キックボクササイズはかかとを浮かせ続ける?構えの高さとふくらはぎの負担を読む

キックボクササイズでかかとを浮かせると、ふくらはぎだけが先に疲れる。そんな疑問を、かかと上げの筋活動、膝や足先の位置、疲労後の立位の揺れから考える。実験とレッスンの違いを踏まえ、浮かせ続けることを目標にせず、動きと休む場面を分けて相談するための読み物である。

ミットへ踏み出す前に、ふくらはぎが先に音を上げる。パンチの順番はまだ覚えている。鏡の中の構えをまねて、説明を聞く間もかかとを浮かせていた。キックボクササイズで「軽く動く」を意識したつもりが、足元だけはずっと働きづめ、という場面である。

かかとを浮かせ続けること自体を、正しい構えの目標にする必要はない。かかと上げを疲れるまで行う実験では筋肉の働き方が変わり、別の実験では運動後に静かに立つ際の揺れも増えた。ただし、これらはキックボクササイズの構えの高さを直接比べた結果ではない。「高く保てばよい」という一律の指示を支える根拠としては扱えない。[5][8]

考える軸は、床からどれだけ離したかだけではなく、上げる、下ろす、保つという動作と、その間の疲れである。前後の足への体重配分は既存記事「キックボクシングの構えは前足に体重を乗せる?足元の安定と動き出しを読む」に譲り、ここではふくらはぎが休まず働く場面を研究から読み分ける。

パーソナルキックボクシング01 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

かかと上げは「軽い姿勢」でも筋肉を使う課題である

かかと上げは、研究ではヒールレイズと呼ばれる。立った状態でかかとを上げ下げする課題で、見た目は単純でも、測る筋肉や動きの局面によって読めることが違う。ふくらはぎの腓腹筋、その内側と外側の部分、ヒラメ筋などが測定対象となっている。[3][8][20]

参加者を対象に、かかとを上げた姿勢を保つ課題と、足首で力を出す課題を調べた実験がある。参加者は18人で、18〜39歳の女性だけを検証した結果としては扱えない。筋肉の電気活動を細かく分析したところ、同じ筋肉の中には強い共通の神経入力があった一方、腓腹筋の内側・外側とヒラメ筋の間では共通性が小さかった。ふくらはぎの筋肉ごとに、指令を受ける仕組みの違いが示された。[20]

ここでいう神経入力とは、筋肉を働かせる神経からの指令である。研究者は、同じ方向に力を出す筋肉でも、関節の安定など別の目標に合わせて柔軟に制御される可能性を指摘している。足首の形を見ることと、内部での仕事の分担を測ることは、別の観察になる。[20]

この結果から、鏡に映るかかとの高さだけで、ふくらはぎの働きを採点するのは難しいと考えられる。高さがそろっていても、動作が止まっているのか、次の動きへ移っているのかという違いが残る。姿勢を保つ課題の神経活動を、動き続けるレッスンの正解へそのまま置き換えることはできない。[20]

表面筋電図は、皮膚の上から筋肉の電気活動をとらえる測定である。筋肉がどのように働くかを調べる助けになるが、その場の波形を、将来の筋力や見た目の変化と同じものとして読んではいけない。足の向きによる筋活動を調べた研究も、活動の違いが長期のトレーニング適応につながるかは予測できないとしている。[6]

「よく使っている感じ」と「この先どう変わるか」は、別の問いである。ふくらはぎが張ったからレッスンが成功した、逆に張らなかったから失敗した、と決めるより、いつ、どの動作で疲れたかを振り返る材料にしたい。研究が扱う筋活動と長期の変化を区別すると、その日の感覚を過大評価せずに済む。[6][8]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

上げるときと下ろすときでは、疲れ方の指標が違う

健康な成人22人、男性14人と女性8人が、立位のかかと上げを課題が続けられなくなるまで行った実験がある。男女混合の結果であり、18〜39歳の女性だけに同じ変化が起こるかは、この比較から確定できない。かかとを上げる局面では、調べた筋肉すべてで、課題が進むにつれて筋電図の振幅が増えた。一方、下ろす局面では、内側の腓腹筋と前脛骨筋の全体的な筋活動が低下した。[8]

前脛骨筋は、この実験でふくらはぎ側の筋肉とともに測られた、すねの前側の筋肉である。上げる局面で電気活動が増えたからといって、上げ下げの全過程で同じ方向の変化が起きたわけではない。研究は、主に動作を担う筋肉、反対に働く筋肉、動作を助ける筋肉で、疲労時の活動戦略が違うことを示した。[8]

さらに、この研究では筋電図の大きさだけでなく、信号に含まれる周波数の成分も調べた。課題の終盤には、上げる局面と下ろす局面で異なる周波数成分の変化があった。著者らは、振幅だけでは見えない、課題の継続が難しくなるときの神経活動の情報が含まれると述べている。[8]

レッスンで考えるなら、「まだ動ける」と「最初と同じように動ける」を分ける視点になる。これは限界まで反復して自分の筋電図の変化を再現する勧めではない。疲れたときの体の働きは一定ではない、という実験結果を、自分の動きを相談する理由にするのである。[8]

一方、局面を比較しても筋活動に有意差が見つからなかった実験も押さえておきたい。女性10人、男性10人を対象に、足裏を床につけた基準姿勢、上げる局面、下ろす局面で下腿の筋活動を比較した研究では、調べた筋肉それぞれについて局面間の有意差は認められなかった。一部の内側腓腹筋の比較を除き、性別による差も多くは認められていない。対象は男女混合であり、18〜39歳の女性に限定した結果として使うには、年齢層も含めた検証が必要となる。[3]

疲れきるまでの変化を追う実験と、動作の局面を比べる実験は、問いが違う。前者の結果を理由に「浮かせた瞬間から急激に負担が増す」と書くのも、後者を理由に「かかと上げは負担にならない」と読むのも飛躍である。変化が見つかった条件と、差が見つからなかった条件を並べておく必要がある。[3][8]

膝と足先の位置まで含めて構えを見る

「かかとを浮かせている」という見た目の共通点があっても、膝が伸びているか、曲がっているかは別である。健康な男女17人を対象にした実験では、膝を0°にする条件と30°に曲げる条件で、最大回数のかかと上げを行わせた。研究の目的は、指定された膝の角度を実際に保てるかを確かめることだった。男女混合の実験なので、18〜39歳の女性にも同じ角度の分布が当てはまるかは、別に確かめる必要がある。[10]

モデルが推定した平均角度は、膝を伸ばす条件で2.2°、曲げる条件で30.7°だった。平均だけなら、ほぼ指示どおりに見える。しかし、参加者が保った平均角度には大きな個人差があり、曲げる条件では22.0〜43.0°に分布していた。指定した角度と、実際に保った体の位置にはずれが生じていた。[10]

反復回数は両条件で区別できなかった。著者らは、膝を伸ばす試験を腓腹筋、曲げる試験をヒラメ筋の評価として読む際に注意が必要だとしている。同じ回数できたという情報だけでは、姿勢が同じだったとも、筋肉の使い方が同じだったとも決められない。[10]

足先の向きについても実験がある。筋力トレーニング経験のある健康な男女20人が、正面、内向き、外向きの足位置で、重りを使ったかかと上げを行った。外向きでは内側の腓腹筋が外側より強く活動し、内向きでは外側が内側より強く活動した。足位置と筋肉の組み合わせによる違いが、上げる局面と下ろす局面の双方で認められた。対象は筋力トレーニング経験者であり、18〜39歳の女性でも、経験の浅い参加者へそのまま適用するには条件が異なる。[6]

ただし、この実験の負荷は体重の130〜135%に相当し、台の上で行う運動だった。キックボクササイズの構えと同じ条件ではない。内側を休ませるために足先を内へひねる、といった独自の修正法に変換する結果ではなく、足の向きも測定条件の一部になると読むべきである。[6]

鏡は形を映すが、研究条件までは映さない。「少し膝を曲げたつもり」「足先は正面のつもり」という感覚を、実際の動作と照らし合わせたい。ふくらはぎの疲れを伝えるときには、かかとの高さに加えて膝と足先も見てもらうと、話す対象が具体的になる。[6][10]

足位置を扱った実験は、男性と女性がそれぞれ10人で、平均年齢は23.7歳だった。筋電図は、各足位置で行った反復のうち、成功した動作を選んで最大随意等尺性収縮に対して正規化している。これは、自分で最大限に力を出し、関節を動かさずに保つときの活動を基準にして比べる処理である。単に波形の高さを人同士で見比べたわけではない。[6]

このように、筋活動の比較には基準のそろえ方が含まれる。自分の「張りが強い」という感覚と、実験で基準化された活動の大小は別の情報だ。感覚を否定する必要はないが、感覚だけで特定の筋肉の活動量や、足位置を変えた効果まで断定しないことが、結果を生活に使う際の区切りになる。[6]

数字で読むかかと上げとふくらはぎ

22人:限界までのかかと上げで、上げる局面と下ろす局面に異なる筋活動の変化があった実験の対象者数である。[8]

13人:疲労前後の静かな立位を比べ、疲労後に足元の揺れの指標が増えた研究の対象者数で、全員が健康な若年男性だった。[5]

30°:膝を曲げるかかと上げ試験で指定された角度である。初心者の構えの推奨角度ではない。[10]

130〜135%:足先の向きと腓腹筋の活動を比べた実験の、体重に対する負荷である。レッスンへ持ち込む目標値ではない。[6]

54人:かかと上げで疲労を起こした後、回復への介入を比較したランダム化比較試験の参加者数である。[2]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約