高齢者のインナーマッスルは大きさだけで測れる?加齢で変わる筋肉内の脂肪

高齢者のインナーマッスルは、大きさが保たれていても中身や働きが同じとは限らない。腰の筋肉に含まれる脂肪と筋肉量、歩く速さや生活の不自由さを、追跡研究と系統的レビューで読み分ける。画像の数値を年齢の点数にせず、鍛え方を考える前に確かめたい評価の視点を整理する。

実家の食卓で見る親の体格は以前と変わらない。それでも一緒に買い物へ出ると、前より足並みを合わせる場面が増えた。「筋肉はまだあるから大丈夫」と考えてよいのか。高齢者のインナーマッスルを考えるとき、見た目の大きさだけでは拾えない変化がある。[6]

答えの芯は、大きさ、中身、動作を分けることだ。地域で暮らす高齢者を追った研究では、腰の筋肉の体積が比較的小さく変化する間にも、画像で捉えた筋肉の質と歩行速度は変化していた。この結果は、体積と画像の質の指標、歩行を別々に確かめる理由になる。[3][6]

画像の読み方そのものは既存記事「インナーマッスルは画像の明るさで評価できる?超音波の輝度と筋質を分けて読む」に譲る。ここでは高齢者の鍛え方を探す前段として、筋肉が小さくなっていなくても何を見直す必要があるのか、脂肪と生活の働きの関係に絞って考える。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

大きさと中身は、別の問いへの答えである

腰の研究で登場するのは、多裂筋や脊柱起立筋など、背骨の周囲にある筋肉だ。多裂筋はここで扱う深い腰の筋肉であり、研究では周辺の筋肉も含めて評価されている。「インナーマッスル」という検索語の印象だけで、測定された筋肉をすべて同じものとして読むのは避けたい。[2][19]

筋肉の量をみる指標には、画像を輪切りにしたときの面積や、立体として捉えた体積がある。一方、筋肉の質をみる研究では、脂肪に由来する信号の割合や画像の信号強度などが使われる。輪郭がどれだけ大きいかと、その輪郭の内側がどう構成されているかは、違う測定なのである。[4][6][19]

健康な成人を調べた研究が、この違いをよく示している。対象は20〜62歳の80人で、多裂筋と脊柱起立筋を磁気共鳴画像で測った。筋肉の体積には年齢との関連がなかった一方、脂肪信号の割合は年齢とともに高かった。男女を含む広い年齢層の結果であり、18〜39歳の女性だけの年齢変化を示すものではない。「大きさが違わない」という結果と「中身が違う」という結果が、同じ研究で両立している。[19]

脂肪信号の割合は、女性で平均17.8%、男性で14.7%だった。ばらつきを示す標準偏差はそれぞれ10.7%、7.8%である。この平均値を、個人が超えてはいけない境界にしてはいけない。対象は健康な成人であり、女性の平均が高いことを、そのまま病気や筋力不足の判定に読み替える研究ではない。[19]

腰のどの高さを測るかも重要だった。同じ研究では、腰椎の低い位置で脂肪信号の割合が高く、多裂筋と脊柱起立筋でも違いがあった。腰全体の数字だと思って見た値が、実際には特定の場所の値かもしれない。別の検査結果を比較するときは、年齢だけでなく筋肉名と測定位置にも目を向ける必要がある。[19]

ここでいう脂肪の含まれ方は、服の上から見た体型の評価ではない。大きさと脂肪信号を別々に測定した研究を読むなら、体の見た目に戻して良し悪しをつける理由はない。家族の歩き方を心配する場面でも、「太ったから」「細いから」という説明より、何が測られ、どの動作が変わったのかを言葉にするほうが話を進めやすい。[6][19]

健康な女性を対象にした別の研究でも、筋肉ごとに異なる変化が見つかっている。20代から60代までの112人について、腹部と背部の筋肉の厚さと、超音波画像の明るさを測定した研究である。腹直筋と外腹斜筋の厚さは50代と60代で、脊柱起立筋の厚さは60代で、20代より有意に小さかった。[18]

一方、内腹斜筋、腹横筋、多裂筋の厚さには年齢群の間で有意な差がなかった。それでも腹部の筋肉の画像の明るさは20代以外で高く、背部では40歳を超える年齢群で高かった。厚さの差がないという結果を、質にも変化がないという意味で受け取れない例である。[18]

この研究は、高齢になる前の女性も含んでいる。年齢の異なる人の比較であり、同じ女性が20代から60代まで過ごす間の変化を追ったものではない。また、超音波の明るさと磁気共鳴画像の脂肪信号の割合は同じ指標ではない。異なる検査の数値を足し合わせず、量と質を別に見るという共通点を受け取りたい。[18][19]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

高齢者を追うと、量と質の変化がそろわなかった

年齢の違う人を並べる研究だけでは、同じ人の体がどう変わるかは分からない。その点を補うのが、地域在住の65歳以上を対象にした4年間の追跡研究である。最初に登録した111人のうち、開始時と追跡時の腰の画像がそろった66人が解析された。対象は高齢の男女であり、18〜39歳の女性に同じ変化率を当てはめることはできない。[6]

腰の背骨周囲の筋肉は、断面積が4.1%、総体積が3.6%減少していた。それに対して、質の評価に使われた画像の信号強度は39.1%増加し、研究では筋肉の質の悪化を示す変化と解釈されている。大きさだけに注目すると、この研究で目立った変化の一部を見落とす。[6]

ただし「信号強度が39.1%増加した」は「筋肉の39.1%が脂肪になった」という意味ではない。開始時に対する信号強度の変化率であって、脂肪そのものの割合とは測定している量が違う。大きな数字だからと、筋肉がほとんど失われた図を頭に描く必要はない。[6]

同じ期間に握力は7.2%、歩行速度は8.1%低下した。手足の筋肉量を身長で補正した指標の変化はマイナス1.0%で、統計的に有意ではなかった。筋肉量の変化より、出せる力や歩く速さの低下が目立った。[6]

これは、高齢者全員が同じ割合で衰えるという予言ではない。追跡できた地域在住者の集団の結果である。男性と女性には似た変化の傾向があり、変化の大きさに有意な性差はなかったが、そのことも個人ごとの経過がそろうという意味にはならない。[6]

さらに、筋肉の質と歩行速度が同じ期間に変わったからといって、腰の脂肪だけが歩く速さを下げたと決めることはできない。研究は運動法を割り当てて比較した試験ではなく、経過を観察したものだ。変化を追う視点は得られるが、そこから特定の体操の効果まで飛び越えないことが大切である。[6]

たとえば、家族が「体重は変わらない」と話していても、駅で待つ場面が増えたなら、その話題は筋肉量だけで閉じないほうがよい。この研究が歩行速度や握力も測っていたのは、体の量の数値と実際の働きが別の情報だからだ。体重計は、駅まで一緒に歩いてはくれない。[6]

生活の不自由さとの関連も、量だけでは説明できない

別の観察研究では、地域在住の65歳以上111人について、腰の筋肉の量と質、本人が感じる生活の不自由さとの関連が調べられた。平均年齢は70.6歳、女性は63%だった。生活の不自由さには、腰の状態に関連する支障を尋ねる質問票が使われている。18〜39歳の女性で同様の関連が成り立つかは、この高齢者集団の結果からは判断できない。[4]

年齢、性別、腰痛の強さを調整した解析で、筋肉の質は質問票の点数と関連したが、身長で補正した筋肉の体積には有意な関連がなかった。筋肉がどれほどあるかだけでなく、どういう状態にあるかを見る意味を示す結果である。[4]

ただし、この集団の生活の支障は全体として軽かった。質問票の平均は9.14%で、身体機能も比較的高く保たれていた。重い障害がある人の結果だと思って読むと、対象を取り違える。地域で生活している比較的元気な高齢者にも、量と質を分ける視点が役立つ可能性を示した研究と捉えたい。[4]

研究で示された関連の強さを、自分の生活への予報に変換することもできない。たとえば、画像の信号が増えた分だけ買い物が難しくなる、という対応表ではない。筋肉の評価と本人の訴えを照らし合わせるための情報であり、画像だけで生活の支障を言い当てる検査と考えるのは早い。[4]

追跡研究とこの観察研究はいずれも同じSarcoSpineという研究集団に基づいている。対象者が関連する報告を、完全に独立した別々の集団で結果が繰り返されたように数えるべきではない。現在の関連と、その後の変化を違う角度から見た報告として読むと、根拠の厚みを過大評価せずに済む。[4][6]

数字で読む高齢者の腰の筋肉

65歳以上の66人:開始時と4年後の腰の画像がそろった追跡解析の対象である。[6]

マイナス3.6%:同じ追跡研究における腰の筋肉の総体積の変化である。[6]

プラス39.1%:筋肉の質の評価に使った画像信号強度の変化であり、脂肪率そのものではない。[6]

マイナス8.1%:同じ期間の歩行速度の変化である。[6]

6件:将来の腰痛や身体機能との関係を検討した系統的レビューに採用された観察コホート研究の数である。[3]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約