
自分への思いやりを「甘え」と感じるとき
ヨガへのためらいが、「楽そうなことを選ぶ自分は嫌だ」という形を取るなら、自分への厳しさも振り返る材料になる。セルフコンパッションは、自分に思いやりを向けることを指す。減量を目的とする商業的な健康支援に参加していた成人男性11人を対象に、その捉え方を聞いた質的研究がある。[3] 18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、性別と減量支援への参加という条件の違いに注意が要る。男性の自己像と自己への扱いの関係を考える補助線になる。
面接の分析では、自分への思いやりを学び練習する技能として捉えること、自己像や性別規範との整合、体のイメージとの関係がテーマになった。体重に対する偏見や男性らしさの規範が妨げとして挙げられる一方、人生経験や育ちが支えとして語られた。[3] 単純に「優しく考えればよい」と言って済む話ではなく、本人が大事にしてきた自分の像と、どう折り合うかが含まれている。
興味深いのは、自己への思いやりという言葉が、問題を含む食行動や運動行動を覆い隠すテーマも見いだされたことだ。[3] 優しい言葉を使ったかどうかだけで、行動の意味は決まらない。体験後の振り返りでも、「自分のためだから」という理由を添えただけで納得せず、何を望んで参加し、何が嫌だったのかを具体的に書くほうが、自分の判断材料になる。
たとえば、動きを理解できず気まずかった場面で「向いていない人間だ」と人物全体を採点する代わりに、「説明をもう少し聞きたい」と書いてみる。これは面接研究で効果を検証された方法ではなく、自分の評価を具体化する提案だ。精神的な強さを証明するために体験を選ぶ必要も、自分を大切にする人だと証明するために選ぶ必要もない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
男性の体の悩みにも目を向ける
「男性なのに体の見え方を気にするのは変だ」と、恥ずかしさに別の恥ずかしさを重ねることがある。摂食に関わる症状を捉える自己記入式質問票の検証研究では、男子大学生502人と女子大学生625人が調べられ、摂食障害のある150人の得点とも比較された。[13] 対象は男女の大学生と摂食障害のある人であり、18〜39歳の女性全体にこの集団差をそのまま当てはめることはできない。見た目や運動への関わりを、女性だけの話として扱わないための材料である。
多くの尺度の平均得点は女子大学生で高かったが、過剰な運動、筋肉づくり、肥満に対する否定的態度の尺度では男子大学生のほうが高かった。[13] これは男性全員が過剰に運動しているという結果ではない。質問票の尺度得点の集団差であり、筋肉づくりを楽しむ個人を病気と判断する材料にもならない。何を測った結果かを外すと、研究が新しい決めつけに変わってしまう。
ここでの問いは、ヨガが恥ずかしい男性に異常があるかどうかではない。筋肉や運動の評価が自己像と関わることを、本人が話題にしてよいかどうかだ。男性の身体実践を扱うレビューも、多様な体と男性の経験に目を向ける必要性を述べている。[1] 「気にするな」と言われて終わるより、何を気にしているかを話せる余地を残したい。
体への不満や摂食の問題全体については、既存記事「ヨガと摂食障害・ボディイメージ|『改善するのか悪化させるのか』がまだ議論の途上にある」に譲る。ここでヨガを治療の代わりとして勧めることはしない。食事や運動、体への不安が生活を大きく妨げている場合は、参加するかどうかだけで解決しようとせず、医師に相談する対象である。

よくある誤解
「男らしい運動を選べば、自分らしさは守れる」という考えには、どの男性の、どんな自己像かという問いが抜けやすい。身体実践のレビューは、男性らしさを単一のものとして扱わず、多様な男性のアイデンティティーに注意を向けている。[1] 自分が好んで選ぶ筋力トレーニングと、他人の期待を満たすために選ぶ筋力トレーニングは、同じ種目でも本人にとっての意味が違いうる。
「ヨガを始めれば、体への不満はなくなる」も飛躍である。韓国の男性の研究は、継続実践者の語りから体の捉え直しを示した質的研究だ。[2] 初回の恥ずかしさを成功や失敗の採点に使う必要はない。気分よく参加できた感想も、その日の経験として大事にできる。体験日の感想と、その後の自分の見方は別に振り返れる。
「自分に厳しい男性ほど、運動に向いている」という序列にも慎重でありたい。減量支援中の男性の研究には、自己への思いやりと男性らしさの規範の間で折り合いを探る語りが含まれる。[3] その研究は、厳しい人と優しい人の運動成績を順位づけしたものではない。[3] ヨガの入口に、性格の合格証まで用意しなくてよい。
また、「筋肉の理想から離れれば、柔軟性を理想にすればよい」という置き換えも、この記事で勧めたいことではない。男性実践者の研究で語られたのは、外側からの評価から内側の自己受容へ向かう捉え直しだった。[2] そこから考えるなら、前屈の深さを新しい身分証にするより、何を面白いと感じたか、どんな説明なら学びやすかったかを選択の材料にする余地がある。
今日からできること
ここで挙げるのは、研究で参加率を上げたと実証された手順ではない。身体実践のレビューと、男性への聞き取りが示す論点を、参加前後に確かめるための問いへ置き換えたものだ。[1][2][3] 無理に恥ずかしさを消す課題にせず、何が引っかかるかを具体的にするために使いたい。
- 予約画面を閉じた理由を文章にする。「人に知られたくない」のか、「自分のする運動ではない気がする」のかを区別する。男性らしさの理想と自分の受け入れ方を分ける見方が手がかりになる。[1]
- ヨガを試したい理由を、見た目以外の言葉でも探す。「知らない動きを習いたい」など、自分で納得できる理由を候補にする。少なくとも1年間実践した男性の語りは、体との関係が外見の評価だけに限られないことを示している。[2]
- 体験後のメモでは、人物全体への評価を具体的な場面へ戻す。「自分は駄目だ」より「説明のここが分からなかった」と記す。自己への思いやりを学ぶ技能として捉えた11人の面接研究を踏まえた、振り返りの提案である。[3]
- 体の見た目が気になるときは、何を比べているのかを書き出す。男子大学生502人と女子大学生625人を調べた質問票研究でも、筋肉づくりなどの尺度では男性の平均得点が高かった。[13] その集団差で自分を採点せず、男性にも体の悩みを話題にする余地があると考える。
- 筋肉や柔軟性の比較だけで体験を決めつけず、また行きたいと思う理由と、気が進まない理由をそれぞれ残す。継続者11人の経験を自分の将来の約束にせず、自分の経験として読み直す。[2]
家族やパートナーが男性を誘うときも、「男なのに気にしすぎ」では話が終わってしまう。「どの場面が気になるか」「試すなら何を確かめたいか」と聞く言い方を候補にできる。これは誘い方の効果が検証された処方ではなく、多様な自己像を尊重するレビューの視点を会話へ移す提案だ。[1] 参加を決める人の言葉を、誘う側の期待で埋めないようにしたい。
中央線の帰り道で思い浮かぶ「いつもの自分」と、予約画面にいる自分は、同じ人物でよい。ヨガを選ぶ理由を立派に飾る必要はない。「興味はあるが、まだ迷う」も、その日の判断として書き残せる。次に画面を開くとき、前回のためらいが誰の評価に向いていたのかを読み返す。参加の結論より先に、自分が何を選ぼうとしているかを確かめる場所を作るのである。

オンザショア立川店で、通う時間と条件を確かめる
「自分に似合う運動か」だけで決める前に、実際にどんなレッスンを選べるかを確かめたい。オンザショア立川店では、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガも扱い、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。店のトップで案内を見て、自分が習ってみたい動きを探す入口にできる。
参加条件も先に確認する。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。営業時間は8:00〜23:30で、年中無休、全曜日同じである。JR立川駅北口から徒歩1分、所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と体験の予約を確認し、持ち物と通う時間を具体的に考える。自分らしさについて結論を出す前でも、参加に必要な条件は調べられる。体験で何を確かめたいかを添えて予定を考えれば、周囲にどう見えるか以外の判断材料を持てる。
参考文献
[1] Male Body Practices — Lefkowich M, Oliffe JL, Hurd Clarke L, Hannan-Leith M., 2017, American journal of men’s health. DOI: 10.1177/1557988316669042
[2] Embodied renegotiation: Redefining male body image through yoga in Korea — Kim J, Heo J., 2026, Body image. DOI: 10.1016/j.bodyim.2026.102035
[3] Exploring self-compassion among men seeking weight loss: a thematic analysis — Papini NM, Squires ND, Jones AI, Mundell L, Herrmann SD, Lopez NV., 2025, International journal of qualitative studies on health and well-being. DOI: 10.1080/17482631.2025.2577285
[13] Gender norms, psychometric properties, and validity for the Eating Pathology Symptoms Inventory — Forbush KT, Wildes JE, Hunt TK., 2014, The International journal of eating disorders. DOI: 10.1002/eat.22180
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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