
回数を増やせば、日常への効果も増えるのか
練習の仕組みを知ると、次には「たくさん押さなければよいのか」と考えたくなる。だが、2016年のメタ分析では、効果の大きさは停止に成功した割合と関連する一方、食品の手掛かりと停止を組み合わせた試行の絶対数とは関連していなかった。回数だけを効果の目盛りにはできない。[9]
この関連から、失敗せず押さないことを日常の厳しいノルマにするのも飛躍である。メタ分析が比較しているのは研究で用いられた条件と効果の関係であって、個人が満点を取れば必ず間食が減るという約束ではない。練習の難しさや設計も含めた問いとして読むべきだ。[9]
実際のアプリ利用を調べた2021年の観察研究では、成人1,234人が自分の判断で練習を行った。平均年齢は43歳で、女性は69%だった。18〜39歳の女性にそのまま当てはめる際には、平均年齢が読者層より高く、男性も含む集団である点に注意したい。練習の平均セッション数は10.7回であり、利用量には大きな個人差があった。研究者が全員に同じ量を割り当てた試験ではない。[16]
事前登録された分析では、完了した練習の試行数が多いほど、不健康と分類された食品の摂取が減り、健康的と分類された食品の摂取が増えるという、小さな関連が見られた。効果を食品別に調べると違いもあった。ただし、意欲や自分で利用を選ぶ傾向などの影響が残り、練習量が変化を起こしたとは確定できない。[16]
この違いは、通勤電車でアプリを続ける人を想像すると分かりやすい。続ける人は、同じ時期に食べ方にも関心を向けているかもしれない。研究自身が、自己選択や意欲などの要因を考慮しきれない点に注意を求めている。利用回数と食事の変化が並んでも、原因を見極めるには、練習量を割り当てて比べる試験が必要になる。[16]
同研究には、時間を空けた練習ほど食事の変化が大きいという探索的な関連もあった。探索的とは、確定した答えとしてではなく、さらに調べる問いとして扱う結果である。「朝晩に何回」といった最適な日課へ直ちに変換することはできない。市販の画面練習を選ぶときも、回数の多さを売り文句の強さと交換しない。[16]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
反応を止める成績と、食べた量を別々に見る
画面の課題で上達すれば、生活の選択にも効果が出そうに感じる。そこで役に立つのが、期待された変化が出なかった研究である。2020年の事前登録研究では、健康な成人50人が食品を使うゴー・ノーゴー課題に取り組み、その後に間食する機会を設け、摂取エネルギーを測った。18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、健康な成人全体での結果とは分けて検討する必要がある。[17]
高カロリー食品を主に停止の合図と結びつける練習と、逆の結びつきを用いる練習を行ったが、その前の練習条件による食べる量の違いは見られなかった。脳波の指標であるN2にも練習に伴う変化はなく、その振幅から摂取量を予測することもできなかった。想定された仕組みは、この研究では支持されなかった。[17]
また、2023年の事前登録された実験室研究は、抑制制御の練習と、食品の評価を変える別の認知的な方法を比較した。各方法に対応する能動的な対照群と、受動的な対照群も用意している。単回の実施では、暗黙の好み、食品選択、自由に食べた量について、有意な差は認められなかった。[18]
この結果は、あらゆる設計や継続期間で効果がないと証明したものではない。それでも「画像と停止を組み合わせれば、その直後から誰でも食べる量が減る」という読み方は支えない。肯定的な小規模試験だけを集めず、差がなかった条件も含めて期待を調整する理由になる。[17][18]
測るものが違えば、答えも違う。食品への好みを尋ねる質問、押してはいけない場面で押した回数、試食で食べた量、生活での間食頻度は、それぞれ別の評価である。これらをまとめて「食欲を抑えた」と呼ぶと、読者が知りたい帰宅後の行動が、どこかへ消えてしまう。[11][17][20]
たとえば記録画面に達成の表示が出ても、それはその課題を終えた証拠である。お菓子の袋が開かなかった証拠は、袋のある生活で確かめる必要がある。研究結果も同じ順序で読みたい。何を練習したか、何を測ったか、対照群より何が変わったかを、途中で取り違えないことだ。[17][20]
さらに、日々のエネルギー摂取が減った試験でも間食頻度は動かなかった点は、記録の読み方を教えてくれる。回数の記録だけでは摂取の変化を取り逃がす場合があり、好みの記録だけでは行動の変化を確かめられない。すべてを体重の変化に集約するより、知りたいことに合った指標を選ぶ方が研究との対応が明瞭になる。[11][20]
日常で確かめる際にも、同じ問いを保つと振り返りやすい。好みを確かめたいなら食べ物への評価を、食べる場面を確かめたいなら間食した状況を振り返る、というように対応させる。途中で評価するものを変えると、画面の練習を終えた満足感が、そのまま食べ方の変化に見えてしまう。研究で好みと摂取頻度が分かれた点は、その混同を避ける手掛かりになる。[20]
また、差がなかった研究を読むときには「何も学ばなかった」と決めつける必要もない。少なくとも、ある課題を実施すれば必ず摂取が減る、という単純な説明には修正が必要になる。単回の比較で差がなく、別の条件を含む統合では小さな効果があるなら、条件を詰める余地が残るということだ。読者がその不確かさまで引き受けて、際限なく回数を増やす必要はない。[1][18]

よくある誤解
「お菓子が好きでなくなれば、食べる回数も減る」は、同じことではない。成人366人の研究では、練習対象の食品への好みの低下と、摂取頻度に群間差がない結果が並んだ。好みの変化は無意味ではないが、それだけを間食が減った証拠にしてはいけない。[20]
「脳のブレーキを鍛えるのだから、誰にでも効く」という説明も強すぎる。小さな効果を示すメタ分析がある一方、食べる量に差がなかった事前登録研究もある。平均の結果は個人への保証ではなく、条件の違いを含む研究全体の傾向である。[1][17][18]
「回数を増やせば増やすほどよい」も、確定した処方ではない。アプリの観察研究では利用量と食事の変化に関連が見られたが、意欲などの影響を排除できない。以前のメタ分析でも、単純な試行数と効果の大きさは関連していなかった。連続記録の長さを、食行動の成績表にしないことだ。[9][16]
今日からできること
- 画面練習を検討するなら、食品画像と反応の停止を繰り返し結びつける設計かを読む。各10分を4回の成人試験は研究の実施例であり、全員に必要な量を定めたものとして使わない。[11]
- 始める前に、確かめたいのが好み、摂取量、間食頻度のどれかを言葉にする。成人366人の研究で、それらが同じ方向へそろって変わらなかったことを目安に、結果を分けて記録する。[20]
- 練習回数を増やすこと自体を目標にしない。1,234人の観察研究で見られたのは小さな関連であり、因果関係のある最適回数ではない。記録が負担なら、続け方そのものを見直す。[16]
- 画面の達成率だけで生活への効果を判断しない。健康な成人50人の実験では、練習条件による摂取量の差はなかった。生活で何が変わったかを、練習の表示と別に振り返る。[17]
- 効果の説明に「減った」とあれば、何が減ったかと対照群との差を確認する。32研究の統合に小さな効果があっても、個人の間食が一定の割合で減る約束にはならない。[1]

オンザショア立川店で、画面の外にも続ける予定を
画面での練習を検討するときも、暮らしの予定には実際に体を動かす場所を組み込める。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で年中無休である。通う場所と利用できる時間を確かめ、生活の中へ続ける予定を置くための選択肢になる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。種目を選ぶ際には、まず参加条件も確認したい。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンとバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。持ち物と時間の見通しをつけてから、通い方を考えられる。店の案内と料金を確認し、予定が合えば体験の予約へ進める。
参考文献
[1] The effectiveness of Go/No-Go and Stop-Signal training in reducing food consumption and choice: A systematic review and meta-analysis — McGreen J, Kemps E, Tiggemann M., 2024, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2024.107215
[8] Quantifying the presence of evidential value and selective reporting in food-related inhibitory control training: a p-curve analysis — Carbine KA, Larson MJ., 2019, Health psychology review. DOI: 10.1080/17437199.2019.1622144
[9] Inhibitory control training for appetitive behaviour change: A meta-analytic investigation of mechanisms of action and moderators of effectiveness — Jones A, Di Lemma LC, Robinson E, Christiansen P, Nolan S, Tudur-Smith C, Field , 2016, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2015.11.013
[11] Training response inhibition to food is associated with weight loss and reduced energy intake — Lawrence NS, O’Sullivan J, Parslow D, Javaid M, Adams RC, Chambers CD, Kos K, Ve, 2015, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2015.06.009
[16] App-based food Go/No-Go training: User engagement and dietary intake in an opportunistic observational study — Aulbach MB, Knittle K, van Beurden SB, Haukkala A, Lawrence NS., 2021, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2021.105315
[17] No evidence of calorie-related modulation of N2 in food-related Go/No-Go training: A preregistered ERP study — Aulbach MB, Harjunen VJ, Spapé M, Knittle K, Haukkala A, Ravaja N., 2020, Psychophysiology. DOI: 10.1111/psyp.13518
[18] Comparing the effects of inhibitory control training and evaluative conditioning for unhealthy food behaviours — Masterton S, Jones A., 2023, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2023.106529
[20] Food-related inhibitory control training reduces food liking but not snacking frequency or weight in a large healthy adult sample — Adams RC, Button KS, Hickey L, Morrison S, Smith A, Bolus W, Coombs E, Randolph , 2021, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2021.105601
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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