
重りを足す前に、筋活動と筋力を分けて考える
筋電図の大きさを、そのまま筋力の強さとみなせるわけではない。男女各18人、成人36人の片脚立ちを調べた研究では、女性では股関節外転筋力が低い人ほど中殿筋の活動が高い関連が見られた。男性では同じ関連は認められず、大腿筋膜張筋でも有意な結果はなかった。これは関連を調べた研究であり、活動を高めれば筋力が下がるという因果ではない。18〜39歳の女性が横向き脚上げをする場面へそのまま当てはめるには、対象に加えて課題の違いも考慮が必要だ。[17]
この観察は「電極の数値が大きいほど強い人」という読み方を止めてくれる。ある課題を支えるため、筋力の低い人が相対的に大きく筋肉を働かせる場合もある、という解釈だ。脚上げ中の活動が高い運動を選ぶことと、練習を重ねて筋力がどう変わるかを確認することは、時間の軸が違う。[17]
そこで、継続後の筋力を調べた試験も見る。健康で活動的な男女31人を、脚の重さだけで横向き脚上げをする群と、外部の負荷を加える群へ無作為に分けた試験では、6週間の運動後、両条件で等尺性筋力と伸ばされながら力を出す遠心性筋力が同程度に改善した。負荷を加えた群の増加は、それぞれ12%と17%だった。男女を含む結果であり、18〜39歳の女性だけで同じ改善になるかは、この比較から決められない。[3]
外部負荷の設定には、最大で10回反復できる重さが用いられている。しかし、これは研究の条件であって、この記事から自分の開始重量を決めるための基準ではない。この試験で重りを使う条件が優れていたとは言えず、脚の重さだけでも筋力が改善した点を受け取りたい。重りを買うことが練習の出発条件ではない。[3]
さらに、中殿筋の筋力が弱い女性24人を対象に、重りなし、体重の3%の重り、体重の5%の重りを比較した実験がある。腰の横にある腰方形筋の活動は、重りなしで48.94%MVIC、3%負荷で82.47%MVIC、5%負荷で92.05%MVICと高まった。対象は筋力の弱い女性であり、18〜39歳の女性全体へそのまま当てはめる前に、筋力の状態が異なる点を押さえたい。[8]
中殿筋と腰方形筋の活動比は、重りなしで1.78、3%負荷で0.93、5%負荷で0.85だった。負荷を増やすと、相対的には腰側の筋肉の活動が大きくなったという読み方になる。数値のばらつきも大きい実験であり、重りをつけたら腰を痛めるという結論ではないが、負荷の増加に伴って腰側の活動も増えたことが、この比較の要点である。[8]
夜、動画に追いつこうと足首へ重りを足す前に、どこを鍛える課題なのか確認したい。腰まで強く働いてきつくなった感覚を、中殿筋への刺激が増えた証拠と決めないためだ。研究が示す実用的な論点は、負荷の有無だけでなく、目的の筋肉と一緒に何が働くかを見ることである。[8]
継続の成果を考える場面では、活動比と筋力も混ぜないようにしたい。中殿筋の活動比が高い姿勢を見つける実験と、練習前後の力を比べる試験では、答えられる問いが違う。内旋の実験を読んだから重りのない練習は無意味だ、とも、重りの有無で同程度に改善したから向きは無関係だ、とも言えない。それぞれの結果を、条件選びと継続後の評価という別の場面で使うのが筋道である。[3][14]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
足先と一緒に、骨盤がどう動くかを見る
骨盤の動きへ注意を向ける理由もある。男性15人を対象にした実験では、運動中の骨盤の動きをその場で目で確認できる条件で、中殿筋の活動が増え、骨盤の横への傾きが減った。これは横向きと片脚で体重を支える外転の両方に見られた。足先以外の条件も筋活動を変える、という具体例である。男性が対象なので、18〜39歳の女性に同じ変化が起こるかはそのまま判断できない。[11]
ただし、家庭で鏡を見ることと、実験で使った視覚的なフィードバックを同一視はしない。研究から借りるのは、骨盤の動きも確認するという観点である。横向きの姿勢そのものが崩れているのに、足先だけを細かく合わせても、どの条件を試しているのか分かりにくい。指導者に見てもらうなら、つま先の正解だけでなく骨盤との関係を尋ねたい。[11][14]

よくある誤解
「内向きなら外ももの脂肪を狙える」という読み方は、導入で分けた筋活動と脂肪減少を混同している。ここまでの研究を練習へ持ち帰るなら、目標は向きや負荷を説明し、同じ条件で動きを確かめることだ。見本の足先を見ていたつもりでも、自分は骨盤ごと回していた、と気づけば、次に指導者へ尋ねる内容が具体的になる。[11][14][15]
「外向きは間違ったフォームだ」という断定も合わない。中殿筋と大腿筋膜張筋の比を重視すれば内旋が有利な実験がある一方、外旋を伴う脚上げで幅広い殿筋の反応が高かった実験もある。動作の目的が違えば選ぶ条件も違う。見本と自分の向きが違ったときは、間違い探しより先に、その運動がどの筋肉を狙っているかを確かめたい。[1][14]
「熱く感じた側ほど、よく鍛えられた」も区別が必要である。ここで使った研究は筋電図、画像、筋力測定などで評価している。主観的なきつさを、それらの数値の代わりにする根拠にはならない。とくに負荷を足したときは腰方形筋の活動も増えたため、きつさが増した場所と目的の筋肉が一致しているかを見直す余地がある。[1][3][8]
今日からできること
- 動画の合図を読むときは、中間・内旋・外旋という3条件のどれを指すか確認する。研究で比べたのは股関節の向きであり、足先の見た目だけを目標にしない。[14][15]
- 脚を上げる運動では、上げ始めと上げ終わりを分けて見る。男性12人の実験では、筋活動の大きさと活動比が最大になる局面が違ったことを、見本を確認する観点にする。[5]
- 重りを加える前に、脚の重さだけの練習を選択肢に残す。男女31人の6週間の試験では、外部負荷の有無で筋力の改善は同程度だった。[3]
- 指導を受ける際は、つま先に加えて骨盤の動きも確認してもらう。男性15人の実験では、骨盤の動きを見ながら行う条件で筋活動と傾きが変化した。[11]
- 記録の欄は「狙った筋肉」「向き」「重りの有無」など、次回も比べられる条件にする。女性24人の実験のように、負荷で働く筋肉の配分が変わる点を忘れないための工夫である。[8]
痛みがあるのに向きを強めて試すことを、この比較から勧めることはできない。痛みや個別の運動制限は医師に相談する対象だ。今日の練習で確認するのは、内向きをどこまで深くできるかではなく、目的と条件を説明できるかである。脚の向きは、自分の体の良し悪しを決める採点表にはならない。

オンザショア立川店を、動きを続けて確かめる場所に
脚の向きを試す時間も、生活の中で続けられる場所から考えたい。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で年中無休である。住所は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。仕事や通学の行き帰りに運動の時間を組み込む際は、場所と営業時間を予定に照らし合わせられる。
溶岩プレートを敷いたスタジオのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンを設けており、体験する種目を選ぶところから予定を立てられる。ここでは、筋活動の研究を当店の体型変化の約束に置き換えず、運動を続けるための選択肢として案内する。
体験の前には参加条件を確認したい。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。種目は店の案内で確認できる。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と予定を照らし合わせ、体験の予約へ進める。
参考文献
- Superficial and Deep Gluteal Muscle Activation During Common Therapeutic Exercises: A Muscle Functional Magnetic Resonance Imaging Analysis — Kim S, Burland JP, Morgan KD, DiStefano LJ, Boling MC, Glaviano NR., 2026, Sports health. DOI: 10.1177/19417381251372979
- Hip abduction strength training in the clinical setting: with or without external loading? — Thorborg K, Bandholm T, Petersen J, Weeke KM, Weinold C, Andersen B, Serner A, M, 2010, Scandinavian journal of medicine & science in sports. DOI: 10.1111/j.1600-0838.2010.01186.x
- Muscle activity of deep hip muscles across joint positions and elevation phases during side-lying hip abduction — Uebayashi K, Okubo Y, Akasaka K, Adachi G, Oshikawa T, Matsunaga N, Kaneoka K., 2026, PeerJ. DOI: 10.7717/peerj.21536
- Is it appropriate to use external loads during side-lying hip abduction exercise for weakened gluteus medius? — Nam SJ, Oh DW., 2021, Journal of back and musculoskeletal rehabilitation. DOI: 10.3233/bmr-200108
- Effects of real-time visual biofeedback of pelvic movement on electromyographic activity of hip muscles and lateral pelvic tilt during unilateral weight-bearing and side-lying hip abduction exercises — Kang MH, Kim SY, Yu IY, Oh JS., 2019, Journal of electromyography and kinesiology : official journal of the International Society of Electrophysiological Kinesiology. DOI: 10.1016/j.jelekin.2019.06.003
- Different hip rotations influence hip abductor muscles activity during isometric side-lying hip abduction in subjects with gluteus medius weakness — Lee JH, Cynn HS, Kwon OY, Yi CH, Yoon TL, Choi WJ, Choi SA., 2014, Journal of electromyography and kinesiology : official journal of the International Society of Electrophysiological Kinesiology. DOI: 10.1016/j.jelekin.2014.01.008
- Effects of different hip rotations on gluteus medius and tensor fasciae latae muscle activity during isometric side-lying hip abduction — Lee JH, Cynn HS, Choi SA, Yoon TL, Jeong HJ., 2013, Journal of sport rehabilitation. DOI: 10.1123/jsr.22.4.301
- Sex as a moderator of the relationship between hip abduction strength and muscle activation during single-leg stance — Rodrigues R, Sonda FC, Frigotto MF, Gaviraghi P, Molinari T, Pereira NDS, Marque, 2025, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0331553
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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