
照明の研究が、いつも同じ結論にならない理由
人を対象とする光、体温調節、温熱快適性の研究を系統的に検索したレビューは、赤寄りの光では青寄りの光より環境を温かく知覚する結果を取り上げている。その一方で、光に対する温熱反応の多くの結果は明確でなく、理論的な枠組みも十分でないと指摘した。色で温度の感じ方が変わる可能性と、一定の法則として使えるかは別の問題なのだ。[2]
実際、別の実験研究は、光の色温度と明るさを変え、涼しい、中立、暖かい温度環境で温熱知覚を調べている。色温度とは光の色合いを表す指標で、湯の温度ではない。比較したのは2700 Kと5800 K、光の強さは5 luxと1200 luxだった。寒さによる震えの自己評価は5800 Kの光で高かったが、それ以外の温熱知覚の指標には光条件による有意差がなかった。[10]
この結果を先ほどの橙の窓の実験と並べると、光の色を変えれば誰でもいつでも温かく感じる、とは言えないことが分かる。片方では窓から入る光を仮想的に表現し、片方では室内の光条件を変えている。刺激の作り方や温度条件が異なる実験を、赤なら温かいという一文でそろえてしまうと、有意差がなかった結果が消えてしまう。[9][10]
さらに後者では、逆向きの関係も示された。周囲の温度が上がると、光の色も温かく知覚されたのである。色が温度の印象を動かすかだけでなく、温度が色の印象を動かすかも問われている。浴槽を眺めた感想を語るとき、見た目が原因で体感が変わったのかという問いを、最初から決着させない理由になる。[10]
レビューが扱う光の影響は、色の連想だけではない。夕方の光はメラトニン分泌を減らし、深部体温の自然な低下を遅らせ、末端の皮膚温の上昇を遅くする結果がある一方、朝の明るい光では異なる経過が報告されている。光を浴びる時刻と体温調節も、関係を読むための要素である。[2]
だから、夜の浴室で気に入った色を、朝にも同じ体感になる色として扱う必要はない。研究を家庭へ持ち込むなら、照明を変える健康法を作る前に、いつ、どこで、何を見た感想なのかを記しておく。「紫だった」だけの記録より、「帰宅後、いつもの照明で、湯を見たときに落ち着いた」のほうが、自分の経験として読み返せる。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
緑の光の感覚閾値は、緑の湯の温まり方ではない
緑に関する、もう少し直接的に見える研究もある。色覚が正常な健康男性14人に白、赤、緑の光を見せ、音の大きさや温度の感じ方を調べた実験である。温度の評価には、皮膚へ温度刺激を与える感覚検査装置が使われた。緑の光では、温かい刺激を検出する閾値と、温かい刺激で痛みを感じる閾値が上がった。男性を対象とした結果を、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、この実験だけでは判断できない。[14]
閾値とは、刺激を感じ始める境目である。「温かいことに気づく境目」と「心地よく入浴できる温度」は、同じ測定項目ではない。緑で閾値が上がったことを、緑のお湯なら熱くしても平気だという助言に変えてはいけない。対象が健康男性の小規模な実験であり、刺激も入浴剤入りの湯ではない点を保ったまま読む。[14]
この研究では赤の光で音を大きく感じ、緑の光で音の大きさの評価が下がる結果も出ている。温かさだけを切り離した世界ではなく、視覚がほかの感覚の判断と関わる場面を調べているのである。研究者がいう感覚間の関係を、特定の色が全身によいという宣伝へ広げるのは適切ではない。[14]
浴室で使える視点は、湯の感想にも何を尋ねたかが必要だということだ。入りやすかったのか、見た目が好きだったのか、熱いと感じなかったのか。その答えを別々に受け止めれば、好きな色であることを、熱への強さと取り違えずに済む。好みの感想は大事にしつつ、温度の判断を肩代わりさせない。
また、家族から「緑はぬるく感じる」と聞いても、自分の感想をそろえる必要はない。研究の平均値は、個人の体験に付ける正解の札ではない。感想が違ったときに色のせいと決めず、湯温を測ったか、同じ照明だったか、何を温かいと呼んだかを確かめる。色の議論がいつの間にか給湯設定の議論になるのを防ぐ工夫である。

よくある誤解
「温かく感じたなら、体も同じだけ温まった」は成り立たない。橙の窓の実験では温熱知覚に差があっても、心拍、皮膚の電気的な反応、皮膚温への感覚をまたぐ影響は観察されなかった。一方、スープの試験では足趾温度にも差があった。感じ方と身体反応は、同じになると決めず、測定項目ごとに読む必要がある。[1][9]
ここで「感覚だけなら意味がない」と切り捨てるのも違う。部屋の実験では仕事場としての受け入れやすさに色と温度の双方が関係していた。本人がどう感じるかも、実際に測る価値のある結果である。ただし、その価値を説明するために体温上昇という別の結果を付け足す必要はない。入浴の見た目の好みも、好みのまま言葉にしてよい。[9]
「緑は寒色だから、紫より温まらない」と順位を付けるのも早い。色の光を比較した研究は、青と緑を赤や黄より涼しい側に評価しつつ、どの色も強度が増すと温かい方向へ動くことを示した。色名だけで固定した印象にはならず、そこでの緑の点数を、紫の入浴剤との効果比較に使うこともできない。[6]
「光を変えても差がない研究は失敗だった」と扱うのも誤りだ。多くの温熱知覚指標に有意差がなかった実験は、色の効果を広く約束する主張への歯止めになる。同じ研究では、視覚的な快適さの変化と温熱快適性の変化に正の関係もあった。温かさの点数だけに目を向けず、何が変わり、何が変わらなかったかを読むと理解が具体的になる。[10]
今日からできること
- 入浴剤を選ぶときは、まず緑と紫のどちらの見た目が好きかを言葉にする。光の強度を変えた20人の研究は色の印象を扱ったもので、入浴剤の効能の順位表として使わない。[6]
- 比較する日は、見た印象、入ったときの感覚、実際に測った湯温を分けて記録する。57人の実験でも、温熱知覚と生理反応は別々の結果として扱われている。[9]
- 記録には照明と時刻も添える。2700 Kと5800 Kの光を比較した実験のように、光の色合いと湯温は別の条件として扱う。家庭では分かる範囲で照明の設定を残し、色温度の数字を入浴の推奨値にしない。[10]
- 色の温かさを示す−5から+5の点数を、湯温の差に読み替えない。入浴時に温度を確かめたいなら、見た色の評価とは別に湯温を確認する。[6]
- 「差が分からない」も感想として残す。5 luxと1200 luxの照明を比較しても、多くの温熱知覚指標で有意差がなかった実験がある。この明るさを浴室で再現しようとせず、いつもの照明で感じたことを書き、変化を求めて湯を熱くしない。[10]
色を楽しむために、毎回の入浴を採点する必要はない。選ぶときに迷いが出たら、何を期待しているかを短く書く程度でよい。「見た目が好き」と分かれば選択の目的は明確になる。「昨日より温かかった理由を知りたい」なら、色の記録だけでは答えを急がない。前者の楽しみを後者の証明へ変えようとしないことが、この問いを扱いやすくする。

オンザショア立川店で、温かさの好みと運動の選択を分ける
湯の色の好みと湯温を分けたように、運動でも温かい環境の好みと受けたいレッスンを分けて選びたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。日々の予定に運動を置く場所として、時間帯と所在地を確認できる。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングも扱う。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。続ける予定を考えるための確認先は、料金、店のトップ、体験の予約である。
参考文献
[1] Color of hot soup modulates postprandial satiety, thermal sensation, and body temperature in young women — Suzuki M, Kimura R, Kido Y, Inoue T, Moritani T, Nagai N., 2017, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2017.03.041
[2] The influence of light on thermal responses — te Kulve M, Schellen L, Schlangen LJ, van Marken Lichtenbelt WD., 2016, Acta physiologica (Oxford, England). DOI: 10.1111/apha.12552
[6] Increasing intensity directly increases the perceived warmth of primary colors — Hammond BR, Gardner CR, Wooten BR, Renzi-Hammond L., 2024, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-024-77942-1
[9] Temperature-Color Interaction: Subjective Indoor Environmental Perception and Physiological Responses in Virtual Reality — Chinazzo G, Chamilothori K, Wienold J, Andersen M., 2021, Human factors. DOI: 10.1177/0018720819892383
[10] Interactions between the perception of light and temperature — Te Kulve M, Schlangen L, van Marken Lichtenbelt W., 2018, Indoor air. DOI: 10.1111/ina.12500
[14] Effects of colour exposure on auditory and somatosensory perception–hints for cross-modal plasticity — Landgrebe M, Nyuyki K, Frank E, Steffens T, Hauser S, Eichhammer P, Hajak G, Lan, 2008, Neuro endocrinology letters. DOI: なし
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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