める前に、蛇口を出していた時間と、実際に顔を濡らしていた時間を混ぜないほうがよい。洗顔中に歯ブラシを探していた時間まで肌への接触として数えると、記録の意味が変わる。これは研究から適正時間を計算する方法ではなく、毎朝の手順を言葉にするときの整理である。

時間の比較には、触れ方も伴う。皮膚に水を付けて伸びやすさを測る実験と、洗剤液に手を浸す反復試験では、同じ「接触」でも作業の形が違う。水をすくって顔へ運び、すぐ離す朝の動作を想像しながら読むなら、連続した浸漬の時間を、そのまますすぎの回数に換算しないことだ。時間の単位が同じでも、肌に与えた条件まで同じとは限らない。[18][20]

看護師の試験が採用したクロスオーバーは、使用する水を交替して比較する設計である。水を使う順番の異なる群を設け、間に休止期間を置いている。一度だけ別の水を試した感想とは、比較の組み方が違う。朝に「昨日よりよかった」と感じたことは生活上の大切な情報だが、それだけを研究と同じ原因の確認として扱わないほうがよい。[1]

乳児の試験でも、洗った後に測るまでの時間をそろえている。水道水群と石けん群でpHの変化を比べるには、洗浄以外の条件も意識する必要があるからだ。朝の感想を書き残す場合にも、洗面台の前なのか通勤後なのかを添えれば、単なる「よい・悪い」より状況が伝わる。研究の測定機器をまねるより、場面の違いを消さないことに意味がある。[3]

数字で読む水と肌の接触

43人の看護師を使用順の異なる群に分けた試験では、水の使用期間は各4週間だった。単発の朝洗顔ではない。[1]

26.3 μSは、超純軟水と水道水の比較で報告された角層水分量の平均差だ。95%信頼区間は1.12〜51.54で、TEWLへの影響はなかった。[1]

1分、2分、5分、10分は、皮膚の伸びやすさを調べた研究の水分付与時間だ。洗顔時間の推奨値ではない。[18]

39人の成人を対象とした試験では、左右の前腕を3分間洗い、その後30分間自然乾燥させて比較した。[5]

18人の手を調べた洗剤への反復接触試験では、13人でTEWLが開始時より25%を超えて増加した。水だけの朝洗顔の発生率とは違う。[20]

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宮川涼 Founder

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