有酸素運動で使う糖は筋肉のどこにある?総量だけでは見えない貯蔵場所を読む

有酸素運動を朝食前にするか夕食後にするか迷うとき、筋肉に残る糖を一つのタンクと考えていないだろうか。筋グリコーゲンの貯蔵場所、運動中の減り方、食事と回復の関係を人の実験から読む。持久力との関連と因果を分け、競技者の数字を日常の運動に当てはめる際の限界も整理する。

朝食前の散歩に出る玄関で、「まだ何も食べていないのに、脚の糖は残っているのだろうか」と考える。夕食後なら、今食べた分がそのまま脚に入っている気もする。ところが、筋肉の中をのぞいた研究は、残量だけでは説明し切れない景色を見せている。糖の蓄えは、細胞の中の決まった場所に分かれている。[2][5]

筋肉に蓄えられる糖の形を筋グリコーゲンと呼ぶ。その粒は、収縮に関わる細い構造の内側、その構造どうしの間、細胞を包む膜のすぐ内側に分かれて存在する。持久運動では、この場所によって減り方が異なり、とくに収縮構造の内側の残量と、運動を続けられる時間の関連が報告されている。[5]

したがって答えの芯は、「筋肉に糖がどれだけあるか」に加えて「どこにあるか」も大切、である。ただし、朝食前と夕食後を比べる勝敗表ではない。貯蔵場所の研究が測ったのは筋組織と持久運動の反応であり、その結果から、日常の運動時刻の正解まで決めることはできない。[2][5]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

筋肉の糖は、一つのタンクに入っていない

筋肉の中の糖を理解するには、まず体の部位と細胞の内部を分けたい。今回の「場所」は、太ももかふくらはぎか、右脚か左脚かという話ではない。同じ筋線維、つまり筋肉を構成する細長い細胞の、さらに内側の配置である。採取した筋組織を透過型電子顕微鏡で調べると、グリコーゲンの粒を配置ごとに評価できる。[2][5]

筋原線維とは、筋線維の中にある収縮に関わる構造である。その内側の蓄えが「筋原線維内グリコーゲン」、隣り合う筋原線維の間の蓄えが「筋原線維間グリコーゲン」、筋線維を包む膜の内側の蓄えが「筋鞘下グリコーゲン」だ。長い名前だが、内側、間、膜の下、と配置を思い浮かべればよい。これらを別々に測ることが、貯蔵場所を扱う研究の出発点になる。[5]

なぜ分ける必要があるのか。全体の量が減ったという結果だけでは、内側が大きく減ったのか、間が減ったのかを区別できないからだ。男性を対象とした持久運動実験では、全体を一括りにする代わりに、場所ごとの粒の体積量を調べている。その結果、運動中の利用は均一ではなく、内側と膜の下では、間に比べて相対的な利用が大きかった。男性の結果であり、18〜39歳の女性で同じ利用割合になるかは別に確かめる必要がある。[5]

ここでいう「相対的」は、それぞれの場所の蓄えに対してどれだけ減ったか、という読み方だ。減少の割合が大きいことと、筋肉全体で消費した糖の量が最も多いことは同じではない。元の量と減る割合を混ぜると、「よく減る場所が全燃料の大部分を供給する」と読み違えてしまう。場所を分ける研究だからこそ、量の比べ方も分ける必要がある。[5]

総量と配置は、筋肉の燃料を違う角度から捉える情報である。財布の残金を見ることと、どのポケットに入っているかを確かめることに似ている。ただし、このたとえで説明できるのは配置までだ。糖の粒を小銭のように自由に移せると考えたり、取り出しやすさを想像で決めたりせず、実験で測った利用の経過を読む必要がある。[2][5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

強く長く動くと、どの場所から減るのか

貯蔵場所の違いを直接調べた実験に、持久系のエリート選手10人を対象とした研究がある。平均年齢は22歳で、腕と脚を使う疲労困憊に至る運動を1時間行った。競技者の結果なので、18〜39歳の女性の日常的な運動に同じ減少の程度を当てはめることはできない。電子顕微鏡で確認すると、筋原線維の内側のグリコーゲンは、筋原線維の間や膜の下よりも顕著に減っていた。[2]

対象は、通勤の途中に歩く人ではなく、持久運動に高く適応した競技者である。しかも、軽く体を動かす設定ではなく、長く強い運動だ。「朝の散歩でも内側が同じ程度に減る」とは読めない。一方で、筋肉の糖が場所ごとに違う減り方をすることを、人の筋組織で確かめた点に価値がある。[2]

筋線維の種類にも違いがある。この研究では、タイプIとタイプIIと呼ばれる種類を分けて評価している。運動前には、タイプIのほうがタイプIIより、筋原線維の内側と膜の下のグリコーゲンが多かった。それでも、運動後に内側の減少が顕著になる現象は、どちらの種類にも見られた。[2]

この結果は、運動前の配置と、運動中の減り方を別々に考える手掛かりになる。出発時点で多く持っている種類があることと、運動中にどの場所を強く使うかは、同じ質問ではない。運動前の写真だけでも、運動後の総量だけでも、経過の全体像にはならない。研究はその違いを、筋線維の種類と時間の両面から見ている。[2]

さらに、糖が大きく減った筋線維では、筋原線維の間や膜の下に残る小さな粒が集まっている様子も観察された。単にタンクの水位が下がるような変化ではなく、粒の分布も含めて筋肉の内部を見る必要がある。ただし、その見え方を日常の疲れの自己診断に使うことはできない。これは組織を採取して初めて見える変化である。[2]

この話と近い「HIITを連日続けるなら翌日は軽く?筋肉に残る糖と回復の違いを研究で読む」は、次の運動までの回復という問いに譲る。ここでは翌日の予定の決め方よりも前に、そもそも「糖が残る」という言葉が、細胞内では一つの状態を指さないことを押さえたい。[2][5]

食事で持久力が変わる実験は、場所をどう見たか

配置と運動を続けられる時間を結び付けたのが、男性11人の自転車運動実験である。参加者は、通常の混合食、高炭水化物食、低炭水化物食という異なる食事条件を72時間経験した後、最大酸素摂取量の75%に相当する強度で、疲労困憊までこぎ続けた。筋組織は運動前、途中、運動後に調べられた。男性の持久運動で得た結果を18〜39歳の女性へそのまま当てはめるには、対象の違いを検証する必要がある。[5]

続けられた時間の平均と標準偏差は、高炭水化物食で150±30分、混合食で112±22分、低炭水化物食で69±18分だった。条件間の差は統計学的に有意だった。これは、食事条件を変えた長時間の自転車実験で、持久力に大きな違いが生じた結果である。朝ごはんを一度抜いた日の散歩の長さを予測する数字ではない。[5]

場所との関係では、タイプIの筋原線維内グリコーゲン、とくに運動開始から60分時点の量が、疲労困憊までの時間と最も強く関連していた。高炭水化物食の条件では、最初の60分にその内側の蓄えが温存されており、膜の下の蓄えが通常より多いことや、その利用と関連していた。[5]

大切なのは、「食事条件で運動時間が違った」という比較と、「特定の場所の量と時間が関連した」という解析を混ぜないことである。後者だけから、内側の蓄えを意図的に増やせば誰でも同じだけ長く動ける、と断定することはできない。特定の場所の残量は、持久力を理解する有力な手掛かりとして位置付けるのが適切だ。[5]

また、この実験では筋原線維の内側だけでなく、膜の下の蓄えにも役割があると考えられている。内側が持久力と強く関係するからといって、ほかの場所も利用されている。運動中の利用には時間的な違いがあり、どの場所がどの段階で使われるかまで見ると、食事条件と持久力の関係をより細かく捉えられる。[5]

「同じ総量でも違うかもしれない」という発想はここから生まれる。ただし、この研究を、総量を完全に一致させて配置だけを変えた実験として紹介してはいけない。分かったのは、食事、場所ごとの蓄え、その利用の経過、持久力が結び付いていたことだ。配置だけの効果を取り出した数字と、実際に測った数字を区別して読む。[5]

糖の量を比べる際には、測った時点にも目を向けたい。運動前の量は出発条件、途中の量は使われ方の経過、終了後の量はその運動を終えた結果である。さらに、回復期の再合成は次の変化になる。持久系選手の研究が運動と回復を分け、自転車の研究が運動途中にも筋組織を調べたのは、同じ「残量」でも時間によって意味が変わるためだ。開始前の多さと、途中で特定の場所が保たれることを、一つの数値のように扱わない。[2][5]

数字で読む筋肉の糖の貯蔵場所

10人:腕と脚の疲労困憊運動後に、場所別の減少を調べた持久系エリート選手の人数。[2]

72時間:男性の自転車実験で、運動前に異なる食事条件を設けた期間。[5]

150・112・69分:高炭水化物食・混合食・低炭水化物食における、疲労困憊までの平均時間。[5]

60分:タイプIの筋原線維内の残量と持久時間の関連が、とくに注目された運動中の時点。[5]

31研究:運動中の糖質摂取と筋グリコーゲン利用を統合したメタ分析の研究数。[17]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約