ダイエットのサウナ後は食欲も減る?自転車運動と比べた次の食事の意外な違い

サウナを出て体重が減っていても、次の食事まで少なくなるとは限らない。男性の比較試験では、同程度の体重減少でも自転車運動とサウナで空腹感と摂取量の結果が異なった。食欲不振の患者で食事量が増えた試験も読み、飲水量、甘味の感じ方、炭水化物の選び方を食欲と分けて、湯上がりの夕食を考える。

サウナを出て、脱衣所で夕食の献立を考える。体重計の数字は下がったのに、お腹はいつもどおりに空いている。「温まれば食欲も落ち着くはずだった」と考えたなら、その期待を少しほどいてよい。男性を対象にした比較試験では、サウナ後に体重が減っても、休息後に比べて空腹感と食事の摂取エネルギーが減ったのは自転車運動の条件だけだった。男性の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、別に確かめる必要がある。[1]

答えの芯は、汗をかいた後の軽さと、次の食事量は別々に確かめる必要がある、ということだ。さらに、食欲不振のある軽いうつ状態の入院患者では、温熱療法を繰り返した群で空腹感と日々の摂取エネルギーが増えた。温めることを、誰にでも働く食欲のブレーキとして扱うことはできない。患者への治療の結果を18〜39歳の健康な女性にそのまま当てはめることはできない。[1][2]

既存記事「サウナと入浴で痩せるのか 体重計の減少と体脂肪を分けて読む温熱研究の科学」には体重と体脂肪の総論を譲る。また「岩盤浴で痩せるなら食欲も減る?温めた後の空腹感と実際の食事量を読み解く」と隣り合うが、ここではサウナと自転車運動を同じ試験内で比較した結果を軸に、帰宅後に何をどれだけ食べるかという問いを追う。[1]

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同じように体重が減っても、食欲の結果は違った

直接の手掛かりになるのは、肥満のある男性とない男性を含む、合計30人の無作為化比較試験である。平均年齢は25歳で、年齢のばらつきは±7歳だった。参加者は自転車運動、サウナ、休息という条件で調べられ、条件の順序は無作為に決められた。運動した人と、普段からサウナが好きな別の人を比べた調査ではない点が、この問いには役立つ。対象は男性であり、18〜39歳の女性に同じ食欲の反応が出るかは、この試験からは判断できない。[1]

自転車運動は最大仕事率の60%で2時間、サウナも2時間、休息も2時間という実験である。最大仕事率とは、その人が発揮できる運動の強さを仕事量で表した指標だ。この時間や強度は、研究の条件を理解するための情報であり、日常でまねるための入浴計画ではない。短い利用を含むすべてのサウナに、そのまま同じ結果を当てはめることも避けたい。[1]

実験の前後には、固形と液体の食品から十分に選べる食事が用意された。食品は栄養素の選択も調べられる組み合わせで、研究者は空腹感だけでなく、実際の摂取エネルギーや栄養素の選び方も評価した。「お腹が空いていない気がする」という回答だけで、実際の食事量も調べている。[1]

結果は途中まで似ている。自転車運動後もサウナ後も、休息後と比較して体重が3±0.5%減った。一方、空腹感と摂取エネルギーが減ったのは、自転車運動後だけだった。サウナで同じように体重計が動いても、食事への反応まで運動と同じにはならなかったのである。体重計は軽さを示したが、夕食の注文まで代行しなかった。[1]

ここでいう摂取エネルギーは、食べ物や飲み物から体に入ったエネルギー量である。食べた見た目の量と完全に同じ意味ではない。液体も固形も選べる試験だからこそ、飲んだ量、食品の選択、そこから入ったエネルギーを分けて読む意味がある。「たくさん飲んだ」と「たくさん食べた」をひとまとめにすると、実験が何を捉えたかが曖昧になる。[1]

この試験から読むべきなのは「運動後なら食事を抜ける」という方法ではない。対象は男性で、見ているのは実験直後の短期反応である。翌日以降の食生活や長期の体重変化についてまで結論を広げず、サウナ後の体重減少だけを根拠に次の食事が減ると予想しない、という範囲で受け取るのが妥当だ。[1]

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喉の渇き、甘さ、炭水化物の選択を分けて読む

サウナ後には、食欲以外の反応が変わった。同じ試験では、自転車運動後とサウナ後の両方で、休息後に比べて喉の渇きと飲水量が有意に増えた。体重が減った場面で、飲みたいという反応も強くなっていたのである。体重の低下だけを成果として切り取ると、一緒に起きた水分に関わる反応を落としてしまう。[1]

「帰り道は食べ物より飲み物が気になった」という体験を考えるなら、まずこの区別が使える。喉の渇きが増したことは、空腹感が下がったことと同じではない。実験ではその両方を測り、サウナ後には渇きの増加があっても、運動後と同じ空腹感の低下は示されなかった。飲み物が欲しい状態を、そのまま食欲が消えた状態と言い換えないことが大切だ。[1]

味の感じ方にも変化があった。比較的低い濃度での甘味の知覚は、自転車運動後とサウナ後の両方で高まった。甘味の知覚とは、甘さをどのように感じ取るかという測定である。「甘い物を絶対に選びたくなる」という行動の断定とは違う。甘さを感じること、甘い物を好むこと、実際に食べることには、それぞれ別の問いがある。[1]

同時に、摂取エネルギーのうち炭水化物から得る割合が増えた。割合とは、食事全体の中での配分である。これだけを読んで、炭水化物を食べた絶対量も必ず増えた、と決めることはできない。実際、この試験では自転車運動後の総摂取エネルギーは減っている。全体が小さくなり、その中の構成が変わることは両立する。[1]

たとえば夕食を振り返るとき、ご飯を選んだことだけで「サウナのせいで食べ過ぎた」と採点する必要はない。研究で確かめたのは、渇き、味覚、エネルギーの総量、栄養素の配分という異なる指標である。家での観察も、飲み物が欲しかったのか、空腹だったのか、何を食べたのかを別々の言葉にしておくと、試験の結果との混同を減らせる。[1]

この読み分けは、食品を細かく管理するための宿題ではない。「汗をかいたから食べなくても平気なはず」という期待と、実際の空腹が食い違ったときに、自分の感覚を失敗扱いしないための整理である。サウナ後に空腹が残ることは、少なくともこの比較試験の結果と矛盾しない。食欲が下がることを利用の合格条件にしなくてよい。[1]

食欲が増えた試験は、反対の結論なのか

温めた後には食欲が減る、という一方向の説明に待ったをかけるのが、軽いうつ状態と食欲不振のある入院患者を調べた試験である。対象は28人で、温熱療法を受ける14人と受けない14人に無作為に分けられた。疲労や身体面・精神面の訴えもある患者であり、健康な人が仕事帰りにサウナを利用する場面とは出発点が違う。18〜39歳の健康な女性にそのまま当てはめるには、患者の食欲回復という目的の違いがある。[2]

温熱療法は60℃の遠赤外線乾式サウナに15分入り、その後、毛布を使って30分安静にする内容だった。週5日、4週間で計20回という反復した介入である。先ほどの男性の試験が直後の反応を見たのに対し、こちらは入院中に治療として繰り返した変化を評価している。同じ「サウナ」という名前でも、比較している時間の長さが異なる。[1][2]

温熱療法群では、対照群より空腹感、リラックスの評価、身体的な訴えが改善した。血中グレリン濃度と毎日の摂取エネルギーも有意に増えた。グレリンは食欲に関わるホルモンである。この患者群では、もともと低下していた食欲が改善する方向の変化が観察された。「食べる量が増えたから悪い結果」と読むと、治療が目指したものを取り違える。[2]

ただし、有意に増えたという結果を「大幅に増えた」と言い換えることもしない。有意差は群の差についての統計的な判断であり、日常でどれほどの変化として感じるかという大きさと同じではない。また、グレリンと摂取エネルギーが一緒に増えたことだけで、食欲の変化がすべてこのホルモンによって起きたと断定するのも飛躍だ。[2]

両試験を並べると、答えが割れたというより、対象と目的の違いが見えてくる。男性の短期試験では、サウナは運動と同じ食欲抑制を示さなかった。食欲不振の患者に繰り返した試験では、食欲が回復する方向だった。温熱刺激が常に食欲を下げるという説明には、どちらも収まらない。一方の結果を隠して片方だけを宣伝に使う読み方は避けたい。[1][2]

数字で読むサウナ後の食事研究

30人:肥満のある男性とない男性を含む、運動・サウナ・休息の比較試験の参加者数である。[1]

3±0.5%:自転車運動後とサウナ後に観察された体重減少であり、食事量の減少率ではない。[1]

28人:食欲不振のある軽いうつ状態の入院患者を対象とした無作為化試験の規模である。[2]

4週間:患者の温熱療法を反復した期間で、食欲と毎日の摂取エネルギーは増加した。[2]

20回:食欲不振のある患者が4週間で受けた温熱療法の回数であり、日常の利用目標ではない。[2]

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宮川涼 Founder

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