HIITトレーニングは週何回?初回の筋肉痛と次も動きたい気持ちから考える

HIITトレーニングを週何回にするか、初回の筋肉痛だけで決めてよいのか。運動中のきつさ、翌日の痛み、また動きたい気持ちを測った研究から、予定を見直す視点を考える。週の回数を比べる前に確かめたい種目や負荷の違い、痛みが軽いことと回復したことを分ける記録の工夫も紹介する。

椅子から立ち上がった瞬間、昨日のHIITを脚が思い出す。終わった直後は「また行けそう」だったのに、今日は脚が気になる。予約画面の空欄を見て、HIITトレーニングは週何回がよいのかと迷う。

答えの芯は、初回の筋肉痛だけでも、終わった直後の意欲だけでも、週の回数を決めないことだ。同じHIITという名前でも、運動の組み方で翌日の痛みやその場の感情は異なる。頻度を考えるには、何を行い、どう感じ、その後どう動けたかを分けて見る必要がある。[1][8]

既存記事「筋肉痛が遅いと予想は外れる?初回と経験後の痛みの見積もりを分けて読む」には痛みの予想という問いを譲る。ここでは予想が外れる心理の仕組みを決めつけず、初回の経験を次の予定にどう使うかに焦点を置く。回数と総量の話は「HIITトレーニングは週の頻度をどう決める?ミトコンドリアと総量の関係」に譲り、痛みと意欲の扱いを考える。

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週何回を探す前に、そのHIITの中身をそろえる

訓練を積んだ球技系競技者ら16人を対象に、走るHIITの組み方を比較した試験がある。長めの区間を走る方法から短い全力疾走までを比べると、運動中の心拍数や主観的なきつさと、翌日の筋肉痛は同じ順番に並ばなかった。全力疾走の方式では、運動24時間後の筋肉痛と血中のクレアチンキナーゼ、跳躍の高さの低下が、ほかの方式より大きかった。競技者の結果を18〜39歳の女性の初心者にそのまま当てはめるには、運動経験と実施内容の違いを考える必要がある。[8]

クレアチンキナーゼは、この研究で筋損傷に関係する血液指標として測られた酵素である。一方、筋肉痛は本人が感じる痛みで、跳躍は実際に出せる動きの成績だ。研究が別々に測ったものを、日常で「きつかった」の一言に束ねてしまうと、どこに負担が残ったのかが見えにくい。[8]

長めの区間を最大未満の強度で走る方式は、運動中の循環への要求が大きかった。ところが、筋肉痛が最も大きかったのは短い全力疾走だった。短い運動なら翌日の予定にも入れやすい、と時間だけで判断するのは早い。運動時間の短さと、筋肉に残る負担の小ささを同じ意味にはできない。[8]

予約表で同じ名前が並んでいても、実施した種目、力の出し方、休憩の取り方を確かめたい。「先週はできた」と比べるときには、先週何をしたのかも必要になる。研究の競技者と運動を始めたばかりの人は条件が異なるが、方式を区別せず回数だけを数えない、という読み方は予定づくりにも使える。[8]

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息が楽だった初回でも、痛みは別に残りうる

普段あまり運動しない過体重の男性20人を無作為に分けた試験では、筋肉が力を出しながら伸ばされる方式の自転車運動と、通常のこぐ方式のHIITが比較された。前者はエキセントリック運動と呼ばれる。合計6回の実施中、エキセントリック方式の心拍数は通常方式より平均29%、主観的なきつさは50%低かった。それでも、初期の筋肉痛は前者で大きかった。過体重の男性の結果であり、18〜39歳の女性に同じ痛みや心拍数の差が生じるかは、この比較から判断できない。[5]

この結果は「息が上がらなかったから、翌日も同じ内容を足せる」という判断を見直す材料になる。呼吸や全身のきつさが軽くても、脚の痛みまで軽いとは限らない。仕事帰りには楽に終えられた運動が、翌朝の階段では違う顔を見せることがある。運動直後の感想だけで翌日の枠まで埋めない理由はそこにある。[5]

ただし、エキセントリック方式なら必ず強く痛む、と逆方向に決めつけるのも違う。座りがちな成人43人、年齢61歳の集団を対象にした別の無作為化比較試験では、週2回を12週間続けた。エキセントリックの間欠運動と連続運動は通常方式の間欠運動より心拍数やきつさが低く、筋肉痛の発生を伴わなかった。61歳の集団の結果なので、18〜39歳の女性の頻度をそのまま決める根拠にはならない。[2]

両研究は、対象の年齢や実施期間、運動条件が異なる。初期の痛みが大きかった試験と、痛みを伴わず継続できた試験を、同じ運動名だけで矛盾と片づける必要はない。自分に近い条件を確かめながら読むべき結果である。最初の痛みを、その運動を続けた先の毎回の姿だと固定しないことも大切だ。[2][5]

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「またやりたい」は、回復とは別の返事である

適度に活動している若い成人18人が、異なる短時間運動をすべて経験するクロスオーバー試験がある。平均年齢は23歳だった。短い全力運動、バーピーを使う間欠運動、強度の高い連続走について、楽しさや好み、運動したい意図、主観的なきつさなどを比べている。若い成人の結果であり、18〜39歳の女性だけの反応として扱うには対象の違いが残る。[1]

バーピー方式は、5秒の運動と35秒の受動的な休憩を組み合わせて10回行う内容だった。連続走より楽しさ、好み、週5回行うことへの意図が高かった。全力運動の主観的なきつさは平均5.38、バーピー方式は2.88、連続走は3.55で、全力運動の方が強く感じられた。感情の快・不快の評価でも、バーピー方式の方が好ましい反応を示した。[1]

ここでの週5回は、参加者の意図を評価するときの条件である。週5回を長く実行できた証明でも、初心者に勧める頻度でもない。研究が教えるのは、同じように短時間でも、方式によって「次もしたい」の返事が変わるという点だ。予約ボタンを押したい気持ちと、回復を確かめる判断は別に持っておきたい。[1]

また、この研究の意欲の結果と、別の研究の翌日の筋肉痛をつないで「筋肉痛が意欲を下げた」とは言えない。異なる対象、異なる運動で測られた結果だからだ。痛みと意欲のずれは、両者を同じ記録欄に押し込まないための視点である。痛かった人の全員が嫌になった、楽しかった人の全員が回復していた、という話にはしない。[1][8]

頻度を増やした研究には、成果と負担が同居する

レクリエーションとして運動を行う男女30人の比較研究では、2週間に10回のHIITを行う群と、低強度運動の量を70%増やす群が設けられた。短期間に運動量を増やしたとき、走る成績と体の反応がどう変わるかを調べた研究である。いずれの群も3000m走の時間は短くなった。運動習慣のある男女の結果なので、18〜39歳の女性が運動を始める際の日程にそのまま当てはめることはできない。[20]

運動期間直後の短縮率はHIIT群で平均1.8%、低強度群で1.4%だった。回復のための週を挟んだ測定では、それぞれ2.5%、2.2%の短縮となった。一方、筋肉痛が増えたのはHIIT群だけだった。夜間の心拍変動という、心拍の間隔の揺らぎを使う指標でも、初週の変化には群間差があった。[20]

走る成績がよくなったことと、負担が増えたことは両立する。痛みがあったから失敗、成績が上がったからどんな予定でも成功、という採点では研究の半分が消えてしまう。この試験は、運動習慣のある集団が短期的に負荷を増やした条件であり、初回の筋肉痛が残る読者に、そのまま予定を移すための見本ではない。[20]

回数を比較するときは、何を目標にした試験かも見る必要がある。走る時間を短くする研究と、日常の運動を続ける予定では、評価したいものが違う。仕事や講義に支障なく通えることを重視するなら、運動成績の数字に加えて、翌日の生活で困った動作も記録する、という使い方が考えられる。[20]

研究の数字を比べるときには、平均と個人の予定の距離にも目を向けたい。走る時間の短縮率は集団の平均であり、HIIT群の値にはばらつきもあった。自分も同じ割合で伸びるという約束ではない。初回に痛みが強かった人が、同じ回数を実施すれば同じ成果に届く、と読むこともできない。[20]

また、低強度群は普段通りの活動を保った対照ではなく、運動量を増やした群である。両群で成績が向上した結果を、何もしない場合との差と読み替えないことも必要だ。低強度群の結果も一緒に読むことで、運動の強さを上げる以外に、量の組み方を検討する視点が得られる。比較相手の中身まで確認すると、高頻度のHIITだけが成果への道だという受け取り方から離れられる。[20]

初回の体験から次の予約へ進む読者が借りたいのは、短期集中の日程そのものより、成果と負担を並行して評価する視点である。通えた日を増やすことと、負担を無視して枠を埋めることを同じ目標にしない。筋肉痛が増えても走る成績は上がった、という結果を両方残して読むことが、その判断の土台になる。[20]

数字で読むHIITの痛みと意欲

18人:短時間運動の楽しさや意図を方式間で比較した若い成人の人数。長期出席の人数ではない。[1]

29%:短期試験でエキセントリック方式の心拍数が通常方式より低かった平均差。初期の筋肉痛は大きかった。[5]

24時間:走る方式の比較で、筋肉痛や跳躍の低下に差が見られた運動後の測定時点。[8]

週2回・12週間:座りがちな成人の自転車運動で使われた日程。全員向けの最適頻度を表す数字ではない。[2]

2週間に10回:運動習慣のある男女のHIIT負荷を増やした研究の日程。走る成績の向上と筋肉痛の増加が同時に見られた。[20]

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宮川涼 Founder

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