20代のダイエットで運動後の甘い物欲は変わる?好む味と食べたい強さを読む

運動帰りに甘い物が欲しくなると、ダイエットが進んでいない気がする。だが、空腹、味の好み、食べたい強さ、実際に食べる量は分けて考えたい。若い男女の運動試験と食の好みの測定研究を手がかりに、直後と翌朝の結果の違い、数字の読み方、自分を責めない記録の仕方を読み解く。

運動着を洗濯かごに入れたのに、頭の中にはチョコレートが残っている。「今日は体を動かしたのに、まだ甘い物が欲しい」。その瞬間だけで運動の成否を採点したくなるが、まず採点項目を確かめたい。

運動後の甘い物への欲求は、空腹感とは分けて考えたい。若い男女を対象に有酸素運動、筋力運動、座って過ごす条件を比べた試験では、翌朝の食べたい強さに条件間の差はなかった。一方、別の歩行試験では、運動しない条件より空腹感と食べたいと考える分量が小さかった。違う物差しで、違う時点を見ているのである。[1][4]

ここで知りたいのは、何をどれだけ食べれば痩せるかではない。「甘い味が好き」と「今すぐ食べたい」と「お腹がすいた」をどう読み分けるかだ。運動後の自分を、甘い物が頭に浮かんだという理由だけで責める必要はない。研究でも食欲を尋ねる質問と食べたい強さの課題は分けて用意されている。[2]

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甘い物が好きなことと、今欲しいことを分ける

食品の好ましさは、研究では好みとして評価される。一方、目の前の食品の画像などに対して食べたい強さを調べる課題もある。歩行の研究は食品の好みを含む複数の項目を評価し、若い男女の研究は食品を見たときの欲求をコンピューター課題で測っている。日常では同じ「食欲」で済ませがちだが、測定の入口は同じではない。[1][4]

たとえば、好きな菓子を聞かれて名前を挙げる場面を考える。その答えと、今その菓子を食べたいかという答えは、別々に尋ねられる。夕食の後に好きな物を思い浮かべることと、運動帰りに店先で手を伸ばしたくなることを、記録の上でも分けてみる。これは食べることの良し悪しを決める作業ではなく、質問を具体的にする工夫である。[1][4]

さらに空腹感は本人が感じるお腹のすき具合であり、食品の好みと並べて調べられている。歩行の試験では空腹感、満腹感、食品の好み、食品の価値、理想とする分量をそれぞれ評価した。空腹の結果を聞いて、味の好みまで変わったと読み替えることはできない。測った項目の名前を残すだけで、運動のうわさはずいぶん穏やかな文章になる。[4]

この記事では「食物報酬」を、食品に対する好ましさや食べたい強さを調べる研究上の呼び方として使う。運動を頑張った自分に菓子を贈るという意味の「ご褒美」とは、文脈を分けたい。研究計画では、好ましさと欲求の課題に加え、食欲の感覚と実際の摂取量を別に評価する設計になっている。食品に向かう気持ちと食行動を、同じ答えだと決めつけないための区別である。[2]

「甘い」という言葉にも注意したい。ここで紹介する運動試験の結果から、甘い食品だけを選んで欲求が下がるとはいえない。食品画像への欲求全体の結果と、甘味に限定した結果は同じ主張ではない。検索窓には甘い物と入力したくても、研究を読むときは、対象が食品全体なのか特定の味なのかを確認する必要がある。[1][4]

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歩いた後に弱まったのは空腹と想定する分量だった

男女27人が参加したランダム化試験では、同じ参加者がトレッドミルで60分歩く条件と、座って休む条件を順序を無作為にして経験した。別の人同士の生活を比べるのではなく、参加者自身の異なる条件を比べる形である。評価は運動や休息の前と直後、その後は1時間ごとに2時間まで行われた。男女を合わせた結果なので、18〜39歳の女性だけでも同じ差が出るかは、この比較からは判断できない。[4]

中等度の運動をした条件では、運動しない条件と比べて空腹感が17.4%小さく、食べたいと考える理想の分量は7.7%小さかった。空腹感の差の検定値はp=0.004、分量はp=0.003であった。少なくとも、この試験では「動いたら直ちに空腹が強くなる」という一方向の説明は支持されなかった。[4]

ただし、分量はコンピューターを使った評価によるものである。皿に盛り、口に運び、食べ終えた量の減少と同じ数字ではない。夕食がいつもより少なくて済むと保証する値でもない。「食べたいと考えた分量」という言葉を数字の横に置く必要がある。7.7%をそのまま自分の食事を削る割合として使うのは、研究の使い道が変わってしまう。[4]

この研究がコンピューターを使った背景にも意味がある。研究者は、並んだ料理から食べる方式では、感覚的な刺激や外部の手がかりが摂取量に影響しうる点を挙げている。実際に食べる場面に近い方法には、場面そのものの影響も入る。その影響を整理して、運動と食欲の関係を調べようとした試験なのだ。[4]

帰り道の売り場を思い出すと、この区別は分かりやすい。運動直後にロッカーで尋ねられる空腹と、食品を見ながら答える食べたい量を、同じ場面の回答として扱わないことである。売り場を避ければ必ず欲求が下がると結論するのではなく、自分の記録にも「どこで答えたか」を残すと、比較している状況が見える。[4]

また、歩行の結果をヨガや筋力運動にそのまま移すことはできない。この試験で行ったのは60分のトレッドミル歩行である。空腹を消すために同じ時間だけ歩くべきだという処方ではなく、運動の種類と測定条件を伴った結果として読む。短い運動の後に同じ感覚が起きなくても、試験の設定と自分の運動の違いを確かめたい。[4]

翌朝の欲求は、有酸素運動でも筋力運動でも差がなかった

翌朝を調べた試験には男女14人が参加し、平均年齢は21.9歳、年齢の標準偏差は2.7歳だった。体格指数は平均22.7、標準偏差1.9である。参加者は、有酸素運動、筋力運動、座って過ごす対照条件を、無作為な順序で経験した。若い男女を合わせた小規模な試験であり、18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめるには対象の幅が足りない。[1]

運動条件では、目標とする消費エネルギーを体重当たり4 kcalにそろえた。有酸素運動は最高酸素摂取量の70%、筋力運動は1回だけ持ち上げられる最大重量の70%という設定だった。種目が違っても負荷や目標を決め、比較の条件を整えている。汗の量を見て「同じくらい頑張った」と判断した実験ではない。[1]

各条件の後は22時間にわたり加速度計で睡眠を測り、翌朝に食品画像に対する食べたい強さをコンピューター課題で調べた。結果は、睡眠の指標にも食べたい強さにも条件間の差がなかった。運動の種類を替えれば翌朝の欲求が確実に下がる、という選び方を、この結果から勧めることはできない。[1]

同じ参加者が異なる条件を経験する比較には、ふだんから甘い物が好きな人と、そうでもない人を別々の運動群に分けて比べる場合とは違う意味がある。その人の別の条件での反応も見られるからだ。ただし、参加者の年齢や人数、実施した運動、翌朝という評価の時点は残る。比較の工夫があっても、答えられる範囲はその設定にとどまる。[1]

また、目標とする消費量をそろえた比較から、自分が日常で行う有酸素運動と筋力運動は必ず同じ反応になる、とまでは広げられない。生活の中では選ぶ運動も負荷も異なる。この試験を運動選びに使うなら、どちらが食欲を消すかという順位表を作るより、条件を整えても翌朝の欲求に差がなかったという結果を受け止める方がよい。[1]

この「差がない」は、全員の感覚が完全に同じだった、という意味ではない。試験が示したのは、設定された条件間で欲求の違いが認められなかったという結果である。自分は運動の翌朝に食べたくなったという経験を消す必要も、反対にその経験だけで運動全般の性質を決める必要もない。小さな試験の集団での比較と、自分の日々の出来事を区別したい。[1]

歩行の試験と翌朝の試験は、勝ち負けをつける組合せではない。前者は運動前からその後の短い時間帯の空腹感や想定分量を、後者は翌朝の食品への欲求を測っている。研究の結論が違って見えたら、運動が効いたかを先に考えるより、質問と時計を見比べる方が正確である。[1][4]

数字で読む運動と食べたい気持ち

27人:歩行と座位休息を無作為な順序で比べた試験の参加者数である。[4]

60分:その試験の歩行時間であり、甘い物への欲求を消す推奨時間ではない。[4]

17.4%:運動しない条件より小さかった空腹感の差である。[4]

7.7%:小さかった想定上の理想分量の差であり、実際の摂取量とは分けて読む。[4]

14人:翌朝の食品への欲求に、運動条件間の差がなかった試験の規模である。[1]

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