ピラティスの夏の服装は布の重さも確認、薄さだけで決めない熱と水分の逃げ道

ピラティスの夏の服装を、薄さや半袖の見た目だけで決める前に、布の重さ、厚さ、熱の伝わりにくさ、汗の蒸発のしにくさを分けて読む。編み方、衣服の重さ、通気、ゆとりの隙間、洗濯が、皮膚温や蒸れの感じとどこで食い違うかを、研究の数字で一つずつ整理する。

レッスン前、半袖を光にかざすと、向こう側のハンガーが透けて見える。これなら涼しそうだ。ところが手に持つと、見た目より重い。ピラティスに持っていく夏の服は、透ける薄さだけで選んでよいのだろうか。

答えの芯は、薄さ、布の重さ、熱の伝わりにくさ、汗の蒸気の逃げにくさを分けて見ることだ。男性8人が寒い室内で運動した試験では、同じ繊維でも編み方によって皮膚温と汗の残り方が変わり、深部体温には差が出なかった。18〜39歳の女性が夏のピラティスで着たときの反応へ、そのまま当てはめることはできない。[1] 布の性質を読み分ける手掛かりとして使い、半袖の涼しさの順位にはしない。

首を曲げたときの襟の圧は、既存記事「ピラティスの服装は襟元も確認、首を曲げたときのトップスの圧迫をどう見るか」に譲る。厚いスウェットを着たあとの暑さは「ピラティスの服装は厚いスウェットでもよいか、動き始めてからの暑さで選ぶ」が先に扱っている。足元の湿った布と床の滑りも、靴下の選び方の側に置く。ここで見るのは、夏のトップスとボトムの布について、重さ・厚さ・熱と水分の逃げ道である。体の重さを目標にする話には入らない。

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薄さは、熱の逃げやすさそのものではない

熱抵抗とは、布と空気の層が、熱の移動をどれだけ妨げるかを示す値である。小さいほど熱は逃げやすい。肌着の編みを変えた試験では、繊維はすべてポリプロピレン100%で、1×1リブ、フリース、魚網、インターロック、二重リブの5種だった。これらを衣服システムとして人体模型で測ると、総熱抵抗はそれぞれ 0.243、0.268、0.256、0.248、0.250 m2·K·W−1 だった。周囲環境の 0.104 m2·K·W−1 を含んだ値である。[1]

並びのまま読むと、最も高いのはフリースの 0.268、最も低いのは1×1リブの 0.243 で、魚網は 0.256 とその間にある。網目に見えれば熱が一番抜ける、という見方は、この5種の模型測定には当てはまらない。[1] 差の幅自体は大きくない。それでも、見た目の透け方と熱抵抗の順位は一致していない。

人での試験は男性8人、室温5°C、露点−3.5°C、風速0.32 m/s だった。40分の自転車こぎ(315 W/m2、最大酸素摂取量の52%、標準偏差4.9%)と20分の休息(62 W/m2)を繰り返した。編みの違いにより、平均皮膚温、局所と平均の皮膚の濡れ、衣服に残った汗、蒸発した汗に有意な差があった。深部体温の測定には、この期間を通じて差がなかった。男性を寒冷下で調べた着用実験なので、18〜39歳の女性の夏のレッスンへ結果をそのまま当てはめることはできない。[1]

室温5°Cの自転車を、夏のマットの答えにはしない。繊維名を固定しても編みが皮膚温と汗の行き先を変え、深部体温は別に測られていた、という切り分けだけを持って帰る。[1]

布の小片と、身に着けた一式も別である。化学防護の布8種と、それらで組んだ衣服10組を調べた研究では、布そのものの固有熱抵抗は 0.01〜0.05 m2·°C·W−1、衣服にすると 0.23〜0.31 だった。蒸発抵抗も、布は 5.9〜12.82 m2·Pa·W−1、衣服は 51.7〜67.8 と一桁近く開いた。[8] ハンガーから切り取った生地の薄さを、着た状態の熱の成績だと思わない理由が、この幅にある。

この数字は、人を持久まで追った結果ではなく、代謝量400 Wを入れた熱負担モデルの予測である。布を良くすると持久は延びると予測されたが、幅は環境次第で、厳しい条件では衣服間の予測が91〜98分に寄った。[8]

厚さそのものを振った実験もある。発汗する人体模型の表面に敷く「皮膚」役の編物について、252回測った。綿は厚さ0.38、0.54、0.92、1.43 mm の4種、ポリエステルは0.41、0.54、1.0 mm の3種である。厚さと素材のどちらも、湿った状態の見かけの伝導熱抵抗に有意に効いた。薄い皮膚布で測った衣服全体の蒸発抵抗は、厚い皮膚布で測った値より低いのが普通だった。合成繊維の皮膚布は、含む水分が少ないため、綿より見かけの湿潤伝導熱抵抗が大きくなりやすかった。[3]

これは店頭のトップスを順位づけた試験ではない。模型の表面に置く測定用の布の話である。それでも、同じ「綿」の中の厚さ、綿とポリエステルの差が、湿ったときの熱の伝わりと、その上で測る衣服の蒸発抵抗を動かした。[3] 薄さは一つの数字に溶けない。何の薄さかを先に書く必要がある。

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布の重さは、暑さとは別の負担として残る

重さは、熱抵抗の別名ではない。男性15人が約6 METs(安静時を基準とした運動強度)で運動し、化学防護のつなぎ3種と対照の衣服を着比べた試験がある。生理的な負担と体への荷物としての負担は、防護服の一つで最も高く、対照で最も低かった。荷物としての負担は、重さを足すこと、動きを制限すること、あるいはその両方で増えた。酸素摂取は、衣服の重さと、布を曲げたあとの戻りにくさ(曲げヒステリシス)で最もよく予測された。生理反応と、暑さ・濡れの感覚を最もよく予測したのは、布の蒸発抵抗と厚さの二つだった。男性の防護服着用実験から作った予測式を、18〜39歳の女性のピラティスウェアにそのまま当てはめることはできない。[2]

見ている結果が分かれている。重さは酸素をどれだけ使うかと、動きにくさの側に残り、厚さと蒸発抵抗は体温や皮膚、暑さや濡れの感じの側に残った。[2] だから「軽いから涼しい」「薄いから汗が乾く」は、この試験の読み方にはならない。軽いことと、熱や蒸気が逃げやすいことは、予測式の中で別の席だった。

対象は長時間、化学防護のつなぎを着た男性である。ピラティスのレギンスのグラム数を、この酸素摂取の式に代入はできない。使えるのは、重さを暑さの代理にしない、という分離である。[2] 曲げ戻りまで商品棚で測れとは言わない。重さを手で確認する欄を、薄さの欄の隣に置く、で足りる。

もう一方では、重さがほとんど効かなかった。20〜30歳の健康な男性12人、暑さに慣らした人を、全身を覆った状態で1日3時間、運動と暑さにさらした。35°C、相対湿度30%、時速5 km、傾斜4%の歩行で、45分動いて15分休む。二層の化学防護2種を、綿の軍用服と、蒸気を通さない服と比べた。通気性が約3倍高い防護服のほうが負担は小さく、綿の対照に近かった。通気性が低い側は、蒸気を通さない服に近かった。生地の構成や織りに伴う通気性は生理負担と有意に相関し、熱抵抗、蒸気抵抗、重さとの相関は弱かった。暑さに慣れた男性の全身防護服での着用実験であり、18〜39歳の女性の夏の服装にも同じ関係が成り立つかは、この比較では確かめられていない。[7]

洗濯は、重さと厚さを同時に動かす。伸縮糸の割合が違うデニム5種を、家庭洗濯の前後で比べた研究がある。5回の洗濯のあと、寸法の縮み、生地の重さ、厚さ、糸の覆う割合が増え、これらは有意な構造変化だった。熱抵抗と相対的な水蒸気の通しやすさは増し、通気性は有意に下がった(p<0.05)。伸縮糸の割合と洗濯の両方が、熱的な着心地を左右する因子だとされた。[10]

デニムはレギンスそのものではない。伸びる織物でも、洗ったあとに重さ・厚さ・熱抵抗・通気が一緒に動く例がある。[10] 新品を光にかざした薄さを、5回洗ったあとの性質まで保証する札にしない。

汗の逃げ道は、厚さと隙間で向きが変わる

蒸発抵抗は、汗が蒸気になって服の外へ出るときの妨げである。皮膚が湿って感じることとは定義が違う。熱負担のモデルでは重要な入力だが、模型で測ると値は揺れやすい。[11] 夏の服で「汗が乾く」と書かれた一文を、皮膚の乾き、布に残る水、蒸気の通りにくさのどれなのか、先に分ける。

隙間を広げれば汗は逃げる、とも限らない。男性の中国の民族衣装39着について、発汗人体模型と三次元計測で空気層と蒸発抵抗を調べた。衣服全体の蒸発抵抗は、平均の隙間や空気の体積が増えるほど上がるが、大きくなるほど上がり方は緩くなる。最大になったのは、平均隙間41.6 mm、空気の体積69.9 dm3 のときだった。体の部位ごとに、局所の隙間と局所の蒸発抵抗の上がり方・下がり方は違った。[5]

別のゆとり服でも、直線ではなかった。アラブのトーブと中国の旗袍を発汗する布製の人体模型で比べ、空気の体積は三次元計測した。トーブの保温と蒸気抵抗は、空気の体積が約71,000 cm3 まで増えるあいだは上がり、その後は徐々に下がった。通気性が高いトーブは、とくに風のある条件で蒸発抵抗が有意に低かった。風や歩行による保温と蒸気抵抗の変化の割合は、旗袍よりトーブのほうが大きかった。[9]

41.6 mm や約71,000 cm3 は、ゆったりした民族衣装の空気層である。肌に沿うレギンスの隙間に当てはめない。これらの衣服では、隙間を増やすほど水分が逃げやすくなる比例は成立せず、ある大きさで頭打ちになり、トーブではその先で下がり始めた。[5][9]

数字で読む夏の布と熱・水分

0.243と0.268:ポリプロピレン肌着を含む衣服の総熱抵抗(m2·K·W−1)で、前者が1×1リブ、後者がフリース。魚網は0.256で、網目が最低ではなかった。[1]

8人:その肌着で間欠運動した男性の人数。皮膚温と汗の残りには差があり、深部体温には差がなかった。室温は5°Cである。[1]

0.01〜0.05と0.23〜0.31:化学防護の布単体と、組んだ衣服の固有熱抵抗(m2·°C·W−1)。生地の薄さと、着た一式は別の桁だった。[8]

41.6 mm:民族衣装39着で、衣服全体の蒸発抵抗が最大になった平均の空気層。レギンスのゆるさの基準ではない。[5]

約3倍:暑熱下の歩行で比べた二層防護服の通気性の差。高い側の生理負担が小さかった。重さとの相関は弱かった。[7]

5回:伸縮デニムの家庭洗濯の回数。重さと厚さが増し、通気性は有意に下がった。[10]

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宮川涼 Founder

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