バランス能力は暗算しながら鍛えるべき?注意の配分と練習後に残る効果を読む

バランス能力を鍛えるとき、暗算を足せば練習の効果は長く残るのか。若い成人の片脚立ちと高齢者の歩行試験から、注意の配分、練習後の保持、別の課題への転移を読み分ける。その場で立てることと後日もできることの違い、計算と足元を一緒に評価する理由、安全に練習を相談する視点を示す。

片脚で立つだけならできるのに、頭の中で引き算を始めると足元が気になる。そこで「暗算をしながら練習すれば、普通に立つより鍛えられるのか」という疑問が生まれる。若い成人を対象とした試験には、注意を多く使う計算を伴う練習で、練習後に残る技能が良好だったという結果がある。問うべきは計算の難しさだけでなく、何が後日まで残ったかである。[6]

大切なのは、練習中の出来栄えと、練習から日を置いてもできること、さらに別の場面でも使えることを分けることだ。高齢者の試験では注意の向け方を変える練習が後日の成績に有利だった一方、新しい二重課題には改善が移らなかった報告もある。暗算は万能の上乗せではなく、何を学ぶかを変える条件なのである。[8][9]

既存記事「ヨガの立ち姿勢は暗算しながらだと揺れる?頭の作業と足元の安定を読み分ける」は、その場の揺れを考える記事である。ここでは、暗算を伴って練習した後に何が残るかを問う。立川駅のホームで行き先を考える場面は想像の入口にはなるが、ホームを練習場所にする話ではない。

既存記事「バランス能力は筋トレだけでも伸びる?脚の力と立つ練習の役割を分けて読む」には、筋力強化と立つ練習の比較を譲る。ここで比べるのは、バランス練習に伴う注意の要求と、注意を向ける先である。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

暗算を足すと、練習の何が変わるのか

運動と頭の作業を同時に行う条件を、二重課題と呼ぶ。ここで取り上げる研究では、片脚立ちと数唱、歩行と認知課題などが組み合わされている。認知課題とは、数を数える、計算する、答えを判断するといった頭の作業のことである。同時に行う作業の内容によって、練習条件は変わる。[6][8]

若い成人の研究で比べられたのは、単に「計算あり」と「何もなし」ではなかった。前向きに数を数える注意要求の小さい課題と、数を操作する注意要求の大きい計算課題だった。つまり、頭を使うかどうかだけでなく、どの程度注意を使うかを変えていた。この比較を「暗算を追加すると必ず効果が出る」と読み替えると、研究の問いが変わってしまう。[6]

足の位置や体の揺れに集中する以外にも、学びを助ける可能性のある条件がある。この試験の著者は、姿勢から注意をそらし、より自動的な過程が学習に関わることが、保持を助けた可能性を示している。ただし、これは結果の説明として提案された考え方であり、仕組みの検証と技能の測定は区別する必要がある。[6]

たとえば、立つことに集中した練習と、頭の作業をしながら立つ練習では、目標を同じ言葉で「バランス」と呼んでも条件が違う。静かに立てるようになりたいのか、別の作業があっても動けるようになりたいのか。後者を評価するなら、頭の作業を伴う場面を実際に測る必要がある。高齢者の試験では、単独の練習で改善しても二重課題では改善が見られない結果があった。[8][10]

ここで暗算の点数だけを上げることを目標にすると、足元の練習として何が変わったかが分からなくなる。逆に、足元だけを見て頭の作業を無視しても、同時にこなす能力の評価にはならない。歩行と認知課題の両方を測った研究は、注意の振り分けを練習の一部として扱っている。[9]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

若い成人では、練習をやめた後の片脚立ちに差が出た

Lauferの無作為化比較試験は、平均年齢24.0歳の64人を対象に、認知課題を伴う片脚立ちの練習を調べた。練習は3日間行われ、終了から2日後に技能の保持が評価された。保持とは、練習直後の上達ではなく、時間を置いても学んだことが残っているかという視点である。[6]

練習によって、揺れの平均速度と振幅のばらつきが減った。さらに、注意要求の大きい条件で練習した群では、技能の保持が良好だった。練習中に注意を使わせることが、後日の結果と結び付いた点が、この問いに対する直接的な手掛かりとなる。[6]

ただし、この結果の大きさを、日常の立ちやすさが何割増えるといった数値へ置き換えることはできない。研究が評価したのは、設定された条件での片脚立ちと揺れの指標である。通勤時の混雑、荷物を持つ動作、ヨガの複雑な姿勢まで同じだけ改善すると受け取らず、まずは練習課題に近い技能の保持として読むのが妥当だ。[6]

この研究は、練習していない側の脚にも目を向けた。練習した脚と練習していない脚には、どちらの訓練条件でも似た変化が見られた。学びが別の課題や部位へ移ることを転移と呼ぶが、この場合に確かめたのは反対側の脚への変化である。暗算の難しさによる保持の違いと、反対脚への変化は、別々の結果として整理したい。[6]

左右の脚の記録を比べるなら、支持する脚だけでなく、同時に行う頭の作業もそろえると比較の意味が明確になる。右脚では数唱、左脚では予定を思い出すという違いがあれば、脚と頭の作業の両方が変わる。反対脚への変化を調べたこの試験は、何を同じにして比べるかを考える材料にもなる。[6]

若い読者にとって年齢が近い研究であっても、片脚立ちの実験を自分の生活全部へ広げる必要はない。まず「練習直後に立てた」以外の物差しを持つことに意味がある。翌日以降の同じ課題を確かめる発想は、当日の成功だけで学習を判断しないための視点となる。[6]

注意の向け先を変える練習は、後日にも残るのか

バランス障害のある高齢者23人、平均年齢74.8歳を対象にした無作為化比較試験では、単独課題、優先順位を固定する二重課題、優先順位を変える二重課題を比較した。個別の練習は1回45分、週3回、4週間である。18〜39歳の女性に同じ練習量や保持の結果をそのまま当てはめるには、対象年齢とバランス障害の有無が異なる。[8]

優先順位とは、同時に行う作業のうち、どちらへ注意を向けるかという指示のことである。この試験で特徴的なのは、二重課題を行わせるだけでなく、注意の向け方まで比較した点だ。比較する際は、課題名に加えて指示の内容も確かめたい。[8]

練習後、バランス検査の成績は全群で改善し、通常の歩行も速くなった。バランス検査の効果量は0.72、歩行速度の効果量は0.27だった。効果量は変化の大きさを比較するための指標であり、速度がその数字だけ増えたという意味ではない。検査が良くなったことと、何をしながら歩けるようになったかは分けて読む必要がある。[8]

認知課題を加えた歩行速度では、二重課題を練習した群だけが有意に改善した。効果量は優先順位固定群で0.57、優先順位を変える群で0.46だった。さらに、練習開始から2週目に効果が現れ、終了から12週後にも効果が保たれたのは、優先順位を変える群だけだった。[8]

ここで、効果量の数字が大きい群を単純に優勝とするのは早い。練習終了時の変化の大きさと、早く学べたか、時間を置いても残ったかは、異なる問いである。目的が長く使える技能なら、後日の検査を含めて判断したい。この試験が示すのは、注意の配分に関する指示が、学習の速さと保持に関係するということだ。[8]

日常の場面を相談に使うなら、「動きながら考える」をもう少し具体的にしたい。たとえば料理中に次の手順を思い出す場面と、会話をしながら歩く場面では、頭の作業も動作も異なる。困るのは返事が止まることか、足が止まることか。個別に課題と指示を設定したこの試験を読むと、相談時にも場面と困り事を組にして伝える意味が見えてくる。[8]

また、通常の歩行速度にも改善があったため、単独課題の練習を無駄とする結果でもない。静かに動けることを優先する段階と、頭の作業を伴う動きを目指す段階では、知りたい成果が違う。注意の配分を工夫するという話は、基礎となる動作の練習を飛ばす提案ではなく、目的に応じて何を評価するかを考える話である。[8]

数字で読む二重課題の学び

64人・平均24.0歳:注意要求の違う課題を伴う片脚立ちを比較した対象である。[6]

練習終了から2日後:若い成人の試験で、技能の保持を確かめた。[6]

23人・平均74.8歳:注意の優先順位を含む練習法を比較した高齢者の試験である。[8]

12週後:優先順位を変える群で、二重課題の訓練効果を保持していた。[8]

30日後:パーキンソン病の研究で反応的な姿勢制御の保持が認められた一方、二重課題への転移は認められなかった。[12]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約