食欲を抑えるために一度我慢したら次は?続けて出される間食の選び方を読む

好きな間食を一度我慢したのに、次に出されると止まらなくなる。そんな場面を、禁止した食品への接触を調べた実験から考える。我慢の後に食べる量が増えた条件、反応の個人差、断食で異なる結果が出た研究を読み分け、目の前の誘惑と毎回争わずに済む間食の置き方や選び方を探る。

差し入れの菓子を断った夕方、台所で同じ菓子の袋を開ける。断ったはずの一口が、また目の前にある。「あれだけ我慢したのに」と感じる夕方だ。食欲を抑える方法を探している人にとって、困るのは最初の誘惑だけではない。その後にまた食べ物が出てくる場面である。

好きな間食に接しながら食べないよう求めた実験では、その後に自由に食べられると、食べる量が増えた。特に、普段から食事を抑え、同時に歯止めが外れやすい特徴を持つ女性で、その反応が目立った。ただし、あらゆる我慢の後に必ず食べすぎるという結果ではない。[4]

ここで考えるのは、我慢の強さを競う方法ではなく、次の間食に出会うまでの条件だ。既存記事「食欲を抑える方法は画像で練習できる?反応を止める課題と食事量の違いを読む」には反応を止める練習の話を譲り、こちらは実物の食品を禁止した後の食べ方に焦点を当てる。

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好きな間食を見ながら我慢すると、その後はどうなるか

この問いに直接近いのが、女性68人を対象にした無作為化比較試験である。参加者を、好きな間食に接しながら24時間それを食べないよう指示する群と、特別な指示をしない対照群に分けた。その後、全員がその食品を自由に食べられるようにして、摂取を調べている。[4]

結果は、食品に接しながら控えた後のほうが、その間食を多く食べたというものだった。食べ物を禁止しても、目の前にあるという条件が重なると、その後の食行動が狙いどおりにならない場合がある。食べなかった時間だけを成功の物差しにすると、その後に起こった変化を見落としてしまう。[4]

ただし、この実験の24時間は、食事全体を抜く時間ではない。対象は好きな間食であり、それに接しながら控えるという指示だ。「何も食べずに過ごした人が、夕食で取り返した実験」と読み替えると、別の話になる。昼食を抜くべきか、夕食を減らすべきかを決める根拠として使うのは適切ではない。[4]

また、分かるのはその後の対象食品の摂取であって、将来の体重変化とは分けて読む必要がある。袋を開けた場面と、長い期間の体の変化は時間の幅が異なる。次の間食で量が増えた結果を、体重が増える運命に結びつける必要はない。[4]

生活に置き換えるなら、食べたい菓子を机に置き、見えるたびに食べない決意を繰り返している場面を考えるとよい。菓子は会議をしていないのに、こちらだけ何度も決裁している。この情景自体は実験の再現ではないが、「禁止」と「接触」が重なる点を見つける手掛かりにはなる。実験が示したのも、この組み合わせの後の変化である。[4]

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食事を控える傾向と、歯止めが外れる傾向を分ける

この試験では、参加者を食行動の質問票でも分類している。食事を控える傾向と、食べる歯止めが外れやすい傾向がともに高い人が21人、控える傾向が高く歯止めが外れやすい傾向は低い人が20人、控える傾向が低い人が27人だった。「食事を控える人」をひとまとめにしなかった点が大切だ。[4]

特に反応が目立ったのは、控える傾向も歯止めが外れやすい傾向も高い群である。食べないようにしているという共通点があっても、後で自由に食べられたときの反応には違いがあった。禁止を強くすれば誰にでも同じ結果が出る、という単純な説明にはならない。[4]

ここでいう歯止めの外れやすさは、参加者を研究上分けるための食行動の特徴である。「自分はだらしない」という人物評価に置き換えるための言葉ではない。質問票で分けた群に差が出た事実は、同じ助言を全員に当てはめる前に、誰を対象にした結果か確かめる理由になる。[4]

たとえば、間食を断った後も気にならない人と、断ってからその食品のことを考え続ける人では、同じ「食べなかった」という記録でも場面が異なる。これは日常の振り返りの例であり、自己診断の分類ではない。実験の群名を自分に貼り付けるより、何を禁止し、どんな形で接していたかを具体的に書くほうが、研究の条件と照らし合わせやすい。[4]

さらに、この結果から「控えることはすべて有害だ」とも言えない。高く控える傾向がある群の中でも、歯止めが外れやすいかどうかを分けているからだ。問いは制限の有無だけで終わらない。どの食品を、どういう接触のもとで控え、その後に何を測ったのかまで揃えて、初めて結果の輪郭が見えてくる。[4]

食べ物の姿や匂いに引かれる強さには個人差がある

人と動物の研究を扱ったレビューでは、報酬と結びついた見た目、音、匂い、場所などの手掛かりが、人によって異なる強さで行動を動かすと論じられている。ここでの報酬とは、手に入れたいものを指し、食品も含まれる。人と動物を含む知見であり、18〜39歳の女性の間食にそのまま当てはめるには、対象と場面を絞った検証が必要だ。手掛かりを見たときに、その対象へ向かう動機が強まりやすい人がいるという整理だ。[5]

同じ箱の菓子を見ても、ただ箱があると受け取る人と、中身を食べることへ注意が向きやすい人がいる。レビューは、こうした手掛かりへの反応の個人差を、人と動物の両方の知見から検討している。食欲を本人の決意の強さだけで説明するより、周りの何が行動を誘っているかを見る視点が得られる。[5]

もっとも、これは机の菓子箱を片付ければ摂取量が一定の割合で減るという試験ではない。手掛かりに引かれる仕組みの説明と、具体的な片付け方の効果は別に考える必要がある。「箱を見えない場所へ移す」は、この説明を踏まえて試せる生活上の工夫であり、誰にでも同じ結果を約束する手段ではない。[5]

我慢する場面を減らす工夫は、食べる機会を奪うこととも異なる。共同の休憩室なら、菓子をなくす以外にも、自分の席へ持ち帰って置き続けない、その場で食べるかどうか決める、といった選択が考えられる。人の食品を管理する話へ広げず、自分が繰り返し出会っている手掛かりを調べるための例として扱いたい。[4][5]

「好きだから見る」と「見ているうちに欲しくなる」を、生活の中できれいに切り分けるのは難しい。それでも、食べた量だけを反省するより、手を伸ばす前にどこで何を見ていたかを思い出す余地はある。レビューが示す個人差は、周りの人と同じ我慢の仕方でなくてもよいと考える足場になる。[5]

実験を読むときにもうひとつ区別したいのは、「食べたい」と感じることと、「実際に食べた」ことである。好きな間食の禁止試験で比べたのは、その後の自由な摂取だ。食べたい気持ちが少し残っていても食べる行動は変わらない場合や、気持ちの評価と実際の量が一致しない場合を、同じものとして扱うべきではない。摂取の結果を、食欲という感覚がすべて強まった証拠に広げないことが必要だ。[4]

同様に、禁止の指示と食品への接触が組み合わされた条件を、単に「我慢」とだけ呼ぶと情報が落ちる。この試験の対照は特別な指示のない群であり、禁止だけを行う方法と、接触だけを行う方法の優劣を直接決める結果ではない。生活で置き場所を変える案を出す際にも、禁止と接触のどちらがどれほど寄与したかを確定したように説明しないほうが正確だ。[4]

たとえば職場で菓子を断り、その後の集まりで別の料理を多く食べた場合には、食品も場面も実験から変わっている。似ているのは「控えた後に食べた」という順番であり、好きな間食への接触という条件には違いがある。時間の順番が似ているだけで、目の前の食事量をすべて先ほどの我慢のせいにしない。この区別があると、食事を振り返る記録も、単純な反動の物語で閉じずに済む。[4]

一方、食品の手掛かりを扱うレビューは、実験とは違う広さで行動の背景を考える材料になる。人と動物を含む知見をつないだ説明だからこそ、女性の間食実験をそのまま全員へ広げる代わりにはならない。直接の試験で確かめた摂取の変化と、レビューで整理された個人差を重ねつつ、それぞれが答えている問いの大きさを保つのである。[4][5]

数字で読む我慢の後の食行動

女性68人:好きな間食に接しながら控える条件と、特別な指示のない条件を比べた無作為化比較試験である。[4]

24時間:控えるよう指示されたのは好きな間食であり、食事全体を抜く指示ではない。[4]

21人:食事を控える傾向と、歯止めが外れやすい傾向がともに高かった群で、禁止後の反応が特に目立った。[4]

女性56人:宗教的断食を予定する米国の女性を追った研究では、断食期間中に制御を失う食べ方の症状が軽くなった。[10]

6研究、計2,274人:有益な習慣が自制と良好な生活上の結果をつなぐという考えを検討した研究群である。[17]

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宮川涼 Founder

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