
片脚で安定することは、挟む力の代わりの検査になるか
片脚で立つときに落ち着かないから、内転筋力の左右差が大きい。反対に、内転筋力がそろえば片脚も安定する。どちらも分かりやすい説明だが、筋力と動作の関係は、対象と課題を指定して確かめる必要がある。男性プロサッカー選手203人を調べた横断研究は、その点を具体的に示している。[17]
研究では、筋力や可動域の左右差を調べ、その大きさで選手を分け、ジャンプ成績との関係を比較した。左右差の程度は検査や身体能力によって大きく異なり、全検査に共通する単一の境界値は得られなかった。何を測った差なのかを省いて、一定の割合を超えたら問題とする見方は支持されなかった。[17]
太もも裏と前側の筋力をまとめた指標では、左右差が大きい群で片脚ジャンプ成績の低さが認められた。一方、股関節の内転・外転筋力の左右差については、差の大きさで分けた群の間に、片脚ジャンプ成績の低下は示されなかった。両脚ジャンプの成績にも、まとめた左右差指標による影響はなかった。[17]
これは、内転筋が動作に関係しないという意味ではない。同じ研究の中でも、筋肉の種類や検査する動作によって関係が違ったのである。「脚の左右差」という大きな名前だけで、内転筋力、ジャンプ、立位の安定をひと続きに扱わないことが肝心になる。[17]
若年のエリート男性サッカー選手58人を調べた別の研究では、片脚と両脚の反動を使うジャンプが、股関節の筋力差を見つける検査になりうるかを調べた。片脚ジャンプで、上向きに力を出した分を時間にわたり足し合わせた力積の左右差が20%以上という条件は、内転筋力の左右差を見つけるうえで、両脚ジャンプの同じ指標より有用とされた。[9]
ただし、その条件は競技者に機器を使って測ったジャンプの指標であり、自宅で片脚立ちをして揺れたかどうかではない。研究が特定の検査の有用性を示したことと、目で見たぐらつきから筋力差を判断できることは分けたい。ジャンプの研究を、片脚立ちの自己診断に持ち替えないということである。[9]
臨床の比較研究もある。股関節の痛みや可動域制限を伴う癒着性関節包炎のある人と健康な人を比べた、中年の男女193人の研究では、患者群で股関節の内転・外転・屈曲筋力が低く、動的バランス検査の成績も低かった。[14]
ここでは筋力とバランスの低下が同じ患者群で観察されている。しかし、内転筋力の左右差だけがバランス低下を引き起こしたと確かめた介入試験ではない。健康な人の片脚立ちの揺れに、病気のある人の群間比較を重ねて、原因を決めるのは飛躍になる。[14]
運動の場では、「挟む力の経過」と「片脚支持の場面で困ること」を別々の言葉で残すのが現実的である。力の測定には測定の条件を、動作の観察にはその動作を添える。筋力と機能を別の検査として扱う研究にならえば、片方の変化を、もう片方の改善の証明にしなくて済む。[9][14][17]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
左右差が大きいほど、将来けがをするとは限らない
けがの予測については、現在の差を測った研究と、その後を追った研究を区別したい。男性プロサッカー選手438人の前向きコホートを二次解析した研究では、股関節の筋力や可動域の左右差を計算し、2シーズンにわたり、競技を休む鼠径部のけがとの関連を調べた。[8]
遠心性の内転筋力の左右差について、けがとの関連を示すハザード比は0.99、95%信頼区間は0.98〜1.00で、統計学的に有意な関連はなかった。外転筋力の左右差にも有意な関連はなく、研究全体として、股関節筋力や可動域の左右差とけがに、臨床的に意味のある関連は認められなかった。[8]
ハザード比は、追跡中のけがの起こりやすさとの関連を表す指標である。この研究の読みどころは、差を見つけたこと自体を危険の証拠にしていない点にある。競技を続けた先の出来事と照らし合わせて、それでも関連が支持されなかったという結果である。[8]
別の前向き研究では、男性プロサッカー選手45人をシーズン前に測り、その後10件の鼠径部のけがを記録した。けがをした選手群は、しなかった群に比べて内転筋力が低く、左右差が大きかった。一方、将来のけがの発生と左右差との関係を調べると、統計学的に有意ではなかった。[18]
この小規模研究で、将来のけがを予測する指標とされたのは等尺性内転筋力である。ただし著者らは、対象人数が少なく、追加研究が必要ともしている。「けがをした群で差が大きかった」という比較だけを切り出し、左右差が原因だったと読むことはできない。[18]
両研究は、筋肉が伸びながら力を出す測定と、姿勢を保って押す測定という違いもある。筋力の大きさと左右差を別々に扱い、測定の型も確認して読む必要がある。左右差に有意な予測関係がなかったことを、内転筋力を測る意味がないという結論へ広げるのも、逆向きの飛躍である。[8][18]
過去の痛みとの関係は、さらに別の問いになる。若年男性のサッカー・バスケットボール選手227人の研究では、過去1年の鼠径部痛を質問票で尋ね、筋力などを測った。内転・外転筋力、左右差、内転と外転の筋力比は、過去の痛みのある群とない群を区別しなかった。[20]
この結果は過去の痛みの有無との比較であり、これからけがをするかの追跡とは違う。痛みの経験、現在の筋力、将来のけがは、時間軸が別なのである。研究の結論を日常に持ち帰るときも、いま差があるから過去の痛みの原因が分かった、将来も危険だ、と時間を飛び越えないことが大切になる。[8][20]

よくある誤解
「左右差は一定の割合を超えたら異常」という見方は、すべての検査に共通する基準としては支持されていない。プロサッカー選手の研究でも、左右差の値と意味は課題、測定変数、対象集団に依存した。競技者の検査で使われた境界を、女性の運動初心者の合否判定に移すべきではない。[17]
「片脚でぐらつく側の内転筋だけを増やせばよい」も、検査と対策の間を急いでいる。機器を用いた片脚ジャンプでさえ、内転筋力差を見つけるには特定の変数と条件が検討されている。立位で感じる揺れだけで筋力差を決め、片側の練習量を処方する根拠にはならない。[9]
「左右差とけがの関連がないなら、痛みがあっても運動してよい」という意味でもない。追跡研究が調べたのは、検査時の差が将来のけがと関連するかである。痛みのある個人がその日に運動できるかの判断とは別の問いになる。痛みや動かしにくさがあるときは、左右差の自己採点より医師への相談を優先したい。[8][14]
今日からできること
- 記録を「左右それぞれの筋力」と「立位で困る動作」に分ける。筋力と動作の検査は同一ではなく、片脚ジャンプの研究でも変数ごとの検討が必要だった。[9][17]
- 筋力を測る機会には姿勢と力を受ける位置を残す。5姿勢の比較では、測り方で内転筋力の左右差が変わっていた。[16]
- 差の割合だけでなく、右と左の最大の力を残す。23人の信頼性研究は、最大の力の経過観察と、左右差の向きの判定を区別している。[13]
- 1回の測定で弱い側を固定しない。左右差の向きには信頼性上の注意があり、表示された順位だけで練習量を決めない姿勢が必要である。[13]
- スポーツの相談では、筋力差とけがの不安を分けて伝える。438人を追った研究でも、差だけで休場を伴う鼠径部のけがを説明できなかった。[8]

オンザショアで、観察を続ける時間を暮らしに置く
左右の違いが気になったら、まずは運動する時間を暮らしのどこに置くかを考えたい。オンザショア立川店は営業時間が8:00〜23:30で、年中無休である。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。出勤前や仕事帰りなど、生活の予定と照らして通う時間を考えられる場所だ。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、運動を続ける場を探す際の選択肢になる。料金や店の案内を、時間帯と併せて確認できる。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約から予定を選べる。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。通う場所を選ぶ際には、利用条件まで含めて予定に組み込みたい。朝に通うか夜に通うかを営業時間と照らし合わせ、体験の日の持ち物も含めて、暮らしの予定を具体的に考えられる。通勤の経路に立川駅北口を含む人なら、所在地と営業時間を併せて確認しておきたい。
参考文献
[8] Is limb asymmetry an intrinsic risk factor for time-loss groin injury in professional male soccer players? — Vigneswaran A, Serner A, Farooq A, Kipps C, Mosler AB., 2025, Physical therapy in sport : official journal of the Association of Chartered Physiotherapists in Sports Medicine. DOI: 10.1016/j.ptsp.2024.11.008
[9] Ability of Countermovement Jumps to Detect Bilateral Asymmetry in Hip and Knee Strength in Elite Youth Soccer Players — Wrona HL, Zerega R, King VG, Reiter CR, Odum S, Manifold D, Latorre K, Sell TC., 2023, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports11040077
[13] Intra and Inter-Test Reliability of Isometric Hip Adduction Strength Test with Force Plates in Professional Soccer Players — Pérez-Contreras J, Loro-Ferrer JF, Merino-Muñoz P, Hermosilla-Palma F, Miranda-L, 2024, Journal of functional morphology and kinesiology. DOI: 10.3390/jfmk9040270
[14] Biomechanical Asymmetry of Strength and Dynamic Balance Kinetics in Middle-Ages with Adhesive Capsulitis of the Hip — Choi M, Kim Y., 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph192013093
[16] A practitioner’s guide to isometric hip adduction and abduction test selection: Maximal force, asymmetry, and muscle activity comparisons between assessment positions — Secomb JL., 2024, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2024.2432792
[17] Asymmetry Thresholds for Common Screening Tests and Their Effects on Jump Performance in Professional Soccer Players — Read PJ, McAuliffe S, Bishop C, Oliver JL, Graham-Smith P, Farooq MA., 2021, Journal of athletic training. DOI: 10.4085/1062-6050-0013.20
[18] Adductor Muscles Strength and Strength Asymmetry as Risk Factors for Groin Injuries among Professional Soccer Players: A Prospective Study — Markovic G, Šarabon N, Pausic J, Hadžić V., 2020, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph17144946
[20] Hip adduction and abduction strength in youth male soccer and basketball players with and without groin pain in the past year — Marušič J, Šarabon N., 2022, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0275650
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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