
続けて得られる変化と、その日の疲労は別である
ここまで読むと、体幹トレーニングがランニングの邪魔に見えるかもしれない。だが、先に疲れた状態を作る実験と、練習を継続した後の能力を測る研究は、問いが違う。前者の不利な結果から、体幹を鍛えること自体の評価は、継続後の測定で考える。継続練習の研究には、体幹持久力や走行時の酸素消費量の改善を示すものがある。[5][19]
Hungらの研究では、男性大学生競技者21人を体幹練習群11人と対照群10人に無作為に分けた。両群が通常の練習を維持し、体幹練習群は8週間、週3回の体幹練習を追加した。体幹練習群ではプランク持久力テストが193.5秒から241.5秒へ改善し、走行テストの最も高い段階では酸素消費量が52.4から50.0mL/kg/分へ低下した。男性大学生競技者での結果を、18〜39歳の女性に同じ効果が得られる根拠としてそのまま当てはめることはできない。[19]
これらは体幹練習群での介入前後の有意な変化として報告された結果である。対象は男性の大学生競技者で、通常練習に課題を加えた条件だった。日常的に運動していない人が同じ頻度を採用すれば同じ変化を得る、という保証にはならない。また、この結果から毎回の体幹練習を走る直前に置くべきだとも言えない。[19]
別の研究では、健康な成人ランナー12人のうち6人が、通常の走行に6週間の統合的な体幹練習を加えた。介入したランナーでは、平地と傾斜面のエコノミーが3%良好となったと報告されている。この研究は心拍データから代謝面のエコノミーを推定しており、酸素消費量を測った研究の数値と、同じ物差しで足し合わせることはできない。健康な成人ランナーの小規模な比較であり、18〜39歳の女性全般にも同じ変化が得られるかは未確定である。[20]
この違いは、普段のアプリを見るときにも役立つ。心拍の記録と、実験室で測った酸素消費量と、限界まで走れた時間は、すべて「走力」の一語にまとめられがちだ。けれども、何が変化したのかを分ければ、体幹を続ける狙いも具体的になる。持久力テストを伸ばしたいのか、一定の走りの負担を見たいのか、先に選ぶべき指標が違う。[5][19][20]
男女の若い成人の集団を比べた観察研究もある。18〜27歳の78人を、ランナー、活動的な人、非活動的な人に分けると、ランナーでは腹部の内腹斜筋が厚く、プランク持久力も高かった。一方、測定した腹部の全体的な筋力には、群間の有意差がなかった。内腹斜筋は、お腹の側面にある筋肉の一つだ。男女を含む18〜27歳の群間比較を、18〜39歳の女性全般の特徴へ広げる際には、性別と年齢範囲の違いが残る。[15]
この研究は、走る習慣が腹筋の厚みを増やしたと証明するものではない。それでも、厚み、力の強さ、持ちこたえる時間を一緒にしない大切さは示している。プランクの秒数だけで体幹の働きを全部採点すると、別の能力を見落とす。順番を決める際にも、「体幹をよくする」という広い言葉を、その日に練習したい課題へ置き換えると考えやすい。[15]
週の予定へ落とすなら、まず高強度で走る日と体幹練習を重く扱いたい日を見分ける方法がある。これは、同日の正しい時刻を断定するためではなく、直後の疲労と継続後の適応を混同しないための整理である。週3回という研究の頻度だけを抜き取り、疲れ具合にかかわらず予定を埋める必要はない。[5][19]
順番を比較するために、毎回限界までのテストを加えると、比較のための課題そのものが先行する疲労になりうる。持久力テストをした直後に走った日と、何も測らずに走った日を同じ条件と扱わないことも必要だ。先に行った課題が後の走行を制限した実験は、測る行為も予定表に含める理由になる。記録を増やす際には、何を評価したいのかを先に決めておく。[5]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「体幹を先にすると、必ず走る効率が上がる」。これは、鍛えた能力と直後の疲労を混ぜた説明だ。継続した体幹練習には走行指標の改善を示す研究があるが、先に疲労させた実験では高強度走の持続時間が短くなった。長く続けた結果を、その場で追い込んだ直後にも得られるとは考えないほうがよい。[19][5]
逆に「走る前に体幹を使うと、必ず効率が悪くなる」も強すぎる。酸素消費量を調べた予備試験では、差が見られる方向だったものの、有意差はなかった。しかも実験で先行させたのは、負荷をそろえた24分間の疲労運動である。「体幹を使う」という言葉で、準備の動きまでひとまとめにしないことが肝心だ。[3]
「有酸素運動は脚、体幹練習はお腹だから順番は関係しない」。高強度走の後には体幹持久力テストが低下し、呼吸の仕事も関与する可能性が示されている。部位別のメニュー名だけで疲労を仕切ることはできない。脚の日を終えたからお腹は新品、という在庫管理は体では通らない。[5]
「走った後にプランクが短くなったら、その日の練習は失敗だ」。研究では、高強度走自体に伴う体幹持久力の低下が観察されている。走る課題を優先した日に、疲労後の持久力を休息時の自己記録と比べると、評価する条件が違ってしまう。まず前後の運動をそろえて比較するという考え方が、秒数だけの反省より役に立つ。[5]
体幹練習を毎回後へ追いやり、いつも省略してしまうなら、今度は継続の計画を見直す場面だ。継続研究で検討されたのは通常練習に体幹練習を加えることであり、疲労の注意点は、加える機会をなくす理由にはならない。走る直前の追い込みを避ける工夫と、体幹を続ける場所を予定に残す工夫は両立する。[19][20]

今日からできること
- 走ることを優先する日は、直前の体幹練習を「動きを確かめる課題」か「疲れ切る課題」かに分けて予定を書く。男性9人の高強度走実験が警戒を促すのは、先行する体幹疲労である。[5]
- プランクを記録するなら、秒数の隣に走行前か走行後かも残す。高強度走後に持久力テストが255.7秒から177.3秒へ低下した研究を、測定条件をそろえる手がかりにする。[5]
- 「走りやすかった」を記録するときは、持続時間と酸素消費量を同じ意味にしない。7人の予備試験では酸素消費量の条件差は有意ではなく、体感だけで効率改善を確定しない。[3]
- 週の予定では、その日の追い込みと継続課題を別々に考える。週3回を8週間追加した研究は継続の例であり、自分の回数をそのまま決める基準にはしない。[19]
- 体幹の成果を腹筋の見た目だけで判定しない。18〜27歳の78人を比べた研究でも、筋の厚み、持久力、全体的な筋力は同じ群間差を示さなかった。[15]
予定を替えた後の見方も決めておきたい。走る前の体幹課題を減らして走れたとしても、別の日なら睡眠や走る条件も違う。個人の記録は、無作為に条件を替えた実験そのものにはならない。自分用の予定を調整する手がかりとして使い、誰にでも通じる順番の法則へ広げないことが大切である。[3]
また、研究で見られた疲労は、痛みを我慢して続ける根拠ではない。痛みや体調の異変がある場合は練習の順番を工夫して押し通さず、医師に相談する。ここで比較したいのは、運動を続けられる状態でどの課題を先に置くかである。限界まで走る実験の数値を、自宅で再現する目標にする必要はない。[5]
オンザショア立川店で、練習を続ける予定を作る
順番を考えた後は、通う時間と受けたいレッスンを予定に置く。オンザショア立川店は、営業時間が8:00〜23:30で年中無休の溶岩ホットヨガスタジオである。仕事や講義の前後など、自分の生活と照らして通う時間を考えられる。走る予定とスタジオへ通う予定を同じ手帳に並べれば、どちらをその日の主な課題にするかも整理しやすい。レッスンの選択肢と通う条件を確認し、続けるための予定を具体的にする。
場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけでも25種類以上のレッスンがあるため、受けたい内容を確かめて継続の予定を組む場所として検討できる。
店のトップと料金で内容を確認し、ヨガの体験は体験の予約から申し込める。体験は税込1,980円で、60分レッスン、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。
走る日と体幹を練習する日を見渡し、ピラティスやパーソナルトレーニングなどの選択肢をどこに置くか考える。先に疲れ切る予定ではなく、主役にしたい練習へ力を残す予定を作りたい。

参考文献
[2] Fatigue-Related Changes in Spatiotemporal Parameters, Joint Kinematics and Leg Stiffness in Expert Runners During a Middle-Distance Run — Möhler F, Fadillioglu C, Stein T., 2021, Frontiers in sports and active living. DOI: 10.3389/fspor.2021.634258
[3] Trunk and Upper Body Fatigue Adversely Affect Running Economy: A Three-Armed Randomized Controlled Crossover Pilot Trial — Drum SN, Rappelt L, Donath L., 2019, Sports (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/sports7080195
[5] The occurrence of core muscle fatigue during high-intensity running exercise and its limitation to performance: the role of respiratory work — Tong TK, Wu S, Nie J, Baker JS, Lin H., 2014, Journal of sports science & medicine. DOI: なし
[15] Differences in Abdominal Muscle Thickness, Strength, and Endurance in Persons Who Are Runners, Active, and Inactive — Schaeffer BH, Anemaet WK, Arnold AL, Brabham AB, Groom NK, Moore CR., 2024, Sports health. DOI: 10.1177/19417381231212471
[19] Effects of 8-week core training on core endurance and running economy — Hung KC, Chung HW, Yu CC, Lai HC, Sun FH., 2019, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0213158
[20] An integrated core training program improves joint symmetry and metabolic economy in trained runners — Gottschall JS, Hastings B., 2019, The Journal of sports medicine and physical fitness. DOI: 10.23736/s0022-4707.19.09619-1
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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