
女性向けという表示だけで、種目を決められるか
女性が含まれる研究があることと、女性専用の最適な運動が分かったことは違う。サッカー選手の実験で女性の筋活動が高かったのは、競技水準の高い集団が持久課題を行ったときの結果である。年齢、競技経験、課題が異なる一般の女性に「同じ姿勢を同じ時間続けるべきだ」と指定する根拠にはならない。[20]
方向転換の別の実験では、チーム競技を少なくとも10年経験した女性12人と男性12人が、予告されない方向転換を行った。30度と60度の切り返しで体幹と脚の動き、地面から受ける力、体幹の筋活動を測定している。この条件では、体幹の運動や筋肉の共同収縮の比率などに男女差は検出されなかった。[15]
共同収縮は、複数の筋肉が同時に活動する様子として読むとよい。より鋭い方向転換では、体幹の回転が小さくなり、動きと反対方向へ回す筋肉などに向かう活動の配分が変わっていた。研究者は、外腹斜筋が体幹の横への傾きを保つことと回旋の制御に関わる点を指摘している。[15]
プランクで女性の活動が高かったことと、方向転換で男女差がなかったことは、どちらかが間違いという意味ではない。比べた人、課題、評価した項目が違う。性別だけで種目の難しさを決める前に、静止姿勢を支えるのか、急に方向を変えるのか、何を測った結果なのかを確かめる必要がある。[15][20]
ここでの「差がなかった」は、その実験で差を検出しなかったという意味にとどまる。男女の体幹機能があらゆる条件で同一であると証明したわけではない。同様に、男性だけの実験結果をすべて捨てる必要もなく、課題を理解する情報として読み、女性への具体的な回数や重さの指定と分けて扱える。[14][15][19]
スポーツの例には、動く部分と回転を抑える部分が併存する。国際水準のカヤック選手8人を調べた研究では、下部体幹の回旋と最高速度に負の相関があり、相関係数は−0.684だった。下部体幹が大きく回る試行ほど最高速度が低い関連が観察されたのであって、回旋を減らす運動の効果を無作為比較した試験ではない。[6]
この相関を、そのまま初心者の脇腹トレーニングの優劣へ持ち込むことはできない。それでも「競技はひねるから、体幹のどの部分も大きく回したほうがよい」という単純な見方を見直す材料にはなる。上部と下部を区別して測った結果を、体全体のひねりの大きさだけで置き換えないことが大切だ。[6]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
筋活動の数字は、筋肉が育つ量を表していない
研究で頻繁に使われる筋電図は、筋肉の電気的な活動を記録する方法である。外腹斜筋の活動を比較した座位の実験では、最大随意収縮の0〜50%まで力を段階的に出し、前屈、側屈、回旋の方向を比べた。参加者は18人で、右の外腹斜筋について筋電図と超音波による厚みを同時に測っている。[17]
外腹斜筋の活動は前屈方向で平均42%、回旋方向で35%、側屈方向で24%と報告され、前屈と回旋は側屈より有意に高かった。しかしこれは、座ったまま力を出す指定課題の活動である。前屈運動を続ければ回旋運動より筋肉が育つ、あるいは筋力が何割増す、という比較ではない。[17]
厚みの測定にも注意が要る。最大24人を調べた研究では、等尺性の体幹回旋中、外腹斜筋の厚みの変化と筋電図に、多くの参加者で有意な相関があった。一方、お腹を引き込む課題では、相関が有意だった人は半数未満で、筋肉が薄くなることもあった。同じ筋肉を測っていても課題で意味が変わる。[18]
これに対して座位の18人の研究では、厚みと筋電図の相関に大きな個人差があり、正の相関だけでなく負の相関も観察された。研究者は、この条件の超音波による厚みの変化を、外腹斜筋の活動の代用として扱うのは適切ではないと結論した。「回旋ならいつでも厚みで活動が分かる」という読み方はできない。[17]
14研究を含む系統的レビューも、動作、姿勢、収縮の型を問わず厚みを筋活動と解釈することに慎重な結論を出している。外腹斜筋で相関が観察されたのは体幹回旋の条件だったが、姿勢などの影響を考慮する必要がある。先の実験同士の違いを消して平均的な答えだけを作るより、測定条件を残すほうが選び方に役立つ。[2][17][18]
鏡の前でお腹を引き込んで薄く見えたとしても、その見た目を筋肉の活動量の測定にすることはできない。実験ですら、お腹を引き込む条件の厚みと電気的活動の関係は一定でなかった。見える変化、測定した筋活動、長期の筋力という別の指標を、ひとつの「効いた」に押し込めないほうがよい。[18]

よくある誤解
「脇腹はひねったときだけ働く」は、研究結果に合わない。横向きの脚上げで腹部を固めると、骨盤の回転が小さくなり、外腹斜筋の活動は増えた。うつ伏せのプランクでも外腹斜筋の高い活動が記録された。回旋を作る課題だけでなく、別の動きをしながら姿勢を支える課題を見る必要がある。[19][20]
「お腹を引き込めば腹斜筋の活動は必ず高くなる」とも言い切れない。脚上げの実験では指示なしより活動が高かった一方、超音波の研究では引き込む際の厚みを外腹斜筋の電気的活動の指標にできなかった。操作による変化があることと、見た目でその大きさを判定できることは別である。[18][19]
「息を吐きながら右へひねれば左右の脇腹を同じように使える」という推測にも注意したい。健康な男性30人を対象に、仰向けで強く息を吐くときの姿勢を比べた実験では、右へ回旋した姿勢で左の外腹斜筋の活動は増え、右の活動は中立姿勢より低かった。左右の内腹斜筋は姿勢間で有意な差がなかった。[5]
この結果は、姿勢と呼吸課題によって左右の活動が違う例であり、一般の筋トレで左右差を直す方法を示したものではない。日常の呼吸、立位の回旋、重りを持つ運動にも同じ結果が出るとは限らない。片側に強い感覚があるという理由だけで、反対側の回数を増やす処方は作れない。[5]
今日からできること
- 運動を選ぶときは、「上体を回す課題」か「脚などを動かしても骨盤の向きを保つ課題」かを言葉にする。男性11人の回旋研究と22人の脚上げ研究では、そもそも測っている動きが違う。[14][19]
- 回旋の練習では、胸と骨盤の向きの変化を指導者と確認する。11人の実験は背骨の部分を分けて測っており、最大角度へひねることを一律に勧める試験ではない。[14]
- プランクの記録には、脇腹の感覚に加えて、どこが姿勢保持の限界になったかも残す。39人の競技者の研究は、四肢の力が遂行を制限しうると指摘している。秒数の長さだけで腹斜筋の能力を判定しない。[20]
- 股関節の向きや器具を変更したら、以前と同じ種目名でも条件が変わったと扱う。中臀筋が弱い22人の吊り下げ式プランクでは、股関節の向きで外腹斜筋と背側の筋活動の配分が変わった。[7]
- 女性向けの表示より、研究の参加者と課題を確かめる。方向転換を調べた女性12人、男性12人の結果では男女差が検出されなかった。性別から回数を決めるより、何を支え、何を動かす練習かを確認したい。[15]
自分の記録は研究の測定値ではないが、条件をそろえて話す助けになる。たとえば、ひねる種目では動かした部分、支える種目では姿勢が変わり始めた部分を書き留める。研究が区別した回旋の部位や四肢による制限を参考に、相談するときの観察項目を作るのである。[14][20]
ここに共通の重さや保持時間を置かないのは、紹介した研究が、一般の女性の初心者に最適な運動量を比較していないためだ。選ぶ段階では、外腹斜筋の活動が確認されたという情報を使い、実際の負荷は自分の課題と実施条件を踏まえて考える。研究で使った数値を、そのまま自宅の目標へ貼り替えない。[7][14][19][20]

オンザショア立川店で、通う時間を先に決める
回す練習と支える練習を選ぶためにも、運動する場所と時間を生活の中に置いておきたい。オンザショア立川店は8:00〜23:30の営業で、年中無休である。全曜日で営業時間は同じだ。朝、仕事の前後、休日など、自分が通う時間を考える際の手がかりになる。
所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングがある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあり、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITも扱っている。
参加条件も、通う時間と一緒に確認しておきたい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中の方が参加できるのは常温のマタニティヨガで、溶岩ホットヨガには参加できない。ヨガの体験は60分で税込1,980円。ヨガマットのレンタルと、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚が料金に含まれている。
通う場所を検討する際は、店舗の案内と料金を確認できる。体験の予約も用意されている。続ける時間を決めるところから、生活と運動の接点を作りたい。
参考文献
- Application of Ultrasonography in the Assessment of Abdominal and Lumbar Trunk Muscle Activity in Participants With and Without Low Back Pain: A Systematic Review — ShahAli S, Shanbehzadeh S, ShahAli S, Ebrahimi Takamjani I., 2019, Journal of manipulative and physiological therapeutics. DOI: 10.1016/j.jmpt.2019.05.003
- Effect of trunk posture on external and internal oblique muscles’ activities during forced expiration — Nonaka K, Uzu H, Oi K., 2024, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2024.03.061
- Contribution of Trunk Rotation and Abdominal Muscles to Sprint Kayak Performance — Brown MB, Peters R, Mike A L., 2024, Journal of human kinetics. DOI: 10.5114/jhk/169939
- Effect of side-sling plank exercise on trunk and hip muscle activation in subjects with gluteus medius weakness — Baik SM, Cynn HS, Yi CH, Lee JH, Choi JH, Lee KE., 2022, Journal of back and musculoskeletal rehabilitation. DOI: 10.3233/bmr-210061
- Relationship between spinal range of motion and trunk muscle activity during trunk rotation — Sugaya T, Sakamoto M, Nakazawa R, Wada N., 2016, Journal of physical therapy science. DOI: 10.1589/jpts.28.589
- Is There a Sex Difference in Trunk Neuromuscular Control among Recreational Athletes during Cutting Maneuvers? — Mornieux G, Gehring D, Gollhofer A., 2021, Journal of sports science & medicine. DOI: 10.52082/jssm.2021.743
- External abdominal oblique muscle ultrasonographic thickness changes is not an appropriate surrogate measure of electromyographic activity during isometric trunk contractions — Rabello LM, Gagnon D, da Silva RA, Paquette P, Larivière C., 2015, Journal of back and musculoskeletal rehabilitation. DOI: 10.3233/bmr-140508
- Can activity within the external abdominal oblique be measured using real-time ultrasound imaging? — John EK, Beith ID., 2007, Clinical biomechanics (Bristol, Avon). DOI: 10.1016/j.clinbiomech.2007.07.005
- Effects of abdominal hollowing and abdominal bracing during side-lying hip abduction on the lateral rotation and muscle activity of the pelvis — Kim DW, Kim TH., 2018, Journal of exercise rehabilitation. DOI: 10.12965/jer.1836102.051
- Muscle Activation and Performance During Trunk Strength Testing in High-Level Female and Male Football Players — Roth R, Donath L, Zahner L, Faude O., 2016, Journal of applied biomechanics. DOI: 10.1123/jab.2014-0303
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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