リバウンドで同じ体重に戻るとお腹も同じ?腹囲と脂肪の戻る場所を読み解く

リバウンドで体重が以前と同じになっても、お腹の脂肪や腹囲まで元通りとは限らない。若い成人の追跡、生活習慣介入後の長期調査、女性の観察研究を比べ、体重と見た目と健康の違いを読む。内臓脂肪と皮下脂肪、研究対象や測定法の差も踏まえ、数字が戻った朝に何を確かめればよいかを考える。

しまっていたパンツを出してみると、腰回りの感覚が以前と違う。体重計の数字は、減量を始める前と同じなのに。「リバウンドで同じ体重に戻ったら、お腹も元通りなのか」。答えは、必ずしもそうではない。生活習慣を変える試験の長期追跡では、体重が完全に戻っていても、腹囲や腹部の脂肪には減量時の変化が一部残っていた。[1]

ただし、「体重が戻っても内臓脂肪は戻らない」という保証でもない。減量手術後の患者を比較した横断研究では、体重が再増加した群の体脂肪や内臓脂肪が、手術前の肥満のある対照群と似ていた。[9] 手術後の患者の結果を、18〜39歳の女性一般へそのまま当てはめることはできない。戻った数字だけで、体内も元通りとも、改善が残っているとも決められない。

既存記事「ダイエットのリバウンドは脂肪から戻る?筋肉との回復の時間差を読み解く」には、組織の戻る順序を譲る。ここで確かめるのは、同じ体重という終点と、お腹の脂肪の分布や腹囲がどこまで一致するかである。朝の体重計に、体内の地図まで表示させるのは荷が重い。

既存記事「糖質制限を戻すとすぐリバウンドする?増えた体重と糖の貯蔵・水分を読み分ける」と「塩抜き後のリバウンドは脂肪が戻った証拠?食塩を戻した後の水分を読み解く」には、食事を戻した直後の水分の問いを譲る。ここでは脂肪の分布を調べた追跡を中心に見る。

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体重の合計と、お腹の内訳は別の問いである

体脂肪の分布を考えるとき、腹部の皮膚の下にある皮下脂肪と、お腹の内部にある内臓脂肪を分けたい。体重の増減を扱うレビューは、脂肪とそれ以外という大きな区分だけでなく、臓器や組織、脂肪の蓄積する場所まで見る必要があると論じている。脂肪がある場所によって代謝上の意味が異なり、脂肪以外の部分も均一な組織ではないためだ。[5]

たとえば、体重の増加を見つけたときに知りたいことは、その合計だけではない。お腹の脂肪が増えたのか、ほかの場所にも分かれて戻ったのか、脂肪以外がどう変わったのかで、同じ数字の読み方は変わる。平均年齢45.1歳の過体重の成人113人を対象にした食事の無作為化比較試験でも、体重が増えながら腹囲が減った群があり、体重と腹囲が必ず同じ方向へ動かなかった。[6] 中年を中心とする集団の結果であり、18〜39歳の女性でも同じ変化が起きるかは別に検討する必要がある。

腹囲はお腹周りの大きさを示すが、それだけで脂肪の場所ごとの量を読み切るものではない。長期追跡研究では、腹囲の測定に加えて、磁気共鳴画像法であるMRIを使い、内臓脂肪、深い層と浅い層の皮下脂肪、肝臓や膵臓の脂肪を別々に評価している。[1] メジャーの数字と画像が答えている問いは異なる。

ここを飛ばすと、「前よりお腹が出て見えるから、内臓脂肪が増えた」「見た目が同じだから、健康面も同じ」という推測につながる。しかし、画像で分けた脂肪の経過がそろわない研究がある以上、外側の印象から内側の全体像へ一足飛びに進むことはできない。[1] 見た目は気になる実感として扱い、健康の判定とは区別したい。

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体重が完全に戻っても、腹囲の変化が残った長期追跡

この問いに直接近いのが、食事と運動を組み合わせた生活習慣介入の長期追跡である。もとは18か月間の無作為化比較試験で、食事の型と計画的な身体活動を検討した。その終了から5年、10年の時点で再び画像検査と健康状態の評価を行い、参加した生活習慣介入試験の対象381人のうち366人を追跡できた。[1] この集団全体の結果から、18〜39歳の女性だけの経過を予測することはできない。

結果は、体重の完全な再増加と、腹部の変化の部分的な維持が同時に起きるというものだった。腹囲、内臓脂肪、深い層と浅い層の皮下脂肪では、介入中に得た変化の一部が長期にも残った。一方、肝臓内の脂肪の減少分は完全に戻り、膵臓内の脂肪は減少分を超えて増えていた。[1] お腹という同じ言葉の中にも、別々の経過が入っている。

この研究の読みどころは、「リバウンドしたか」という合計の問いを、「何がどこまで戻ったか」にほどいた点にある。体重が以前の値なら努力は全部消えた、とする考えには合わない。同時に、腹囲が以前より小さければ体内の脂肪も全部よい状態だ、とする考えにも合わない。腹部の脂肪が一部少ないままでも、臓器内では別の変化があり得るからだ。[1]

健康との関連も調べている。介入中の内臓脂肪の10%減少は、追跡中の新たな2型糖尿病のリスクが低いことと関連し、ハザード比は0.72、95%信頼区間は0.54〜0.94だった。体重の変化や追跡時の食事、身体活動などを調整した解析である。[1] これは時間を通じた発症リスクの比較であり、腹囲が少し減った個人の未来をそのまま予言する数値ではない。

元の介入が無作為化されていても、この長期の関連を、内臓脂肪だけを操作した実験の証明に置き換えてはいけない。介入後に続いた暮らしも含む追跡である。[1] 持ち帰れるのは、体重が戻ったという事実だけで、過去の生活習慣の変化が健康面で無意味だったと判定する必要はない、という見通しだ。

長期追跡では、開始時と現在を比べるのか、減量が終わった時点と現在を比べるのかも大切である。腹部脂肪が減量終了時より増えていても、開始時より少なければ、「戻った」と「一部維持した」は同時に成立する。[1] 日常の記録でも、いちばん減った時点だけを基準にすると、開始前との差が視界から消える。

また、内臓脂肪の減少と糖尿病の発症の関連を、見た目の価値へ換算する必要はない。研究が評価したのは体内の脂肪と健康指標であり、くびれの形の優劣ではない。[1] 腰回りの服の感覚が変わらなくても、それだけで健康面の変化がなかったとは判定しない。気になる見た目と、診察で確かめる体の状態を、同じ採点表に押し込めずにおける。

若い成人では、脂肪の戻る場所に男女差があった

では、比較的若い人ではどうか。24〜45歳、過体重または肥満のある成人を調べた研究では、13週間の低エネルギー食の介入を受けた103人から、体重が再増加した27人と、比較的安定していた20人を選び、減量前、減量後、追跡時の体組成を比較した。MRIなどで組織別の変化を確認している。[16] 男女を含む24〜45歳の結果であり、18〜39歳の女性全体を代表する結果としては扱えない。

再増加群の最初の減量は平均9.0kgで、その後に戻った量は、減った量に対して女性で83%、男性で42%だった。完全に同じ体重まで戻した実験ではない点が大切である。多くの脂肪の蓄積部位では、体重の戻りに応じて脂肪も戻ったが、女性では手足の脂肪の戻りが相対的に大きく、男性では手足と内臓脂肪の戻りが相対的に小さかった。[16]

したがって、この研究は「リバウンドすると必ずお腹へ集中する」という一律の説明を支持しない。研究者も、再増加が体脂肪の分布を悪化させたとは結論していない。[16] 女性なら必ず手足へ戻るという規則に変えるのも早い。対象が限られ、再増加が不完全であり、男女で戻った割合自体も異なるからだ。

日常で「同じくらい戻った友人と、体型の印象が違う」と感じても、その違いを意志の強弱で説明する必要はない。体重の増加量と組織別の増加量は同じ情報ではなく、実際に蓄積部位による違いが観察されている。[16] 比べるなら、友人の写真より自分の経過を整理するほうが、この記事の問いには近い。

また、この追跡の再増加群と安定群は、同じ量だけ体重を戻すよう無作為に振り分けられた集団ではない。[16] 戻った人に見つかった特徴を、そのまま再増加が起こした結果と断定できない。研究の対象年齢が読者に近いことと、自分の未来にそのまま当てはまることは別である。

比較の期間もそろえたい。この若い成人の研究は減量後6か月の追跡であり、別の研究の試験終了後5年・10年とは時間の幅が違う。[1][16] 短い期間にどこへ戻ったかと、長い年月を経て何が残ったかは、似ていても同じ問いではない。片方の結果で片方を取り消すより、自分が気にしているのは直近の変化か、過去の取り組みの長期的な意味かを分けて読むほうがよい。

数字で読む体重と腹囲のずれ

366人:生活習慣介入後の長期追跡で、対象381人のうち追跡できた人数。[1]

5年・10年:体重が戻っても腹囲と腹部脂肪の変化が一部残っていた、試験終了後の追跡時点。[1]

83%・42%:若い成人の再増加群で、減量分のうち戻った割合。女性、男性の順であり、完全な再増加ではない。[16]

0.8kg・3.0kg:たんぱく質を追加した群と対照群の、維持期間中の体重の再増加。[6]

−1.2cm・+0.5cm:同じ試験の腹囲の変化。体重が増えた群の中にも腹囲が減った例があった。[6]

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宮川涼 Founder

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