ヨガのキャットアンドカウは大きく動くほどよい?背中と骨盤の連動を読む

ヨガのキャットアンドカウで、背中を大きく丸めたり反らしたりするほどよいのか。四つ這い運動の筋活動、胸の背骨の可動域、支え方を比べた研究から、骨盤との連動を考える手がかりを読む。猫のポーズそのものの効果と、近い運動から分かることを分け、形を競わない練習の見方を示す。

マットに手と膝をつき、背中を丸める。次は反らす。隣の人は大きな波のように動いているのに、自分は腰の辺りばかり動く気がする。ヨガのキャットアンドカウで、見た目の振れ幅を成績にしたくなる場面だ。

見た目の振れ幅を、練習の成績にはできない。腰の反りを増やして特定の筋肉の活動が増えた研究はあるが、対象は慢性腰痛のある人で、調べたのは脚などを上げる安定化運動である。キャットアンドカウの動く幅や、健康な初心者の練習効果を比較した試験ではない。慢性腰痛のある人の結果を、18〜39歳の健康な女性にそのまま当てはめる根拠はない。[7]

背中と骨盤の連動を考えるなら、まず「どこが動くか」と「何を支えるか」を別の問いとして持ちたい。四つ這いでの筋活動や支持の違いは調べられているが、背骨の各部分がどの順番で動くべきかを決める結果ではない。[9][19] 大きな曲線を作ることより、動きを観察するための読み方をここでは扱う。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

背中の形と、動きの質は同じ物差しではない

キャットアンドカウの検索結果で見かける完成形は、止まった瞬間の写真である。読者が知りたいのは、丸めた状態から反らした状態へ移る途中のことだ。腰だけが先に動く気がする、骨盤を動かす指示が分からない、頭を上げると背中まで反れたように見える。これらは練習中の観察としては具体的だが、写真の輪郭だけで答えを出すには足りない。

ここで手がかりになるのは、健康で日常の運動量が少ない女性30人を対象とした横断研究である。横断研究とは、長期間の変化を追うのでなく、その場で条件を比べる研究だ。研究者は異なる四つ這い運動について、筋肉の電気的活動、手で支えるときの圧の中心、本人が感じるきつさを測定した。[9]

圧の中心は、手のひらにかかる圧がどこに集まっているかを表す測定値である。この研究では、同じ四つ這い運動の仲間でも、圧の中心や主観的なきつさの点で課題が難しい条件と、左右対称の筋活動が高い条件が一致しなかった。[9] きつい姿勢だから、すべての筋肉が最も働くという単純な並びにはならない。

この比較の使い道は、動きを評価する物差しを分けることだ。背中が大きく動いたか、支える手が落ち着いていたか、どの部分が疲れたかは、それぞれ別の記録として扱える。研究でも主観的なきつさと筋活動を別々に測っているからだ。[9]

夜のスマホでポーズ動画を止め、背中の山だけを比べると、途中の動きは画面から消える。見た目を手がかりにする場合も、「この形に近づけたか」だけでなく、「その形へどう移ったか」を指導者に見てもらう材料にしたい。これは研究が定めた採点法ではなく、測定対象を混同しないための練習の見方である。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

腰を反らすと筋活動が増える、それは何を意味するか

慢性腰痛のある23人、女性12人と男性11人を対象とした研究では、腰が中間の姿勢と、腰の反りを増やした姿勢で四つ這いの安定化運動を比較した。これは同じ参加者の条件を比べる横断研究で、18〜39歳の健康な女性に同じ筋活動の変化が生じるかは未確認である。[7] 各参加者は異なる運動を無作為の順番で行い、表面筋電図と角度を測る機器で調べられた。[7] 表面筋電図は、皮膚上の電極で筋肉の電気的活動を記録する方法である。[7]

測定されたのは腰の多裂筋と胸最長筋の活動である。腰の反りを増やした条件では、多裂筋の活動が増加した。脚を上げる課題で9.7%、脚と腕を上げる課題で16.9%という、最大随意収縮を基準にした筋電図の増加が報告されている。[7] 最大随意収縮は、この研究で筋活動を比べる際の基準になった収縮である。[7]

この数字を「筋力がその割合だけ強くなった」と読み替えてはいけない。測ったのは姿勢を変えたときの筋活動であり、練習前後の筋力増加ではない。痛みがその割合だけ減ったという意味でもない。[7] 電気的活動の増加という結果に、上達、回復、柔軟性の改善をまとめて載せることはできない。

また、この比較は背中を丸めて反らす反復そのものではない。脚を上げる課題と、手も膝も床につけたまま動くキャットアンドカウでは、運動の条件が違う。研究に出てくる「四つ這い」という言葉だけを共通点として、同じ効果を約束するのは飛躍である。[7]

骨盤を意識したら腰の反りが変わった、という自分の観察は指導者に伝える材料になる。しかし、その変化だけで「狙った筋肉が鍛えられた」と結論するには、この研究では足りない。腰の角度を変えることが筋活動に関係した事実と、それを自分にどう使うかという判断の間には、対象と課題の確認が必要だ。[7]

この研究の効果量には、ここで使える信頼区間の記載がない。[7] 推定の幅を確認できないため、数字を普遍的な目標値にしない。反る角度の目標も、この結果からは設定できない。[7] 写真の反りの深さと、測定された筋活動は別の情報だ。

胸の背骨を動かす研究は、猫のポーズとは分けて読む

胸の背骨の動く範囲を調べた比較研究には、健康な39人が参加している。四つ這いで胸の背骨を回す群は17人、立った姿勢で回す群は22人で、介入期間は2週間だった。女性はそれぞれ9人と14人である。[4] 男女を含み年齢の記載もないため、18〜39歳の女性に同じ改善が得られるかは、この比較から判断できない。[4] 動く範囲は可動域と呼ばれ、研究では運動前や実施後に測定された。[4]

結果は、四つ這いと立った運動のどちらでも、胸の背骨の可動域が同等に改善したというものだった。[4] ただし、これはねじる運動の比較である。背中を丸めたり反らしたりするキャットアンドカウの改善量は測っていない。改善した角度の具体的な値や信頼区間も、ここで使える記載にはない。[4]

この研究から持ち帰れるのは、胸の背骨を動かすための方法が四つ這いだけに限られなかった、という範囲の知見だ。[4] 仕事帰りにマットを敷く余裕がない日、床の運動ができないから何も選べない、と考える必要はない。ただし、立つ運動ならどんな動きでも同じ結果になると広げることはできない。[4]

既存の「【連載】アーサナの力学 第4回|ねじり——脊柱回旋はどこで起きるか、仙腸関節は動くのか」には、ねじりの詳しい問いを譲る。ここで扱うのは、猫のポーズの見た目を胸の背骨の柔軟性の点数にしてよいか、という疑問だ。回旋の研究をそのまま曲げ伸ばしの評価に使うことはできない。[4]

たとえば「胸の辺りが動いていない気がする」と言われたとき、本人が感じた場所と、実際に測定された可動域は同じ情報ではない。研究は検査と可動域の測定を用いている。[4] 家での感覚メモは相談の入り口にできるが、測定結果の代わりにはしない。この区別を残すと、感覚を否定せず、感覚だけで体の問題を決めつけずに話を進められる。

研究の期間にも目を向けたい。この比較では、最初の運動を行った翌日と、プログラム終了後に胸の背骨の検査と可動域を評価している。[4] レッスンを終えた直後の「よく動いた気がする」という感想だけでなく、時間を置いた測定を含む設計だった。家で感じた変化をこの試験と比べるなら、測る時点までそろっているかを確認する必要がある。[4]

たとえば、朝の練習で背中が動きやすかった日と、帰宅後に腰ばかり動く気がした日があったとする。その感覚メモだけでは、可動域が変わったとも、筋活動が増えたとも決められない。可動域の研究は動く範囲を、筋電図の研究は電気的活動を、それぞれ機器で測っている。[4][7] メモには、体の評価を書き込むより、練習した場面と感じたことを残す。次に相談するときの情報になる。

骨盤と胸の背骨を別々に動かせた感じがした場合も、それは本人の観察として扱う。「連動できた」という言葉にどんな意味を込めたのかを、指導者に具体的な動きで伝えたい。手を床につけたままのことか、腰の反りを抑えたつもりなのか、背中を丸める途中のことなのか。同じ言葉でも確認したい場面は違う。研究の測定項目と自分の相談内容を分けると、専門用語で感覚を覆わずに済む。

数字で読む四つ這い運動

慢性腰痛のある23人:腰の反りと筋活動を比べた研究の対象であり、健康な初心者全員の代表ではない。[7]

9.7%と16.9%:脚上げ、脚と腕上げでの多裂筋活動の増加。最大随意収縮を基準にした数字で、筋力増加率ではない。[7]

健康な女性30人:異なる四つ這い運動のきつさ、支持、筋活動を比較した横断研究の対象である。[9]

39人と2週間:胸の背骨を回す運動の比較研究。キャットアンドカウの曲げ伸ばしを調べた期間ではない。[4]

健康な29人:支持する脚の条件などと体幹の筋活動を比べた研究。動作中の測定である。[19]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約