ダイエットの運動で脂肪は何グラム燃えた?標識と呼気で測っている量を分ける

ダイエットの運動で何カロリー使い、脂肪が何グラム燃えたのか。標識を使う脂肪分解の測定と、呼気から推定する脂肪酸化は同じ数字ではない。小規模試験とメタ分析を手がかりに、毎分の量、測定の条件、食後の反応を読み分け、研究の平均を自分の運動の点数にしない見方を考える。

運動を終え、汗を拭きながら記録の消費カロリーを見る。消費カロリーの隣に「脂肪は何グラムだったのか」と書き込みたくなる。食べた量は皿で見えるのに、運動で使った燃料には領収書がない。

答えの芯は、脂肪を分解した量と、エネルギーとして使った量を分けることだ。女性3人を含む健康で活動的な成人8人の試験では、脂肪分解を抑える実験操作をしても、中程度の運動中の脂肪酸化には有意な差がなかった。測定法の違う数字を、同じ「燃えた脂肪」として並べると話が変わってしまう。男女混合の小規模試験なので、18〜39歳の女性の反応をそのまま予測する結果には使えない。[2]

既存記事「ダイエット停滞期の脂肪燃焼は息で分かる?呼吸商と一日の収支を読み分ける」には、呼吸の指標と日々の収支の問いを譲る。ここでは研究の結果欄を読む場面に絞り、標識で追った成分、呼気から計算した量、毎分という単位がそれぞれ何を指すかを確かめる。脂肪酸化の数字は測定条件でも変わるため、誰にでも当てはまる運動の採点表にはならない。[5][10][18]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

標識で追う量と、呼気で計算する量は違う

脂肪分解とは、脂肪を分解して利用できる成分を送り出す過程である。脂肪酸化は、脂肪を燃料として使う側の過程を指す。両者を別々に測った研究を読むと、「脂肪が動いた」と「脂肪が使われた」をひとまとめにできないことが分かる。[2]

健康で活動的な成人8人、うち女性3人が参加した試験では、研究者はグリセロールとブドウ糖の安定同位体を投与した。安定同位体を標識として利用し、全身の脂肪分解とブドウ糖の出入りする速さを調べたのである。一方、脂肪と糖質の酸化は間接熱量測定で評価した。同じ実験の中でも、追いかけているものと計算しているものが異なる。18〜39歳の女性だけを調べた試験ではなく、この年代の女性への適用には対象の違いが残る。[2]

グリセロールは、この試験で全身の脂肪分解を評価するために追跡された成分だ。その出現速度を調べた値に、「脂肪酸化量」という名前を付け直してはいけない。標識を使った測定だからといって、体の脂肪が何グラム減ったかを直接数えているわけではない。この研究は、脂肪分解と脂肪酸化を独立した評価項目として扱っている。[2]

間接熱量測定の側では、運動中に取り込んだ酸素と出した二酸化炭素を測り、脂肪や糖質の利用量を計算する。自転車のペダル回転数を変えた試験でも、酸素摂取量と二酸化炭素排出量を用いた式から脂肪酸化が推定された。呼気を測るという行為と、脂肪そのものを回収して重さを量る行為は別である。[18]

ここで見たいのは、測定器の名前よりも結果の名札だ。論文に「標識」とあれば、何の成分を標識したのかを読む。「酸化」とあれば、呼気などからどの量を推定したのかを読む。グリセロールの出現速度を表す結果と、脂肪の利用を表す結果が別々に並ぶ理由は、実際にその変化が一致しない場合があるからだ。[2]

たとえば研究紹介で「脂肪分解が下がった」という見出しを見ても、その時点で運動を中断する理由にはならない。同じ実験の脂肪酸化の欄まで読む必要がある。別の過程を測る指標をひとつの言葉へ押し込めると、研究が明らかにした違いを自分で消してしまう。[2]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

脂肪分解が下がっても、酸化は同じだった

この成人8人の試験では、中程度の運動中に乳酸を投与する条件と、生理食塩水を投与する条件を比べた。ほかに高強度の運動条件と、運動をしない条件も設けた。乳酸濃度を操作することで、運動強度そのものを上げた場合と切り離して、乳酸の作用を調べようとした実験である。[2]

中程度の運動は60分で行われた。乳酸を投与した条件のグリセロール出現速度は、平均7.9±2.0 µmol/kg/分で、生理食塩水の条件の10.5±2.2 µmol/kg/分より低かった。これは全身の脂肪分解が抑えられたことを示す。一方、脂肪酸化はそれぞれ7.70±2.02と7.38±1.47 µmol/kg/分で、有意な差はなかった。[2]

数字が似た書式でも、上の組はグリセロール、下の組は脂肪酸化である。µmol/kg/分は、体重あたり、時間あたりの物質量を表す単位だ。ここでは見慣れたグラムへ換算することより、何を数えた値かを保つ方が大切になる。見出しを外して数字だけを残すと、同じ測定の繰り返しのように見えてしまう。[2]

さらに高強度の条件では、脂肪酸化は5.30±2.93 µmol/kg/分となり、中程度の運動条件より低かった。乳酸濃度を高くした中程度の運動と、高強度の運動では、脂肪酸化の結果が同じにはならなかった。したがって「乳酸が増えると必ず脂肪酸化が落ちる」という説明は、この試験の結果と合わない。[2]

この結果から読み取れるのは、健康な参加者の中程度の運動では、乳酸による脂肪分解の低下が脂肪酸化を低下させるほどではなかった、という範囲だ。乳酸を投与する実験は普段の散歩とは異なり、参加者も小規模である。日常で乳酸を操作する方法を探すためではなく、体内の過程を区別するために読む研究だ。[2]

仕事帰りの運動で脚が重かったとしても、感覚からこの出現速度を逆算することはできない。実験では標識による測定と間接熱量測定を組み合わせて、ようやく違いを確かめている。自分の感想欄に書く「きつかった」と、研究の測定欄にある「脂肪分解」は、それぞれの場所に残してよい。[2]

毎分のグラム数には、測った場面が付いている

脂肪酸化量の研究では、g/分という表記もよく使われる。これはある運動条件での速さを示す単位だ。検査中に得られた最大値を、レッスン全体の平均や、その後の生活の平均として使うことはできない。負荷を段階的に変える検査では、最大値に到達するまでの時間も検査方法で変わっていた。[10]

活動的な閉経後女性17人、平均年齢69.2歳のランダムな順序で行う比較試験では、体重を考慮して負荷を上げる方式と、一定の絶対的な負荷幅で上げる方式を比較した。前者で最大脂肪酸化に達するまでの時間は765±621秒、後者では401±262秒だった。全体として最大脂肪酸化量そのものには差がなかった。閉経後女性の結果なので、18〜39歳の女性に同じ時間差が生じるかは別に確かめる必要がある。[10]

この時間の違いは、検査で最大値に到達するまでの時間である。「体内で燃えた成分が吐く息に現れるまでの遅れ」と読み替えることはできない。結果の欄にある時間を見たときも、何の開始から何の到達までを数えたかを確かめる必要がある。[10]

脂肪酸化量が低い群では、体重を考慮した方式が0.22±0.04 g/分、従来方式が0.19±0.06 g/分だった。ただし統計的に有意な差はなかった。研究は中程度の効果量にも注目しているが、脂肪酸化の増加が証明された結果としては扱えない。検査の手順を調整する意義と、確定した効果を区別したい。[10]

別の自転車運動のランダム化クロスオーバー試験では、毎分100回転と50回転を比較した。同じ参加者が条件を変えて受ける設計である。18〜39歳の女性で同じ結果が得られるかを判断するには、その層での検証が必要になる。高い回転数では、最大未満の負荷で酸素摂取量や糖質酸化が高く、脂肪酸化は低かった。一方、最大脂肪酸化量は0.58±0.16対0.52±0.15 g/分で、有意な差は認められなかった。[18]

途中の負荷での値と、検査中の最大値は別の答えになる。運動の記録を見比べるときも、「脂肪酸化が低い」とだけ切り取らず、その比較が一定の負荷なのか、各条件の最大値なのかを確かめるとよい。最大値だけを読む場合も、途中の違いが消えたことにはならない。[18]

比較したい目的も先に決めておきたい。たとえば自転車のこぎ方を変えたときの燃料利用を知りたいなら、同じ負荷での結果が手がかりになる。自分が発揮できる脂肪酸化の最大値を知りたいなら、検査中の最大値を見る。問いが違えば、同じ実験から取り出す値も違う。ペダル回転数の試験で、最大未満の負荷では違いがあり、最大値では有意差がなかったことは、その具体例である。[18]

検査結果を誰かに説明するときも、「脂肪が多く燃えた」と言い切る前に、どの運動条件のどの値かを添える。このひと手間で、検査の最大値が普段の運動全体の実績へ化けるのを防げる。[10][18]

数字で読む脂肪の測定

8人:標識による脂肪分解と間接熱量測定による酸化を別々に評価した試験の人数である。[2]

7.9対10.5 µmol/kg/分:乳酸投与ありとなしで比較した、運動中の平均グリセロール出現速度である。[2]

765対401秒:閉経後女性の検査で最大脂肪酸化に達するまでの平均時間であり、呼気への排出待ち時間ではない。[10]

0.58対0.52 g/分:ペダル回転数を変えた試験の最大脂肪酸化量で、有意差はなかった。[18]

36研究:性差を検討したメタ分析の規模であり、個人の運動目標を示す数ではない。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約