ダイエットのトマトは干すと栄養も増える?濃くなる量と吸収の違いを研究で読む

干したトマトの赤さを、栄養や脂肪燃焼の強さに置き換えていないだろうか。乾燥方法、熟し方、品種で変わるリコピンの測定値を食品研究から読む。食品に含まれる量と消化後に利用されやすい量を分け、生のトマトとの比較や加工品の選び方を考える。食卓で無理なく使うための視点も示す。

夕食のパスタに干したトマトを加えると、小さなかけらが皿の中で目立つ。この赤さは、水分が減って濃くなった印象なのか、成分が増えた証拠なのか。ダイエットの食事を探すときには、その印象が「脂肪を燃やす食べ物」という期待にまで進むことがある。しかし、食品の成分量と、食べた人の体に起きる変化は、同じ問いではない。[2][3]

トマトを干したあとの評価では、何がどれだけ残るかに加え、乾燥前の熟し方や加工条件を分ける必要がある。熱風乾燥の実験では成熟と乾燥に伴うリコピンの増加が報告される一方、アスコルビン酸は乾燥後に減っていた。「栄養が全部増える」という答えにはならない。[5]

さらに、食品中のリコピンを測ることと、消化を経て利用されやすい状態になるかを調べることも別である。乾燥法と前処理を組み合わせた実験では、消化前の成分保持と消化後の評価を分け、品種による違いも確認している。[3] ここでは干す工程に焦点を当てる。生とジュースの比較は既存記事「間食のトマトは加熱した方がよい?生とジュースで違うリコピンの吸収を読む」に譲る。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

干したあとの「増えた」は、何を比べた言葉か

栄養が増えたという説明に出会ったら、まず測った食品と比較相手を確かめたい。生の果実と乾燥品なのか、成熟段階の異なる果実なのか、それとも粉末を混ぜた別の食品なのか。同じトマトの話に見えても、研究の設計はかなり違う。成熟段階を変えた乾燥研究と、加工副産物を使ったクラッカーの研究は、この違いをよく示している。[2][5]

食品加工の実験では、トマトの加工副産物を乾燥し、粉末にしてクラッカーへ配合した。比較したのは、副産物を加えない対照品と、重量に対して10%、20%、30%を配合した試作品である。リコピン量は対照品の0.65 mg/100 gから、30%配合品では9.43 mg/100 gへ増えていた。[2] この数値は、乾燥トマトそのものを生トマトと比べた倍率ではない。

数字の読み方には、食品名だけでなく単位の後ろも関係する。ここでの100 gは完成したクラッカーの重さであり、生のトマトを同量食べた場合を表してはいない。[2] パッケージや紹介文で大きな数字を見つけても、何の100 gかが変われば比較の意味も変わる。「トマト由来の成分が多い食品」と「いつもの食事で多く摂れる食品」は、食べる量まで考えて初めてつながる。

この実験では総フェノール量も対照品の52.60から30%配合品の154.76 mg GAE/100 gへ増加した。[2] 総フェノール量とリコピン量はそれぞれ異なる成分の測定値であり、ここで足し合わせて評価しない。成分ごとの測定値は、それぞれの物差しで読む必要がある。

一方、成熟段階を変えて熱風乾燥した研究では、総フェノール量を乾物基準、つまり水分を除いた物質の重さを基準として比較している。成熟に伴う上昇は、この基準で報告された。[5] 水分を含む食品の重さで比べた値か、水分を除いて比べた値かを確かめることは、「乾いて濃く見える」と「成分そのものの変化」を混同しないための出発点になる。

家庭では、料理に入れた乾燥品の重さと、乾燥前の果実の重さを同じものとして扱わないことが役立つ。これは厳密な栄養計算を毎回行うという意味ではない。比較表を読むときに食品の状態を確認し、数字の大きさだけで生のトマトを食卓から外さないための工夫である。クラッカーの配合試験は、加工品の評価には完成品の組成という別の条件が入ることを教えてくれる。[2]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

食品に残る量と、消化後に利用されやすい量を分ける

リコピンを含むカロテノイドは、乾燥実験で測定された色素成分である。[3] ただし、食品から成分を測定できることと、食べたあとに同じ量が人の体内へ届くことは同義ではない。研究では、食品中の保持量とは別に、試験管内で消化を再現したときの利用されやすさ、すなわちバイオアクセシビリティを調べている。[3]

この食品実験の対象は3品種のトマトであった。超音波処理と電子レンジ処理という前処理、熱風乾燥と凍結乾燥という乾燥法を組み合わせ、フェノール類、カロテノイド、抗酸化活性を評価した。[3] 18〜39歳の女性が食べたときの吸収や体脂肪の変化に、そのまま当てはめることはできない。人の体内での変化を知るには、食品実験とは別に、人を対象とした評価が必要になる。

消化前の試料では、超音波処理と凍結乾燥の組み合わせが、総カロテノイド、リコピン、βカロテンの保持を改善したと報告されている。[3] ここで評価されるのは加工後の食品に残る成分である。買い物で「リコピンが残る」という説明を読むときには、まずこの食品側の性質の話として受け止めたい。

同じ研究が消化後の腸の段階まで調べた点も大切である。成分ごとの評価には品種と収穫後処理の組み合わせが影響した。[3] 加工前の果実、加工後の食品、消化を経た試料という順に条件が変わるため、消化前の成分量だけをもとに、体内での利用を順位づけするのは早い。含有量の表は重要だが、それだけで食後の全過程を代表しない。

超音波処理と熱風乾燥の組み合わせでは、腸の消化段階で総フェノールのバイオアクセシビリティが64.72〜74.25%改善したと報告された。[3] これは総フェノールの評価であり、リコピンの吸収率が同じ割合だけ上がったという意味ではない。並んで登場する成分でも、名前を置き換えると研究と違う話になる。

また、この研究では消化後の試料について、鉄還元能やラジカル消去活性といった化学的な抗酸化の指標も測定した。[3] 食品の性質を知る手がかりにはなるが、夕食後の疲れ方や運動中の脂肪利用を直接測る指標ではない。台所で赤いかけらを足しただけで、体の中の働きまで自動的に決まると考える必要はない。

家庭で干す場合に、超音波処理を使った実験の結果をそのまま再現したと考えることもできない。研究の処理は専用の条件を伴い、実用化には装置費用やエネルギー効率などの課題が挙げられている。[3] 研究結果から持ち帰りたいのは特殊な手順のまねではなく、乾燥法と消化後の評価を別々に読む姿勢である。

乾燥前の熟し方にも、仕上がりを変える理由がある

同じ乾燥法なら、出発点のトマトは何でも同じなのか。成熟段階を比べた食品実験は、ここにも違いがあることを示している。対象は成熟した緑色段階、着色し始めた段階、赤く熟した段階の果実であり、熱風乾燥の挙動と細胞壁、成分、香りを調べた。[5]

成熟が進むと、細胞壁に関わる酵素の活性が増え、ペクチンの構成も変化していた。顕微鏡観察では果肉の組織の緩みも確認されている。[5] 乾燥は単に表面から水分を取り去る操作としてだけでなく、もとの組織の性質と組み合わせて考える必要がある。熟す前と熟したあとでは、加工される材料自体が同じ状態ではない。

赤く熟した果実では、成熟した緑色果実より有効水分拡散係数が大きく、乾燥時間は24.44%短かった。[5] 有効水分拡散係数は、果実内で水分が移動する性質を表す指標である。この結果は実験条件での加工のしやすさを示す。家庭の乾燥時間をその割合だけ短縮すればよいという調理指示には置き換えられない。

成分の動きも一方向ではなかった。成熟と乾燥のあとでリコピンは増加し、総フェノール量は乾物基準で成熟に伴って増えていたが、アスコルビン酸は乾燥後に減っていた。[5] アスコルビン酸はビタミンCの成分である。赤い成分に注目した評価と、別の栄養成分に注目した評価では、同じ食品に対する説明が変わりうる。

さらに、この研究は成熟段階による揮発性成分の違いも調べ、着色し始めた段階では香りに関わると推定されたアルデヒド類やエステル類の特徴が認められた。[5] 加工品のよさは、栄養成分の最大値だけでは決まらない。食べたい料理に合うか、どのような風味に仕上がるかも、食品を選ぶ現実的な軸である。

数字で読むトマトの乾燥研究

3品種:前処理と乾燥法を組み合わせ、消化後の利用されやすさを評価した対象である。[3]

64.72〜74.25%:超音波処理と熱風乾燥による総フェノールのバイオアクセシビリティの改善であり、リコピンの吸収率ではない。[3]

24.44%:赤く熟した果実の乾燥時間が、成熟した緑色果実より短かった割合である。[5]

0.65と9.43 mg/100 g:副産物を配合しないクラッカーと、30%配合品のリコピン量である。[2]

50人:クラッカーの食べやすさを評価した消費者の人数であり、健康効果を確かめた試験の人数ではない。[2]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約