体脂肪率と女性のウエストは一緒に減る?運動後と追跡時で違う数字の読み方

体脂肪率は下がったのにウエストが変わらない。その逆もある。女性を対象とした運動研究などから、全身の割合と腹囲を別々に読む理由を考える。両方が減った研究と、追跡時に逆方向へ動いた試験を比べ、平均値や有意差を自分の記録へ当てはめすぎず、次に何を確かめるかを整理する。

朝、体組成計の体脂肪率を見てから、巻尺を取り出す。数字は下がったのに、ウエストの記録は前と同じだ。そこで「運動が足りない」と結論を急ぐ前に、別々の欄へ書いておきたい。健康な高齢女性の運動研究では、体脂肪率が減る一方、腹囲には統計的に明確な変化が認められない例がある。18〜39歳の女性の変化量を直接予測する結果には使えない。[6]

体脂肪率とウエストは、別々に変化を確かめる必要がある。両方が減る研究もあれば、腹囲だけに明確な減少が認められる研究もある。ホルモン療法中の乳がんの女性を追った試験では、追跡時の体脂肪率と腹囲が逆方向に動いた。治療という条件があるため、健康な18〜39歳の女性の経過へそのまま当てはめずに読む。[3][7][20]

既存記事「体脂肪率と健康について」には健康全般の話を譲る。ここで考えるのは、運動を続けたあと、全身の脂肪に関する割合と、お腹まわりの数字がそろわなかったときの読み方である。体型を変えることを全員の宿題にはしない。記録を取る人が、自分の変化を早合点しないための話だ。

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体脂肪率と腹囲を同じ成績表にしない

運動研究では、体脂肪率、脂肪量、腹囲、除脂肪量などを別の評価項目として扱う。高齢女性を対象とした研究でも、体脂肪率は相対的な体脂肪の指標として、腹囲とは別に集計されている。高齢女性の集計値を18〜39歳の女性の目標には用いず、指標の区別に注目する。[1][6] 体脂肪率の単位は割合、腹囲の単位は長さである。大学生の運動研究の統合結果でも、それぞれの差は別々の単位で報告されている。[3]

したがって、体脂肪率の変化量から、そのままウエストの変化量を読み取ることはできない。これは単位をそろえれば解決する話でもない。脂肪量や筋肉量も含めて調べた研究で、運動法による差が認められた項目と、認められなかった項目は分かれているからだ。[3] 記録帳に欄が分かれているのには意味がある。

「体脂肪率が下がったのなら、お腹も同じように変わるはず」という期待は分かる。しかし、その対応を前提にすると、どちらかの数字が足踏みしただけで、もう片方の変化まで取り消してしまう。研究を読む際には、まず体脂肪率の結果を読み、それから腹囲の結果を読む。高齢女性の統合結果は、その順番を省かないほうがよい例である。[6]

家庭の記録でも、体脂肪率の欄を見ながら腹囲の空欄を想像で埋めないことだ。服の着心地を残したいなら、それも別の言葉で書けばよい。数字と感想を無理に同じ結論へまとめる必要はない。ここでは家庭用機器の精度や、割合の計算式そのものへ話を広げず、実際に別々に報告された運動後の結果を見ていく。

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体脂肪率が下がっても腹囲がそろわない研究

健康な高齢女性を対象にした系統的レビューとメタ分析では、監督下の運動と運動をしない対照条件を比較した無作為化比較試験が統合された。無作為化比較試験とは、参加者を偶然の割り付けで群に分けて比べる研究である。この分析には23試験が含まれた。対象年齢が異なるため、18〜39歳の女性にも同じ変化量が生じるかは、この結果だけでは判断できない。[6]

体脂肪率の差は平均でマイナス2.47ポイント、95%信頼区間はマイナス3.42からマイナス1.53ポイントだった。一方、腹囲、体重、体幹の脂肪量、除脂肪量、骨格筋量には有意な変化が認められなかった。体脂肪率の減少についての証拠の確かさは中程度、腹囲を含むその他の多くの項目では低いと評価された。[6]

ここでの「有意な変化がない」は、腹囲が全員ぴったり同じだった、という意味に読み替えない。統合された研究の判断として明確な差を確認できなかった、という結果である。反対に、体脂肪率の平均差を参加した人全員の成績だと考えることもできない。平均の数字は、個人の次回の測定値を予約するものではない。[6]

この結果から、自分にも同じ割合の減少が起こると期待するのは飛躍だ。対象は高齢女性であり、通勤帰りに運動を始めた若い女性とそのまま重ねられない。[6] それでも、「体脂肪率が変わるなら腹囲も必ず変わる」という読み方を見直す材料になる。年齢別の目標値を作るためではなく、評価項目を別々に確かめるために参照したい研究だ。

高齢女性の分析では、有酸素運動、筋力トレーニング、それらを組み合わせた運動が扱われている。[6] つまり、ここで目にしているのは、特定の腹筋運動だけを試した結果ではない。腹囲の変化がはっきりしなかったことから「お腹の運動を増やせば解決する」と、種目の変更まで即決することはできない。結果を読んだ直後の予定変更は、少し待ってもよい。

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腹囲の変化が明確でも体脂肪率は別だった

逆の組み合わせもある。過体重または肥満があり、代謝機能の障害に関連した脂肪性肝疾患を持つ人を対象とした系統的レビューとメタ分析では、26論文に含まれる29研究、計1123人が分析された。疾患のある患者の結果であり、健康な18〜39歳の女性へそのまま当てはめることは避けたい。運動介入によって腹囲は有意に減少した一方、体脂肪率の減少は統計的有意性に達しなかった。[7]

腹囲の標準化平均差はマイナス0.41、体脂肪率はマイナス0.25で、後者の有意確率は0.061だった。[7] 標準化平均差は、測定のばらつきを考慮して差を共通の尺度で表す数値だ。この数値をセンチメートルや体脂肪率のポイント差として読まない。腹囲がマイナス0.41cm減った、という結果ではない。[7]

高齢女性の分析と並べると、一方は体脂肪率で明確な減少、もう一方は腹囲で明確な減少という組み合わせになる。[6][7] ただし、同じ人に同じ運動を行わせた直接比較ではない。対象者の健康状態も研究のまとまりも異なるため、結果の違いを年齢だけ、疾患だけ、運動の種類だけのせいにすることはできない。

どちらの研究でも「数字がそろわない」という場面は読むことができるが、原因の特定には別の検討が必要だ。[6][7] 巻尺のほうがいつも優秀だ、体組成計のほうが本質を捉える、と勝者を選ぶ話ではないのだ。洗面所で、測定道具同士の決勝戦を開く必要はない。健康状態に応じた評価が必要なときは、自己判断の順位づけではなく医師に相談する。

両方が減る結果も、運動法の万能宣言ではない

そろわない研究だけを見ると、体脂肪率と腹囲は無関係に動くように感じるかもしれない。しかし、大学生を対象にした20件の無作為化比較試験、計745人のメタ分析では、高強度の運動と休息などを交互に行うインターバルトレーニングと、中程度の強さを持続する運動が比較され、前者に有利な差が両方の指標で認められた。大学生の統合結果を、18〜39歳の女性全体に固有の効果量として使うことはできない。[3]

持続的な運動と比べた平均差は、体脂肪率でマイナス1.21ポイント、95%信頼区間はマイナス2.12からマイナス0.30ポイント。腹囲ではマイナス1.33cm、95%信頼区間はマイナス2.40からマイナス0.26cmだった。[3] これらは高強度の群が開始前からそれだけ変わった、と単純に読み上げる数字ではなく、比較した運動法との間の差である。

一方、筋肉量や腰まわりではなくヒップの周径などには、運動法の間で有意差が認められなかった。体組成に関する証拠の確かさは、多くが中程度、低い、または非常に低いと評価された。[3] 体脂肪率と腹囲がともに有利だったことを、全身のあらゆる指標で優れていたという宣言へ広げないことが大切だ。

過体重または肥満の成人女性2315人、43試験をまとめたネットワークメタ分析もある。これは複数の運動法をまとめて比較する手法で、体脂肪率では強い有酸素運動が有利な確率を示し、腹囲では中程度から強い有酸素運動が好ましい結果を示した。脂肪量では高強度インターバルトレーニングが有利だった。過体重・肥満という参加条件があり、18〜39歳の女性全員に共通の順位としては扱えない。[1] 同じ分析の中でも、見る指標によって運動法の評価は変わる。

順位は、自分の生活へそのまま貼る時間割ではない。女性の分析では除脂肪量について、対照条件を上回る統計的に有意な改善はどの介入でも確認されなかった。[1] 「この種目なら体脂肪率も腹囲も筋肉も全部思いどおり」と期待を束ねるより、何を比べた順位なのかを確かめるほうが役に立つ。

数字で読む、そろう変化とそろわない変化

高齢女性の23試験では、体脂肪率の差はマイナス2.47ポイントだったが、腹囲には有意な変化が認められなかった。[6]

脂肪性肝疾患のある過体重・肥満の人1123人の分析では、腹囲の標準化平均差はマイナス0.41、体脂肪率の減少は有意ではなかった。[7]

大学生745人の比較では、高強度の運動に有利な群間差が体脂肪率でマイナス1.21ポイント、腹囲でマイナス1.33cmだった。[3]

女性2315人の統合分析では、体脂肪率、脂肪量、腹囲で好ましい結果を示す運動法の並びが一致しなかった。[1]

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宮川涼 Founder

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