
女性を含む筋トレ後の試験から分かること
女性5人、男性15人の筋力トレーニング経験者を対象とした試験は、女性の読者がとくに対象を確かめたい比較である。参加者はレッグプレスを行い、その後の5時間を圧迫タイツで過ごす群と、タイツを着用しない群に分かれた。それぞれ10人で、運動直後から翌日までの回復を測定した。男女を合わせた結果であり、18〜39歳の女性だけに同じ効果があるかを直接判定する比較ではない。[8]
調べたのは筋力や跳躍だけではない。筋肉への血流、筋たんぱく質合成に関わる指標、筋肉痛、主観的な回復なども含まれる。結果として、生理的な指標、パフォーマンス、感覚の評価のいずれにも、群による経時変化の有意な違いはなかった。[8]
運動の後には、両群で筋たんぱく質合成に関わる指標や血流が増し、筋肉痛も増え、跳躍の高さなどが低下した。ここで「圧迫タイツを履いた人の血流が増えた」とだけ紹介すると、運動そのものによる変化と衣類の効果が混ざる。比較群でも起きた変化を、衣類だけの手柄にできない。[8]
この試験は、筋トレ後に市販の圧迫タイツを使えば、筋肉の合成に関わる指標や回復が上乗せされるという期待を支持しなかった。ただし、女性を含むことと、女性だけに同じ結果が確立したことは違う。男女を合わせた小規模な試験の結果として読むのが妥当である。[8]
別の肯定的な例として、筋トレ経験のあるハンドボール選手19人の無作為化クロスオーバー試験がある。下肢の筋トレと電気刺激を組み合わせた負荷の後にタイツを着用し、最大筋力の低下が全体で155 N小さかったと報告した。しかし96時間後にも筋力やパワーは完全には回復していなかった。筋トレ経験のある競技者の結果なので、18〜39歳の女性が普段行う運動にそのまま当てはめるには、負荷や着用時間の違いが大きい。[5]
この研究の着用は、最初の24時間、その後は着用と非着用を挟む、合計96時間に及ぶ条件だった。運動中だけレギンスを履く習慣とは異なる。肯定的な結果があるからといって、帰宅前に着替える人へ同じ回復効果を約束することはできない。[5]
「効いた研究がある」という短い紹介を読むときは、対象、運動、着た時間、測定したものを一続きで確認したい。ここまで読めば、普段の筋トレとの近さも遠さも見えてくる。研究を自分に引き寄せる前に、条件を省略しないことが実用的である。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
支えられる感覚と、測った成績は別に残す
高度に訓練されたフィールドホッケー選手8人の比較では、試合を模した運動の後に、下肢の圧迫衣類またはゆったりしたパンツを24時間着用した。血液の指標、跳躍、力の発揮、痛みの感覚、回復した感じを比べた研究である。主観的な回復は、全体として圧迫衣類の条件で高かった。高度に訓練された選手の試合後の結果を、18〜39歳の女性の普段の筋トレ後にそのまま当てはめることはできない。[6]
その一方、血液や身体的な回復の指標には、圧迫衣類の利益を示すものがなかった。研究者は筋肉痛や回復感の評価から心理的な利益の可能性を示した。気分の良さを嘘と呼ぶ必要はないが、「回復した気がする」を「筋力が戻った」に置き換えるのも正確ではない。[6]
着用の感触に満足した日には、その感触をそのまま記録すればよい。「脚が包まれて落ち着いた」「動いている間に衣類が気になった」などである。これとは別に、行った運動や重さ、動きを終えたときの様子を記しておく。両方を残す方法なら、快適さを大切にしつつ、成績と混同せずに済む。
圧迫が体に何の変化も起こさない、という話でもない。ランニングの51研究、899人を対象とした系統的レビューでは、柔らかい組織の振動は圧迫によって減少した。一方、走るタイムや疲労で続けられなくなるまでの時間には有意な改善がなかった。振動が減ることと、成績が上がることは別の結果だった。対象はランナーであり、18〜39歳の女性が行う筋トレへの適用は、運動の種類も含めて別に検討する必要がある。[16]
走るタイムの標準化平均差は−0.07、95%信頼区間は−0.22〜0.09で、疲労困憊までの時間では0.04、95%信頼区間は−0.20〜0.29だった。研究全体の確実性は低い〜非常に低いと評価されている。筋トレそのものの答えではないが、体の変化から成績への飛躍を防ぐ例になる。[16]
立川駅の階段で脚が揺れにくい気がする。そんな日の感想も、着用者には意味がある。ただ、その場面の感触に「筋力増加」という名前まで与える必要はない。履き心地の採点と筋力の測定には、それぞれ別の記録が要る。
体液の分布やむくみの問いは、既存の「【連載】見た目と運動の科学 第7回|むくみ——体液の分布と、圧迫・運動の効果」に譲る。ここで選ぶ物差しは、脚の見た目ではなく、筋トレで発揮した力と回復、そして着用中の感覚である。

よくある誤解
「締めつけが強いほど、筋肉がよく働く」は、圧迫の有無を比べる試験から飛び出した解釈である。ふくらはぎの試験では、圧迫しても筋力や運動中の出力などへの有意な利益はなかった。圧迫する条件としない条件の結果から、よりきついサイズほど有利という順番は導けない。[1]
サイズを選ぶときに「苦しいほど本格的」と採点する必要はない。目的を動作中の着心地に置くなら、その動作で自分がどう感じるかを確かめればよい。筋力向上を保証するサイズ表として、回復研究の数字を使うのは筋違いである。[2][3]
「運動後に履けば、翌日には完全回復する」も言い過ぎだ。肯定的だったハンドボール選手の試験でも、96時間後まで完全な回復には至らなかった。回復への補助の可能性と、疲労や筋力低下をなかったことにする保証には隔たりがある。[5]
「効果がない試験は、体感を調べていないだけ」という説明も当てはまらない。女性を含む筋トレ後の試験は、筋肉痛や主観的な回復も測定し、圧迫による有意な差を認めなかった。別の競技者の試験では回復感の利益があった。体感についても一律の答えではないのである。[6][8]
だから、着用して楽だと感じる人と、何も変わらない人のどちらかを間違いにしなくてよい。研究が平均として示した結果と、自分が選ぶ衣類の好みを、同じ質問に押し込める必要はない。選ぶ理由を「着やすい」に置くなら、筋力の上乗せまで証明しなくてもその選択は成り立つ。
今日からできること
- 試着では立った姿だけで決めず、実際に行う動きを確かめる。「支えられる感じ」と「力が増す期待」は別々に扱う。男性17人の比較では圧迫の筋力保持効果はなかった。[1]
- 回復目的の紹介は着用時間まで読む。19人の肯定的な試験は96時間にわたる条件で、運動中だけの着用とは異なる。[5]
- 記録には着心地と行った運動を分けて残す。8人の競技者の試験では、回復感と身体的な回復指標が一致しなかった。[6]
- 試着では普段のスクワット動作で膝を曲げ、生地のずれと圧迫感をメモする。これは着心地を選ぶための確認である。女性5人・男性15人の試験でも回復への上乗せは支持されておらず、着心地と筋力の期待は分けて選ぶ。[8]
- 効果量を増加率に直さない。筋力回復の0.462という数値は、筋力が46.2%増す意味ではない。研究の比較尺度として確認する。[4]
買い替えるか迷うなら、まず今のウェアで不便に感じる場面を書き出してみる。膝を曲げたときなのか、動きの途中で生地を直したくなるのか、終わって着替えるときなのか。これは診断でもトレーニング処方でもなく、買い物の目的を絞る作業である。
不便が特にないなら、圧迫研究が気になっただけで慌てて買い足す必要はない。反対に、包まれる感覚が好きなら、その好みを選ぶ理由にしてよい。研究が支持する範囲に名前を合わせるなら、衣類の好みと筋力への期待を無理に結びつけずに済む。[1][3][6]

オンザショア立川店で、動く場面からウェアを考える
レギンス選びは、どの運動で着るかを決めると具体的になる。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけでも25種類以上のレッスンを用意している。
参加する種目は利用条件と合わせて選ぶ。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。種目や内容は店舗案内で確認できる。
営業時間は全曜日8:00〜23:30で年中無休。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。ウェアの買い物と一緒に、生活の中で通える時間も考えたい。
ヨガの体験は税込1,980円。60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。料金を確かめ、取り組みたい種目と通える時間が合えば体験予約へ進める。
参考文献
- Effects of lower leg compression sleeves on muscle strength, elasticity, and architecture following eccentric contraction — Ishiyama K, Nakao G, Nara G, Adachi R, Kozawa K, Sekiguchi K, Fukuyo C, Taniguch, 2026, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2026.03.020
- Effects of Compression Garments on Muscle Strength and Power Recovery Post-Exercise: A Systematic Review and Meta-Analysis — Li X, Su H, Du L, Li G, Lv Y, Liu X, Feng L, Yu L., 2025, Life (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/life15030438
- Can Compression Garments Reduce the Deleterious Effects of Physical Exercise on Muscle Strength? A Systematic Review and Meta-Analyses — Négyesi J, Hortobágyi T, Hill J, Granacher U, Nagatomi R., 2022, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/s40279-022-01681-4
- Compression garments and recovery from exercise-induced muscle damage: a meta-analysis — Hill J, Howatson G, van Someren K, Leeder J, Pedlar C., 2014, British journal of sports medicine. DOI: 10.1136/bjsports-2013-092456
- Effects of Compression Tights on Recovery Parameters after Exercise Induced Muscle Damage: A Randomized Controlled Crossover Study — Hettchen M, Glöckler K, von Stengel S, Piechele A, Lötzerich H, Kohl M, Kemmler , 2019, Evidence-based complementary and alternative medicine : eCAM. DOI: 10.1155/2019/5698460
- Effects of compression garments on recovery following intermittent exercise — Pruscino CL, Halson S, Hargreaves M., 2013, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-012-2576-5
- The Acute Effects of Compression Garments on Muscle Protein Synthesis Markers, Blood Flow, Performance, and Perceived Recovery after Resistance Exercise — Leabeater AJ, Leabeater AJ, Broatch JR, Driller MW, James LP, Malamouli M, Halso, 2025, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000003741
- Do compression garments enhance running performance? An updated systematic review and meta-analysis — Wang W, Wang Y, Zhang Y, Si D, Li X, Liang Q, Li Q, Huang L, Wei S, Liu Y., 2025, Journal of sport and health science. DOI: 10.1016/j.jshs.2025.101028
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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