
子どもの回避や動物の反応は、どこまで参考になるか
親しみと食べやすさを考えるうえでは、子どもの食品新奇性恐怖、つまり新しい食べ物を拒んだり避けたりする傾向の研究も手掛かりになる。3〜9歳の子ども246人を対象に、食べ物を避ける傾向と嗅覚の検査を合わせて調べた観察研究である。子どもを対象とした結果であり、18〜39歳の女性の食欲低下にそのまま適用できない。[4]
この研究では、匂いの好ましさが低いこと、識別能力が低いこと、未知の食品でない匂いへの感度が低いことが、食品新奇性恐怖の強さと関連していた。「食べ慣れていないから拒む」という言葉の内側に、匂いの受け取り方も関わる可能性がある。[4]
ただし、関連があることと、名前を教えることで回避が減ることは違う。子どもに香りの名称を覚えさせれば食べる量が増えると、この観察研究からは言えない。成人の食欲が落ちた場面にも、そのまま当てはめられない。年齢も、測った問題も、目指す変化も異なるからだ。[4]
家庭環境を探索した解析では、食事の過程で子どもに与えられる裁量が少ないことや、食べ物を報酬として使う頻度が高いことも、食品新奇性恐怖と関連していた。これも家庭の対応が原因だと決める結果ではない。匂いの検査だけで食べる行動の全体を説明しないことが大切になる。[4]
大人の自分の食事に引き寄せるなら、未知の香りを頑張って好きになる課題を増やすより、「分からなさ」と「嫌な感じ」を別々に言葉にしてみる程度がよい。これは研究から考えた日常の工夫であり、食品の回避を治す訓練として勧めるものではない。名前が分からなくても平気なのか、分かっていても負担なのかを聞き分ける。[4][16]
一方、香りが体内の反応につながる仕組みについては、マウスの実験がある。匂いの情報を処理する脳の部位である嗅球に注目し、食べ物の匂いに続いて起こるインスリン分泌を調べたものだ。インスリンは血液中から測定され、痩せたマウスでは匂いに伴う分泌反応が見られたが、肥満のマウスでは見られなかった。動物で測った分泌反応であり、18〜39歳の女性の食欲回復を直接示す結果ではない。[8]
この実験では、嗅球にあるGLP-1という物質の信号系を操作すると、その分泌反応や匂いを頼りに餌を探す行動が変化した。食べ物の香りが単なる感想だけにとどまらず、生理反応や探索行動と関わる仕組みを示す結果である。[8]
しかし、血中のインスリン、餌を探す行動、人が感じる食欲は、それぞれ別の指標だ。さらに、脳内の信号系を操作したマウスと、帰宅後に夕食の香りを嗅ぐ人では条件が異なる。「体が反応する仕組みがある」ことを、「香りの名前を知らなくても人の食欲が必ず戻る」へ飛躍させてはいけない。[8]
人の体格から香りへの反応を推測するのも慎重でありたい。若く健康な成人53人に食品の匂いを提示して脳の活動を測った研究では、肥満の有無、体格指数、体脂肪率、代謝関連の指標による食品臭への脳反応の違いは見いだされなかった。対象には標準体重、過体重、肥満の人が含まれ、女性は27人だった。男女を含む集団の脳活動を調べた結果なので、18〜39歳の女性の食欲の変化にそのまま当てはめることはできない。[10]
その研究では、インスリン抵抗性、つまりインスリンの働きに対する反応の弱まりと、匂いの識別成績には負の関連があった。一方で、脳の食品臭への反応との関連は見いだされなかった。体の指標、識別の成績、脳活動を別々に扱う必要がある。[10]
マウスの代謝状態による違いと、人の脳画像で体格による違いが見つからなかった結果は、同じ試験の反証同士ではない。測っている対象も反応も異なる。食欲を戻したい本人の体型を見て、香りが効くかどうかを周囲が決める根拠にはならない。[8][10]
ここで読む数字には、それぞれ行き先がある。子どもの研究の人数は食品回避との関連を調べた集団を表し、人の脳画像の人数は食品臭の処理を調べた集団を表す。食欲回復への助言に使えるかは、人数だけでは決まらない。いま困っていることと、研究で確かめた問いが合うかを先に見る。[4][10]
香りを感じた瞬間に何か変わったとしても、それをすべて「食欲が戻った」とまとめず、気づいた、知っていると思った、好ましかった、食べたかった、と言い分けてみる。研究が分けて測った指標を、そのまま生活でも分ける発想だ。変化を小さく扱うためではなく、どこで食事へのつながりが止まっているのかを言葉にするためである。[1][9][16]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「名前が分からない匂いは、食事の手掛かりにならない」という理解は狭すぎる。日常の匂い記憶の理論では、命名せずに予想との一致を感じる働きが論じられている。名前を言えることだけを鼻の成績にすると、慣れた場面との結びつきを見落とす。ただし、この説明は命名をしない方が食欲に有利だという比較結果でもない。[16]
「よい匂いと答えたのだから、食べられるはずだ」という思い込みも避けたい。食品の匂いの強さや好ましさ、識別で群間差がなくても、食べる不安には違いがあった研究がある。返事の矛盾を探すより、香りの感想と食事の負担を別の質問として受け取る方が、その結果に沿っている。[1]
「自然の香辛料は検査用の匂いより必ず分かりやすい」とも言えない。識別の比較では逆の結果が示された。[9] もっとも、この結果は自然の食材の価値を下げる話ではない。検査で測った正答と、食卓で楽しむ風味は同じ目的ではなく、そこから食材の優劣を決める必要はない。[9]
強さについても、「より強くすれば食欲が戻る」という結論を、この比較から導くことはできない。食べる不安の群間差が、匂いの強さの群間差を伴わなかったことは、刺激を足すだけの考え方を慎重にする。[1] 食卓を香りの強さ比べにする前に、本人が心地よく感じるか、食べることに別の負担があるかを見たい。

今日からできること
- 食事前に「何の匂いか」だけでなく、「知っている感じがするか」「心地よいか」「食べる気持ちはあるか」を分けてメモする。命名と親しみを区別する理論、好ましさと食べる不安を区別した研究を、日常の確認に生かす工夫である。[1][16]
- 候補の料理を考えるときは、自分が普段食べているものから香りの親しみを確かめる。患者80人と対照105人を比べた研究は、親しみと識別の関わりを示すが、特定の香辛料を食欲回復の処方にはしていない。[9]
- 「好きな香りなのに食べたいと思わない」と感じたら、そのまま別々の感想として残す。23人と34人の比較でも好ましさと食べる不安は同じ動きをしていない。好きと答えた自分に、食べる義務を追加しないための整理だ。[1]
- 匂いの名前が出ない日は、過去にどんな食事場面で出会ったかを思い出してみる。日常の匂い記憶では、名称より出会った状況との結びつきが論じられている。思い出せるまで嗅ぎ続ける課題にする必要はない。[16]
- 研究の数字を見るときは、識別の55.4%と22.5%を「食欲が戻った割合」と読み替えない。自分が確かめたいのが匂いの分かりやすさなのか、食べ始めやすさなのかを先に決める。[9]
これらは、研究の指標を食卓の観察に置き換える提案だ。香りを使って食事量を増やす効果が確認された手順ではない。[1][9][16] 記録にも「成功」「失敗」の点数を付ける必要はない。たとえば「匂いは分かったが気持ちは動かなかった」という言葉も、感覚と行動を区別するための情報になる。
食べにくさが続くときや、食べることへの不安が強いときには、香りで解決しようとせず医師に相談する。研究に登場する患者群の説明を、自己診断や家族の診断に使わない。食卓での観察は相談の言葉を整えるために使い、誰かを分類する試験にはしない。
オンザショア立川店で、通う時間を具体化する
香りの好ましさと食べたい気持ちを分けたように、運動も参加したい内容と通える時間を分けて考えたい。オンザショア立川店では、生活の予定に合う時間と種目から参加を検討できる。営業時間は8:00〜23:30で、年中無休だ。JR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fにある。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあるため、続ける時間と参加する内容を合わせて考えられる。妊娠中は溶岩ホットヨガに参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。予定と持ち物を具体化する入口として、店の案内と料金を確認できる。参加を決めた場合は体験の予約へ進める。日常に置く運動の予定を、場所、時間、内容から選ぶための案内である。

参考文献
[1] Odor-elicited anxiety-to-eat is heightened and independent of odor liking, intensity, and identification in anorexia nervosa — Guo SH, Marazzi L, Guarda AS, Kamath V, Smith KR., 2026, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2026.108747
[4] Olfactory performance and odor liking are negatively associated with food neophobia in children aged between 3 and 9 years — Sorokowska A, Chabin D, Kamieńska A, Barszcz S, Byczyńska K, Fuławka K, Urbanek , 2024, Nutrition journal. DOI: 10.1186/s12937-024-01011-6
[8] The local GLP-1 system in the olfactory bulb is required for odor-evoked cephalic phase of insulin release in mice — Montaner M, Denom J, Jiang W, Magnan C, Trapp S, Gurden H., 2023, Molecular metabolism. DOI: 10.1016/j.molmet.2023.101738
[9] Odor Identification by Parkinson’s Disease Patients Tested by Using Sniffin’ Sticks versus Natural Spices — Baert F, Vlaemynck G, Maselyne J, Matthys C., 2022, Parkinson’s disease. DOI: 10.1155/2022/2272691
[10] Brain response to food odors is not associated with body mass index and obesity-related metabolic health measures — Poessel M, Morys F, Breuer N, Villringer A, Hummel T, Horstmann A., 2022, Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2021.105774
[16] A “Misfit” Theory of Spontaneous Conscious Odor Perception (MITSCOP): reflections on the role and function of odor memory in everyday life — Köster EP, Møller P, Mojet J., 2014, Frontiers in psychology. DOI: 10.3389/fpsyg.2014.00064
[17] Olfactory performance of patients with anorexia nervosa and healthy subjects in hunger and satiety — Schreder T, Albrecht J, Kleemann AM, Schöpf V, Kopietz R, Anzinger A, Demmel M, , 2008, Rhinology. DOI: なし
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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