
温かい実感と、運動のきつさも別々に記録する
ヨガでは、動いている間の感想と、終わったあとの感想がひと続きになりやすい。脚を支えるのが大変だった日の「今日は調子が悪い」に、足先の冷たさまで一緒に入れてしまう。そこで、温かさ、動きのきつさ、終えたあとの体調を、別の言葉で残してみる。研究でも、同じ運動に対する生理的な反応と主観的な反応が、項目ごとに変化の現れ方が異なる。[18]
活動的で自然な月経周期のある若い女性15人を対象とした無作為化クロスオーバー試験では、脂肪酸化が最大となる強度で1時間の自転車運動を行った。比べたのは卵胞期早期、排卵付近、黄体期中期である。総脂肪酸化量、総炭水化物酸化量、総エネルギー消費量には、周期の主効果が認められなかった。[18]
ところが主観的な運動のきつさは、黄体期中期でほかの時期より高かった。平均心拍数は排卵付近で卵胞期早期より高く、月経症状の得点は卵胞期早期で高かった。つまり、何が変わったかによって、違いが目立つ時期も異なっている。「生理前は全部悪い」「生理後は全部よい」という見取り図には収まらない。[18]
この結果は、ヨガの負荷を周期別に自動で指定する表ではない。日常に移すなら、「前回よりきつかった」という実感だけで、運動の消費量が増えた、あるいは減ったと判定しないという読み方になる。温かさについても同様で、手応えの強さを効果の量に換算する目盛りは、この記事では設けない。[18]
感覚と測定のずれは、別の研究にも表れている。女性9人が卵胞期に暑熱下の運動を行った実験では、24時間の睡眠不足の後に、熱による体調不良に関連する症状の得点が高くなった。一方、体の内部の温度、全身の発汗率、運動中の温熱感覚などには条件間の差がなかった。強い睡眠不足という限られた条件だが、体調の訴えを温度だけで説明し切れない例である。[5]
普段の寝不足がこの実験と同じだと考える必要はない。ただ、レッスン後に「いつもよりつらかった」と感じたとき、その言葉を温かさの不足に翻訳してしまわないことだ。体の内部の温度には差がなく、不調の得点には差があったという結果は、本人の感想を独立して扱う理由になる。[5]
例えば記録を読み返す場面では、帰り道に足先が気になった日と、教室内で手のひらを意識した日を、同じ温感の点数として並べない。評価する場面をそろえた上で、それでも違いが続くのかを見る。その違いが周期と重なっていても、個人の記録だけで原因を確定する必要はない。医師へ相談するときにも、「周期のせいだと思う」という推測より、いつ、どこで、何を感じたかという説明を持っていく方針にできる。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
薬や動きの種類を、周期のせいにまとめない
周期だけを記録しても、比べている運動やホルモン剤の条件が違えば、読み方は変わる。経口避妊薬を服用中の健康な女性10人を対象にした比較試験では、服用条件と非服用条件で、室温30°C、湿度50%の中、最大酸素摂取量の60%で1時間の運動を行った。運動後の内部体温は服用条件で平均0.3°C、心拍数は毎分8拍高かった。[6]
一方、子宮内避妊具を調べた研究では、使用者と非使用者の全身放熱は設定した範囲内で同等だった。経口薬と子宮内避妊具は、同じ「ホルモンに関係するもの」という括りだけでは扱えない。対象も実験も違うため、数値を直接並べて優劣を決めるのではなく、別の条件として読む必要がある。[4][6]
自分の記録では、服薬について医師に相談するときに説明できるよう、現在の使用状況を整理しておけばよい。温まり方を確かめる目的で、自己判断によって服用を止めたり、使い方を変えたりする話にはしない。研究の比較条件は、生活の中で再現すべき手順とは別である。
また、ヨガの中でも、動きをつないでいく場面と、姿勢を保つ場面は同じではない。女性8人を対象とした臨床試験は、最大握力の20%、40%、60%で力を保つ運動を周期を通じて調べた。一定の力を出し続ける持久力の変動は、最も強い条件で小さく、弱い条件で大きかった。[7]
研究ではさらに、前腕の血流を遮断した条件や筋温を一定にした条件でも検討している。筋温や血流の変化だけでは説明できない持久力の変化も残った。したがって、姿勢を保つのがつらかった日を「手足の血行だけの問題」と説明するのも早い。これは握力の実験であり、ヨガのポーズごとの最適な保持時間を決めた結果ではない。[7]
前回は流れる動き、今回は静止する姿勢が中心だったなら、「同じヨガ」という記録だけでは粗い。教室名や運動名に加え、動き続けた印象か、支え続けた印象かを添える。周期を丁寧に記録しても、比較する動きが違っていたら、その違いを先に認める方が役立つ。[7]

よくある誤解
「黄体期は内部体温が高いから、冷えは感じないはず」という理解は単純すぎる。前腕血流の試験では、内部体温が高めでも、安静時の前腕血流に差はなく、血管が広がり始める温度は高めだった。内部体温の高さを、手足が早く温まる保証に変えることはできない。[8]
「周期の影響があるなら、その時期は運動しても意味がない」という結論も出ていない。全身放熱が周期間で同等だった研究や、自転車運動で総エネルギー消費量に周期の主効果がなかった研究もある。周期による違いを認めることと、運動の価値を取り消すことは別の話だ。[4][18]
「温かく感じれば血流が増えた証拠」という見方にも注意したい。メントールの塗布を扱ったナラティブレビューでは、男性を対象にした研究で温熱感覚は低下する一方、持久的運動の成績改善は見られなかったと整理されている。男性で得られた結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは未確定であり、女性を対象にした検証が必要である。[1]
これは冷感の例なので、ヨガ後の温感と同じ反応だと決めることはできない。それでも、感じ方が変わったという事実と、血流や運動能力がどれだけ変わったかという問いを分ける助けにはなる。手のひらは大切な感覚の入口だが、触れるだけで全身の循環を採点する検査室にはならない。[1][8]
今日からできること
- 感想を残すときは、手のひら、指先、足先など場所を添える。5人の試験で測ったのは前腕血流であり、自分の感じた場所と研究の測定部位を混同しないための記録である。[8]
- 温かさときつさを別の欄にする。15人の自転車運動の試験では、総エネルギー消費量の周期差が認められなくても、主観的なきつさは時期によって異なった。[18]
- 比べる日の運動内容と室内の暑さも書く。35°Cの脚運動の結果を、常温のゆったりしたヨガにそのまま移さず、似た条件の自分の記録を並べる。[8]
- 服薬や避妊具については、相談時に説明できる情報として整理する。経口薬を調べた10人の試験と、子宮内避妊具の使用者19人を調べた試験では結果も測定項目も異なる。[4][6]
- 温まりが弱い日の埋め合わせとして負荷を増やす目標は置かない。8人の握力試験でも、持久力の周期差は筋温や血流だけでは説明されなかった。気になる症状や運動の可否は医師に相談する。[7]

オンザショアで、通う条件を選ぶ
続ける場所を選ぶときは、熱い環境で行うヨガか、常温で行うヨガかも確認したい。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガと、常温のヨガがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、ピラティスやパーソナルトレーニングも扱っている。種目の選択肢を、通う予定を立てるための情報として見てほしい。
営業時間は全曜日8:00〜23:30で、年中無休。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。生活の動線と時間帯を照らして、通う場所を考えられる。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加できる環境を確認してから、通う時間やクラスを考える順序がよい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と店のトップで予定を照らし、温かさを競うためではなく、自分が続ける場所を確かめる機会として体験の予約を検討できる。
参考文献
[1] Topical application of L-Menthol – Physiological and genetic considerations to assist in developing female athlete research: A narrative review. — Villegas-Serna T, Wilson LJ, Curtis C., 2024, Journal of thermal biology. DOI: 10.1016/j.jtherbio.2023.103758
[2] Female reproductive hormones and thermoregulatory control of skin blood flow. — Charkoudian N, Johnson JM., 2000, Exercise and sport sciences reviews. DOI: なし
[4] Hormonal intrauterine devices and heat exchange during exercise. — Kirby NV, Meade RD, Richards BJ, Notley SR, Kenny GP., 2024, The Journal of physiology. DOI: 10.1113/jp285977
[5] Females exposed to 24 h of sleep deprivation do not experience greater physiological strain, but do perceive heat illness symptoms more severely, during exercise-heat stress. — Relf R, Willmott A, Mee J, Gibson O, Saunders A, Hayes M, Maxwell N., 2018, Journal of sports sciences. DOI: 10.1080/02640414.2017.1306652
[6] Oral contraceptives elevate core temperature and heart rate during exercise in the heat. — Martin JG, Buono MJ., 1997, Clinical physiology (Oxford, England). DOI: 10.1046/j.1365-2281.1997.04444.x
[7] Isometric endurance, body and skin temperature and limb and skin blood flow during the menstrual cycle. — Petrofsky J, Al Malty A, Suh HJ., 2007, Medical science monitor : international medical journal of experimental and clinical research. DOI: なし
[8] Effect of luteal phase elevation in core temperature on forearm blood flow during exercise. — Kolka MA, Stephenson LA., 1997, Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985). DOI: 10.1152/jappl.1997.82.4.1079
[18] Effects of the Menstrual Cycle on Fat Utilization During 1 Hour of Cycling at Fatmax. — García-Ortiz C, Fernández-Sánchez J, García-Albín D, Ranieri LE, Trujillo-Colmena D, Solano-Lizcano V, Rodríguez-Castaño A, Collado-Mateo D, Casado A, Del Coso J., 2026, International journal of sports physiology and performance. DOI: 10.1123/ijspp.2025-0349
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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