朝の運動はスヌーズ時間も予定に入れる?睡眠と着替えの余白を分けて考える

朝の運動前に目覚ましを何度も止めたら、その日は失敗なのか。スヌーズを調べた実験と観察研究から、起き抜けの認知課題、眠気、睡眠時間の違いを読む。アラームが鳴った時刻と実際に床を離れた時刻を分け、着替えや移動を急がずに済む朝の予定を考えるための記事である。

目覚ましを止め、また布団に戻る。次に画面を見ると、着替えて出かけるはずの時間になっている。運動用の服は出してあったのに、朝の予定だけが先に走っている。

スヌーズ、つまり目覚ましを繰り返し使って起きる行動を、朝の運動の失敗と決めつける必要はない。普段からスヌーズを使う人の実験では、短いスヌーズ後の認知課題は、急に起こされた場合より改善するか、変わらなかった。ただし、これは運動の成績を高めるという話ではない。[1][2]

そこで考えたいのは、止めた回数より朝の時間の置き方である。認知課題の結果と、着替えや移動に残る時間を別々に扱う。「朝の運動は二度寝のアラーム後でも同じ?スヌーズと起床直後の注意を読む」が扱う注意力の問いから進み、ここではスヌーズを含めた予定と、実際に床を離れてからの準備に焦点を絞る。

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目覚ましの時刻と、床を離れる時刻を分ける

朝の予定表には「起床」とだけ書かれがちだ。しかし、最初に音を聞いた時刻と、もう眠らずに床を離れた時刻は異なることがある。スヌーズを複数のアラームで起きる方法として扱った研究は、この行動自体を調べる対象にしている。音が鳴ったことだけで、起床の過程が終わったとは扱えない。[2]

たとえば、運動を始める時刻から逆算して目覚ましを設定している場合を考える。その逆算に着替えと移動だけを入れ、普段のスヌーズを入れていなければ、床を離れた時点ですでに予定が詰まっている。これは生活の段取りの問題であり、スヌーズが脳や体に悪かったという判定とは別である。まず、予定に書いた「起床」がどちらの時刻なのかを言葉にしておきたい。

この区別は、朝の記録を読み返すときにも役立つ。「予定どおり起きたが運動できなかった」と書いた日でも、実際には最初の音を止めただけだったかもしれない。反対に、スヌーズを使っても、床を離れる時刻と出発が予定に収まる日もある。記録したいのは自分の勤勉さの点数ではなく、どこで時間を使ったかである。

アラームを早めればすべて解決する、とも急がない。実験ではスヌーズに伴う睡眠時間の減少も測られている。起き方を変えることと、眠れる時間を削ることを同じ作戦にしてしまうと、朝の変化を読み違えやすい。スヌーズを入れるなら、その前の夜を含む予定として見たい。[1]

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普段使う人の実験では、認知課題が悪くならなかった

Sundelinらの研究には、起き方を尋ねる調査と、睡眠を実験室で測る試験がある。調査の回答者は1,732人で、スヌーズは若い人や夜型の人に多く、朝の眠気や短い睡眠もスヌーズをする人に多くみられた。ここでの夜型とは、生活の時間的な傾向が遅い側にあることを指す。[1]

実験は、普段からスヌーズを使う31人を対象にした。同じ参加者の中で、30分のスヌーズを行う条件と、急に起こす条件を比べ、睡眠ポリグラフという睡眠状態を記録する検査も用いている。18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、年齢・性別を絞った検証が必要である。起きてすぐの認知課題の成績は、スヌーズによって改善するか、影響を受けなかった。[1]

結果の読みどころは、課題による違いにある。課題の結果は一様ではなく、証拠の強さにも幅があった。認知課題とは、考えたり情報を処理したりする働きを確かめる課題であり、走る速さや筋力そのものではない。この実験から持ち帰れるのは、普段スヌーズをする参加者では、起き抜けの成績に改善または変化なしがみられたという範囲である。[1]

スヌーズを使わない人が、朝の運動のために新たに導入する理由にまではならない。普段の起き方を持つ人についての結果と、これから習慣を変える人への提案は別物だからだ。対象が自分に似ているかを見てから、結果を朝の予定に当てはめる順序にしたい。[1]

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眠い感じと、できた課題は同じ指標ではない

起き抜けに残る眠気や働きにくさは、睡眠慣性と呼ばれる問題としてスヌーズ研究で扱われている。先の実験では、認知課題に改善または影響なしという結果があった一方で、朝の眠気や気分への明確な影響はみられなかった。課題ができたことと、本人がすっきりしたことは、同じ結論に束ねられない。[1]

布団を出て「まだ眠い」と感じても、それだけで認知課題の成績が悪いと判断することはできない。逆に、気分が軽いから運動の準備がすべて整ったという保証にもならない。研究では、感じ方と測った働きが別々に扱われている。生活でも、眠気の印象だけに準備全体の判定を任せないという読み方ができる。[1]

朝の記録には、感覚の欄と行動の欄を分けるとよい。「眠い」は感覚、「服を探した」「出発を遅らせた」は行動である。感覚が変わらなくても段取りが変わることは、予定を考えるうえで別の情報になる。これは眠気の自己採点で認知機能を検査する方法ではなく、朝に何が起きていたかを整理するための提案だ。

「朝の運動は急な目覚ましで脈が上がる?自然な覚醒と運動の準備を分けて読む」で扱う脈の反応も、ここでは成績の代役にしない。音を止めた後の眠気、実験の課題、家を出る支度。朝という同じ場面に並んでいても、それぞれ違う問いへの答えである。

スヌーズの時間が、そのまま失った睡眠ではない

30分のスヌーズを行った実験で、失われた睡眠は約6分だった。スヌーズの時間帯にも睡眠は続いていた。また、スヌーズ条件では、徐波睡眠という深い睡眠段階からの覚醒が避けられていた。夜間全体の睡眠構造には明確な影響がなかった。[1]

この結果は、時計で見える時間と、実際に眠っていた時間を分ける必要を示している。アラームが鳴り始めてから布団を離れるまでを全部「睡眠」と数えても、全部「無駄な覚醒」と数えても、実験で測った内容とは一致しない。睡眠の中身を、布団の滞在時間だけで言い当てることはできない。[1]

一方、着替えや駅までの移動は、布団の中では済まない。睡眠がどれだけ残ったかとは別に、起床後の支度に使える時間は後ろへずれる。この時間の違いを分ければ、「研究では悪くなかったのに、なぜ自分の朝は慌ただしいのか」という疑問も整理できる。認知課題への結果と、予定表の余白は別々に見るのである。

約6分という数字も、誰でも同じだけ失うという基準ではない。普段スヌーズをする31人の、設定された条件での結果だ。自分のアラームを好きなだけ繰り返してよいという上限や、必ず確保すべき時間に変換しない。研究の30分を、そのまま明日の目覚ましに入力する必要もない。[1]

予定を比べるなら、出発の締め切りが動かせる朝かどうかも区別したい。自宅で動く朝と、電車に乗って出かける朝では、床を離れた後に必要な用事が違う。自宅なら移動がない一方、家事が割り込むかもしれない。通う日なら荷物の確認も加わる。同じスヌーズの習慣でも、後に続く用事を同じものとして扱わないほうが、予定のどこを直すかが見える。

ここで記録の目的を増やしすぎないことも大切だ。毎朝の睡眠段階を推測したり、眠気を細かく採点したりしなくても、着替えを始めた時点で余裕があったかは言葉にできる。「布団を出た後に服を探していた」なら、目覚ましの設定とは別に直せる箇所がある。研究の結果を使う目的は、生活を実験室に変えることではなく、違う原因をひとまとめにしないことだ。

数字で読むスヌーズと朝の準備

1,732人:起き方の習慣を尋ねた調査の人数。若さや夜型との関連がみられた。[1]

31人:普段スヌーズを使う人を対象に、同じ人の異なる起き方を比べた実験の人数。[1]

30分:実験で設定されたスヌーズの時間。推奨される待ち時間ではない。[1]

約6分:その実験でスヌーズにより失われた睡眠時間。布団にいた時間全体とは違う。[1]

57%:別の450人の調査でスヌーズをしていた割合。この調査の参加者における割合である。[2]

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宮川涼 Founder

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