
筋力と筋肉の厚さを同じ成績にしない
筋トレの成果という言葉には、力を出す能力と筋肉の大きさが混ざりやすい。Kojićらの無作為化比較試験では、大学生20人を、腕を曲げ伸ばしする運動の速度が異なる群に分けた。男性は11人で、男女を含む小規模な試験である。18〜39歳の女性だけの結果ではないため、そのまま女性全般の筋力と筋肥大の関係には当てはめられない。上腕の筋肉の厚さと最大挙上重量を測り、その変化の関係を調べた。[5]
運動期間は7週間で、週2日、合計14回の腕のトレーニングだった。重りを下ろす局面と持ち上げる局面をともに1秒にした群と、下ろす局面を4秒、持ち上げる局面を1秒にした群を比較している。筋肉の厚さの変化率と最大挙上重量の変化率に有意な相関があったのは、ゆっくり下ろした群だけだった。[5]
その群の相関係数は0.712だった。相関は変化が一緒に動く程度を表すものであり、「筋肉が厚くなったから、この割合で必ず力が増す」という因果の換算式ではない。著者らは、筋肥大と筋力増加の関係が、下ろす動作の速度によって異なることを示している。[5]
ここから個人の面談に持ち帰れるのは、筋力の伸び率を見ただけで筋肉の厚さの増加を推定しない、という姿勢だ。重りを扱う成績が伸びたことは、その測定の成果として受け取る。そこから鏡の中の変化まで一足飛びに説明しない。逆に見た目に変化を感じないことだけで、力の記録を無かったことにする必要もない。[5]
この試験は腕の運動を扱っている。下ろす速度を変えた結果を、全身の種目やすべての女性に広げて「このテンポなら効果が大きい」と処方するのは行き過ぎだ。自分の記録では、種目名だけでなく動かし方も確認するきっかけにとどめたい。見かけ上は同じ腕の運動でも、研究では速度の条件を区別している。[5]
高齢者を対象にしたメタ分析でも、筋力と、動き始めに素早く力を立ち上げる能力を、互いの代用にすることへの注意が示されている。18〜39歳の女性へ結果をそのまま当てはめず、ここでは異なる測定項目を区別するために読む。どちらも「力」だが、評価する能力が異なる。筋力、速く力を出す能力、筋肉の厚さを、便利だからと成果の総合点にまとめないほうが研究に忠実である。[6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
研究の平均は自分の合格ラインではない
高齢女性の握力を扱った無作為化比較試験では、65歳を超える健康な女性36人が、運動群と対照群に分けられた。運動群はゴムボールや握力用の器具を使い、8週間、週2回の専門的な握力トレーニングを行った。最大握力の増加は9.3〜10.4%で、繰り返し最大の力を出す課題での力の値は14〜27%増えた。18〜39歳の女性の全身トレーニングにはそのまま当てはめられず、ここでは測定項目ごとに割合を読む例として扱う。[3]
同じ参加者でも、最大握力と繰り返し出す力では報告される変化の幅が違う。研究には、最初と最後の反復で握力がどれほど変わるかという、疲れに伴う低下を見る指標も含まれている。この指標の変化が減ることは、最大握力の値が上がることとは別の読み方になる。上向きの数字がいつも良い、下向きなら悪いという表示だけでは足りない。[3]
この試験の数値を、若い女性が全身のトレーニングをした際の最低ラインにはできない。対象年齢も運動部位も、測っている課題も違うからだ。研究結果を使うなら、「このような対象に、この運動をすると、この指標に変化があった」と条件を一緒に持ち運ぶ。割合だけを切り抜いて、自分の通知表に貼らない。[3]
Guizeliniらは、平均年齢60歳以上の健康な人を扱った10研究を統合した。筋力の変化率における運動群と対照群の差は18.40%、95%の信頼限界は13.69〜23.30%だった。素早く力を立ち上げる能力では26.68%、範囲は14.41〜35.52%と報告されている。これらは対照群との差であり、運動した本人の前後の伸び率そのものではない。18〜39歳の女性の到達予測にはそのまま当てはめず、比較対象を確認する例として読む。[6]
論文で対照群との差が示されるのは、運動群が変わったという話と、運動しない場合と比べて変わったという話を区別するためである。この解析の18.40%を、自分の開始時の重量にそのまま掛けて到達予測にするのは、別の種類の数字を使うことになる。研究の平均は、日付の決まった約束手形ではない。[6]
また、このメタ分析では、筋力と素早く力を立ち上げる能力の変化に有意な関係は認められなかった。解析された年齢、トレーニングの型、期間、週あたり回数も、改善への有意な影響を示さなかった。ただし、これは期間や回数がどんな状況でも無関係だという証明ではない。対象となった研究をまとめた範囲で、有意な影響が検出されなかったという結果である。[6]

よくある誤解
「伸び率が前より低いから停滞した」とは限らない。開始時の値に影響される割合と、実際に増えた量は分けて見る必要がある。分母を途中の測定値に置き換えたのか、入会時の値を使い続けたのかも確認したい。割合が変わった理由を考える前に、計算の土台が同じかを見るのである。[19]
「女性は男性より筋肉が増えにくいので、少し伸びれば十分」という理解も粗い。成人男女のメタ分析では、筋肉の大きさの絶対的な増加は男性がやや大きかった一方、相対的な増加は同様だった。女性だから一律に低い伸び率を予想するという説明は、この結果に沿わない。逆に、全員が同じ割合で伸びるという意味でもない。[1]
「研究で出た割合より低ければ失敗」という読み方にも注意が要る。高齢女性の握力試験と若い女性の全身運動では、対象と課題が異なる。さらに高齢者のメタ分析の数値は対照群との差だった。年齢の違いだけでなく、数字が何と何の差なのかを見落とすと、もっともらしい合格点を作ってしまう。[3][6]
広告や体験談を見るときも、都合のよい表示かを印象で裁くより、元の値と比較対象をたどるほうが具体的だ。Dankelらは、個人の反応を図にすることや、大きな標本では変化量の平均と95%信頼区間を示すことを提案している。集団の平均だけではなく、変化の大きさとばらつきを伝えるという考え方である。[19]
自分の成果を説明してもらう面談なら、専門用語の多さで納得を急がなくてよい。「それは実量か割合か」「自分の前後か、別の群との差か」と聞けば、数字の位置が定まる。自分に不利な結果を消すためではなく、良かった変化も課題も同じ土台で受け取るための質問になる。[19]
今日からできること
- 成績表では開始時と現在の値を並べ、変化率と増えた実量を一緒に確認する。元の値を残すという方法論上の提案を、自分の記録にも応用する。[19]
- 入会時からの比較と前回からの比較を、記録の見出しで区別する。分母が変われば割合の解釈も変わるため、計算の出発点を明記する。[19]
- 筋力と筋肉の大きさの欄を分ける。7週間の腕の運動試験でも、両者の変化率の関係は動作速度の条件によって異なっていた。[5]
- 研究の数字を見たら対象と測定項目を書き添える。8週間の握力試験の9.3〜10.4%は、高齢女性の最大握力についての結果である。[3]
- トレーナーとの面談では、示された割合が個人の前後の変化か、対照群との差かを聞く。18.40%という高齢者の統合結果も、後者として読む数字だ。[6]

オンザショア立川店で、通う時間を生活の中に置く
記録を振り返る日と運動に出かける日を、生活の予定の中に置く。通う場所を検討するときには、効果の数字だけでなく、自分が使える時間と場所も確認したい。オンザショア立川店の営業時間は8:00〜23:30で、年中無休、全曜日同じである。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分だ。パーソナルトレーニングのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。溶岩プレートを敷いたスタジオではホットヨガを行い、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。予定を組む前に、参加条件も店舗の案内で確認したい。
料金を比較するときは、ヨガの体験とパーソナルトレーニングを区別する。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。ヨガを試す予定を立てるなら体験の予約で日程を確認できる。
参考文献
- Sex differences in absolute and relative changes in muscle size following resistance training in healthy adults: a systematic review with Bayesian meta-analysis. — Refalo MC, Nuckols G, Galpin AJ, Gallagher IJ, Hamilton DL, Fyfe JJ., 2025, PeerJ. DOI: 10.7717/peerj.19042
- Can maximal handgrip strength and endurance be improved by an 8-week specialized strength training program in older women? A randomized controlled study. — Gerodimos V, Karatrantou K, Kakardaki K, Ioakimidis P., 2021, Hand surgery & rehabilitation. DOI: 10.1016/j.hansur.2020.11.007
- Relationship between hypertrophy, strength gains and tensiomyography adaptations: a moderator role of contraction duration. — Kojić F, Arsenijević R, Ilić V, Đurić S., 2022, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-022-04998-0
- Effect of resistance training on muscle strength and rate of force development in healthy older adults: A systematic review and meta-analysis. — Guizelini PC, de Aguiar RA, Denadai BS, Caputo F, Greco CC., 2018, Experimental gerontology. DOI: 10.1016/j.exger.2017.11.020
- The widespread misuse of effect sizes. — Dankel SJ, Mouser JG, Mattocks KT, Counts BR, Jessee MB, Buckner SL, Loprinzi PD, Loenneke JP., 2017, Journal of science and medicine in sport. DOI: 10.1016/j.jsams.2016.10.003
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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