筋トレのダイエットで水は冷たい方がよい?口の冷感と飲んだ量を分ける

水の冷たさ、実際に飲んだ量、運動中に失った水を戻した割合を、人の比較と動物の試験から分けて読む。若い男性13人の運動では補水の条件でホエイ後の血中アミノ酸が異なり、成人の昼食では水と食べ物の摂取量が関連した。筋トレの日の記録に使う視点と、若い女性へ応用する際の限界を整理する。

スクワットのセットを終え、ベンチの横でペットボトルを振る。氷が残っていると、今日は水分を制した気がする。冷たい方がダイエットに有利、という言い方は、口の感覚と、飲んだ量と、そのあとの食事を、一つの成功にまとめている。

人を比べた研究では、飲み心地として水の温度を変えても、肥満の参加者と肥満でない参加者の飲み方は、温度では異なるように動かなかった。差が出たのは合図の側で、水が目の前で目立つとき、肥満の参加者は肥満でない参加者より多く飲んだ。[1] 別の試験が操作したのは温度ではない。健康な若い男性13人で、運動中に失った体重を水で戻さずおよそ2.2%減った条件では、運動後のホエイに対する早い段階の血中アミノ酸が、水を戻した条件より低かった。18〜39歳の女性にも同じ反応が生じるかは、この男性の試験だけでは判断できない。[7]

既存記事「ホットヨガの冷たい水はよくない?常温との違いを体温と飲み心地から読み解く」には、暑い部屋の飲みものと体温の比較を譲る。「朝の水一杯は最後まで同じ冷たさか、口の温度感覚と飲んだ量を分ける補水の支度」には、朝の一杯で感覚が慣れる話を譲る。こちらは筋トレの日に、口の冷たさ、飲んだ量、運動中に戻した割合、食卓の水と食べ物の並びを分けて読む。体重を減らすことを、全員の目標にはしない。

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冷たい水は、飲む量の答えになっているか

1975年の比較研究は、合図の目立ち方と、飲み心地が、肥満の人と肥満でない人の飲水にどう関わるかを見ている。飲み心地として操作したのが、水の温度である。18〜39歳の女性に絞った結果として使うことはできず、体格による群分けの比較として読む。[1]

結果は二つに分かれる。肥満の参加者は、水の合図が目立つときに、肥満でない参加者より多く飲んだ。合図が遠いときには、肥満でない参加者より多く飲む、ということはなかった。[1]

もう一方で、飲み心地は、肥満の参加者と肥満でない参加者の飲水行動を、異なるようには動かさなかった。温度を変えた条件が、体の大きさによって飲み方の差を広げる、という結果ではなかった。[1]

著者らは、肥満の人が目立つ合図に過剰に反応するという仮説を、食べ物以外の刺激へ広げることを、この結果が支持すると述べている。水も、目の前にあるかどうかで群の差が動いた、という読み方である。[1]

氷の残るボトルは、冷たさの記録にはなる。飲んだ量の記録には、別の数字が要る。この比較が見たのは、運動中の飲水ではなく、肥満か否かと、合図の目立ち方と、飲み心地の組み合わせである。[1]

ロッカーの冷水機が光っていると、一口増える日がある。バッグの底の常温のボトルは、帰り道まで忘れられる。1975年の比較が分けたのも、温度の勝ち負けより、水が視界に入っているかどうかだった。冷蔵庫の性能の話に見えて、置いた場所の話に近い。[1]

口が「冷たい」と判断したことと、ボトルが何ミリリットル減ったことは、別の記録にする。感覚は感覚として残してよい。それを飲んだ量へ読み替えない。読み替えると、温度の好みと、体に入った水の量を、同じ欄で採点することになる。[1]

この比較は、肥満の人が冷たい水に弱い、とも、常温の方が節度がある、とも書いていない。体の大きさで飲み方が分かれたのは温度ではなく、合図の目立ち方だった。体型を、水の温度の道徳にしないための材料が、古い比較の中にある。[1]

筋トレの日記で「今日は冷水にした」と書くこと自体は、選択の記録として役に立つ。役に立たないのは、その一行だけで、飲んだ量も食事も済んだことにする書き方だ。温度の欄の隣に、量の欄が無い日は、1975年の比較が分けた二つの条件のうち、片方しか残していない。[1]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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周りの温度で、選ぶ水の温度は入れ替わる

マウスを使った試験は、二本の瓶で味の好みを測る方法を作り替え、飲む行動から水の温度の好みを見ている。室温そのものを変えたときに、どの温度の水へ寄るかを比べた研究である。18〜39歳の女性に、この動物の温度の好みをそのまま当てはめることはできない。[3]

研究がふつうの温度環境とした23℃では、マウスは40℃を超える水を避けた。同じ環境で、10℃の水と30℃の水は、同じように選ばれた。[3]

部屋を35℃まで上げると、好みは動いた。マウスは30℃の水より、10℃の水を選んだ。反対に、部屋を10℃まで下げると、10℃の水より40℃の水を選んだ。[3]

冷たい水が、どの部屋でも上位に来る、という順位はこの試験に無い。周りの温度が変わると、選ばれる水の温度も動いた、という結果である。著者らは、開発したこの試験が、周囲の温度の変化に伴う温度の好みを評価するのに用い得る、と述べている。[3]

対象はマウスだ。立川のジムで人が飲む量でも、食事のエネルギーでもない。好みの試験であり、冷たい側を選んだから脂肪が減った、という試験でもない。人の冬の白湯を勧める根拠にも、夏の氷水を禁じる根拠にもしない。[3]

それでも、口に入れる温度を一年中一つに固定する習慣への、動物での反例にはなる。暑い日の10℃と、寒い朝の10℃を、同じ「正しい水」として扱わない。正しさの表が先にあり、部屋の温度は無視してよい、という順番にはなっていない。[3]

真夏のスタジオを出たあとの氷水と、冬の帰り道の同じ氷水は、口では別物に感じることがある。マウスは暑い部屋で冷たい側へ、寒い部屋で温かい側へ寄った。人のボトルを、その温度計どおりに合わせろ、という指示ではない。合わせる前に、今日の室温と、自分が選んだ温度を両方書く、という比較の見本である。[3]

23℃で10℃と30℃が同じように選ばれた、という結果も残しておきたい。ぬるくも冷たくもない、ではなく、かなり冷たい水と、やや温かい水が並んだ。冷たいほど選ばれる、という一本の坂は、その部屋には無かった。[3]

40℃を超える水を23℃の部屋で避けた、という側も、熱い飲みものを一律に否定する話ではない。避けたのは、その環境のマウスが、その温度の水を飲む行動として示した好みである。人のスープの是非へ、温度の数字だけを持っていかない。[3]

戻した割合は、水の温度とは別に測られていた

健康な若い男性13人が、三つの条件を部分的なクロスオーバーで経験した。18〜39歳の女性で同じ大きさの反応になるかは、この試験からは決められない。クロスオーバーは、条件を人ごとに固定せず、同じ人が複数の条件を経験する組み方を指す。ここでの狙いは、運動による体重減少をおよそ2%、1%、0%に分けることだった。2%は運動中に水を戻さない条件、1%は失った分の半分を戻す条件、0%は全量を戻す条件として設計されている。[7]

実測は、設計の丸い数字とは少しずれた。水を戻さない条件の体重減少は2.20±0.19%、半分戻す条件は1.18±0.30%、全量を戻す条件は0.27±0.35%だった。全量を戻す設計でも、平均は完全な0%にはなっていない。戻した割合を語るときは、設計の名前と、測った減少の両方を残す。[7]

この試験が並べたのは、水の温度ではなく、運動中に失った体重のどれだけを水で戻したかである。戻さなかった条件と、半分または全量に近い条件が、その並びだ。[7]

筋トレのダイエットで水分量を考えるとき、この試験の操作は体重計の前後差を水でどの程度埋めたか、という点に置かれている。氷の音がしても、前後の体重を書いていなければ、三つの条件のどれに近いかは分からない。[7]

13人は、健康な若い男性である。運動を始めたばかりの人の全員へ、同じ減少率を目標として渡す試験ではない。2.20%まで減らせ、とも、0.27%に必ず収めろ、とも、結果は指示していない。指示ではなく、その範囲で後の反応が違った、という比較の土台である。[7]

隣の記事「筋トレのダイエットは朝と夜で握力も違う?手の温度をそろえて記録を比べる準備」は、手の温度と握力の記録の話なので譲る。飲む水の温度と、運動で減った体重を戻した割合は、同じ「温度」という語でも問いが違う。

数字で読む水の温度と飲んだ量

合図が目立つとき:肥満の参加者は、肥満でない参加者より多く飲んだ。合図が遠いとき、その差はなかった。[1]

水の温度:飲み心地として変えても、二つの群の飲み方を異なるようには動かさなかった。[1]

23℃のマウス:40℃を超える水を避け、10℃と30℃の水は同じように選んだ。[3]

部屋が35℃のマウスは30℃より10℃を選び、部屋が10℃のマウスは10℃より40℃を選んだ。[3]

2.20±0.19%:水を戻さない条件の体重減少。半分戻しは1.18±0.30%、全量戻しは0.27±0.35%で、対象は若い男性13人。[7]

1日10L:暑熱下の搾乳牛が熱的中性より多く飲んだ平均。指数が1上がると約1.5Lで、人の水筒の目標ではない。[6]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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宮川涼 Founder

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