
筋力比がよければ、けがを避けられるのか
将来の痛みを考えるなら、痛みのある人とない人を同時に比べる研究だけでなく、健康な時点から追った研究が手がかりになる。2025年の系統的レビューとメタ分析は、健康な競技者の内転力、外転力、筋力比を測り、その後の鼠径部痛を追った前向きコホート研究13件を統合した。競技者を対象とした関連であり、18〜39歳の一般女性へそのまま当てはめられるかは別に検討する必要がある。鼠径部とは脚の付け根の領域を指す。[1]
後に痛みが出た群は、けがをしなかった群に比べて内転筋力が低かった。標準化平均差は−0.50、95%信頼区間は−0.92〜−0.09だった。標準化平均差は、異なる尺度の差を共通の物差しへ直した値であり、筋力がその割合だけ低いという意味ではない。競技を休むことにつながる鼠径部痛についても、内転筋力の差が認められた。[1]
一方、外転筋力の標準化平均差は0.03、95%信頼区間は−0.11〜0.17。内転対外転の比では−0.02、95%信頼区間は−0.55〜0.51だった。どちらも差は小さく、著者らは将来の鼠径部痛との関連を認めなかったと結論している。内転筋力そのものにみられた関連が、筋力比では認められなかった。[1]
ここで「比は使い道がない」とまで進めるのも早い。測定後に内外の力の関係を記述する役割と、将来のけがを予測する役割は異なる。後者を期待する場合に、このメタ分析は慎重な読みを求める。また、観察研究を統合した結果なので、内転筋を鍛えれば同じ大きさで痛みを減らせる、という介入効果には読み替えられない。[1]
過去の結論との違いもある。2012年の系統的レビューでは、チームスポーツの障害を予測する検査を広く調べ、内転対外転の筋力を内転筋の損傷に関する予測検査として挙げていた。対象はチームスポーツの競技者であり、18〜39歳の一般女性の検査基準としてそのまま使うことはできない。より大きな集団を複数シーズン追う研究が必要とも述べている。古い紹介文だけを読むと、比が有力な合否表のように見えるかもしれない。[9]
古いレビューが扱った内転筋損傷と、新しい分析が扱った鼠径部痛では、対象となる出来事も完全には同じではない。それでも、現在の情報を使って筋力比から将来の痛みを断定することはできない。競技や測り方、何をけがとするかを確認し、後から集積した追跡研究の結果も取り入れる必要がある。[1][9]
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比率が伸びた試験でも、内外の力を別に確かめる
筋トレによって比率が動くこと自体は、試験で観察されている。男性アマチュアラグビー選手31人を無作為に分けた比較試験では、コペンハーゲン内転運動を加重して行う群と、加重しない群を8週間比較した。関節を動かさずに保持する等尺性の運動を用いた研究である。男性競技者の試験なので、18〜39歳の女性が同じ運動で同じ変化を得るかは、この結果だけでは判断できない。[2]
加重した群は、実施前からの変化として内転筋力が10%、内転対外転比が7%増えた。外転筋力は4%増えたが、この変化は統計的な有意差には届かなかった。加重しない群では筋力の有意な変化は認められなかった。比率と、それを作る力の結果を分けて読むと、何が変化したのかが見えやすい。[2]
さらに群同士を比べると、終了時の筋力比には有意差があったが、内転筋力と外転筋力それぞれには有意差がなかった。加重群の中で内転力が増えたことと、加重の有無で内転力の伸びに明確な差があることは、別の問いである。群の中の前後差だけで、運動方法の優劣を言い切らないようにしたい。[2]
この試験で確かめた中心は筋力と比率である。「比が改善した」という表現を、「けがを防ぐ体になった」に変えることはできない。比率に変化が出ることと、将来の痛みの予測に役立つことの間には、別の検証が必要になる。筋トレ試験と追跡研究を並べると、答えている質問の違いがよく分かる。[1][2]
競技中の値も固定した数字ではない。男性ラグビー選手15人をシーズンの複数時点で測った研究では、準備期の開始から競技シーズンの開始にかけて内転力と比率が増え、一部の姿勢で有意差があった。外転力に有意な変化はなく、個人ごとの値には大きな変動がみられた。著者らは、個別の継続的な観察を重視している。男性ラグビー選手のシーズン中の経過を、18〜39歳の女性の日常の運動へそのまま当てはめることはできない。[10]
この観察が示すのは、シーズンの各時点で値が動いたという経過である。集団の平均の変化と、自分の力の経過を分けるための手がかりである。測定日だけ書かれた表に、どの姿勢で内外それぞれ何を測ったかを足す。それだけでも、集団の比へ自分を近づける発想から、自分の経過を読む発想へ移りやすくなる。[10][13]

よくある誤解
「内転筋と外転筋は、同じ数字なら理想的だ」という考えは、測定姿勢の違いを取り落とす。女性サッカー選手では、同じ集団でも姿勢によって比が異なった。内外の筋力を等しくすることを、全員の健康目標に置く根拠にはならない。内へ寄せる側だけでなく、外へ開く側の測定条件も確かめる必要がある。[13]
「外へ開く力を強くすれば、内ももとのバランスが整い、鼠径部痛を防げる」という連想にも飛躍がある。前向き研究のメタ分析では、外転筋力にも内外の筋力比にも、将来の鼠径部痛との関連は認められなかった。この結果は外転運動そのものを否定するものではないが、比を根拠に予防効果を約束する説明には使えない。[1]
「前回より比率が上がったので、確実に強くなった」とも決められない。内外のどちらが変わったかに加えて、測定の誤差も関わる。健康なレクリエーション活動者94人を調べた研究では、筋力測定の多くは良好な信頼性を示した一方、筋力の意味ある個人変化を見分けるには測定誤差が大きい点が指摘された。比率だけで判定しないという提案は、この問題にもつながる。[16]
信頼性とは、繰り返して測ったときにどのくらい安定した値が得られるか、という観点だ。何度測っても完全に同じ数字になるという意味ではない。同研究の筋力測定では、最小検出可能変化が55〜79 Nとされた。これはその検査条件での値であり、自分が使う別の器具の合格ラインには転用できない。小さな増減を読むときこそ、測り方の説明が要る。[16]
今日からできること
- 記録欄を内転力、外転力、筋力比に分ける。比だけを抜き出さず、女性選手32人の研究で別々に測ったように、元の力と比を並べて残す。[13]
- 比べる前に姿勢を確認する。股関節0°と45°でも比は違った。角度、膝の曲げ方、抵抗を受けた場所を記録し、前回と違う条件ならその旨を添える。[11][13]
- 他人の比を自分の目標値にしない。男性競技者31人の8週間の試験で変わった比率は、その集団と運動条件の結果として読む。[2]
- 測定時の痛みを数値と別に伝える。男子選手188人の研究では、特定の姿勢だけで痛みを訴えた人もいた。痛みがある場合の運動や検査の判断は医師に相談する。[11]
- 小さな上下をすぐに成果や後退と呼ばない。成人94人の研究が示した測定誤差の問題を踏まえ、測定担当者と条件を確認して経過を見る。[16]
メモを始めるなら、空欄を埋めるために自宅で最大の力を試す必要はない。施設などで測定を受けたときに、結果の用紙へ条件を追加していく使い方でよい。異なる姿勢の比を直結させないこと、痛みの有無を記録すること、力そのものの経過を確かめることが、今回の研究を日常へ持ち帰る具体策になる。[11][13][16]
検査を受けない日の運動も、研究の集団平均への追いつき競争にしなくてよい。内転筋の筋トレで何を伸ばしたいかを言葉にし、測れる力と動作の課題を分けて担当者と話す。筋力と機能を多面的に評価するという研究の考え方は、単独の比へ判断を集めすぎない助けになる。[16]

オンザショア立川店で、通う条件を選ぶ
内へ寄せる力と外へ開く力の話を読んだあと、運動する場所を選ぶなら、まず暮らしのどこへ通う時間を置くかから考えたい。オンザショア立川店は営業時間8:00〜23:30、年中無休である。JR立川駅北口から徒歩1分、住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fだ。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱い、ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。通う場所として見るときは、種目と時間帯を自分の予定に照らして選ぶのがよい。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。場所と種目は店舗サイト、通う費用は料金ページ、体験の予定は予約ページで確かめられる。
参考文献
[1] Is hip adductor or abductor strength in healthy athletes associated with future groin pain? A systematic review and meta-analysis — Quintana-Cepedal M, Vicente-Rodríguez G, Crespo I, Olmedillas H., 2025, British journal of sports medicine. DOI: 10.1136/bjsports-2024-108836
[2] Exploring the effects of a weighted vs unweighted low-dose isometric Copenhagen adduction exercise training programme on hip adduction and abduction strength: a randomised controlled trial in senior-level male amateur rugby union players — O’ Connor C, Coyle E, Mc Intyre M, Delahunt E, Thorborg K., 2025, Physical therapy in sport : official journal of the Association of Chartered Physiotherapists in Sports Medicine. DOI: 10.1016/j.ptsp.2025.07.004
[9] Which screening tools can predict injury to the lower extremities in team sports?: a systematic review — Dallinga JM, Benjaminse A, Lemmink KA., 2012, Sports medicine (Auckland, N.Z.). DOI: 10.1007/bf03262295
[10] Maximum Isometric Hip Adduction Squeeze and Abduction Press Strength Values in Men’s Rugby Union Players at Select Timepoints Throughout a Competitive Season — O’ Connor C, Mc Intyre M, Delahunt E, Thorborg K., 2025, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000005014
[11] Comparing apples and pears? Evaluating the interchangeability of three different positions for hip abduction and adduction strength testing in academy footballers — O’Brien J, Huthöfer M, Huthöfer M, Santner E, Becker T, Stöggl T., 2025, Journal of athletic training. DOI: 10.4085/1062-6050-0394.24
[13] Hip Adduction:Abduction Ratios and Force Outputs Across Common Testing Positions in Healthy Elite-Level Female Soccer Players — O’ Connor C, Mc Intyre M, Delahunt E, Thorborg K., 2026, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.2025-0139
[16] A hip test battery for clinical practice: reliability, reference values, and the pitfalls of the Limb Symmetry Index — Burnel J, Gony M, Bourreau R, de Fontenay BP, Van Cant J., 2026, BMC musculoskeletal disorders. DOI: 10.1186/s12891-026-10248-7
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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