ダイエットの間食のみかんは搾ると吸収が違う?色素の量と利用される量を読む

ダイエット中の間食にみかんを食べるか、果汁にするか。柑橘の色素は、食品に含まれる量と体に取り込まれやすい量が同じではない。オレンジを使った人の比較試験と消化を再現した実験から、加工による違いを読み分ける。吸収の数字を減量効果や飲む量の目安へ置き換えず、日常の選び方を考える。

おやつのみかんを皿に置き、横に搾り器を出す。皮をむいて食べるか、搾って飲むか。同じ果物なら、中の栄養が届く量も同じなのだろうか。

色素の吸収に限れば、形を変えると違いが出ることがある。オレンジを使った人の比較試験では、同じ量のβクリプトキサンチンという色素を摂ったとき、加熱殺菌した果汁の方が生の果実より体内で利用されやすかった。ただし、これはダイエットで果汁が優れているという結論ではない。[3]

みかんを含む果物の実験でも、色素を多く含むことと、消化の過程で取り出されやすいことは一致しなかった。[4] 白い筋や運動後の補食の話は、既存記事「疲労回復のみかんは白い筋も食べる?果肉との成分差と運動後の補食を読む」に譲る。ここでは、搾ったあとの色素をどの段階で数えるかに焦点を当てる。

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含まれる量と吸収されやすさは別の数字である

カロテノイドは、ここで扱う柑橘の色素成分のまとまりだ。そのうちβクリプトキサンチン、βカロテン、αカロテンは、ビタミンAの摂取に寄与する成分として研究されている。果物を比べた消化実験は、食品に含まれる量に加え、消化で取り出されて吸収へ向かえる状態になる割合を調べた。[4] 栄養の話をするとき、成分表のような「入っている量」だけでは終わらない理由がここにある。

まず、果実や果汁の中に色素がどれだけ存在するかを測る。次に、消化を再現した条件で、そこから色素がどれだけ取り出されるかを見る。さらに、人が食べたあとの血液を調べる試験では、実際の体内での利用されやすさを比較する。[2][3][4] 同じ「吸収」という短い言葉で紹介されても、食品を調べた数字と、人の体を通して得た数字では意味が違う。

消化で吸収へ向かえる状態になる性質は、バイオアクセシビリティと呼ばれる。人の体内での利用されやすさを扱うバイオアベイラビリティとは、測定する段階を分けて読む必要がある。オレンジの比較研究は、人の試験と消化実験を組み合わせ、それぞれの結果を示している。[3] 台所のコップの中と血液の中とでは、測っている指標が異なる。

夕方の間食を選ぶ場面では、「多く含む」「吸収されやすい」という言葉が並ぶと、どちらも同じ長所に見えやすい。しかし、多く含む食品の中から取り出される割合が低いこともあれば、加工後に取り出されやすさが高くなることもある。[2][4] 何の量を、どの段階で比べたのか。この問いを挟むだけで、目立つ数字に別の意味を足さずに済む。

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人の試験では果汁が高かったが、みかん全般の答えではない

最も直接的なのは、生のネーブルオレンジと加熱殺菌したオレンジ果汁を比べた無作為化クロスオーバー試験である。参加したのはボランティア12人で、それぞれが両方の試験食を摂る設計だった。どちらの食事からもβクリプトキサンチンを744 μg摂るようにし、摂取後9.5時間にわたり採血して比較した。[3] 18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、この小規模なボランティア試験だけでは判断できない。別々の人が好きなだけ飲み食いした調査とは、比べ方が異なる。

βクリプトキサンチンの利用されやすさは、加熱殺菌した果汁で生の果実の1.8倍となり、統計的に有意な差があった。同じ試験食を消化実験にかけると、吸収へ向かえる状態へのなりやすさは果汁で5.3倍だった。[3] 人の試験でも実験室でも果汁側が高い方向だったが、倍率には違いがあった。実験室の結果をそのまま人の倍率として読むことはできない。

この試験がそろえたのは、色素の摂取量である。[3] したがって、目の前のみかんと果汁を見て、同じ見た目の量なら同じ比較になるとは考えない方がよい。研究の問いは「同量の色素を、違う食品の形で摂るとどう違うか」だった。日常の問いである「今日は何をどれだけ間食にするか」へ移るときには、比較している条件が変わる。

また、研究対象はネーブルオレンジであり、店頭のみかんをそのまま搾った試験ではない。[3] みかんについて考える材料にはなるが、果物の種類も加工の条件も置き去りにして、家庭で搾った場合の差は、この試験とは分けて考える必要がある。果汁の側にも「加熱殺菌した」という条件がある。果実と果汁の比較結果から、搾る工程だけの効果を取り出したように語るのも慎重であるべきだ。

クロスオーバーという設計では、参加者が果実と果汁の両方を試す。[3] ある人は果実だけ、別の人は果汁だけという比較より、同じ人の中で食品の形による違いを見られる点に意味がある。それでも、小規模な試験の結果を、年齢や暮らし方の異なるすべての読者に共通する倍率とは扱わない。自分が飲んだときにどれだけ取り込まれるかを、研究の平均的な比から計算するための数字ではない。

採血を重ねて食後の変化を見る方法にも、読み方の手掛かりがある。この試験は摂取後9.5時間に8回の血液試料を集めた。[3] 果汁の容器に残っている色素を測る実験とは異なり、食べたあとに体内で起こる経過を追っている。その時間の幅を踏まえると、「口に入れた瞬間に多く吸収される」と短く言い換えるより、試験食を摂ったあとの利用されやすさに違いがあった、と受け取る方が結果に近い。

色素の種類によっても結果はそろわなかった。ルテイン、ゼアキサンチン、ゼイノキサンチンでは、摂取量で調整していない平均吸収の値は果汁側でやや高かったものの、有意な差には達しなかった。[3] βクリプトキサンチンで得られた結論を、柑橘に含まれるすべての成分の結論へ広げない。この小さな区切りが、果汁への過大な期待を防ぐ。

加工しても総量は同じ、取り出され方は変わることがある

バレンシアオレンジ果汁を使った食品実験では、加熱や高圧などの殺菌法に加え、超音波処理の影響を調べた。未処理の果汁の総カロテノイド量は879.74 μg/100 gで、各種の殺菌処理後との間に総量の有意差はなかった。[2] この結果は「加工すれば色素は必ず減る」という一括りの見方に反する。少なくとも、この果汁と処理条件では総量は同じように保たれた。

合計と内訳は分けて見たい。高い熱をかけた処理では、色素の一群であるビオラキサンチンエステル類が未処理より少なくなった。[2] 総量という大きな箱を見て変化がないと判断しても、その中の成分の組み合わせは変わり得る。果汁の栄養を読むとき、「全体」と「特定の色素」を行き来する必要がある。

超音波処理を加えても、色素の総量や種類の構成にはほぼ影響しなかった。一方で、消化実験では色素の可溶化とミセル化の効率が高まり、後者の増加は約85.3〜159.5%だった。[2] ミセル化とは、ここでは色素が消化後の小さな粒子に取り込まれる過程を指す。食品中に存在する量を増やさずに、消化後の扱われ方が変わった点が、この実験の読みどころである。

この割合は、人の血液で確認された吸収量の増加率ではない。[2] 超音波を用いた食品加工の結果を、台所で搾っただけの果汁にも当てはめることは避けたい。家庭の道具を選ぶ広告で同じような数字を見かけても、装置の名前が似ていることより、実験で施した処理と何を測ったかを確かめる方が先である。

別の柑橘果汁の実験では、膜を使う濃縮工程と超高圧の均質化処理を組み合わせた。色素量、消化での取り出されやすさ、腸の細胞モデルへの取り込みを合わせて評価した結果、利用可能な色素の量は最終製品で4〜6倍になった。[1] これは濃縮工程も含む製品全体の数字であり、単に果実を搾った効果の倍率としては読めない。

腸の細胞モデルは、取り込みを調べるために培養した細胞である。この実験では消化後の粒子の大きさや、ペクチンという成分の化学的な状態も調べられ、超高圧処理で細胞への取り込みが改善した。[1] 加工の影響は「生か加熱か」だけでは捉えきれない。ただし、加工技術として興味深いことと、その製品を飲む人の健康効果が確立していることは、別の段階である。

数字で読む柑橘の色素

12人:果実と加熱殺菌果汁を比べた人のクロスオーバー試験の参加者数。[3]

744 μg:その試験で両方の試験食にそろえたβクリプトキサンチン量。[3]

1.8倍:人の試験で果汁側が高かったβクリプトキサンチンの利用されやすさ。[3]

5.3倍:同じ食品を使った消化実験で得られた果汁側の比。人の倍率ではない。[3]

約85.3〜159.5%:超音波処理で高まった消化実験中のミセル化効率。[2]

4〜6倍:膜による濃縮と超高圧処理を組み合わせた最終製品の実験上の利用可能量。[1]

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宮川涼 Founder

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