レッグカールで膝を深く曲げた瞬間に脚が固まるとき、短い筋長の力と60回の疲労指数を分ける。12人を6週間追った試験では短い位置の練習が疲労を特別に減らさず、20人ではストレッチ直後の低下が膝90度で大きかった。股関節の角度と足首の向きも混ぜない。
レッグカールの最後、膝が深く曲がったところで太ももの裏が固まり、重りが持ち上がる前に脚が戻る。セットはそこで終わる。深く曲げたところだけ、なぜ続かないのか。
膝を深く曲げるとつりやすいかは、筋力と疲労の試験だけでは判断できない。ここで比べるのは、つりの発生率ではなく、筋の長さによる力とその低下である。健康な12人を6週間追った試験では、練習前の疲労指数は、短い筋長より至適の筋長で60回の最大収縮を行ったときのほうが大きい傾向だった。P=0.05である。短い位置で練習した脚が、その位置だけ疲れにくくなった結果も出ていない。[7]
汗と塩分から脚のつりを読む記事「ホットヨガの塩分補給で脚のつりは防げる?汗だけでは決まらない筋肉の疲労を読む」と、運動後にどの筋肉へつりが残るかを扱う「運動後に足がつるのは使った筋肉だけ?疲れた場所と繰り返す理由を研究で読む」は、ここでは譲る。硬さを何回目の測定で読むかは「ハムストリングの硬さは何回目で測る?繰り返し伸ばすと変わる抵抗の読み方」に任せる。力の最大が出る角度そのものが練習で移るかも、隣の問いとして残す。この記事が分けるのは、膝を深く曲げて筋が短くなった位置の力、60回で落ちるトルク、ストレッチ直後の低下である。[7][18]

深く曲げた膝は、至適な力の条件と一致しない
ハムストリングは一つの塊ではない。力-長さ関係、つまり筋の長さと出せる力の関係を扱うナラティブレビューは、大腿二頭筋長頭、半膜様筋、半腱様筋が、課題ごとに違う長さで働いていると整理する。筋の構造の違いだけを見ても、半腱様筋は大腿二頭筋長頭と半膜様筋より最大の力が小さく、能動的な力-長さ関係はより平坦である。股関節と膝の可動域の多くの範囲で、より大きな力を担うのは大腿二頭筋長頭と半膜様筋のほうだ。[13]
モーメントアーム、つまり関節を回す力の腕の長さの最大は、膝より股関節で大きい。同じだけ筋が短くなり、同じ速さで短くなっても、股関節では力を出す働きに寄り、膝では関節の回転と角速度が大きくなりやすい、という見立てである。膝を曲げる最後の一押しだけを見て、裏腿全体の仕事が分かったことにはならない。[13]
歩く動作や腰を下ろす動作では、筋が長くなるほど力が増す側、力-長さ関係の上行脚で働くとレビューは整理する。その一方で、股関節の角度を45〜90°に置いた膝の屈曲運動は、より至適な力の発揮を促す、とレビューは続ける。力が出やすい曲げ方は「膝を限界まで曲げる」の一語では決まらない。股関節が何度かと、膝をどれだけ曲げたかがセットである。[13]
より大きな筋力を引き出しうる条件として挙がるのは、股関節の屈曲45〜120°、かつ膝の伸展45〜0°である。スプリント走がその例だ。適応の刺激としてより至適かもしれない、という部分には、レビュー自身が推測だと注を付けている。この膝の範囲は、深く屈曲した位置の反対側に近い。深く曲げた一押しを、力の頂点の条件へそのまま読み替えない。[13]
股関節を45°より深く屈曲したとき、伸張への抵抗が増える主たる源は半膜様筋と大腿二頭筋長頭である、とも整理されている。裏腿が一面に同じ強さで張る、という夜の感覚とは、寄与する筋肉の内訳が違う。[13]
関節の角度で筋活動の大きさが変わる影響は、力-長さ関係やトルクと角度の関係にはほとんど効かない、というのも現在の証拠の読み方である。ただし筋電図の方法上の限界に縛られている、とレビューは添える。活動の大きさが角度で違って見えても、それだけで力の曲線が書き換わったことにはしない。[13]
仕事を終えてマシンへ座る夜、シートが股関節45〜90°なのかは、太ももの感覚だけでは決めにくい。座ったレッグカールは股関節が曲がった姿勢に近く、うつ伏せは股関節が伸びた姿勢に近い。論文の角度へ、自分のマシンの目盛りを写すことはできない。写す前に残せるのは、座っていたか、うつ伏せだったかである。[13]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
短い筋長だけの6週間は、疲労指数を特別に下げない
検索の芯に一番近いのは、左右で筋の長さを分けた試験である。健康な12人が、一方の脚を短い筋長、もう一方の脚を至適の筋長にして、膝屈曲の求心性トレーニングを6週間行った。求心性とは、筋が縮みながら力を出す収縮を指す。等速性の装置で、決めた速さのなかで最大の力を出している。人を群に分けるのではなく、同じ人の左右で条件を分けた。18〜39歳の女性に同じ大きさの変化が出るかは、この健康な少人数の結果だけでは判断できない。[7]
練習の前後で、短い長さ、中間、至適に近い長さの等尺性筋力と、動的な筋力を測った。等尺性は、関節を止めたまま出す力である。どの長さで測っても、短い位置で練習した脚と至適の位置で練習した脚の伸びは同程度だった。短い長さで測った等尺性トルクの例では、短い位置の練習が18(17)%、至適の位置の練習が21(17)%である。括弧の中は信頼区間だ。至適の長さで測ると、14(8)%と17(16)%だった。点の差より区間が広く、論文は、可動域の全体で力が伸び、長さに特有の適応は見分けられないと結論している。[7]
練習前の疲労は、むしろ至適の筋長で起こしたときに大きい傾向だった。疲労のテストは、短い長さか至適の長さかで、60回の最大求心性収縮を行うものだった。疲労指数は至適の長さで−41(6)%、短い長さで−34(7)%、P=0.05である。指数がより負に大きいほど、繰り返しでトルクが落ちている。この比較は反復で力が落ちる程度を示す。けいれんの起こりやすさを比べた結果としては読めない。[7]
6週間の練習は、どちらの長さで行っても疲労しやすさを減らさなかった。短い筋長に限った筋力トレーニングは、疲労を短い長さで起こしても、至適の長さで起こしても、相対的な疲労を減らしていない。深く曲げた位置をメニューに足せば、その位置の疲れにくさが先に育つ、という読み方は、この試験には合わない。電気で起こした収縮は至適に近い長さだけで測っており、自分の意志で出す力とは最初から分けている。枠は12人の求心性、6週間である。[7]
パーセントの長さは、膝を曲げた角度ではない
「短い筋長」と、筋肉の全長の25%地点は、別の物差しである。健康で活動的な30人に、静的ストレッチの直前と直後でハムストリング内部の硬さを、剪断波エラストグラフィで測った試験がある。皮膚の上から、組織の硬さを波の速さとして見る方法だ。測った地点は、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の近位25%、中央50%、遠位75%である。膝を何度曲げたか、という関節角度ではない。健康で活動的な人の結果を、18〜39歳の女性全体へそのまま当てはめるには慎重さが要る。[2]
1回の静的ストレッチの直後、硬さは大腿二頭筋と半膜様筋の全体で低下した(p≤0.05)。半腱様筋はp=0.326で、有意な低下はなかった。半膜様筋と半腱様筋では、もともと硬い領域ほど硬さの下がり方が大きい、という領域の差があった(p=0.001〜0.013)。同じストレッチでも、三つの筋肉と、一つの筋肉の中の場所で、反応は揃わない。[2]
参加者はその後、15人が4週間ストレッチし、15人は介入のない対照になった。慢性の変化は急性と符号が逆で、ストレッチ群は対照に比べ、大腿二頭筋と半腱様筋の硬さが増した(p<0.05)。半膜様筋はp=0.422で、群としての差は付いていない。慢性期には、領域による効果も見られていない(p=0.361〜0.833)。急性の硬さの変化は、慢性の適応とは無関係だった、と論文は述べる。[2]
今夜、伸ばした直後に柔らかく感じたことと、4週間後の硬さは、同じ介入でも向きが違いうる。膝を深く曲げて固まった感覚を、近位25%の硬さへ置き換えない。[2]
数字で読む短い筋長の力と疲労
18(17)%と21(17)%: 短い筋長で測った等尺性トルクの伸び。短い位置の練習と至適の位置の練習。括弧内は信頼区間。12人、6週間。[7]
−41(6)%と−34(7)%: 練習前の疲労指数。至適の筋長での60回と、短い筋長での60回。P=0.05。[7]
11.7%と17.7%: 膝関節90°でのストレッチ直後の等尺性筋力の低下。静的ストレッチと収縮-弛緩。健康な20人。[18]
+11.2%: 長い筋長の遠心性練習を6週間した群の、最大受動股関節屈曲可動域。34人、p<0.001、d=1.55。[5]
131.5cm³から145.2cm³: ノルディックを加えた6週間の実験群の筋体積。筋束長に有意な変化はなかった。[14]
d=1.12: 長い筋長の遠心性練習6週間で、大腿二頭筋長頭の筋束長が増えた効果量。40人、年齢23.7±2.5歳。[6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
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